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___10月15日(金)

先週末あたりからひいてる風邪がなかなか治りません。季節の変わり目は嫌いだ……。


【今日読んだ本】

黄金のアイオーニア 青き瞳の姫将軍 (藍田 真央/角川ビーンズ文庫)amazon

「天空の剣」が結構気にいったので、ビーンズ同期つながりで買ってみました。


あらすじ
自治国間の争い絶えぬクラナ半島。アイオーニアは、自治国ティレネを勝利に導く姫将軍として名高い少女だ。奴隷身分の異母妹イオニアを守るため必死で戦い続ける彼女に、美しい傭兵エフェロスは禁じられた想いを抱くようになる。一方異民族として軽んじられてきた異母姉ドーリアは、アイオーニアを追い落としティレネの権力を握ろうと、策謀をめぐらせていて―。それぞれの愛と運命を辿る三人姉妹の、ヒストリカル・ロマン。


こういう話は好き、でも非常に惜しいのが圧倒的な描写不足。戦うヒロインと異国の傭兵との恋、及び三姉妹の絆と運命の2つを話の核に持ってきていて、前者はよく描かれていてかなりツボに入ったんですが、後者がその分ぼろぼろに。イオニアとライアスの話一瞬で終わりすぎですよ_| ̄|○
ドーリアの話も掘り下げが浅く、これは世界設定が甘いのが原因かな。奴隷制で異民族蔑視で女性蔑視で共和制の国での少女将軍をはじめとして、小国群雄割拠で王制共和制入り乱れなど、ちょっと無理がある気がします。「天空の剣」の人と同様、この人もうまくなればかなりお気に入りになりそうなので今後に期待。

評価 ☆☆☆★(7)


___10月14日(木)

カウンタとんだ原因判明。サーバーの容量オーバーだった模様_| ̄|○ まあ1からのスタートと思ってめげずに頑張ります。


【今日読んだ本】

世界で一番優しい機械 〜SOFT MACHINE〜 (榊 一郎/EX NOVELS)amazon

久々の榊作品。なんとなく「ドラゴンズウィル」と同じ匂いを感じたので購入。


あらすじ
舞台は近未来の日本、とある大型病院。人間と同様の精神性を備えるに至った奇跡の医療用AI、 「キャロル」は、ある日運び込まれてきた昏睡状態の患者 について不審に思う。その少女のプロフィールは完全に 空白、しかも担当の医師達は治療と称して栄養剤を投与 するのみだった。やがてキャロルは昏睡する少女に隠された真実を知る……。 「兵器開発会社ノースリバー社」。「実験体」。 やがて襲い来る暗殺者達。「切り裂く者」。「マスカレード」。 キャロルと担当医滝織は、少女を守り抜けるのか?


あらすじ全く読まずに買ったら、実験体や暗殺者がいきなり出てきてかなりびびる。優しい機械を語るのにテロリストを持ち出してくる怪しい設定っぷりが、榊一郎の持ち味の一つなのかな。
で、その怪設定が功を奏しているかというと……微妙。サスペンス特有の緊迫感はうまく出てて、ハラハラドキドキはあるものの、アメリカやFBIが出てきて政治関係持ち出されると、どうも話薄っぺらく感じてしまう。本当のアメリカはもっと黒いだろー、とか考えちゃうんですよね。
エピローグのハッピーエンドの書き方なんかは好きなので、この人の書く直球恋愛話なんか一度見てみたいな。

評価 ☆☆☆(6)



有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 日曜日には探偵を (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon

本編が終わってもまだまだ続くコラフェリ、シリーズ初の短編集。


あらすじ
わたしにだって探偵ぐらいできるのよ。知り合いの探偵が病気なのにかこつけて、勝手に新聞広告を出して探偵業に乗り出したコラリー。頭脳明晰な婚約者のフェリックスにも今回は頼らず、自分ひとりで事件を解決してみせると息巻くが!?


