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___7月14日(水)

昨日に続いてファウスト雑感。


・零崎軋識の人間ノック (西尾 維新)

人間試験は読んでないけど、このシリーズは戯言の外伝扱いなのかな。あのキャラ登場キターってだけで大満足。やっぱりキャラクター小説だ。


・サウスベリィの下で (原田 宇陀児)

理解不能。文学としての魅力はさておき、エンターテイメントとしてみると面白さがどこにあるのか分からない、というか話の内容をうまく咀嚼できない。断片断片に魅力を感じないから気合いれて読む気も起こらず。波長が合わないんだろうなぁ。


・虹色のダイエットコカコーラレモン(短縮版) (佐藤 友哉)

また北海道かよ! と思ったらVol.1の続編だった。
相変わらず後ろ向きな話。でも、鏡家サーガの頃のよさがちょっとずつ戻ってきてる感じ。まだ終わっていないと分かっただけでもよし。


とりあえずこれでおしまい。


【本日購入したもの】

半分の月がのぼる空2 waiting for the half-moon (橋本 紡/電撃文庫)
ふぁいなるすてっぷティーパーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)


___7月13日(火)

忘れないうちにファウスト雑感を読み終わったところから。


・ECCO (滝本 竜彦)

Vol.2からの続き物らしいけど、Vol.2読んでないのでよく分からず。でも読みやすいしいい青春小説の片鱗を見たので、刊行されたら買おうかな。


・ワールドミーツワールド (元長 柾木)

訳分からない設定。物語として語りたいことはよくても、どうしようもないほど世界に魅力を感じない。無駄に後付けっぽいファンサービス入れてるのもなんか嫌だ。小説書く前のような作品にまた出会える日はくるんだろうか……。


・DDD JtheE (奈須 きのこ)

さっちんハッピールートですかこれ? いや、ちょっと冷静に見れば全然違うんですが、初読だとそう見えかねない。
文体は相変わらず(ただ、短編の分くどさとか色々薄まってるかな)で、設定で勝負するのもいつも通り。まあ普通に楽しめるものの、慣れてきたこともあり過去作と比べると大分目劣り。引き出し多くなさそうな気がするので、ぐつぐつと煮詰めた長編が読みたいかな。


・滝本竜彦のぐるぐる人生相談

この人のエッセイ初めて読んだけど、テンポよくて面白いなぁこれ。ちょうど株始めたばっかだから内容に激しく共感。樹海怖いです、暴落怖いです。
株って姿見えないその他大勢との勝負だと思っていたんですが、最近は自分との勝負なんじゃないかと思い始めました。ある程度まで習熟すると、あとは意志をどれだけ強く持てるかが勝敗を決定する決め手かなと。その段階まで至っていない俺は負けつづけるわけですが_| ̄|○



……なんか明日には読み終わりそうで怖い。


___7月12日(月)

【本日購入したもの】

ファウスト Vol.3 (講談社)


Vol.2は買ってないんですが、今回は執筆陣に惹かれて購入。元長に奈須に宇陀児、ファウストは一体何処を目指しているんだろう。
しかし、なんですかこの分厚さは。新書サイズで750ページ超え、しかもほとんど文字って……。分厚い電撃hpの2倍情報量がありそう。これから数日はこれに専念かな。



___7月11日(日)

普段使っている鞄の底が、何時の間にかやぶけてました。買ってから三ヶ月強しか経ってないのに……。
新しいのを買うのももったいないので、修繕して使うことを決意。というわけで、何年かぶりの裁縫に挑戦です。


1.玉結び

まずは基本中の基本。不器用の名を欲しいままにしてきた自分でも、これくらいは昔からできました。
人差し指に糸を三重に巻きつけて、指から抜き取って引っ張る!

ピンッ と張る糸。

なんでやねん_| ̄|○ 手順は正しいはずなのに。
試みること三回目で何とか成功。綺麗な玉にならず輪っかが残っていたので成功とは言えないかもしれませんが……。先が思いやられます。


2.糸通し〜縫い

次は不器用の天敵の一つ、糸通し。昔もなかなか通らず苦戦した苦い思い出があります。
でも、世の中とは便利なもので、糸通し専用アイテムがあるのです。これなら針金でできたひし形の部分に糸を入れるだけで、簡単に糸が通せちゃう。楽勝楽勝。

で、そのアイテムはなんで裁縫箱に入ってないんですか?

