___10月30日(日) |
【今日読んだ本】 ◆ トワイライト・トパァズ4 かくて背信の旅はおわる (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「思慮の塔」の魔導士仲間からも追われる身となったトパァズ、千年賢者アダマス、今使い魔琥珀の一行は、ヴィットーレに拉致された師匠ルキウス(犬)を奪還するため、神都の対岸の街リガータを目指していた。しかし、追手を退け辿り着いた彼女を待っていたのは、味方となった師匠の弟セサルではなくまたもや爆弾テロだった! 全属性支配主(オムネス・マスター)という、史上二人目、そして大陸最強の力を秘めた“背徳のトパァズ”は、テロリストたちから師匠を救い出し、自らの汚名をそそぐことができるのか? 感動の最終巻登場!! トパァズと師匠の一つの旅が終わる「トワイライト・トパァズ」完結編。 最高でしたーーーーーーーーーーーーーー!!!! 最終巻でも相変わらずアダマスの超速切りかえとトパァズの敬体内面描写からくるシリアスとコメディの奇妙なバランスは健在ですごく楽しく、属性魔導に対してのアダマスのシリアスな台詞にやられて物語の行方も気になって読み進め、師匠との邂逅以降の名場面連発は予想を優に上回る素晴らしさ。その素晴らしさは、魔宝魔導の「魔宝の中の術者に体が変わる」という設定は後半のあのシーンを生み出すために作ったんじゃないかと思えるほど。決して派手な作品じゃないのに、こんなにかっこよくできるなんて佐々原さんは神。 打ち切りでもったいないという意見を何箇所かで見たんですが、確かに外伝としてトパァズとルキウスの行方をもっと見たいというのはあるけれど、本編としてはタイミング・描写ともにこれ以上ない終わり方じゃないかなあ。アダマスとの別れ、ひっくり返った関係、本当に素敵でした。 しかし、これが打ち切られ(たかどうかは分かりませんが)るほど売れないっていうのはほんと悲しいなぁ。ツボにはまらなくても十分面白いと思うのだけれど……。とりあえずメイジとCA全買いして強化週間でも作ろうかと思います。 評価 ☆☆☆☆☆(10) ◆ 吉永さん家のガーゴイル7 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 双葉ちゃんの友達、梨々です。私、ずっと考えていたことがあって、授業中に先生へ質問しました。「怪盗になるにはどうしたらいいですか!?」って。教室は大騒ぎ。双葉ちゃんとガーゴイルさんには猛反対されて、超ムカついたけど、この気持ちは絶対変わらないもん! 私、怪盗という生き方に共感するし、尊敬する人のようになりたい。そんな時、大好きな百色おじさんが失踪してしまい――私、決めました。守られるだけの自分にさよならします! 人気シリーズ第7弾。 ご町内ホームコメディ「ガーゴイル」7冊目は、梨々が怪盗を志すお話。 あれ、和巳どこー? 前巻出まくった反動か、今巻は和己の出番ほとんどなし。双葉もガー君も好きだけれど、苦労人属性を持つ自分がこのシリーズで一番気に入っているのは和巳なので、出てこないとかなりしょんぼり。 が、それでも面白さは大して損なわれないのがガーゴイルクオリティ。序中盤の双葉と梨々のすれ違い展開には梨々の意地のはりっぷりにかなりヤキモキさせられましたが、事情が通じてからは協力して腐れ外道をうち滅ぼす非常に気持ちのいい話でよかったですね。最後のガー君と百式のやりとりはまさにこのシリーズの雰囲気の象徴、そりゃ梨々もいい子に育つわけです。しかし、エピローグのローブの男の描写はなんだろうなぁ……百式死亡フラグ? そんなものいらないのに。 評価 ☆☆☆(6) |
___10月29日(土) |
【今日読んだ本】 ◆ トワイライト・トパァズ3 かくて宿命の扉はひらく (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 『この顔に、ピンときたら保安所へ』。すっかりテロリストとして大陸中に指名手配されてしまったトパァズ。千年賢者のアダマスちゃんと使い魔の琥珀とともに、師匠ルキウスの魔導力を奪い取った弟セサルの足どりを追って、厳寒のリベルダードを脱出した一行は、髪を染め、偽名を使い、火祭りで賑わう師匠の故郷ファティスの町に潜入する。エドモンドさんの助けをかりて、さっそく捜索を開始するトパァズたちだが、唐突に現れた謎の美少女、フランカとお付きの紳士、ヴィットーレに振り回されてなんだか大変!? そして13年間封印されていた師匠の生家で明かされたルキウスの秘めたる過去とは!? 