出す時期が悪いですねこれ。完結した後に後日談でない短編ってのは、前巻が素晴らしかったこともあってインパクトに欠ける。いまさらコラリーがフェリックスと張り合う話見せられても、微笑ましさ半減。後日談が読みたいのにー。大声解決など、いい部分もところどころあったけれど、元々一話完結の色が強い作品なこともあり、薄くなった長編って感じでいまいち。長編のボリュームがちょうどいいと思います。

評価 ☆☆★(5)


___10月13日(水)

多分今日で10000Hitいきました。ありがとうございます。

なんでカウンタ飛んでるんだろう_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○


【今日読んだ本】

エレニア記T ダイアモンドの玉座(下) (デイヴィッド・エディングス/角川スニーカー文庫)amazon

約一ヶ月ぶりの下巻。上巻読んですぐ読むつもりだったのに、厚さで読む気力を奪われてずるずるとここまで来てしまいましたとさ。


あらすじ
クリスタルに封印された女王の治療法を求める聖騎士スパーホーク。彼は世界の四騎士団の精鋭を集め、大陸最古の大学都市へ向けて長い旅に出た。だが、古き神アザシュが行く手を阻み、アニアス司教の謀略は激しさを増していく。女王の封印を守る12人の騎士たちは次々と斃れ、時限が迫る…。一方、南の地では、異端派の指導者が狂信的な信者を砂漠に集め、蜂起を目論んでいた。―伝説の古き神々の企みは大陸を揺るがす。


いざ読み始めるとだれずにスラスラと読めるのは、さすがエディングスといったところか。なんといっても会話・描写がそれほど冗長でない点が大きいですね。他の本格ファンタジーだともう以下略。
今回は中盤まではずっと治療法探しで、一冊丸々これだけならひどいなぁと思っていたら後半でマーテルとの対面キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!! ……あれ? やけにあっさり。引けの展開はよかったけれど、下巻の割には盛り上がりに欠ける。悪役がパワー不足なのでもっと頑張ってもらいたいな。

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

アル−ナグクルーンの刻印 エズモーゼの左手 (響野 夏菜/コバルト文庫)
雪月の花嫁 (樹川 さとみ/コバルト文庫)
ティー・パーティー 我らこの世界を愛す(中編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)
ザンヤルマの剣士 イェマドの後継者 (麻生 俊平/富士見ファンタジア文庫)
黄金のアイオーニア 青き瞳の姫将軍 (藍田 真央/角川ビーンズ文庫)
真世の王(下) 白竜の書 (妹尾 ゆふ子/EX NOVELS)
悪魔のミカタ2 インヴィジブルエア (うえお 久光/電撃文庫)
悪魔のミカタ3 パーフェクトワールド・平日編 (うえお 久光/電撃文庫)

e-bookoffからこんにちは。やっとザンヤルマの残り読めます。ティー・パーティーはコンプまで残り4冊。


___10月12日(火)


【今日読んだ本】

有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 盗まれた蜜月(前編) (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon
有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 盗まれた蜜月(後編) (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon

コラフェリもいよいよ本編最終巻。安定して楽しめる素晴らしいシリーズだったなぁ。


あらすじ
フェリックスとの結婚が決まり、コラリーは思い描いていた感傷に浸ることなく、式前夜を迎えた。しかし、ここに来て彼女はフェリックスからプロポーズの言葉を貰っていないことに気づく。慌てたコラリーだったが、互いに大切な言葉を交わすと、安心した様子で眠りについた。それなのに、目を覚ました彼女を待っていたのは花嫁衣装でも、フェリックスでもなく、怪盗“シュシナック”だった。


コラリーとシュシナックとの、並びにフェリックスとシュシナックとの決着。うあー、そうくるとは、フルバですかー!?
2冊まるまる使って書かれたシュシナックの過去及びコラリーとの行く末は、非常に納得が行く話で満足。怪盗さん大活躍でほんとかっこよかったです。これで勝てないのは不憫だなぁ……。願わくばこの先彼に春が訪れますように。ついでにボナバンにも。どうもこの手の引っ掻き回され脇役には情がわいて仕方ないです。

評価 ☆☆☆☆(8)


【本日購入したもの】

有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 日曜日には探偵を (橘香 いくの/コバルト文庫)


