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___6月30日(水)

 タグ打ち更新がだるくなってきたので、別館はてなだいありー設置を検討中。タグ打ちだとミスが出て、ただでさえダメなレイアウトが余計にダメになるのがなかなかに辛いのです。


【今日読んだ本】

楽園の魔女たち 楽園の食卓(後編) (樹川 さとみ/コバルト文庫)amazon

 全21巻の長寿シリーズ、ついに最終巻。



あらすじ
虹の谷よ、永遠なれ――。
帝国と北方部族の戦争は避けられない情勢に。一縷の望みを託し、ファリスとマリアは首長の息子の行方を探す。一方、帝国軍率いるダナティアに魔の手が…! 大人気魔法ファンタジー、フィナーレ!
 

 すごく楽魔女らしい最終巻。こんな長い作品のあんなところでアディくん持ってくるなんて、普通じゃありえない。でもこの根底にあるコメディぷりが、楽魔女の楽魔女たる所以なわけで、ラストの通貨単位など笑いどころはたくさん。それでいて内容もてんこもり。正直覚えてない伏線もあったりして全部回収されたかは分からないけれど、大体の話に決着はついたし(ごくちゃんの正体もついに分かった!)、四人ともに仲間を思って動いている様子は読み手に伝わってくるし、すごく面白かった。メインの4人をはじめとして登場人物みんな好きで甲乙つけがたいけれど、あえて一人選ぶなら……サラかな。
 これだけ長く続いたのに中だるみせず、最後も綺麗に締めた話はあまり知らないし、間違いなくコバルトの名作の一つ。

評価 ☆☆☆☆★(9)



スリピッシュ! ひとり歩きの姫君(後編) (今野 緒雪/コバルト文庫)【amazonじゃまだ見つからない……】

 今日しっかり早売りされてました。昨日前編読んどいてよかった。



あらすじ
謎が解決するクライマックスへ…!
“女難”の相を告げられた、東方検断長官兼囚人のアカシュ。謁見の場でアカシュは国王に呼びとめられ、王妃の寝室に連れていかれる。そこに寝ていたのは王妃ではなく…。すべての謎が明らかに!?
 

 これは期待以上に面白かったなあ。最近のマリみてがひどい分出来のよさが目立つ。もちろん世界設定が好みというのもあるんだろうけど、それをさしおいても差が激しいです。
 人物の入れ違いや情報の錯綜の書き方がうまく、トラブルっぷりがよく出ていて楽しい。新キャラ登場で徐々に明かされるアカシュの家系、生まれる新たな人間関係の謎。そしてなによりロアデルさいこー。とりあえず作者さんはこれからも続きを書く気はあるみたいなので一安心。もはや惰性買いになりかけているマリみてを読みつつ首を長くして次巻を待ちます。

評価 ☆☆☆☆(8)



いつかマのつく夕暮れに! (喬林 知/角川ビーンズ文庫)amazon

 なんちゃって魔王ファンタジーコメディ、シリアス気味の後編。

あらすじ
 捕まっちゃって大ピーンチ!なおれ・渋谷有利(職業:魔王)は、なにかの手違いでこっちに流れついた親友の村田健と一緒に、魔族と敵対する人間たちの国シマロンを横断することになってしまった!頼みの綱の臣下たちはといえば、王佐がおキク人形と雪男に分離し、長男は赤のアニシナに振り回され、三男は婚約者を捜して三千里、それから次男は…きっと絶対、どこかで生きてるはずで…。痛快ファンタジー、怒涛の急展開。
 

 後編かと思ったら中編だった_| ̄|○ シリアスの割にはちょっと中身が薄めな気が。ところどころにキレがいい台詞や文はあるけど、もうちょっと濃縮して展開早くした方が個人的には好み。あと、村田が、村田がなぁ……。そっち方向に話持っていくのすげー気に食わない。親友は親友らしくしててください。

評価 ☆☆(4)



異端者シェンT 聖なる矢 (三浦 真奈美/A‐NOVELSファンタジーシリーズ)amazon

 久々に三浦さんのファンタジー。「T」とついていますが、レーベル自体が即死したために「U」以降は存在しません。悲しすぎる。

あらすじ
 教会の権力が各地に蔓延し、異端審問の嵐が吹き荒れる中、ハイデラバード藩王が処刑された。そして、新たな藩王を告げる「聖なる矢」がとある家に放たれる。しかし、その家には藩王となるべき男の子はおらず、己を男と称する風変わりな娘、シェンがいるだけだった。幼なじみのダートとともに藩都へと旅立つシェンだが、その行く先には数々の受難が…。
 

 まだ序章じゃんこれ。・゚・(ノД`)・゚・。 教会全盛の時代、心は男・体は女の少女が、当然男しかなれない藩王の座について「異端王」となる話。のはずが、座についたところで終わっちゃってます。まだ周りにもばれてないし、陰謀も序の口だし、成長するにつれ女っぽくなって葛藤があるはずだし、これから絶対面白くなるのに。つーづーきーをーよーまーせーろー!

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

スリピッシュ! ひとり歩きの姫君(後編) (今野 緒雪/コバルト文庫)
鏡のお城のミミ やさしい花嫁のすすめ (倉世 春/コバルト文庫)
楽園の魔女たち 楽園の食卓(後編) (樹川 さとみ/コバルト文庫)



___6月29日(火)

 無知を笑って許すほど、世界は優しくない。火の怖さを知らない子供は、痛い目にあってはじめてその恐怖を理解するんだ。


 ――2日目にして、ボロ負け。


【今日読んだ本】

スリピッシュ! ひとり歩きの姫君(前編) (今野 緒雪/コバルト文庫)amazon

 これもマリみての作者さんの別シリーズ、中世ベースのファンタジー。
 これが3巻で、まだ2巻を読んでないのですが、来月頭に後編が発売されるので泣く泣く崩すことに。というのも、2巻がどこにも売っていないのです。20件くらいは本屋まわったのにどこもマリみてばっか。1巻を置いてあったのも2件くらいという惨状。同著者の別シリーズというのに、ライトリーダーは興味をもたないのでしょうか? amazonによる売上げランキングだと、

一番売れていないマリみて     ……1162位
一番売れている夢の宮・スリピッシュ……100000位前後

 ……ひどすぎる。まあマリみてワッショイな時期に出してくれるだけでも出版社に最低限の感謝を。

あらすじ
ワースホーン国の王都エーディックには三つの牢城が存在する。その中の一つ、東方牢城―城主と囚人という二つの顔を持つ少年アカシュが仕切るここは、謎と騒動が満ちていた。ある日、アカシュは雑居房にいる予言者から“女難”の相を告げられる。いっぽうカタブツ執務官トラウトには見合い話が…働き者の娘ロアデルにデートの練習相手を頼むのだが―!?早くも大波乱の予感で、待望のシリーズが再開。
 