いつの間になくなったんだろう……。ここでも数分悪戦苦闘することになりました。

それでも糸は無事通ったので、続くはメインの縫いです。過去に色々と縫い方を教わった気がしますが、そんなもんすでに覚えてません。
よって、ただのジグザグ、縫い間隔1cm弱という漢縫いをチョイス。穴が塞がればいいんです。意外とあっさり片付きました。


3.玉止め

さあ来た鬼門。生涯に渡ってまともに出来た覚えが一度もない玉止め。目の前で実演を見せられても身につかなかったのです。だって不器用だから。
「針を布にあてた後、糸を2,3回巻きつけて、針を引き抜く」って言われても、糸巻いてあるからうまく引き抜けないんですが……。
今回も色々試してみたものの、結局できませんでした。というわけで、伝家の宝刀「多重固結び」でお茶を濁す自分。

……止まればいいんですよ止まれば!



【今日読んだ本】

空ノ鐘の響く惑星で3 (渡瀬 草一郎/電撃文庫)amazon

このシリーズも大好きになりかけてるんですが、同著者のパラサイトムーンも好きなんですよね。シリーズかなり長くなりそうだし、向こうの再開はいつになるんだろう……。


あらすじ
第二王子レージクの即位表明によって追われる身となった第四王子フェリオ。だがフェリオは、囚われたウィスタルたちを救うべく、密かに王都へ舞い戻っていた。そこにレージクが準備した恐るべき陰謀が待ち構えているとも知らず……。
果たして、フェリオの運命は――?
一方、潜伏行動を続ける来訪者達の前に司教カシナートの使者が訪れる。力を持つ者と望む者の接触――来訪者達の選ぶ道は?
話題の異世界SFファンタジー第3弾!!

 

読了後、最初に思ったことが「これで4巻はリセリナまじえて三角関係突入かー!?」だった自分はダメですか?
いや、話もすごく面白いですよ。登場人物かなり多いのに、それを感じさせることないようきちんと書き分けができているし、メインの国内の対立に諸外国や来訪者を絡めるバランスが絶妙でぐんぐん話に引き込まれる。
また、戦記としての描写一辺倒になることなく、ウルクやクラウスなど人物の書き込みも十分。というか、この巻のウルク最高。もうちょっと黒い方が好きだけど、これはこれでよし。さすが幼馴染作家。
でも、少し読み返してみると1巻のヒロインはリセリナ。そこで、冒頭の感想に繋がるのでした。
しかし、1巻の伏線結構忘れてるもんだなぁ。次の巻出る前にきちんと一回読み直しておこう。

評価 ☆☆☆☆(8)


【本日購入したもの】

空ノ鐘の響く惑星で3 (渡瀬 草一郎/電撃文庫)



___7月10日(土)

いつものように掘り出し物を探しにブックオフを訪れると、

エレニア記全巻揃ってるキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

絶版になっている上、評価が高めで手放す人が少ないためかなかなか見かけないこのシリーズ。まさか全5巻がきっちり並んでいる光景に出くわすとは。これだからブックオフ通いはやめられません。
5冊中4冊はすでに購入済、これでようやく全巻揃います。長かった……。さて買うとしますか。

(´-`)?
持ってないの何巻だっけ?

あまりにも長い間買ってなくてどれ持ってないか忘れました_| ̄|○ V上かV下かどちらかだった気はするんだけど……。困りました。今買わないと、次来た時には消えてそうです。
こうなったら両方買ってダブったほう売ろうかと画策。でも最近色々買っててお金があまりないので、ひとまず財布と相談してみることに。

両方どころか1冊分のお金すらありませんでした_| ̄|○

銀行近くにないし断念。俺のばかーばかー。


【今日読んだ本】

空ノ鐘の響く惑星で2 (渡瀬 草一郎/電撃文庫)amazon

幼馴染の偉い人、渡瀬氏がおくる戦記ファンタジー第2弾。


あらすじ
“来訪者”と呼ばれる異世界から現われた存在の手によって、アルセイフ王国は王と皇太子を同時に失った。“来訪者”たちはそのまま逃走し、殺害現場にいた第四王子フェリオには、疑惑のまなざしが向けられる。そんな中、第二王子レージクについても奇妙な“噂”が流れ始め―!王位を巡り騒然となったアルセイフ王国の行く末は?そしてフェリオの運命は!?一方、来訪者たちの力を目の当たりにした司教カシナートはその力を手に入れようと動き始める―。渡瀬草一郎が贈る異世界SFファンタジー第2弾、登場。
 

導入だった1巻から話が進んで、始まった国の動乱とその中にいる人々の話となり、なかなか面白くなってきました。
もともとこういう動乱を描いた戦記ファンタジーというジャンルが好きなのに加え、文章は軽くないながら読みやすく安心して読める出来。。主人公サイドに偏ることなく、対抗勢力がきちんと描かれているのもよし。全体から見ればまだ序盤っぽいので、これは今後も期待大。
また、今巻になってリセリナの出番が減ったため、その分幼馴染のウルクが台頭。相変わらず幼馴染キャラの書き方がうまいなあ。戦乱の中、いつ想いが伝わってどういう進展をするかも楽しみです。