___10月11日(月)


【今日読んだ本】

血まみれ学園とショートケーキ・プリンセス (真行寺 のぞみ/電撃文庫)amazon

とってもそそるタイトルの本。前に一度見た時は誘惑に耐えたんですが、今回は耐えられませんでした。「私を買って」オーラ強力すぎです。


あらすじ
ったくもう、どうしてこういうことになるわけ?どうしてこのあたしが、1メートルもあるゴキブリやトカゲとか、首からチェーンソーをはやしてる殺人鬼の群れと戦わなきゃいけないわけ?イチゴのショートケーキが大好きな、ごく普通の女子高生=真行寺のぞみは、ある日、ふとしたことから引き込まれたゲームと現実世界の狭間の異次元空間で、プリンセスに選ばれ、超常体験をすることに…。スプラッターあり、メルヘンあり、もくじを見ただけで、脳みそが痒くなりそうな、異色ファンタジーアドベンチャー小説。


これはいい不条理ですね。混沌期の電撃文庫を象徴するかのような迷作。「第六章 あたしたちは商店街での銃撃戦にまきこまれ、どちらかというとおもちゃ屋さんの方に同情する」 もくじからしてこんな感じだし、もくじさえ読めば本編の流れは完全に掴めてしまいます。
まあ、一人称文章でのナンセンスっぷりを楽しむものなので流れを読めても関係ないし、疲れているときに読むとグッド。ちょうど風邪引いている時に読んだのでよかったです。合わないと壁に投げつけたくなるかもしれませんが。

評価 ☆☆☆(6)



天空の剣 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫)amazon

ブクオフ巡りをやっても「コンビネーション」が見つからないのでむしゃくしゃして買った本。


あらすじ
美貌の青年剣士ノクスと、自称世界一の魔法使いダークロア。酸の海のせいで滅びつつある世界で、傭兵生活を送る彼らは、感情的で乱暴な女剣闘士ウィルゴと出会った。「惚れたから」と、彼女を追うダークロア(ついでにノクス)だが、実はウィルゴが酸の海を招いた人物で、逆に今は世界を救おうとしてるのだと知る。「世界がどうなろうと、私はどうでもよかった」という彼女の秘密とは?第1回ビーンズ小説賞奨励賞受賞。


あーもったいない。もうちょっと文章がこなれてきて、もうちょっと展開が洗練されて、もうちょっとキャラに統一感が出てくれば傑作になりそうなのに。こういう少女向に味付けされたファンタジーの雰囲気はすごく好きなだけに、筆力不足が残念でなりません。最近の作品の感想を見るに成長はゆっくりながらもしているみたいなので、他作品も読んでみます。
あ、一点突っ込み忘れ。 神 弱 す ぎ 

評価 ☆☆☆(6)


___10月10日(日)


【今日読んだ本】

平井骸惚此中ニ有リ 其三 (田代 裕彦/富士見ミステリー文庫)amazon

新刊ラッシュ、ひとまずラスト。


あらすじ
探偵作家・平井骸惚に弟子入りして早数ヶ月。未だ一人前とは言えない河上君に恋の予感!? 大正十二年。探偵作家平井骸惚宅に妙齢の美女が訪ねてきた。「太一ちゃんのお嫁さんにしてもらいにきました」。突然押しかけてきた故郷の幼なじみ・翠子から、昔交わしたという結婚の約束を突きつけられた河上君。穏やかならぬ涼嬢の気持ちも知らず、いい雰囲気の二人だが、どうやらこの翠子、何やら訳ありの様子で――。本格推理譚、第3弾!


ちょっと飽きてきたかな。LOVEがややパワーダウン、ミステリも普通で、目新しかった文章にも慣れ気味。今回出番の多かった溌子嬢は非常に素晴らしいんですけど、それ以外に特筆する点がないです。惰性買いするくらいの面白さと安定感はちゃんと備えてますが。なんか今月の新刊はこんなのばかりだったなぁ。

評価 ☆☆☆(6)



強救戦艦メデューシン(下) (小川 一水/ソノラマ文庫)amazon

評判が微妙だったので上巻読んだ後スルー、でも結局読むんならすぐに読むべきだった……。2年近くあいたので上巻強制再読の羽目に。


あらすじ
フレナーダ陸軍第911医療衛生大隊の巨大病院機メデューシンは、今、北の大陸に来ている。いや、飛ばされたと言ったほうが正しい。その救命隊員が、南の島で、重大な国家機密に近づいてしまったからだ。毎日の激務にもかかわらず、若き従軍看護婦たちは、南の島の戦場で収容した少年の奇病の原因を探り続ける。その解明の結果が、メデューシンの存続にかかわる重大事になるとは、まだ、誰も知らない。