 あとがき読んだらこの後編、当初は去年春予定だったことが判明。マリみてめ……。
 どこが面白いかと問われると説明しづらいけれど、結構好きな話。話の舞台が牢城なくせして、登場人物を含めすごい優しい雰囲気を持っていて、その辺りが気に入っているのかな。大事件がおきたりバトルがあったりはしないけれど、心暖まる。恋愛要素がない少女小説の王道と言えるかも。下巻も楽しみ。

評価 ☆☆☆★(7)



R.O.D 第3巻 (倉田 英之/集英社スーパーダッシュ文庫)amazon

 紙で戦う読書狂が主人公のアクション・サスペンス(嘘)、第三弾。

あらすじ
 大英図書館で司書として働くウェンディ・イアハート、19歳。同僚のカレンとともに、特殊工作部の要員の募集に申し込んでいた。そんな中、クライブ・カッスラーの『風の止まる庭』の生原稿が、何者かによって偽者とすりかえられてしまった!カレンはなんと、自ら原稿を捜すと言い出す。ジョーカーは、ウェンディにも原稿の捜索を命ずるが…!?ウェンディ、読子、ねねねを主人公にした、一冊の本をめぐるスリーサイドオムニバス。
 

 ただの短編集かと思ったら、とある一期間を場面ごとでぶったぎり、それぞれを別の視点から見た短編の集まりで、順番などは変えてあるものの大きくみれば一つの話。話の順番が巧妙で伏線がうまく働いているし、無人島で本に飢える読子の話が面白かったです。新キャラのウェンディは……どうでもいいや。
 あとがきに「次巻からは過去をからめます、謎の組織も出ます、ジェントルメンの目的も見えてきます」といった全く期待してない事柄たちが書かれているので、とりあえずこのシリーズはここまで。

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

ガラスの麒麟 (加納 朋子/講談社文庫)



___6月28日(月)

 突然ですが 株、はじめました。

 初日の今日は見事に負けました_| ̄|○ この世界にビギナーズラックはないようです。


【今日読んだ本】

夢の宮 王の帰還(上) (今野 緒雪/コバルト文庫)amazon
夢の宮 王の帰還(下) (今野 緒雪/コバルト文庫)amazon

 マリみての作者がおくる、中華風世界の城の宮その他を舞台とした、王族たちの物語。


あらすじ
鸞王の第二王子としてこの世に生を受けた主人公は、異母兄と何かと比べられながら育ってきた。母の汀嬋は主人公に王位を継がせようとしていたが、彼自身はそのような野心を持ってはいなかった。愛する幸婉と幸せになることだけを望んでいたのである―。だが、兄の結婚と父・鸞王の死がきっかけとなって、兄弟の運命は大きく変わり始めた。異母兄に憎しみを抱くようになった主人公は…。
 

 今作は、王子の兄弟を中心とした、世代を超えた業の物語。すれ違いゆえにおきる悲劇は結構話として好きだし、それを締めるのに登場人物をほぼ一変させた物語を下巻一冊まるまる使って繰り広げるのは、なかなか斬新で成功してるんじゃないかと。ただ、すれ違いに行くまでの主人公に共感できないんだよなぁ。母の刷り込みにしっかり反発してるのに、母を捨てきれないで兄に疑念もつのがどうにも腑に落ちない。下巻の恋愛要素が薄いのも不満、なんかもったいない。

評価 ☆☆(4)



___6月27日(日)

 自分を追い込んだ甲斐あってか、宝塚記念は見事的中ヽ(´ー`)ノ。閉鎖する気まんまんだったんですけどね_| ̄|○


【今日読んだ本】

R.O.D 第2巻 (倉田 英之/集英社スーパーダッシュ文庫)amazon

 本マニアの本マニアによる本マニアのための小説、第二弾。


あらすじ
どこにでもありそうなありふれた図書館。壁際の本棚の向こうに、大英図書館特殊工作部、日本支部はある。ジョーカーは会議で、『黒の童話集』の件について報告をしていた。読子の功績をアピールするジョーカーだったが、ジェントルメンはなぜか読子の能力について否定的だった…。BBCの放送開始の知らせを受け、会議は中断された。世界最大の書店『バベル・ブックス』開店のニュースが画面に流れる。オープンを待つ客の行列の先頭にはなんと、読子がいて…。
 

 本屋が舞台ということもあり1巻よりも本描写が増えて、その分楽しくなってるなぁ。銃ぶちはなしたり紙で戦ったりする場面もあるけれど、アクションは正直どうでもいい。本への愛さえあれば楽しめる話。ふと目をやったところに、長い間探していた本を発見した時の感動の描写を読めるのはこの小説だけでしょう。しかし、裏を返すとそれを取ったら何も残らないので、あと1,2巻で投げるかも。

評価 ☆☆☆★(7)



半分の月がのぼる空 looking up at the half‐moon (橋本 紡/電撃文庫)amazon

 SFから現代物まで、幅広い作風の橋本氏の近作。「バトルシップガール」はずるずると惰性買いし、「リバーズエンド」は即切ったのですが、これは現代舞台の超常現象が出てこない話として評価が高いみたいなので、もらえること(下の方参照)だし読んでみることに。。

あらすじ
 いきなり入院した。僕にとってはちょっと早い冬休みみたいなもんだ。病院には同い年の里香って子がいた。彼女はわがままだった。まるで王女さまのようだった。でも、そんな里香のわがままは必然だったんだ…。里香は時々、黙り込む。砲台山をじっと見つめていたりする。僕がそばにいても完全無視だ。いつの日か、僕の手は彼女に届くんだろうか?彼女を望む場所につれていってあげられるんだろうか―?第4回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞の橋本紡が贈る期待の新シリーズ第一弾、ついに登場。
 

 あーなるほど、確かにこれはいい。ちょっと中盤が短い気はするものの、思春期の青臭さが存分に描かれてる。最近じゃ「三月、七日。」が青臭さを書いた話だったけど、あちらは周りとの違和感に思い悩んだりする現代的な思春期をテーマにしてたのに対し、こっちは恋する少年少女の青臭さ。空気みたいにすらすらっと読める文章も作風にあっててグー。もうちょっと歳取ったら楽しめなくなりそうだけど、ぎりぎりセーフでした。


評価 ☆☆☆★(7)


【本日もらったもの】

R.O.D 第3巻 (倉田 英之/集英社スーパーダッシュ文庫)
半分の月がのぼる空 looking up at the half‐moon (橋本 紡/電撃文庫)