評価 ☆☆☆☆(8)



___7月9日(金)

どうしてそんなに読めるのかという突っ込みを受けてますが、
ついつい気になる本を買いこんでしまっているうちに積みが何時の間にかとんでもない量になっていたので、気合いれて読まざるをえないのです。
先月なんか結構無理しているのですが、買う量が減らないためなかなか減らない始末。読むために買う、ではなく、買っちゃったから読むという本末転倒な状態_| ̄|○
早く積み消してさっぱりしたいなあ……。


【今日読んだ本】

魔法遣いに大切なこと3 夢色に染まる秋天の下で (枯野 瑛/富士見ミステリー文庫)amazon

シリーズ完結編。こういう良作が突然ポッと出てくるから富士ミスは好きです。


あらすじ
―今日、夏が終わるんだ。 深呼吸してユメは、自らに言い聞かせた。  「合格です」 小山田の声が高らかに響き、ユメの顔の中は瞬間真っ白になった。しばらく後、たくさんの想いが走馬燈のように心の中を駆けた。 魔法遣いになるために、この街にやってきた。そして、さまざまな人と出会い、ひと夏の間に、いろいろなことを学んだ。 ほんとうに大切なことを。  でも、それは未来への一歩目でしかなかった。魔法遣いになるための研修に合格し、故郷に戻ったユメを待っていたのは、クラスメイトや母親との日常・学校生活。何も変わらない毎日だった。そんな折り通学路の途中にあるお地蔵さんにまつわる謎を追いかけることになるユメ。 秋から冬にかけて過ぎる遠野の季節の中で、彼女は、将来の選択に悩み、成長していく。大切なユメの思い出と一緒に、あなたも彼女の未来を少しだけ覗いてみませんか?
 

あーもう、素晴らしい。
1巻の頃より大分成長したユメが大切なものを見つけるお話。故郷に帰ったユメの変化を、別の視点から切り取っているのがこれまでの2作と比べて新鮮。思春期やその一歩手前の時期の心の揺れを混ぜつつ、暖かく優しい空気を最後まで崩さずにユメの成長を描ききった、本当にいい物語でした。
欲をいえば、エピローグがもっと綺麗だったら傑作認定だったのに。ユメの話なんだから故郷で締めた方がいい終わり方な気がします。
作者さん、オリジナルで一作書いてくれないかなあ。原作の雰囲気とうまくマッチしたからこれほどの物ができたのかもしれないけれど、原作なしでどれほどのものが書けるか見てみたいです。


評価 ☆☆☆☆★(9)



9SV (葉山 透/電撃文庫)amazon

これも上半期発売もの。大分読んでおきたいものが減ってきました。


あらすじ
由宇の調査で明らかとなった遺産【天国の門】。それには決してあるはずがないもの、真目家の家紋が刻まれていた!!
時を同じくNCT研究所では大惨事が発生する。所員の木梨が多くの人間を殺害し研究所を脱走したのだ。行く先は【天国の門】。由宇は独断で木梨を追う。
ミネルヴァと勝司も【天国の門】の奪取に暗躍する。そして運命に導かれる闘真。今すべてが一つの地に集結せんとしていた!

 

途中までは、2巻で伏線を張ってあった少女のキャラがいまいちだったり、いくら強化しようがかませ犬にしか見えないLC部隊の登場にあきれたりとやや期待外れ気味。でも後半、各勢力の思惑が絡まり一堂に会すまでの展開の良さでその不満も帳消し。
細かく分けると6つ程ある陣営、どこもないがしろになることなくきちんと書いた結果、一点に集まるのはなかなか。通常の遺産の書き方は適当になっているけれど、その分アクションや陰謀で魅せてくれるので問題なし。
そしてなんといってもな次巻への引き方が最高で、こんなことされたら次を期待して待つしかないのです。


評価 ☆☆☆★(7)


【本日購入したもの】

空ノ鐘の響く惑星で2 (渡瀬 草一郎/電撃文庫)
魔法遣いに大切なこと3 夢色に染まる秋天の下で (枯野 瑛/富士見ミステリー文庫)