あー、あー……。ラストに話大きくする癖は今回はそんなに気にならないし、痛快にするならこのくらいやった方が爽快。問題は政治家たちを黒く書きすぎなこと。他の人間を白く書いているために善悪二極化が激しすぎて、作品を支えている性善説に説得力が全くないのがかなり致命的。話が薄っぺらくなっちゃってます。そこに目をつぶりさえすれば面白いのに。

評価 ☆☆★(5)



グレイ・チェンバー (小川 一水/ジャンプJブックス)amazon

小川一水コンプに向けて頑張ろう。


あらすじ
学校なんてただの灰色の入れ物かも知れない。そんな思いで学園生活を送る生徒たちの前に突然現れたピンク色をした異様な生き物。それは気味の悪い鋭利な舌でやにわに襲いかかってきた。級長の如月そよぎは、椅子でなんとかしとめたが、それが大災難の始まりだった。次々と襲いかかる異界の生物・ネイバー。クラスの誰にも逃げる道はない。ひたすら闘うのみ…。あの『まずは一報ポプラパレスより』の河出智紀がPNをかえてお贈りする快心の学園パニック・ノベル登場。


ありえない、本当にありえない。なんでページの左下にあるイラストが全部同じなんですか!? その位置にイラストのせるならパラパラ漫画にするのが当然でしょう。最初嬉々としてパラパラしてみて変化なかったときの失望といったら……。ハメられた。
内容はベタな友情・努力・勝利だけれど、クラスが徐々に一致団結していく話はやはり気持ちがいいもので、なかなか楽しめました。SF設定が完全に浮いちゃっているのが難。この作品にかぎっていえば、あまり語らずにボカした方がよかったんじゃないかな。

評価 ☆☆☆(6)


___10月9日(土)

昨日更新作業途中で寝ちゃったので、今日は昼に更新。


【今日読んだ本】

天槍の下のバシレイス1 まれびとの棺(上) (伊都 工平/電撃文庫)amazon

さくさくと新刊を崩します。61分隊はそこそこ面白かったものの購読する程でもないと思って切ったのですが、新シリーズのこれはどうか。


あらすじ
突如世界中に出現した『塔』と巨大生物群により、日本もまた東西に分断されていた。1960年代まで文明の後退した西日本東部辺境・南兵庫で、川中島敦樹は高校に通いつつ防災団の一員として活動する。同級生でもある仲間たちと異形の敵から街を守り、やがて来る人類再起の日を待ちながら──。『第61魔法分隊』の伊都工平が贈る待望の新シリーズ、遂にスタート。


心理描写を薄くして展開をハードじゃなくして、そつなくまとめたディバイデッドフロントといった感じ。キャラクターはメインサブ共にそれなりに自己主張しているし、この設定にしては世界に蔓延する悲壮感がたりないことを除けば話も悪くない。でもそこどまりなんだよなぁ。61の頃からあまり成長してないかも。
あと、1巻の上巻から本の半分が本筋から外れた短編ってのはよくない気がします。時系列的には正しいんだけれど、この短編が下巻に活きてくる気はあまりしないし、上下に分けずに本編進めてほしかったかな。

評価 ☆☆☆(6)



シャドウテイカー2 アブサロム (三上 延/電撃文庫)amazon

電撃の地味of地味、三上延がおくる現代ホラーアクション第二巻。


あらすじ
 孤独な人間の影に潜んでその欲望を操り、人間を補食する、異なる次元からやって来た生命体──『カゲヌシ』。 悲劇を繰り返さないため、葉に取り憑いたカゲヌシ『黒の彼方』の力によって、この世界に潜んだカゲヌシたちを倒す決意をする裕生と葉。そんな時、雄一が拾った不思議な金属の球にカゲヌシの影を感じた二人は、雄一の通う東桜大学に向かう。そこで二人を待っていたのは、鳥のようなカゲヌシ『ボルガ』を操る少女・茜だった……。