好評シリーズ第3巻登場! ついに師匠の過去が明かされる「トワイライト・トパァズ」第三巻。 うわあああああああああもったいねええええええ!!! 今回ちょっとだけ出てきた前作のキャラのオニキスとラズリのエピソードが泣けそうなくらい素晴らしいのに、前作ほとんど読んでないために切なさが最大限に味わえませんよ! もう読んどきゃよかったと後悔することしきり。大して関係ないらしいから前作スルーなんてしちゃ駄目ですね……。 でも本筋は前巻に引き続いて大満足。師匠の過去は想像していたよりも重く、トパァズ引き受けたときの思いとか色々想像すると悲しくなってますます2人への愛が深まって、きっちり作られたストーリーがさらに楽しめるようになったし、師匠が喋れるようになった時のシーンは普通の感動的な場面とはちょっとずれたこの2人らしいものでよかったですね。そしてラストのトパァズの決意、愛だなぁかっこいいなぁ。アダマスは普段は迷惑キャラで嫌いなタイプなのにこういうとこでいい面出してくるから困る。最終巻でどんな名場面見せてくれるか、大期待。 評価 ☆☆☆☆★(9) 【今日購入したもの】 トワイライト・トパァズ4 かくて背信の旅はおわる (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 灼眼のシャナ (高橋 弥七郎/電撃文庫) 灼眼のシャナ2 (高橋 弥七郎/電撃文庫) 灼眼のシャナ3 (高橋 弥七郎/電撃文庫) 灼眼のシャナ4 (高橋 弥七郎/電撃文庫) 灼眼のシャナ5 (高橋 弥七郎/電撃文庫) ガイユの書 薔薇の灰に祈りを (響野 夏菜/コバルト文庫) 女神伝売り切れありえない。 昔読んで売り払った分も含めてシャナを半分まとめ買い。3巻か4巻から面白くなるらしいので、既読の2冊はさくっと読んじゃおう。 |
___10月28日(金) |
昼ごはんを食いそびれ、飢えを耐え忍んで19時半に向かったロッテリア、半額エビバーガーは見事売り切れてました……。優勝セールで品切れなんてふざけてる。 未読リストを整理していたら、果南の地の下巻がなぜか2冊。そして当然のごとく上巻がない。あーりゃりゃこりゃりゃ、あーりゃりゃこりゃりゃ。 …………orz。未読2冊増えたし今日はもう踏んだり蹴ったり。 【今日読んだ本】 ◆ トワイライト・トパァズ2 かくて流転の定めはつづく (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 禁忌の属性魔導を使ったために、実の弟であるセサルに動物に姿を変えられてしまった師匠ルキウスを人間に戻し、奪われた魔導力を取り戻す決意をしたトパァズ。だがセサルの属する肝心の「黒曜守護団」の本拠地は、杳として知れなかった。途方に暮れるトパァズ、アダマス、琥珀+動物師匠の二人と一羽と一匹は、思案の末、アダマスの曾孫ヘマタイトさんにすがりつく。そして、僅かな手がかりをたよりに、元リベルダード宮廷魔導団の団長の元へと行くのだが、その老人カルセドニーにはなにやら怪しげな雰囲気が――。逃亡者にして追跡者、大陸一の苦労人トパァズの苦難の旅は続く。好調シリーズ第2巻。連続刊行で登場! 女の子主人公の魔法ファンタジー「トワイライト・トパァズ」第二巻。 あれ、繋ぎの巻かと思っていたら名作認定したくなるくらい素晴らしいですよ? なんか、トパァズとししょーのペアが自分のツボを思い切り踏み抜いていて、もう萌えーでラブーでメロメロー(死語)。プロローグの過去の2人の描写で脳天うちぬかれ、幻影で作り出された光景で切なくなり、ラストのトパァズのボケと自覚にクラクラ。トパァズの一人称はリズムが独特で感情がよく伝わってくるので破壊力抜群です。ししょーは喋らないけどすごい存在感あるし、いい2人(1人と1匹)だほんと。 ていうか、抱きかかえられたり懐にいれられたり、ししょー何気に役得してますね。ししょーの気持ち想像するとこれすごくエロいんじゃないかと思うんですが、まあ見なかったことにしよう。物語について全然言及してないですが、トパァズの秘密や大陸全体に広がる陰謀を絡めつつ綺麗にまとまっていて、1巻より面白かったです。残り2冊が本当に楽しみ。 評価 ☆☆☆☆★(9) 【今日購入したもの】 トワイライト・トパァズ3 かくて宿命の扉はひらく (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 吉永さん家のガーゴイル7 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) 吉永さん家のガーゴイル8 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) 喚ばれて飛び出てみたけれど2 見逃してよ審判 (丸本 天外/角川スニーカー文庫) |