___7月8日(水)

本棚を整理していたら、九十九十九(新書600ページ)が落っこちてきて足に直撃して悶絶_| ̄|○
なんでよりによって一番分厚いのが……。いや、京極の方が厚いか。


【今日読んだ本】

魔法遣いに大切なこと2 真冬の夢の静寂に (枯野 瑛/富士見ミステリー文庫)amazon

200ページちょっとで500円、昨今のライトノベルとしてはかなり薄い部類に入るこのシリーズ。長ければいいってもんじゃないってことを思い出させてくれます。


あらすじ
「こんなんで、魔法遣いになれるのかな?」ユメは、ふとため息を漏らす。公園の高台を涼しい風が吹き抜ける。様々な色の屋根が重なり、その向こうに入道雲が見える。「どうしたの?」横を見ると美しい少女が、人なつっこく微笑んでいた。魔法遣いになるための研修中にスランプとなるユメ。彼女は街をぶらぶらする途中、出会った少女・希未とあるモノ―想いがいっぱいにつまった大切な宝箱を探すことに。それを探す中、ユメは魔法遣いとして自らの歩む道を見つけていく…。あなたもユメとあてのない散歩をしてみませんか。
 

1巻と同様、とっても暖かくて優しいお話。
派手さは全くないけれど、話を通じて少女が成長していく様子が非常に微笑ましく、いい気分で読めます。
盛り上がるべきところの描写がすごく綺麗だし、このシリーズ好きだー。
一点気になったこと、先生の過去話はこのボリュームならなくてもよかったかも。
軽いスパイス程度の役割しか果たしてないので、それならメインの話をもっと膨らませてくれた方がよかった。次巻への伏線なのかな。


評価 ☆☆☆☆(8)



Mew Mew! Crazy Cat's Night (成田 良悟/電撃文庫)amazon

こんなタイトルだけど「バウワウ!」の続編、今回は猫のお話。


あらすじ
 九龍城さながらの無法都市と化した人工島。
 その島に捨てられた子供たちは“鼠”だった。地下に棲み、暗い路地を走り、あらゆる物を喰い荒らし──そして、この島から逃げたがっていた。まるで、レミングのように──。
 その島で育った少女は“猫”だった。可愛らしく、しなやかで、全てを切り裂く“爪”を持っていて──そして、この島を護り続けていた。まるで、ハウスキャットのように──。
 彼らはいずれ巡り会う、何しろ“猫と鼠”なのだから……。
 

いやあ、イラストの力って偉大です。
イラストがなかったら、ギザギザが露骨に見えるごっついチェーンソーを想像して混乱したに違いない。あんなチェーンソーもあるんですね。
閑話休題。自分は成田さんの作品の、癖のありまくるキャラたちがあちこちでバタバタして大騒ぎ! という群像劇的なところが気にいってるので、視点が少なくキャラも比較的まともな奴らが多いこのシリーズは他と比べるといまいち。水準レベルでは楽しめるのですが。
「猫」だけじゃなくてもっとキレたキャラにも出てきて欲しかった。次は評判待ちかな。


評価 ☆☆☆(6)



ROOM NO.1301 #2 同居人は×××ホリック? (新井 輝/富士見ミステリー文庫)amazon

エロラブコメ第二弾。デビルといいこれといい、最近の富士見はネジが吹っ飛んでるなあ。


あらすじ
幽霊マンションの存在しないはずの部屋の鍵を手に入れた健一。芸術家だが社会適応力ゼロの綾という謎の女性と暮らしはじめたが、クラスメイトの千夜子との関係も続いていた。そんな健一の前に新たな女性が現れた……
 

1巻と変わりばえしないなあ。まあこの話じゃしょうがないか。
2巻でもうちょっと話進むと思ったんだけれど、冴子の掘り下げが強くて他の展開が遅い。
冴子ルートはあんま読む気が起こらんので、とっとと他ルートに入るのを希望。
年上な方々も好きじゃないので主人公を成長させた後退場してもらって、大海さんか双子ルートへGO。普通の恋愛物になっちゃいそうだけれどそれはそれでよし。
まあ、一番見たいのは鈴離ルートなんですが。2巻連続プロローグ「だけ」登場とかひどすぎる。


評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

気象精霊記7 禁酒、禁宴、禁休事態 (清水 文化/富士見ファンタジア文庫)
魔法遣いに大切なこと2 真冬の夢の静寂に (枯野 瑛/富士見ミステリー文庫)



___7月7日(水)

うお、反応が。ありがとうございます。
やっぱり月100冊は死ねるんですね。うちは70でもかなりやばかったんで、まったり40冊程度のペースに戻します。
購入数さえ増やさなければいいことは分かってるんだけれど、それが難しい。



【今日読んだ本】

魔法遣いに大切なこと1 夏と空と少女の思い出 (枯野 瑛/富士見ミステリー文庫)amazon

原作は約1分だけしか見たことなし。でも知らなくても楽しめるみたいだし、富士ミス好きだし、ってことで購入。


あらすじ
心地よく揺れる、列車のリズム。常緑樹のカーテンが途切れたその向こう、一瞬で蒼い風景がユメの瞳に飛び込んできた。「海…」思わず、感嘆が漏れる。ここしばらく、慣れない東京の喧騒に囲まれていた少女は、広い空と海を懐かしく感じた。故郷を思い出し心の中で呟く。きっと上手くできる!魔法遣いを目指して上京した少女・ユメ。彼女が師事する小山田の事務所に持ち込まれた依頼は、祖父の失われた形見を捜してほしいというものだった。ユメは依頼人とともに、遺産が隠された旧家へと向かう。あなたもユメと旅に出ませんか。
 