いつもの地味三上ながら、戦闘描写なんかは確実にうまくなってて後半の盛り上がり一役買ってます。キャラも主人公とヒロインが若々しさに溢れていて、ちょっと年寄りくさかったダークバイオレッツよりもこっちの方が好きです。葉いいよ葉。
話は今回でようやく登場人物達のスタンスが確定して、次巻から大きく動いてきそう。この先どんどん追い込まれていくことになるんだろうなぁ。裕生と葉2人だけの世界構築ワッショイ(待て

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

血まみれ学園とショートケーキ・プリンセス (真行寺 のぞみ/電撃文庫)
黄金拍車 異次元騎士カズマ (王領寺 静/角川スニーカー文庫)
天空の剣 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫)


___10月7日(木)

いつものように更新作業をはじめようとしてふと気づく。5日の日記はどこに消えたんだろう?

……どこにもない_| ̄|○ どうやら昨日の更新の際に消した模様。バックアップなんてとっているわけないし、googleキャッシュもあえなく敗北。書きなおす気もおきないのでBookshelf更新の際に評価だけ追加します。にしてもアホすぎだー。

ついでに他の部分も点検したら、日付のstrong表記が何時の間にか解けてました_| ̄|○ タグ打ち更新でサイト確認さぼってるからこういう目にあうんですね。気をつけよう……。


【今日読んだ本】

カレとカノジョと召喚魔法 (上月 司/電撃文庫)amazon

ほとんど事前情報なしで買ってみた電撃の新人。ここのところ新人作品は様子見してから買うというチキンボーイになっていたのですが、都会のラノベ読みは地雷踏んでこそと思いなおしました。
といいつつ見え見えの危険牌はしっかり避けてるチキンな私_| ̄|○


あらすじ
カレ:水瀬遊矢。私立風見野高校一年生。頭脳すこぶる明晰、緊張感なし、恐怖心なし。 カノジョ:白銀雪子。遊矢の同級生。容姿端麗。過去の“治療”の影響で運動能力抜群。 召喚魔法:八年前、カノジョが大怪我をした際、カレがカノジョを救うために行ったモノ。召喚されたのは悪魔。契約の代償は緊張と恐怖。 カレとカノジョと召喚魔法:カレとカノジョが、失われた感覚を取り戻すため、契約に従って悪魔を見つけ出そうとして……。


タイトル見てオカルトで悪魔がばんばん出てきたりするのかなと安直な想像をしていたら、中盤までは結構ベタな学園ラブコメ(?)ミステリ。キャラ紹介→事件を知る→捜査→犯人との対面、と極めてオーソドックスな流れで、驚きはないけれど安心して読めました。雪子のツンツンっぷりがいい味付けになってます。
で、終盤になると一変してバトルな内容になるんですが、これがいまいち盛り上がらない。伏線分かりやすくて展開見え見えなのがなぁ。こんなところまでベタにしなくてもいいのに。見せ方は下手じゃないんですけどね。
大きな欠点もなく、よく言えば完成度の高い、悪く言えばこじんまりとした話。新人ということでもっと一点特化な話が見たかったかも。続き出るみたいですが、1巻で綺麗にまとまっているので買うかは微妙。ネタ結構出つくしてて、続いても盛りあがらなそうな気がします。
以下ちょっとネタバレ。記憶消しちゃったら近いうちに玲はまた同じようなこと繰り返すんじゃ? まさか続きでそのネタ持ってくることはないだろうけど、根本的解決にはなってないよなぁ。あと、霊力の説明が非常に怪しい。火力の説明だと燃やせないから一気に霊力取り出すのは無理。これは比喩だとしても、S級悪魔を並人間の一生分の霊力で召喚できるのには違和感あるなぁ。この辺気になっちゃって話に乗り切れませんでした。

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

カレとカノジョと召喚魔法 (上月 司/電撃文庫)
天槍の下のバシレイス1 まれびとの棺(上) (伊都 工平/電撃文庫)
シャドウテイカー2 アブサロム (三上 延/電撃文庫)
平井骸惚此中ニ有リ 其三 (田代 裕彦/富士見ミステリー文庫)