___10月27日(木) |
今秋も書店くじの季節がやってきました。今まで迷いつつ手出してなかった本たちをざっくりと買いこんでこようかと思います。とりあえずシャナ3巻以降を。読めるかどうか考えるのはとりあえず積んでから。 【今日読んだ本】 ◆ プリンセスの義勇海賊 (秋山 完/ソノラマノベルス) 【amazon】 《あらすじ》 銀河の小さな国の姫君レイティアは、敵国の王子の誘拐事件に巻き込まれてしまった。そこには銀河支配をもくろむ死者の帝国の影が。一人で戦う孤独な姫君を助けて、宇宙の義勇海賊(シュバリエ・ドゥ・ラ・メル)が立ち上がった! アキカンの二年半ぶりの新刊は、プリンセスと海賊たちが冒険する、愛と勇気のラブストーリー。 後半の展開なんかは「らしさ」は見れたしよかったけれど、秋山作品の中だと下の方になっちゃうなぁ。企業化までしていてとことん現実的な海賊の様子はイメージとのギャップがでかくてなかなかに面白いし、その代表ラシルと世間知らずで突っ走るレイティアはデコボコしていていいコンビ。「タリ・ホー!」で始まる戦闘もかっこいいです。だけれど、敵役がしょぼいのがかなりネック。いつもはジルーネお嬢様というとても強力なキャラクターがいるのに対し、今回のスカーリアはただのやられ役みたいで全然かっこよくないんですよね。海賊で愛と勇気で悪を挫くという物語の都合上ある程度はしょうがないとはいえ、もうちょっとなんとかならなかったのかなぁ。あとケイト、トルーアンなどサブキャラへの場面転換が結構多い割に、最後へ向けて収束感がなくて盛り上がらなかったのも残念。次はペリペティアや南の風みたいな大ボリュームの物語に期待。 評価 ☆☆☆(6) |
___10月25日(火) |
ウ、ウソダドンドコドーン! アキカンの(2年半ぶりの)新刊が発表後延期もなく発売日に出るなんて! ソノラマに一体何があったのか気になるところですが、素直に歓迎しておきます。その調子でこれとかあれとかも出してくれれば言うことないんですが。 あ、昨日の分またアップ忘れです。週1で忘れるってかなりやばい。 【今日読んだ本】 ◆ 吉永さん家のガーゴイル6 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 吉永和己です。この春、菜々色高3年に進級しましたが、まだ受験なんて実感わかないですね! ところで、この間不思議な台本を拾ったんです。それ、元々演劇部の片桐桃ちゃんが焼却炉のそばで見つけたそうで。演劇部の皆は、台本が気に入って上演するっていうんだけど、人手不足だからって僕も引き込まれて。その矢先、演劇部へ脅迫状が届いて大騒ぎになったんです! ガーくんと一緒に犯人を探るうち大変な真相が浮かび上がって――! 大人気ハートフルコメディ第6弾。 アニメ化決定したガーゴイルシリーズ第6巻は、和己の学校の文化祭が舞台。 このシリーズで文化祭という時点でまず外すことはないだろうと思っていたけれど、その期待に違わぬ面白さでした。単純に演劇練習してうまくなっていく風景見るだけでも楽しめそうなのに、脅迫に負けず団結していく様が熱くていいですねー。事件の絡め方もうまくて満足満足。双葉やガー君控えめで和己にスポットがあたりまくるのは歓迎だし、和己を慕う桃もかわいくて言うことなし。しかし、和己の朴念仁っぷりはひどい……。桃の想いが通る日がくることを願いつつ、7巻へ。 評価 ☆☆☆☆(8) 【今日購入したもの】 プリンセスの義勇海賊 (秋山 完/ソノラマノベルス) |