目新しさは特にないけれど、原作知らないのを全く気にせずに、自然に登場人物や世界観を受け入れられるし、等身大の魔法遣いが上手く描かれてる。頑張ってる様子なんか凄く読み手に伝わってくるし。
話の組み立て方もよくて、後に残るのは「ああ、暖かくていい話だったなあ」と素直に思える爽やかな読了感。
なにより、話全体に漂う透明感みたいなものが凄い好き。こういうの上手く書ける作家さんはなかなかいない気がします。いい拾い物。



評価 ☆☆☆☆(8)



ROOM NO.1301 おとなりさんはアーティスティック!? (新井 輝/富士見ミステリー文庫)amazon

「ルーンウルフ」シリーズを惰性買いし続けたのを後悔して以来、新井輝作品は避けていたのだけれど、妙に評判いいみたいなので購入。


あらすじ
健一は思う。恋って何だろう。好きって、どういうことなんだろう?それは、たぶん遠くて近い答え。掴めそうでなかなか、掴むことができない。僕たちは、だからこそ進んでいく…。普通の高校生・健一は、ある日、クラスメイトの千夜子に呼び出される。彼女からの突然の告白。さしてモテるとも思っていなかった彼の目の前に普通の高校生らしい恋愛への道が拡がる―かに思えた。が、綾という謎の女性を道で拾ったことにより、不可思議なマンションでの健一の生活がはじまる!?甘く、可笑しく、切ない健一の愛の探求の物語。
 

ちょっと待て、ミステリーはどこいった?

読了後振り返ってみて、ミステリー要素の欠片もないのにびっくり。何でもありの今の富士ミスを象徴してるなあ。そんな富士ミスが好きなんだけど。
内容自体も、うわーここまでやるかって感じ。特に後半。噂には聞いていたけどこんなだとは。
序盤読んでいる時点では、ミステリー要素とっぱらってうまく味付けした、純情少年少女の「Dear」路線かと錯覚。
それが中盤から一変。とりあえず富士ミス最エロの称号は間違いなく手にいれられそうなくらいエロくなる。それでいて主人公は純情なまま、ここまでエロくしてまともな恋愛小説に仕上げてるのが上手い。
著者作品としては珍しく眼鏡っ子が一人も出てこないのも好ポイント。世間では綾派が多そうだけど、自分は典型的奥手少女、なかなか報われなさそうな大海さんを推したい。
で、プロローグはいつ話に効いてくるんだろう?


評価 ☆☆☆★(7)


【本日購入したもの】

9SV (葉山 透/電撃文庫)
Mew Mew! Crazy Cat's Night (成田 良悟/電撃文庫)
ROOM NO.1301 おとなりさんはアーティスティック!? (新井 輝/富士見ミステリー文庫)
ROOM NO.1301 #2 同居人は×××ホリック? (新井 輝/富士見ミステリー文庫)
魔法遣いに大切なこと1 夏と空と少女の思い出 (枯野 瑛/富士見ミステリー文庫)

昨日購入減らす宣言した端からこれですか_| ̄|○
まあライトノベル大賞の投票期間中に、少しでも投票対象の良作を発掘しておくという目的があるので、今回は特別です。



___7月6日(火)

オフレポやらなんやらで延ばし延ばしになっていた先月のまとめ。

 読了……71
 購入……35+α冊 (α<100)

多分というか明らかに負け越し。でも今までの読了数の最高が40冊だった自分にとしては、70冊超えということで非常に満足。
密かに目標にしてるサイトにも量で上回れましたし。
読めばいいってもんじゃないし、いつもより量が多い分文章が雑になりまくったけど、ちょっと嬉しいのも事実。
でも同時に凄さも実感。このペースを毎月続けるのは絶対無理だ……。
積み数なら簡単に上回る自信あるんですが_| ̄|○

上半期が終わったので、ついでにそちらの読了数もチェック。

 読了……256
 購入……205+α冊 (α<100)

自分でもありえないと思うほどの読了数と購入数に正直びっくり。つーか買いすぎ_| ̄|○
下半期は買う本減らします、とどうせ達成できないだろうけど、ないよりはきっとましな宣言をとりあえずしておこう。