巷では豪華といわれている今月の電撃新刊、でも個人的には買うものが全然ない。ということで、新シリーズ2冊に手を出してみました。


___10月6日(水)


【今日読んだ本】

イスベルの戦賦 <天の踵>よ、来たれ (新城 カズマ/ファミ通文庫)amazon

新城カズマの本格ファンタジー。なんで本格ラッシュで苦しんでる時に買いたしてるかなあ……。


あらすじ
北方諸王国を統べる上王の娘・イスベルは冬隠りの祭の夜、共和国の急襲によって国を滅ぼされ、奴隷商人につかまってしまう。形見である黒い剣“天の踵”を奪われ、奴隷として送る過酷な日々―。そんな失意と焦燥のなかで彼女は自分でも気づかぬうちに勇気と強さを育て、新たなる運命を開いていく…。新城カズマ初の本格ファンタジーロマン、堂々の開幕。


あー、あれだ、これきっと打ち切られる。こんなコテコテの本格ファンタジーがファミ通文庫で売れるわけないですよ。現に一年半以上続き出てないです。遅筆なだけかもしれないけれど、売れなくて続き出さないのなら企画通した編集のせいじゃないかなあ。
内容の方は前述したように邦訳物を思い出させるほどの本格っぷり。独自の言語体系作り上げたりとなかなか凝ってます。が、凝りすぎてちょっと空回り気味かも。
どん底に突き落とされた後這い上がっていく少女の物語というのはツボなはずなんだけれど、どうもピンとこないのは世界観が好きになれないからかな。まだ旅立ち+αしか書かれていないため、盛り上がりにも欠けるのが少し辛い。3巻がもし出るんなら続き読もう。

評価 ☆☆★(5)



有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 緋色の檻(前編) (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon
有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 緋色の檻(後編) (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon

ついに明かされるフェリックスの過去。大詰めです。


あらすじ
衆人環視の中、コラリーとラヴシーンを演じたことで、フェリックスは謹慎処分を言い渡されていた。そんな折、デローリエ男爵はふたりに婚約話を持ちかけるが、彼はその話を断ろうとする。なぜ婚約を受け入れないのか、コラリーは納得できず、フェリックスに問う。話の中から、彼が人間不信の塊だと確信した彼女は、哀しみと怒りを覚える。そして、原因でもある彼の母親を探すと言い出して…。


うわー、今回ミステリすごくうまい。謎を明かしていくタイミングが巧妙でころころ騙されるし、二転三転して大いに楽しめました。初の上下巻構成でも冗長な所がなかったし、ほんと素晴らしいライトミステリです。
今回のハイライトはなんといっても洞窟内でのコラリーとフェリックス2人きりの場面。コラリー(・∀・)イイ 恋する乙女はかくも強きものなんですね。フェリックスの母親に関しては概ね予想通り。もし生き延びていたらフェリックスがどんな人間に育ったのかは非常に気になるところです。

評価 ☆☆☆☆(8)


___10月4日(月)

未読が減ってきたので、前々からしたかった既読の読み返しを行っていくことに。

第一弾は消え去ってからそろそろ三周年記念、もう復活することはないのか、海羽超史郎「天剣王器」です。
発売当時に読んだ印象は「とんでもなく読みにくいのになぜか面白い」だったのですが、今読んでも読みにくさは相変わらず、造語がこんがらがってて世界体系が把握できない。が、把握できないのに荒削りの魅力に惹きつけられる。暫定夏季やら骨やら天剣の設定やら色々とツボ。やっぱ好きだなあこれ。客観評価すると地雷すれすれなんですけどね。

【今日読んだ本】

真世の王(上) 黒竜の書 (妹尾 ゆふ子/EX NOVELS)amazon

何時の間にか本格ファンタジーの積みが全体の4分の1に。だるいけど頑張って崩そう。


あらすじ
かつて竜が思うままに飛翔するのみだった宙に、“銀の声持つ人”があらわれ、新たな世界を構築した。しかし、期待を裏切り続けた人の営みに絶望し、かれらがこの世界を去って、既に久しい。力あるその言葉で語られた世界のあるべき姿と、人の営みが作った世界の姿との差が、歪みとなって魔物を産む。世界の滅びは間近に迫っていた。―異世界ファンタジーの旗手妹尾ゆふ子が渾身を込めて書き下ろした1300枚の一大叙事詩。