 某オフ会で、いらない本同士を交換してゲット。



___6月26日(土)

 あまりにも当たらないので、宝塚記念が外れたら、競馬コーナーは秋競馬開幕まで仮閉鎖します。ちょっと修行しなければ……。


【今日読んだ本】

きっとマのつく陽が昇る! (喬林 知/角川ビーンズ文庫)amazon

 昨日に引き続き「まるマ」シリーズ、第6巻。


あらすじ
真夏の海でアルバイト中、またまた流されて真魔国にたどりついた毎度おなじみ、おれ・渋谷有利の職業は魔王。ところが出迎えてくれたコンラッドたちの様子が変だ。どうやら今、こっちの世界では大変なことが起こっていて、俺が喚ばれたのもその陰謀によるものらしい。―なんて言ってるうちに、おれは敵国のどまんなかに転送されてしまった!おいおい、笑えなくなってきたぞ!?痛快ファンタジー、驚愕の新展開。
 

 うわ、ただの友人を異世界に引っ張り込むとは。この友人がまた変人なため、異世界へのギャップの描き方に味が出ていてなかなかに面白い。でも、シリアス部分との解けこみ具合はいまいち。こんな変な人にしなくてもよかったのでは……。話自体は上下巻の上巻なのでなんとも言えず。下巻も手元にあるので明日あたり読もう。

評価 ☆☆☆(6)



精霊宮の宝珠 (前田 珠子/コバルト文庫)amazon

 前田さんの数少ない「完結」しているシリーズ。なんといっても全1巻だし。単発or雑誌連載でしか完結させられないらしいです……。

あらすじ
 月の精霊宮に住むフィラーンは『月の乙女たち』のひとり。月の司である精霊の女王の末娘。銀の髪、菫色の瞳の美しい少女だ。月が消える新月の夜、この聖なる宮殿に賊が忍ひこんだ。男は草原の民ジルク族のオランザ。彼は神宝の『月光珠』を盗んだばかりか、フィラーンの唇まで奪って逃げたのだ。人間界におりてスルフェと名を変えた少女は、盗まれた宝珠を捜す旅に出た…。
 

 人間ではないために「恋」を理解できない少女が人との暮らしの中で徐々に変わっていく物語。伏線が張ってあったライバルが後半全然出てこないのは気になったものの、変わり方の描写がいいし、悪くない恋愛物語。でも、破妖の方が好きだなぁ。


評価 ☆☆☆(6)



___6月25日(金)

 電車の中、不覚にも読む本が尽きたのでなんとなく外を眺めていたら、
「本お売りください」の文字キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

 こんなところにブックオフがあったなんて! 今まで気づかなかったとは不覚です。定期券内なので即降り。さぁ、どんな掘り出し物があるんだろう。

「7月3日グランドオープン」

 そりゃ今まで気づかないわけだ_| ̄|○


【今日読んだ本】

閣下とマのつくトサ日記!? (喬林 知/角川ビーンズ文庫)amazon

 「まるマ」シリーズ第5巻は、シリーズ初の短編集。


あらすじ
 ギュンター王佐閣下の「陛下ラブ日記」が、ついに……!? 魔王ユーリ陛下に一途な忠誠を誓うギュンター閣下。彼が日々書きためていた愛と妄想の日記が眞魔国で出版されることに!魔族三兄弟の重大な秘密が今ペールを脱ぐ…!(ホントか!?)
 

 長編の物語が気にいってきたところだったので、短編は微妙。多少マシになったものの、まだあわないネタが多いしなぁ。
 というわけで自分にとっては、今巻は三大魔女で三大悪夢でマッドマジカリストなアニシナさんが全て。自分では絶対関わりたくないけれど、ハタから見ている分には無茶苦茶面白いタイプの人。しかし変人な女しか出てこない話だ。

評価 ☆☆☆(6)



魔導師の掟2 魔法の地へ (テリー・グッドカインド/ハヤカワ文庫FT)amazon

 「指輪物語」などと同系統の、邦訳長編ファンタジー第二弾。

あらすじ
 偉大な老魔道士とは、旧友ゼッドだった!彼から「真実の剣」をさずけられ、「探求者」に任命されたリチャードは、人々を救うため、そして父の復讐のため、悪の魔王ラールを破滅させることを誓う。だがカーラン、ゼッド、チェイスをともない、魔法の地ミッドランズとの「境」へと向かったリチャードに、地下世界の魔物が襲いかかる。彼らの恐るべき攻撃をかわして「境」を越え、魔法の地にたどりつくことはできるのか。
 

 んー、邦訳ファンタジーは基本的に苦手かも。地の文がすごい読みづらく、間隔があいていたために話に入り込めなかった序盤では投げかけました。後半は慣れてきて、敵地に乗り込んで話も面白くなったため楽しめたけれど、総合すると微妙。
 なんでこれ買ったのかとふと疑問に思い、記憶をほじくり返してみたら、「主人公が調教される」とかいう怪しい一文を見かけたからだった。そこまでは読むかなぁ……。


評価 ☆☆★(5)



夢の宮 薔薇いくさ (今野 緒雪/コバルト文庫)amazon

 マリみてを書いている今野さんのデビュー作のシリーズ。シリーズといっても舞台が一緒なだけで登場人物は変わるので、どこからでも読める模様。

あらすじ
 鸞神殿に仕える落ちこぼれの巫女、照葉に初めての仕事が舞い込んだ。依頼人は、鸞王である木香。隣国の王女と結婚して五年経つが、いまだに子供に恵まれていない。側室を勧める周囲からの声にうんざりした木香は、正妃との間に子供が生まれるかどうかを占わせることにしたのだ。だが、照葉は占いの結果をどうしても木香に告げることができなかった…。巫女と王の禁じられた愛の行方は。
 

 なかなかのラブロマンス。この人マリみて以外も面白いもの書けるんだよなぁ。
 王が下手に巫女の方に傾かず、正妃も愛そうとし、巫女自身も王の幸せを祈ることによって、非常に素晴らしいバランスの三角関係が作り上げられてるのがいいなぁ。この配置で正妃が見せ場を結構持っていくのは珍しい。巫女の揺れる想いがすんなりと伝わってきてよかったです。


評価 ☆☆☆(6)