【今日読んだ本】

きみとぼくの壊れた世界 (西尾 維新/講談社ノベルス)amazon

戯言シリーズは結構気にいってるものの、ファウストに掲載された「りすか」でかなり手痛いダメージを受けたため今まで手を出していなかったもの。


あらすじ
禁じられた一線を現在進行形で踏み越えつつある兄妹、櫃内様刻(ひつうちさまとき)と櫃内夜月(よるつき)。その友人、迎槻箱彦(むかえづきはこひこ)と琴原りりす。
彼らの世界は学園内で起こった密室殺人事件によって決定的にひびわれていく……。 様刻は保健室のひきこもり、病院坂黒猫(びょういんざかくろねこ)とともに事件の解決に乗り出すが――?『メフィスト』に一挙掲載され絶賛を浴びた「体験版」に解決編を加えた「完全版」。
 

「戯言シリーズ」を学園版にアレンジしたような作品。
相変わらずの狂言じみてる台詞まわしに、相変わらずの独特なキャラクター造形。気持ち悪いくらい兄べったりな妹、保健室登校で意味もなくブルマで狩人な語り役の病院坂、達観してるふりをして自分というものを理解していない主人公、そしてありえないネーミング。あーいつもの西尾だ。
さらに学園物特有の青臭さが付加された本作は、もはやミステリと呼べないくらい、ミステリ要素はおまけみたいなもので、青春エンタって言葉がぴったりくる話。作風と設定が意外にもマッチしていて面白かったです。


評価 ☆☆☆★(7)



___7月5日(月)

オフレポ続き。

集合場所でぼけーっとしていると、

浴衣キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
下駄キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
おまけに番傘キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

驚異の姿でやってきたのはmononofu氏。ぶっちゃけありえなーい。
でも、浴衣に鞄は減点。

その後は、焼肉食って徹カラして解散。
こげたっぷりの真っ黒になった肉しか食べようとしないみったん先生には驚きました。噂には聞いてましたが、あれは人が食べるものでは……。
カラオケは、徹夜するには歌える曲が少なすぎてあぼーん。
でも、聞いたことない駄目ソングをたくさん聞けて楽しかったです。
あと、我が道を突き進むmononofuさんが印象的でした。



【今日読んだ本】

リアル鬼ごっこ (山田 悠介/文芸社)amazon

最近、当たりばかり読んで強烈な地雷を踏んでいません。これではいざ地雷を踏みつけた時のダメージがでかすぎます。
それを避けるため、目に見えた地雷をサクっと踏んづけておくことにしました。ネタとして楽しめれば満足。


あらすじ
史上最凶最悪の追跡劇がいま始まる。若干二十歳の新進気鋭作家が放つ、奇抜な発想と自由奔放な筆致で描く、ニュータイプ・ホラー・ノベル。
 

「ネタとしてすら楽しめないから、地雷って言うんですよ」

ちょっと甘く見てた。ここまでの破壊力持っているなんて……。
文章がひどいのは、あちこちのレビューで見ていたのでそんなに気にならなかった。
予想のはるか下を行く展開も、まあ許せるということにした。
でも、あまりにもひどい設定の粗さ、これは駄目だろう。
馬鹿なネタをやるなら馬鹿なりに、とことん鬼ごっこまわりの設定を煮詰めないと。
30分で作りました、ってくらい設定がいい加減なせいで、登場人物たちの行動が意味不明かつ薄っぺらいものに感じられるし、そもそも本気さが伝わってこない。
こんなの世に送り出すなよ……。


評価 ☆(2)



風の王国 (毛利 志生子/コバルト文庫)amazon

先月の新刊。評判がいい割に発行部数が少ないらしくあちこちで売り切れていましたが、ようやく発見したので購入。


あらすじ
時は7世紀。唐の皇帝、李世民の姪でありながら、商人の娘として育てられた翠蘭は突然皇帝に呼び出され、こう言われる。「そなた、朕の娘となって吐蕃国に嫁がぬか?」辺境の地、吐蕃(現在のチベット)に政略結婚で嫁ぐことになった翠蘭は、自ら馬に跨がり旅路に出るが、待ち受けていたのは、思いもかけぬ事件と、胸を焦がすような出会いと…。歴史を駆け抜けたヒロインの、運命の物語。
 

恋というものを知らない主人公が人を好きになっていく様子の描写が丁寧でいい。正体隠しってのはベタだけど、面白いからベタとして通っているのです。
話自体も、いくつもの勢力がそれぞれの思惑を持って行動し入り乱れる様がよく書けていて、息のつかない展開でなかなか。一部のキャラクターがあまり物語に絡んでないけれど、これは多分続編を意識しているのでしょう。次も買い。

評価 ☆☆☆★(7)