だるさと面白さが完璧に同居してる作品。
本格ファンタジーらしく「本」やら「古い言葉」やらが力を持っている世界で、作中において緻密に世界観が語られているのだけれどこれが退屈。普通の人間であるウルバン視点は別として、序中盤のエスタシア、イージェンが中心となる部分は世界描写ばかりで眠くなる。このあたりは、本格ファンタジーに向いてないのが原因かも。C★NOVELSくらいがちょうどいいです。
でも、一通りの説明が終わり世界観にひたれるようになる後半からはぐんと面白くなって、一気に読み終えました。「テイ、エスタシア」には痺れた。滅びにむかう世界で彼らがどう戦うのか、下巻も楽しみ。

評価 ☆☆☆(6)


___10月3日(日)


【今日読んだ本】

よくわかる現代魔法2 ガーベージコレクター (桜坂 洋/集英社スーパーダッシュ文庫)amazon

シリーズの中でも評判のいい2冊目。


あらすじ
渋谷の街には魔物がひそんでいる。ある日曜日、街角で落書きをしていた達彦はふたりの自称魔女に接近遭遇。美鎖と弓子の魔法バトルに巻き込まれた達彦は、スプレー缶を片手に街中を駆けずり回るハメに。やがて巨大な魔法が街全体を覆いはじめる。タイムリミットは午後5時。ガーベージコレクターが渋谷に降臨する時、全ての記憶は失われてしまう!?ネット時代の魔法物語、第2弾。


なるほど、確かに1巻より格段に成長してる。渋谷という大きな街で起ころうとしている一つの事象もろもろを、複数の視点切り替えによってうまく展開しているし、ガーベージコレクターという着眼もなかなか。
ただ、うまいからといって面白いかというとそうではなく。相変わらずキャラ立ては弱くて魅力が薄いし、この巻から取り入れた恋愛要素はない方がよかったくらい。文も読んでてガシガシと突っかかるし、全然楽しくない。ソリがあわないみたいです。

評価 ☆☆★(5)



有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 影の姉妹 (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon

反撃編。アニエスの話は今回で完結みたい。


あらすじ
アニエスを追って、ローランスに戻ったコラリーとフェリックス。しかし、ときすでに遅く、アニエスの計画は始まっていた。リセットと入れ替わった彼女は、ラクール伯爵と結婚していたのだ。そんな今の状況をどうにかしようとコラリーは考えこみ、愛読書の探偵小説にヒントをみつける。彼女はその物語に倣い、差出人がわからないよう工夫した手紙を使って、ラクール伯爵を呼び出すが…。


あー、アニエスとはそう決着させちゃうのか。因果応報ということで形としては非常に正しいし悪くないんだけれど、炎に包まれて死んでいくような光景を想像していたのでちょっと拍子抜け。
でも、前巻に引き続きマイエさんが素晴らしかったし、フェリックスに対するコラリーの反応も変化してきていい感じ。フェリックスのボケもここにきてますます磨きがかかってきているし、シリーズ通して劣化するどころかじわじわと面白くなってます。他に読むものも少ないのでこの調子で崩そうかな。

評価 ☆☆☆★(7)


___10月2日(土)

もう読まないであろう本をいつまでも積んでいてもしょうがないので、「ドラゴンランス戦記」4冊及び「ハイスクールオーラバスター」7冊を放出しました。邦訳のお堅いファンタジーは全く楽しめません_| ̄|○


【今日読んだ本】

有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 黒い塔の花嫁 (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon

前巻で大きく二人の関係が進展したコラフェリ、今回はどうでるか。


あらすじ
伯母の見舞いを終え、コラリーとフェリックスはサロワへと戻っていた。その翌朝、新市街に宿をとっていたコラリーたちは、リゼットが行方不明になっていると知る。コラリーは慌ててサロワ城へ戻り、マイエに事の真相を問い詰める。だが、真相どころか手がかりさえ、いまだ掴めていなかったのだ。ただ、ひとつの噂が囁かれていた。"黒の塔"の亡霊"黒衣の伯爵夫人"の呪いではないかと……。