レジリオン物語 客人の王(前編) (ひかわ 玲子/コバルト文庫)amazon

 100冊セットの中のファンタジー。富士見やらあちこちで細々と生き延びているイメージの作家さんなので、多分地味な物語だと予想。

あらすじ
 レジリオンを治めるレジリア七族。彼らは長い間、「客人の王」を王として崇めてきた。「客人の王」は決して政治には参加しない。ただレジリア七族の平和を祈るのみ。そしてもし争いが起こった場合、王は天に命を差し出す―。先王が犠牲になってから五年、いま「客人の王」をつとめるのは美貌の青年リーオン。親友の「碧華」伯家公子ラフォールは、王が長く生きられるよう願っていたが…。
 

 世界観は悪くないんだけれど、王宮が舞台の割には主人公たちに危機感が欠如している気がします。自身は自覚持ってるにしても、弟もちゃんと教育しておこうよ……。砂糖菓子が一番という価値観を持っている子供は、遅かれ早かれ絶対に利用される運命です。


評価 ☆★(3)





___6月24日(木)


【今日読んだ本】

ブラックランド・ファンタジア (定金 伸治/集英社スーパーダッシュ文庫)amazon

 せっかく都会に住んでいるので、FGしてどこよりも早い感想UPを目指してみました。外れだった場合ただの人柱と成り果てますが、それも本望。

 「ジハード」、「Kishin」と歴史モノを書いてきた定金氏の新刊は、一風変わったチェスが題材の物語。そういやKishin最終巻だけまだ読んでないや……。


あらすじ
 19世紀倫敦ではチェスの勝負で財産や命など、様々なものが取引される真剣(デュール)が流行していた。貴族の代指しをする少年勝負師・スィンと天才的記憶力を持つ姉・ネムの大逆転から事件は起る。次々と起こる殺人の裏に見え隠れする、スィンの父とは? 二人の運命はどうなる!?
 

 あとがきで著者が書いているように、姫君と青年の物語。天才少女と青年という図式というと、戯言シリーズを思い出しますが全然違いますね。(当たり前)
 途中から話を曲げるのかなと想像していたら、多少ミステリ要素は含むものの最初から最後まで真っ当なチェス小説でちょっとびっくり。それでいて、チェスについてほとんど知らなくても楽しめる、というよりはかじったことのある程度の人の方が楽しめそう。「マルドゥック」のカジノシーンあたりにはさすがに及ばないものの、チェスの描写は十分燃えれるものに仕上がってます。駒の名前も知らないレベルだとややきつそうだけれど、そんな人はあらすじで回避するでしょう。またキャラ造形も、スケールを広げていない分ないがしろにされる人もおらず、うまく描かれていた気がします。実は萌え要素おさえるのも上手いのかも。
 綺麗に終わっているので多分続きはないでしょうが、この登場人物たちの話をまた読みたいと思えたし良作。Kishinよりも気にいりました。

評価 ☆☆☆★(7)



ブルー・ハイドレード 〜融合〜 (海原 零/集英社スーパーダッシュ文庫)amazon

 もういっちょFG。「銀盤カレイドスコープ」で世にも珍しいフィギュアスケートノベルを描いた海原氏、今回は士官候補生たちが主役の潜水艦モノ。

あらすじ
 潜水艦アルファレスが敵と接触した。大戦勃発の危機の中、訓練中の士官候補生たちは有能な敵と無能な上官に挟撃される。魚雷のうなりが迫り、銃声が艦内に響き渡る……そして銀髪の美少女トパーズとの出逢い! 漆黒の深海の中、世界は彼女たちに何を求めているのか!?
 

 うわ、無茶苦茶面白いこれ。戦争で確執で団結でボーイミーツガール。戦記ではないのだけれど、潜水艦同士の戦闘描写に「双色の瞳」のようなどこか戦記っぽい面白さが見出せます。、また、純粋に話だけで魅力な点は、「流血女神伝」等にも通じる面白さかも。士官候補生一人一人、性格や考えがきちんと書かれていて、成り行きに身を任せるだけでなく自らの選択で協力しあうことになるまでの描かれ方が素晴らしいし、戦闘は手に汗握る面白さだし、多視点を使った話の進め方もうまい。これでまだ物語は始まったばかりなのだから、先が本当に楽しみ。
 一点気になったのは、無能キャラの書き方かな。あまりにも無能すぎて腹立たしい。登場人物に思いっきり感情移入できるのはいいのですが、ちと無能すぎじゃないかと。「銀英伝」あたりで顕著な点として、有能と無能が二極化されて描かれることがありますが、これにも多少その気がある模様。ちゃんと理由付けはされているし面白いからいいのだけれど、出しすぎるとうざったくなるので、次巻でこれ以上増えないことを祈ります。そして何よりも、打ち切りにならないことを祈ります。銀盤と違って売れなさそうだからなぁこれ……。
 

評価 ☆☆☆☆★(9)


【本日購入したもの】

ブラックランド・ファンタジア (定金 伸治/集英社スーパーダッシュ文庫)
ブルー・ハイドレード 〜融合〜 (海原 零/集英社スーパーダッシュ文庫)



___6月23日(水)

 流行りモノということで、ハンドル名占いをやってみる。
 最初「全角文字で入力してください」という注意を見逃して「t-snow」と入力したので、「この文字は利用できません」と怒られてしまいました。失敗失敗。今度はちゃんと入力して、ポチっとな。

「この文字は利用できません」

 dは認めてもらえませんかそーですか_| ̄|○



【今日読んだ本】

ブルースター・シンフォニー(下) (岩佐 まもる/角川スニーカー文庫)amazon

 あとがき読んで分かったのですが、この作者は相当の競馬ファンの模様。そして、デビュー作のタイトルが「ダンスインザウインド」、二作目が「シーキングザブラッド」。由来分かりやすすぎ。


あらすじ
 「許さねぇ俺達の演奏をぶっ潰しやがって」。いよいよ女王との対面を果たすクキ。音に秘められた神の声を使い、世界を崩壊させようとしているのは女王なのか!?それともクキを父と慕う少女カルラこそが、破壊神の生まれ変わりなのか!?謎が謎を呼び、ついに最後の演奏会が開かれる。愛の力は神に勝てるか―!?父と娘の絆を描いた、岩佐まもるが唄う極上のピュアファンタジー、ここに完結。
 

 上巻はいまいちだったけど、下巻は後半を中心に素晴らしい盛り上がり。「全性音楽」と「場」の話を絡めて展開される、オーケストラによる対決は圧巻の一言。そこで終わるかと思ったら二転三転し、伏線をきちんと消化しつつさらに盛り上げるのは本当にすごい。いつもながら、妥協を許さずに人々の想いを描く姿勢には非常に好感を持てます。サブキャラの扱いが一部おざなりになったのが残念な以外は非常に満足。いいお話でした。
 

評価 ☆☆☆★(7)