___7月4日(日)

予告通りオフレポ。

全員集合の前に、上京するNagisawa氏を迎えて軽く集まるということで、秋葉へ。
まずはみったん先生に薦めるダメラノベを用意することに。幸いにも、

(t-snow) みったん先生なんかダメラノベのリクエストありますか
(mIT-TAn) ペンチお断り(謎

とリクエストがあったので、すんなりペンチ小説に決定。

その後、chabe氏、Nagisawa氏と合流し、とらのあなや地図を適当にひやかす。ここまではよかった。

しばらくすると、
「結構歩いたしちょっと一休みしますか」
とchabe氏。chabe氏といえばメイド、メイドといえばchabe氏。
つまりchabe氏にとって、秋葉で一休み=メイド喫茶 なのです。
普通のダメな店にはそこそこ慣れているものの、メイド喫茶は行ったことがない自分。胸に抱くのは期待1割、不安9割、かなり怯えつつ到着。

入り口に「本日、スク水Day」の文字が。

……無理無理無理。それメイド喫茶じゃないよ! 初体験がここってのは、Lv1でバラモス城に連れてかれるくらい無謀。
しかし、そんな思いを知ってか知らずか、いや絶対知ってたに違いないけど無視して、ずんずん進む他の二人。そのまま店に入っちゃいました。うああああ。
「いらっしゃいませ」
店員ほんとにスク水だ……_| ̄|○ 見た瞬間精神破壊されましたよ。なんつーか、ダメダメ。兵器だあれは。
その後に続いた、「チケットをお持ちですか」の声がなかったら絶対トラウマになったに違いない。危なかったー。

代わりにいったメイド喫茶は、巫女などがいたものの思ったより普通でした。
店内で流れていた「ガチャピンチャレンジシリーズ」が面白くて、メイドさん達ほとんど気にならなかったし。スキージャンプするガチャピン>>>メイド。

というわけで、はじめてのメイド喫茶は比較的無事に終了。そうこうしているうちに頃合になったので、いざ集合場所へ。
そこで三人を待っていた驚愕の姿の持ち主は……! 以下長くなったので明日へ。



【今日読んだ本】

時をかける少女 (筒井 康隆/角川文庫)amazon

 言わずと知れた超有名タイトル。最近漫画化されたみたいなので読んでみることに。挿絵つき小説を「ライトノベル」と定義するなら、これもライトノベルになるのか……。


あらすじ
物置同然になった無人の理科教室に誰かいる!ガチャーンとガラスの割れる音が響いた。和子が薄暗い部屋の中を見回すと、試験管が床に落ちて割れていた。中から液体がこぼれ、白い湯気のような甘い匂いが漂い、急に和子の嗅覚を襲った。彼女はそのまま軽い貧血を起こして気を失った、、、だが、意識が回復すると、不思議な事件が立て続けに起こった。どうもあの臭いをかいだことがきっかけで、彼女に特殊能力が備わったらしい。少女が不思議な空想の世界を体験する会心の表題作、ほか二編収録。
 

 あー、悪くはないけど、タロット読んだ後だからすごくぬるく感じる。表題作は時間跳躍に重点を置いているわけじゃないし、恋愛小説としても普通。日常→非日常は読み慣れすぎて、過程がうまくても唸れない。あと、パラドックスは片方が消えることで解消されるのに、一夫がどう考えても同時に二人存在していそうだったりとSF要素で疑問符がつく点も。時代的に後世の作品に多大な影響を与えたのは間違いないけれど、現代にあえて読むものじゃなさそうです。

評価 ☆☆★(5)



スリピッシュ! 盤外の遊戯 (今野 緒雪/コバルト文庫)amazon

 やっと2巻見つけた。・゚・(ノД`)・゚・。


あらすじ
東方検断長官ラフト=リーフィシーと懲役囚の二つの顔を持つアカシュが姿を消した。副官のエイは、長官の不在を伏せて独自に調査するが、何者かが彼を誘拐したらしい。ラフト=リーフィシー宛てに届いた犯人からの脅迫状は、アカシュの身代金として王家の紋章入りの指輪を要求してきた。アカシュの秘密を犯人に知られる前に救出しなければならない―エイは命がけのゲームに挑むが…。
 

 他の巻と比べると今一歩、けれど十分面白い。話は普通でもテンポとキャラクターのよさですいすい読める。いいなぁこの雰囲気。

評価 ☆☆☆(6)



___7月3日(土)

昨日は#葉夢屋のオフでした。眠いのでレポは明日で。



【今日読んだ本】

鏡のお城のミミ やさしい花嫁のすすめ (倉世 春/コバルト文庫)amazon

 とっても甘くてちょっとだけ苦い王道少女小説の新刊。


あらすじ
偽りの花嫁!? ゆれるミミとエリックの思いは? エリックの母ソフィー王妃が命を狙われ、ジャン=バティストが犯人だと疑われているらしい。元王子のエリックは彼を助けるため、ミミを花嫁と偽って、捨てたはずのカンタン王国に乗り込むが…。
 