アニエス再登場。怖いよーこの人。情やらなんやらの目的以外のもの全て捨て去って、しかも狡猾なことこの上ないので、コラリーのお人よし単純馬鹿(誉め言葉)と相まって最強の悪役になってます。今回は完全にアニエスの勝利ですね。まあ彼女のおかげ(?)でマイエさんがようやく動いてくれたんで、悪いことばかりじゃなかったのですが。
 次巻は反撃編かな? どう話が進んでも後味よくはならなそうだけれど綺麗な話を期待。

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 緋色の檻(前編) (橘香 いくの/コバルト文庫)
果南の地 下巻 業果編 (山下 卓/スーパークエスト文庫)
イスベルの戦賦 <天の踵>よ、来たれ (新城 カズマ/ファミ通文庫)
よくわかる現代魔法2 ガーベージコレクター (桜坂 洋/集英社スーパーダッシュ文庫)
世界で一番優しい機械 〜SOFT MACHINE〜 (榊 一郎/EX NOVELS)
グレイ・チェンバー (小川 一水/ジャンプJブックス)

ご要望にお答えして未読追加。果南の地ゲット!……下巻だけな_| ̄|○ あと一年は読めなそうだ……。


___10月1日(金)

リアルバウトハイスクール、ハリウッドで実写化。……何も言うまい。


9月終了、先月はたくさん未読が減りました。

読了……45冊
購入……22(+既読9)冊

購入量抑えたのが好結果につながった模様。このペースでいけば今年いっぱいで未読消滅です。夢のまた夢ですが。


【今日読んだ本】

マリア様がみてる 特別でないただの一日 (今野 緒雪/コバルト文庫)amazon

かなり惰性買いになってきているマリみて最新刊。引き延ばし作戦はもう飽きました。タイトルからして話進まない匂いがぷんぷんします。


あらすじ
イタリアへの修学旅行も終わり、学園祭の準備に余念のない山百合会の面々。今年の劇の出し物は、とりかえばや物語。主演は祐巳と裕麒の兄弟。花寺の生徒会との共同作業だが、男性嫌いの可南子をめぐって一波乱あって…!?


色んな意味で裏切られた。このタイトルでまさか話を動かしてくるとは思っていなかったし(といっても前巻あたりと比べてですが)、可南子関連はマリみてでそれをやるのかーという感じ。好きだった初期の雰囲気はもう完全に消えて別物になっちゃったなぁ。割り切った分最近よりは面白くはなったけれど、妹作りという主題が一本ある割には話が散漫としている印象はぬぐえない。
思うに、最近のマリみてはまずイベントがあって、その中に強引に話を割り当てようとして失敗しているんじゃないかと。学園物だからといってイベントにこだわらず話ありきで進めてもいいんじゃないかな。まあ次も惰性買いするつもり。
あと目に余ったのが、祥子の横暴っぷり。何気なく美化されてスルーされているけど、自分の勘違いで人を怒ったのを何事もなかったように流したり、公演2週間前に配役総とっかえを独断で決めたりと相当ひどいんですが。正直許せない。

評価 ☆☆★(5)



鏡のお城のミミ 子どもたちの夢と目覚め (倉世 春/コバルト文庫)amazon

なんだか人間関係がドロドロしてきたミミの最新刊。


あらすじ
ミミと弟のフィディルを守るためカルネー公に仕えることに決めたエリック。公爵は覚悟を試すため、領外の任務につけた。エリックを追う決心をしたミミだが…大好評ロマンチック・ファンタジー!


ここにきてまだ勘違いさせますかーーーーーー!? 作者鬼だ、鬼すぎる。
タイトルのように甘い夢からの目覚め、ミミの気持ちに決着がつく話。気持ちに気づくまでの展開のさせ方には色々不満あったりするんだけれど、決着していることで全て許せちゃうのは信者だからなのかな。文章もあうし凄く楽しい。でも、ラスト付近はひどすぎですよ。揺れまくったミミへのお灸は十分据えられてるのに……。
あ、あらすじは嘘ついてるのでご注意を。追う決心とか大嘘です。集英社サイトのあらすじはアテになりませんね。

評価 ☆☆☆★(7)


【本日購入したもの】

マリア様がみてる 特別でないただの一日 (今野 緒雪/コバルト文庫)
鏡のお城のミミ 子どもたちの夢と目覚め (倉世 春/コバルト文庫)