明日はマのつく風が吹く! (喬林 知/角川ビーンズ文庫)amazon

 「明日はマのつく風が吹く!」、略して「あしたマ」。「あしたま」といえばあしたまにあ〜なですよね。この本とは全く関係ないですが。

あらすじ
 16歳の誕生日を目前に、元の世界に帰れなくなったおれ、渋谷有利。家族の顔を思い出すとちょっと胸が痛いけど、過保護で優秀な臣下たちに囲まれて、なんとか魔王業を続けている。しかし、真魔国でそれなりに平和な日々は「魔王様のご落胤」を名乗る少女の登場でうち破られた。…ところでさ、ゴラクインってなに。えっ隠し子?誰の。―はぁ?おれのぉ!?噂のハイテンション・ファンタジー、やけのやんぱち第4弾。
 

 4巻にしてようやく評判どおりの姿に化けてきた。
 小ネタのヒット率は1巻と同様で低めなままだけど、冊単位のストーリーに芯が入ったというか、単調だった今までに比べ見せ場がたくさんあって面白い。前巻の帰れなくなった設定がちゃんと活きていて、二つの世界に対するユーリの感情が上手く表現されていてよかったです。
 しかし、これできちんとした男女モノなら最高なのに、なんで男×男にするのか。もったいなさすぎる。
 

評価 ☆☆☆★(7)


【本日購入したもの】

ストレンジ・プラス1 (美川 べるの/Zero-sum Comics)

 新しくできたブックオフに行ってみたら、ラノベが全く売ってなかったので代わりに漫画一冊購入。



___6月22日(火)


【今日読んだ本】

第六大陸2 (小川 一水/ハヤカワ文庫JA)amazon

 全2巻と最初から決まっているのなら前編・後編でもいい気がするのだけれど、出版社はどういう風に使い分けるのだろう、とどうでもいいことを本の捜索中に考えた。


あらすじ
 天竜ギャラクシートランスが開発した新型エンジンを得て、月面結婚式場「第六大陸」建設計画はついに始動した。2029年、月の南極に達した無人探査機が永久凍土内に水の存在を確認、もはや計画を阻むものは存在しないかに思われた。だが、再起を賭したNASAが月面都市建設を発表、さらには国際法上の障壁により、「第六大陸」は窮地に追いやられる。計画の命運は?そして、妙が秘めた真の目的とは。
 

 1巻から期待したレベルのものは読めたし満足しているけれど、もっとすごいものを期待していて残念がっている自分がどこかにいるのも事実。1巻が可能性を見せてくれた作品なら、2巻は当時の時点での限界を表した作品なのかもしれない。
 ひどいという記述をあちこちで見かけていたラストの展開については、相当な覚悟をして身構えていたこともあってか、あまり気にならず。というより、この程度なら普通にありだと思いました。この話の中核はあくまで「月に建物を作る」であり、その部分に関わってない以上、魅力を殺ぐことにはならないかと。
 ただ、締めのシーンについてはやや不満。悪くはないですが、中核と少しずれているだけに締まらない。「完!」とバシッと決まるような終わり方が欲しかったです。
 こう思ったのも、この2巻での妙がおそらく原因。1巻で見受けられた怪しい魅力が消えてしまっているんですよね。歳をとって「少女」でなくなったためなのか、尖りっぷりがたりない。そのために、象徴から現世への回帰がいまいち盛り上がりに欠けるわけで。やっぱり少女は歳をとっちゃいけないのです。

 多少辛い評価になりましたが、面白いことに間違いはなし。「復活の地」が傑作になることを期待して続きを待ちます。

評価 ☆☆☆☆(8)



悪の改造人間純情編 俺の足には鰓がある (富永 浩史/富士見ファンタジア文庫)amazon

 キワモノでそこそこ評価がよさそうなので買ってみたもの。しかし購入直後、某氏の「読んですぐ売り払ったのはあれだけ」という評価を聞き、戦々恐々。それでも積み重なる未読を前に撤退するわけには行かず、おそるおそる箱をあけてみました。

あらすじ
 ある日突然、彼女が俺のアパートを訪ねてきた。あらぬ期待に盛り上がる俺に、彼女が衝撃の告白を。「私ね、改造されちゃったのよ」そう、彼女は悪の秘密結社の改造人間になったのだ。呆気にとられる俺。呆気にとられているだけで済めば良かったのだが、彼女は俺をスカウトしようとする。彼女に頼まれると嫌とは言えないのが俺という人間のサガだ。彼女の勤務評定アップのため、秘密結社インバーティブリットの一員となった俺が遭遇する、組織の内紛、謎の無敵ヒーロー。これぞ世界初、トクサツピカレスク・ラブコメディ。ああ、俺と彼女の幸福な日々はいつおとずれるのだろうか。
 

 面白いとは言い難いけれど、そこまでの地雷でもない。というか、とことん趣味に走った小説なため評価しづらい。巻末に「無脊椎動物事典」がついていることからも分かるとおり、とにかく無脊椎動物への愛に溢れており、彼らを出すための改造人間の設定でしょう。箸にも棒にもかからない作品が結構ある中、こういう特化型の意欲作が出てくることは悪いことではありません。
 でも、面白くはないんですけどね。改造人間ネタなら、せめて悪のトップをもうちょっとちゃんと描いてください。正義まで描けとはいいませんから。馬鹿をやるなら、とことん馬鹿で押し切って欲しいです。


評価 ☆☆(4)



王国神話 空から降る天使の夢 (明日香 々一/富士見ファンタジア文庫)amazon

 前回の富士見の新人の中で一番評判がよかったもの。他がひどすぎるだけという説が濃厚ですが。2巻が出たのでとりあえず買ってみました。

あらすじ
 「奥さんを迎えるまでは、ぼくがディーの一番でいられたらいいな」少女―オルフィナが微笑む。「それは間違いないと思うぞ」少年―王子ディオンがこたえる。少女が涙ぐみ、少年の胸元にしがみつく。少年は少女を引き寄せた―。十年前のある晩、突如現れたオルフィナ。以来、毎晩のようにディオンの寝室に現れ、寝台にもぐりこむ。だが、それは安らかな眠りの始まりではない。悶え、のたうち、苦しみ、死んだように動きを止めるオルフィナ。その死に顔をディオンが見守る―その時、オルフィナは別の世界にいた―!第15回ファンタジア長編小説大賞最終選考会で物議をかもした問題作、ついに登場。
 