 えええええ、そんな方向に話進むの!? とりあえずギヨーム王は首吊ってきてください。この変態王め。期待していた三角関係要素は、バティストが捕まってることもあり弱めで、それはちょっと残念でしたが、その分前巻レベルの甘さとほろ苦さが同居していて、もう転がらないと読めない状況。電車の中で読まなくてよかった。ミミが自分の本当の気持ちを自覚しはじめてきたところへ、巻末のエリックの決意。となると次巻はあーいう展開か。すごく楽しみ。

評価 ☆☆☆☆(8)



赤城山卓球場に歌声は響く (野村 美月/ファミ通文庫)amazon

 評判がよかった気がするのでなんとなく購入。


あらすじ
著:野村美月 イラスト:依澄れい が描く奇想天外!笑いと涙のハートウォーミングストーリー。突然音信不通になった"華代ちゃん"に会うため、ヒロイン"朝香"と、仲間である合唱サークル一行は群馬へ向かう。そこに待ち受けていた驚天動地の事実とは…?「第3回えんため大賞」最優秀賞受賞作品。
 

 同著者の「天使のベースボール」みたいに読んでてむかつくことはなかったものの、壊滅的に肌に合わない。卓球の神様に仕える巫女が出てきたり、決め手がドナドナだったりと、いい意味でお馬鹿な話でこういう話は嫌いじゃないはずなんだけど、文章、キャラ立て、話の展開、すべてが気にいらない。ダメだー。

評価 ☆★(3)



語り手の事情 (酒見 賢一/文春文庫)amazon

 中国歴史物を主に書いている著者ですが、これは……エロ小説?


あらすじ
英国ヴィクトリア朝時代、妄想を抱いた紳士たちが集う館で展開する性への幻想を巡る物語は、その語り手も巻き込んで意外な方向に…。理性も妄想も超えた物語。
 

 なんだこれは。メタでエロで妄想で恋愛なお話。主人公の「語り手」は文字通り物語を進める役割を持っていて、現実世界と物語世界の境界線上におり、そういった点ではメタ小説。でも主題はそこからはなんかずれていて、語り手が妄想に引っ張られてエロくて薀蓄ばりばりな方向に進みます。最後には恋愛にまで発展しちゃうし。眠い時に読んだせいもあって話あんまり理解できてません。読後感はいいけど、正直よく分からない。
 一点追記。メイドさんがたくさん出てきます。

評価 ☆☆★(5)


【本日購入したもの】

赤城山卓球場に歌声は響く (野村 美月/ファミ通文庫)
時をかける少女 (筒井 康隆/角川文庫)
リアル鬼ごっこ (山田 悠介/文芸社)
きみとぼくの壊れた世界 (西尾 維新/講談社ノベルス)



___7月1日(木)


【今日読んだ本】

《世界》。 真・運命のタロット9(上) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon
《世界》。 真・運命のタロット9(下) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon

 「もうすぐ、世界が終わるの」(成瀬@Sense Off)

 と訳分からない引用はさておき、全24冊に渡る大河SF、ついに終焉。


あらすじ
ミッドウェイにおいて《世界》に巻き込まれた空母<エセックス>は時空を跳躍し、モントークへ現れた。そのときこそ、モントーク機関の存続を巡る《愚者》と《神の家》のフェーデの行方が決せられるときだった!協力者としての存在に苦悩を深める、片桐。ライコへの思慕の情を新たにする大河譲太郎もまた、時間によって綾なされる運命に苦杯をなめることになる……。『真・運命タロット』第9弾!(※ 上巻)
 

 最終巻においても話の密度は非常に濃く、ティターンズとプロメテウスの戦いの根源となっている、「決定論が支配している中、人はどう生きていけばよいか」という命題について主人公による一つの回答がしっかりと示されたし、長い物語を締めくくるラストシーンも本当に素晴らしい。下巻の後半を中心に初読では消化しきれてない部分があるものの、第二部完としてはこの上ない終わり方で、間違いなく傑作。語られない事象が色々残っていても、テーマに決着はついているし、閉じてもおかしくないということは十分理解できる。
 でも、これが全ての終わりなんて認めたくない。読みたいエピソードも話もまだまだたくさんある。何年後になってもいい、第三部が読みたい。そう思ってしまうほど魅力的な話だったー。もう一度最初から読み返したいので、第一部の入手に全力を注ごう。

評価 ☆☆☆☆★(9)



【本日購入したもの】

《世界》。 真・運命のタロット9(上) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
《世界》。 真・運命のタロット9(下) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
風の王国 (毛利 志生子/コバルト文庫)
スリピッシュ! 盤外の遊戯 (今野 緒雪/コバルト文庫)




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