___10月24日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ 電波的な彼女 (片山 憲太郎/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ケンカ上等の不良少年・柔沢ジュウは、突然見知らぬ少女に忠誠を誓われた。電波系の彼女・堕花雨の奇妙な言動にジュウは戸惑う。さらにクラスの人気者・如月美夜を加え、ジュウは振り回される一方。ある時、連続通り魔殺人の現場に居合わせたジュウは、雨が怪しいと疑い始める。 昨年のスーパーダッシュ新人賞の佳作受賞作、発売当時は「電波」の二文字が気になって購入敬遠したものの、3冊出ても評判落ちてないみたいなので買ってみました。 面白かったけれど新人らしくでこぼこした作品。よかったのはキャラクター、「電波的な少女」の雨は変わってはいるけれど真性の電波ではなくて、踏み込んでくる雨にジュウをが変えられていく過程を見るのが楽しかったです。一方で、話の筋・構成はお世辞にも誉められたものではなし。話が予想通りに進むのは悪いことじゃないけれど、前半主人公から視点が切り替わった瞬間に大体の予想がついてしまうのはいくらなんでもぬるすぎに思えました。 続編意識してあえてぼかしているっぽい雨とジュウの過去が気になるので、そのうち続きも読もう。 評価 ☆☆☆(6) |
___10月23日(日) |
今年もLightNovels CROSSROADさんのライトノヴェルズ好感度アンケートの季節、早速回答してきました。 あなたの読まれた作品数は 84 で 去年より大分増えたー。 回答者内で3 番目でした え……。10人中3番目って、昨年と全く同じなんですが。上2人恐ろしい。 【今日読んだ本】 ◆ ゴーレム×ガールズ (大凹 友数/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 ”ぼく”こと森田友二はイジメを避けて受験した遠くの進学校・珠山三高の合格発表で、なぜか片想いの相手の乾琴子さんと再会、二人で抱き合って合格を喜び合った。でもそれは、一時の興奮状態が引き起こしたただの偶然。単なる幸運でしかなかった。結局、高校でもクラスに馴染むことなく、ナナフシのように息を殺して、地味に、目立たないようにして過ごしてきた。彼女ともあれ以来もう一年近く話をしていない。――だからぼくは、あの本に載っていた「ゴーレム」の女の子を作ることにしたんだ。新世代作家が贈る、しっとり感動の鬱デレ系ストーリー。うろたえつつ始動! 第1回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作登場!! 新人作品の2つ目は、「鬱デレ」と銘打ったゴーレム作成&恋愛物語。 こりゃなかなか変な話ですね。片想いをしているけど言い出せない、これだけならよくいる主人公。でも、1年の間その子に喋りかけることはなく、毎日図書室にいってはその子の下校姿のその子を見つめるだけの日々をおくり、クラスにも馴染まず不登校なりかけ。あげくのはてには「人形の彼女がほしい」と願ってゴーレムを作り出しちゃう、こんな主人公はそうはいません。自分で勝手に鬱になっているだけなので、「鬱デレ」というより「ダメデレ」の方が内容にあっているかな。でも、色んな女にフラフラするような主人公とは違って人にはあまり迷惑かけないダメさだし、嫌いじゃないです。 で、ゴーレム作成→いい話という流れで楽しんで読み進めていったら、後半また変な話に。琴子とは「いきなりそれでいいのかー」って感じだし、ゴーレムの原理の講義がなんともうさんくさい。式とかありえないと思いつつ、読んでると結構面白いんですがね。主人公の願望が「琴子に所有されたい」だったのには笑いました、普通ならダメだけどこの主人公ならまあそれもありですよね。 ヒロインの琴子はデレデレでそんな好きになれなかったんですが、ゴーレムの唯がなかなかいいキャラでした。本筋の話からはういているけれど、エピローグの唯視点の物寂しくもある語りが余韻残ってよかったです。しかし、琴子視点がないのに唯視点があるのもまた奇妙。 そういうわけで、ダメ主人公・変なもの好きにお勧め。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ クリスマス上等。 (三浦 勇雄/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 「おめでとうございます!! 五十嵐さんはサンタクロース役に大抜擢されました!!」雪の降り始めたイブの夜。異世界から来た槍ヶ岳と名乗る全身真っ赤なスーツの女は、あちらの中継番組の企画で、俺に一人の薄幸な少女を救ってほしいのだという。確かに今夜は一人きり。