 なるほど、評価されるのは分かる。古きよき富士見のファンタジーらしいし、序盤から展開に飽きさせることなく、きちんと盛り上げてもいる。でも俺は嫌いですこれ。
 多と個を天秤にかけて、割とあっさり多を選んだのに、その後主人公が何もしていないのにも関わらず個も手に入っちゃうのが納得いかない。そんなの甘すぎる……。ただでさえ多を選んだ主人公に共感できなかったのに、こんな展開は萎えます。
 他にも、主人公の妹を殺そうとした相手を皆あっさり許したりと、登場人物の行動に疑問符がつくところが多すぎ。出来は悪くないんだけどなぁ……。


評価 ☆☆(4)



___6月21日(月)

 今日は風がやたらと強い日でした。なんか2ヵ月くらい前の記憶が蘇ります。あの日はめくり返った後の対策が悪かったために傘がボキボキになりました。そこで今日は同じ轍を踏まないよう、早期発見早期治療を心がけました。

 無駄でした_| ̄|○

 めくり返った後、一旦元通りになってこちらが油断したところを一気にくるとは、風もなかなかやるものです。



【今日読んだ本】

第六大陸1 (小川 一水/ハヤカワ文庫JA)amazon

 昨年発売された、小川一水の月SF。月ネタにはいまいち興味がわかないため今まで敬遠していたのですが、「復活の地」が期待以上に面白かったのでこちらにも手を出してみることに。


あらすじ
 西暦2025年。サハラ、南極、ヒマラヤ―極限環境下での建設事業で、類例のない実績を誇る御鳥羽総合建設は、新たな計画を受注した。依頼主は巨大レジャー企業会長・桃園寺閃之助、工期は10年、予算1500億、そして建設地は月。機動建設部の青峰は、桃園寺の孫娘・妙を伴い、月面の中国基地へ現場調査に赴く。だが彼が目にしたのは、想像を絶する苛酷な環境だった―民間企業による月面開発計画「第六大陸」全2巻着工。
 

 これだけのクオリティのものをばんばん出してくるんだから、最近の小川一水はすごいよなぁ。敬遠なんてせずに発売日に読むべきだった。
 ちょっと背伸びすれば現実にあってもおかしくない話なこともあって、とにかく燃える。遠い到達点に向けて邁進する人々の姿は、青臭くもあるんだけれどこの上なくかっこいい。
 それだけだと一本調子になってしまいかねないところを、どこか冷めている妙の描き方でインターバルをとっているのが巧妙。さらに妙は単独でもいいキャラだし。
 未来図があまりにも理想的すぎるとか、突っ込みを入れようとすればたくさん粗がありそうだけど、この話にそれをするのは野暮ってもの。素直に楽しむべきでしょう。今から2巻買いに行ってきます。


評価 ☆☆☆☆(8)



1/2タイムの恋人 (唯川 恵/コバルト文庫)amazon

 100冊セットも大分整理がついたので、α表示をやめて冊数表示にしました。未読放棄のおかげで大分減って、この分なら再び二桁になるのも遠い日のことではなさそう。

あらすじ
 「優等生のひかるちゃんと一緒なら安心ね」そう言い残して両親はアメリカへ。高2の実南子は、いとこの女子大生ひかると同居することになったの。ところがこのひかる、とんだネコかぶり!実南子は、ひかるに誘われてバッチリお化粧して変身、初めてディスコにくり出した。ところがそこで、昔フラレた憎い奴、奨とバッタリ。だが奨は実南子に気がつかない…!?
 

 作り物の自分で恋をし、現実の自分とのギャップに苦しむ女の子の話。途中まではすごく上手いのに、急展開かつ強引なラストで台無し。特に、後半のメインの問題の一つを、ラストの数行でとってつけたように解決してるのがひどすぎる。綺麗に終われないなら風呂敷を広げるな!


評価 ☆☆(4)


【本日購入したもの】

第六大陸2 (小川 一水/ハヤカワ文庫JA)
明日はマのつく風が吹く! (喬林 知/角川ビーンズ文庫)

 一軒目、二軒目売り切れで絶望しかけたところ、三軒目でようやく発見。
 角川文庫・新潮文庫などを区別せず、日本人作家一まとめで50音順にしている恐ろしい店でしたが、ハヤカワだけ分けて置いてある神っぷり。
 しかし、ダメラノベが置いてあって、これやマルドゥックを置いていない店が多いってことは、まだSFは冬の時代なんだなあ……。



___6月20日(日)

 今日は、友人のサークルの初同人誌を買いに「サンシャインクリエイション」まで行ってきました。

 人多すぎ(´д`)

 コミケには行ったことがあるので、同人界の規模の大きさは知っていたのですが、はるかに規模が小さい東京の一イベントにここまで人が入るとは。びっくりですよ。
 でも大きいといっても地区レベルのイベント。参加団体がメジャージャンルに集中するため、マイナー好きの自分には見るものがあまりありません。というわけで、購入物も1個だけ、一通り回った後早期撤退することに。
 しかし、このまま家に帰ってはなんかもったいない。そうだ、帰りがけにあるブックオフにでも寄っていこう。
 降り立った場所:原宿

 人多すぎ&場違い_| ̄|○

 場所選択間違えすぎ……。まあ収穫多かったからいいです!



【今日読んだ本】

ハイスクール・オーラバスター 天使はうまく踊れない (若木 未生/コバルト文庫)amazon

 第1巻発売:1989年 そしていまだ続刊。そんな超長寿シリーズがこれ。発売時に15歳だった人がもう30歳ですよ! いまだに読んでいるとしたら半生をともに歩んでいることに。なんという作品なんだろう。


あらすじ
 崎谷亮介。身長163cm。趣味、絵。好きなコ、約1名。ごくふつうの高1生。ただし、見るはずのないものが見える。厄介な感覚強し。そんな彼の周りに、最近、妙になれなれしいヤツらが出没しはじめた。謎の転校生・諒。異様に態度のでかい美少女・冴子。街で遇然でくわした十九郎と希沙良。彼らの話を総合すると、〈妖の者〉とかいう怖〜いヤツらが、亮介に取り憑こうと狙っているらしいのだ!!。
 

 さすが売れているだけあって、導入としてなかなか面白い。
 学園が舞台の異能の戦いってのはかなり出尽くしてる感があるけれど、キャラ立て、設定ともに凡百に埋もれないものになってます。「臨兵」の文字が見えたときは、また陰陽師かよ! と思ったけれど、そんなこともなかったし。
 主人公が力打消し能力、ただし制御できずってのは最近でこそ多々見られるけれど、多分昔はなかっただろうし。何より、「オーラバスター」って名前がいい。うちにもオーラ打消し能力がほしいですよ、そうすりゃ競馬当たりまくりでうっはうはなのに……_| ̄|○
 閑話休題。デビュー作だけあって文章などの粗は目立つけれど、続きが読みたくなるくらいには魅力的。まあシリーズ20冊あるのでどこかで力尽きますが……。


評価 ☆☆☆(6)



破妖の剣1 漆黒の魔性 (前田 珠子/コバルト文庫)amazon

 これも1巻が1989年発売でいまだ続刊中。この著者、現在未完シリーズ10本を抱えているとんでもない人です。それでいて面白いものを書くのでたちが悪いらしいのですが、本当かどうか。

あらすじ
 古王国ガンディアの王女シュラインが、青月の宮から黒衣の魔性・亜珠にさらわれた。ガンディア王は破妖剣士たちが住む浮城の長マンスラムに、王女の救出を依頼する。
 そして、王女救出にむかったのは破妖の剣「紅蓮姫」を持つ少女剣士ラエスリールだった。強大な魔力を持つ妖貴・亜珠の前にラエスリールの力はあまりに小さい。その時闇主という美貌の男が少女剣士を救った……。
 

 あー負けた、普通に面白い。
 どこかで「女神の刻印(著:樹川さとみ)」と似ているという記述を昔読んだのですが、確かにメイン2人の掛け合いがそっくり。真っ直ぐで意地っ張りな少女剣士と、力を持ってて一見軽薄そうに見える男。こっちの男には刻印のラダストールのような裏がなさそうで残念だけど、それを除いてもこういうキャラ配置は好き。1巻で主人公の出自明らかになるのにはちょっと驚いたものの、宿命やら理由やら明らかにされてないものが色々あるので2巻以降も楽しみ。やっぱり女主人公ファンタジーはいいものだ。

 そして最後にあとがきで大笑い。
「ひとつのシリーズにつきっきりになると、どうしてもだらだら長く書く癖がつきそうで、それは避けたいと思ってはじめました」
 どうやら癖は生まれつきのものだったようです。


評価 ☆☆☆★(7)



しあわせの理由 (グレッグ・イーガン/ハヤカワ文庫SF)amazon

 コバルトコバルトときて最後にSF。何かが間違ってる気もしますがそれは置いといて、昨年のベストSF海外部門1位を争った短編集が本作。

あらすじ
 ローカス賞受賞。12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった。脳内の化学物質によって感情を左右される意味を探究する表題作ほか、仮想ボールを使った量子サッカーに興ずる人々の姿をとおして未来世界を描く「ボーダー・ガード」など九篇を収録した日本版オリジナル短篇集。
 

 なんかすごい理系的で読みにくい。理論が違う別世界を通してアイデンティティを問う試みはとても面白いのだけれど、それならここまでハードSFにする必要があるんだろうか。これだと完全に文系お断りだし、もうちょっとソフトにしてもいいのでは。
 設定がうまく話と絡まって面白い短編もあれば、設定が分かりづらくて話もいまいちなものもあり、どうも玉石混合。わざわざ量子サッカーなんて持ち出さなくてもいいのに。表題作などはバランスとれていてすごく出来いいだけにもったいない。


評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

<骨牌使い>の鏡 (五代 ゆう/富士見書房)
王国神話 空から降る天使の夢 (明日香 々一/富士見ファンタジア文庫)
シェイクスピア・エクスプレス (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 影の姉妹 (橘香 いくの/コバルト文庫)
ドラゴンクエストW 1 魔起黎明 (久美 沙織/エニックス)

 はじめて店頭でティーパーティーシリーズを見かけてちょっと感動。ドラクエは昔図書館で読んだのを再読したくなったので購入。



___6月18日(金)

 昨日に引き続き流行りもの。「あなたにとってのonly oneライトノベルは何ですか? 」に回答してみる。

 カイルロッドが一位かー。このばらつき具合の中で一位常にキープするのはすごい。
 一番上にあるために、投票者の目につきやすい分増えた票もいくつかあるだろうけれど、それでもトップはさすが。
 4位のザンヤルマもそうだけれど、鬱系の長編は心に残りやすいのかも。
 一方、2位にマリみて入っちゃってるのはなぁ。あまりにも最近だし、多数の人がオンリーワンに推すタイプの作品じゃないと思うのだけれど。
 でも、onlyoneを選ぶという意図においてはそれなりには成功していそう。

 しかし、「このアンケートが上手くいくと、読み手が文芸作品のどこまでをライトノベルとしているのか判るかもしれないので、奮ってご参加ください。」ってのはさすがに無理じゃないかと。
 「only oneライトノベル」というタイトルの時点で、投票者はライトノベル的なもので素晴らしいものを多少意識し、境界スレスレのものにはあまりいれようとしないと思います。
 上の想像は間違ってるかもしれませんが、投票が入ったタイトルについて考えてみると、数十分の一の投票者がそのタイトル「ライトノベル」だと認識しただけで、その他大多数がどう思っているのかがさっぱり分からないのでは。
 この投票で分かるのは、「銀英伝への投票が思ったより少ないな、ライトノベルじゃないと思っている読者もいるということか」くらいかも。
 ただ線引きをしたいのなら、境界上のものをたくさん持ってきて、「あなたはこれらをライトノベルだと思いますか?」を(Y/N)形式で問うのが一番てっとりばやそう。



【今日読んだ本】

さよなら、ぺとぺとさん (木村 航/ファミ通文庫)amazon

 ほのぼの妖怪萌え物語、ぺとぺとさん第二弾。
 第二弾でいきなりさよならかよ! という声もあるのかもしれませんが、自分は1巻で終わりと思っていただけに、むしろ「帰ってきたぺとぺとさん」な気分。

あらすじ
 シンゴの家は、この夏4人の居候を抱え込んだ。妖怪「ぺとぺとさん」のぺと子とその母のまる子、「カッパ」の沙原くぐるとその妹のちょちょ丸だ。なんかいいなーと思うシンゴだが、妹の智恵は気にくわないようだ。そして、今日も騒動が起こる。ラジオ体操、キャンプ、一日署長、いもてん、父娘の再会、夏の終わり。そして、別れ。さよなら、ぺと子。さよなら−−。ニコニコ笑えて、ときどきホロリ。かわいい妖怪と人間の、ほのぼの不思議な学園物語。さよなら編。
 

 1巻の時とノリはかわらず。人間と妖怪が織りなすアホコメディ兼ちょっといい話。
 妹天国、略していもてん、ほんとアホすぎる。どうして妖怪に妹を混ぜようとするのか。単体でいいじゃないか!
 結局実妹以外には妹という設定があまり生かされてなくて残念。ぬりかべ姉妹をはじめとして、妹抜きでも妖怪単体で十分破壊力があるのであまり問題ないのですが。
 でも、1巻に比べるとやや落ちるかな。学園での妖怪人間入り乱れた雰囲気が好きだったので、外に出ちゃうのは微妙。妖怪と人間の軋轢も序盤で少し出ただけだし。
 恋愛方面も、三角関係にした割にはちょっとあっさり。3人のうち2人が惹かれあってるからしょうがないのかもしれないけど。うーん。
 でも終わり方は綺麗でよし。これ以上続けると絶対ダメになるので、ここで終わりますように。


評価 ☆☆☆(6)



リトル・ギャングに胸さわぎ (日向 章一郎/コバルト文庫)amazon

 昨日に引き続き日向章一郎。何となく昨日のと毛色が違いそうなものをチョイス。

あらすじ
 志賀中学にやってきた転入生、館太郎は元・子役スター。おとなしそうな雰囲気のこの学校でも、館太郎のまわりは、いつでも大騒動が持ち上がって!? お騒がせボーイの青春どたばたコメディ!
 

 うわー、1980年代のコバルト、しかも普通の作品で「セ×クス」なんて露骨な伏字がまかり通っていたのか。
 昔の少年向けライトノベルでも、スニーカー文庫の一部の作品などでは描かれているけれど、やっぱり少女向けの方が性関連の描写は進んでいそう。
 
 内容は、えっと……牛丼事件は馬鹿らしすぎてかなり笑いました。
 牛丼屋に一人で入ったのを見られて脅された→私、牛丼のない国に転校する!→好きなら食べてもいいんじゃない?→そうだね、みんなありがとう……
 もうアホすぎて困ります。これに関してだけは主人公とのシンクロ率が100%に達しました。
 他は昨日の感想と同じ。ちょっとぬるすぎでした。


評価 ☆☆(4)


【本日購入したもの】

さよなら、ぺとぺとさん (木村 航/ファミ通文庫)
ブルースター・シンフォニー(下) (岩佐 まもる/角川スニーカー文庫)
モンキーターン28 (河合 克敏/少年サンデーコミックス)



___6月17日(木)

 「ライトノベル人気調査」なるものが行われているみたいなので答えてみる。
 ……ガンダム小説で一カテゴリ作ってるのがなかなか斬新。ガンダムは全く興味がないのだけれど、やはり売れているんだろうか?



【今日読んだ本】

ユーモア・ミステリー 獅子座の恋愛事情 (日向 章一郎/コバルト文庫)amazon

 100冊セットもそろそろ折り返し、コバルトの大御所日向章一郎の登場です。
20冊近く入っていたので、これが面白いかつまらないかでかなり今後の読書計画が変わることに。

あらすじ
 世界地図を破ってしまったばっかりに、山本リョウと校長室の罰掃除をさせられることになったノリミ。(リョウ君に襲われそうになったらどうしよう。そのことを麦倉先生に知られたら…)ノリミは、春からノリミの家に下宿している麦倉先生が、大好きなのだ。いやいや校長室に入っていったノリミが見たのは床にくずれ落ちている校長先生の姿。またT高校に新たな事件が、起きようとしている。
 

 中学生くらい向きの可もなく不可もない作品。
 あらすじ読んで、秘める恋なのかー、と思って読み始めたら思いっきり好き合っていて拍子抜け。さらに周りには隠そうとしているけれど隠し方がぬるいので、教師と生徒の恋愛話としては地雷。素直に星占いをからめた学園ライトミステリーとして読むのが正解。
 ライトノベル初心者にはちょうどいい手堅い作りだけれど、今の自分にとってはかなり物足りないかな。
 もう一冊くらい別シリーズ読んであわなかったら放出しよう。


評価 ☆☆(4)



銀河英雄伝説外伝3 (田中 芳樹/徳間書店)amazon

 外伝三冊目。四巻まであるみたいだけれどこれで終わりにしよう。

あらすじ
 ラインハルト・フォン・ミューゼルは18歳、階級は准将で10代にして「閣下」と呼ばれ、彼に随従するキルヒアイスはまだ大尉の身である。この年、歴史は未だ惰性の淀みにたゆたい、銀河帝国と自由惑星同盟の流血の振子動運を永遠にくりかえすかに見えた。そんななかでヴァンフリート星域の会戦が勃発した。帝国軍艦隊3万2700隻、将兵406万8200名、のべ3億人がこの何らの価値もない星系に展開することになるのである。無能な老将たちに囲まれて、ラインハルトの野望は限りなく燃えさかる。待望の第3巻。
 

 今回はキルヒアイスファンへのサービス。前2巻よりは単体で多少楽しめる話にはなっていたけれど、やっぱり外伝の域は全然抜け出せず。以下同文。
 

評価 ☆☆☆(6)



___6月16日(水)


【今日読んだ本】

クインティーザの隻翼 (響野 夏菜/コバルト文庫)amazon

 これも100冊セットもの。だんだんと見かけ上の地雷が減ってきたので安心して読めるようになりました。

あらすじ
 「深き緑の王国」と呼ばれ、世界の神秘が遺跡のように残る国、フィゼルワルド。16歳になった王女ヴュティーラは、故国を出て行くことを決意する。目指す先は大陸の南の砂漠にある要塞都市テ・クラッド。表向きの理由は機械音痴を直すため、ということだが…。運命をともにしている「連獣」クィンティーザとともに旅に出たヴュティーラだったが、旅先では予想もしない事件が待ち受けていた。
 

 これは結構当たり。
 CNOVELS系統の少女主人公三人称ファンタジー。「機械」の設定のバランスに多少疑問は残るものの、安易に魔法などを出さずに構築された世界観は好感が持てるし、旅の始まりからの物語の広げ方も意外に上手い。
 同著者の「S黄尾」シリーズは登場人物たちのあまりの身勝手ぶりに閉口するしかなかったのですが、まともな人間も書けるんですね。これなら次も買ってみようかな。そのうち。
 
 

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

すくらんぶるティー・パーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
ティー・パーティー えくすぷれす (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
今夜は夢にてティー・パーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
ティー・パーティー 古都を行く (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
ティー・パーティー 星の王女様 後編 (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
ティー・パーティー 我らこの世界を愛す 前編 (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
ティー・パーティー 我らこの世界を愛す 後編 回天編 (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
悪の改造人間純情編 俺の足には鰓がある (富永 浩史/富士見ファンタジア文庫)
この声の行方 (羽柴 麻央/マーガレットコミックス)
真夏ノ夢ノ住人 (羽柴 麻央/マーガレットコミックス)

セットでティー・パーティーシリーズが手に入りそうにないので諦めて、バラで古本屋から仕入れることに。道のりは遠そうです。