予定なんてない。そして巻き込まれるままに邂逅した少女はクラスメイトの美少女・古都ゆかり!? ……彼女は最近両親を亡くしたばかりのはず。番組の都合があるから4時間で救えって!? 俺に何ができる? 俺は何をすればいい!? 第1回MF文庫Jライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作。疾走感溢れるニューカマーのローリング・エンタテインメント颯爽登場!! 新人ラストは、クリスマスイブに薄幸少女を救うサンタクロースストーリー。 3作の中ではこれが頭一つくらい抜けて面白かったです。異世界からやってきた謎の女にサンタクロースを押しつけられるという一見トンデモ設定、でもその中身は主人公が命をかけて少女を救うという王道ストーリー。主人公は超人じゃないので当然最初はビビりまくったり逃げようとしたりするんですが、それでも「自分は人を見殺しにはできない」と闘いへと赴く姿がかっこよかったですね。別世界のテレビ番組企画で一気に設定を説明してしまう斬新さに冒頭から惹きこまれ、その後は作中時間がたった4時間なこともあって気の休まる間もなく最後まで読み進めてしまう、非常に勢いのある話でした。 後半結構「第一世界」「第三世界」などの用語がとびかうんですが、冒頭である程度説明されているからとまどうことなく楽しめたし、オチなんかもなかなか人をおちょくった内容だけど、伏線はしっかり張ってあって、不快にはならないし好感が持てました。半分一発ネタなだけに続きそうなのは少し不安、でもアイデアはまだありそうなので次作にも期待です。 評価 ☆☆☆☆(8) 【今日購入したもの】 吉永さん家のガーゴイル6 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) トワイライト・トパァズ2 かくて流転の定めはつづく (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 伝説の勇者の伝説1 (鏡 貴也/富士見ファンタジア文庫) 伝説の勇者の伝説2 (鏡 貴也/富士見ファンタジア文庫) 傀儡覚醒 (鷹野 祐希/講談社X文庫ホワイトハート) ブルーローズ・ブルース (久藤 冬貴/コバルト文庫) レディー・ヴィクトリアン6 (もと なおこ/プリンセスコミックス) |
___10月22日(土) |
MF新人全部読了、でも眠いので感想は一冊だけで残りは明日。一言だけ言うと、どこのレーベルでも審査員特別賞って佳作や準入選より当たり率高くないですか? 各所より『「吉永さん家のガーゴイル」 来春TVアニメ化決定!』。ついに最高にアニメ向きな作品がきたーーーーーー! 「プロデューサー:あかほりさとる」にそこはかとない不安を覚えるものの、素直に期待したいですねこれは。でも、深夜枠で放送とかいう馬鹿な真似だけは勘弁な。 【今日読んだ本】 ◆ かのこん (西野 かつみ/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 「おじいさん、都会の高校はすごいです」−−高校一年の耕太は転校初日に見知らぬ先輩に呼び出され告白されてしまった。それも学校でも一番と噂される美少女の先輩に!彼女の艶やかな髪が揺れ、つぶらで潤んだ瞳が! ほんのり上気した頬が! かわいらしい唇が! なんだかどんどん迫ってくる?! なんだか目がちかちかすることがおきてます! そして「ええっ!? せ、先輩ってもしかして……????」−−祖父と田舎で二人暮らしをしていた純朴少年・小山田耕太の運命が大きく動き出す! 第1回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作の学園ラブコメファンタジー! MF文庫Jの新人作3つ、あらすじ読んだだけじゃ判別つかなかったので全買い。まずは佳作と一番グレードが高く普通そうなこれから。 あれ、これどこの護く(略。というわけで純朴で人畜無害そうなちんまい男の子が評判の美少女先輩に突然言い寄られる本作。あらすじ見れば分かるように多少エロ寄せされてはいるものの始めから終わりまで展開ぬるめの萌えラブコメで、そういうのに食傷気味な人はまずアウトな感じ。でも、この手のラブコメに必須なキャラのかわいさはきちんと備わっており、文章もテンポよくさくさく進めたし、自分は楽しく読めました。定型だろうとエロくて耕太一筋なちずるはかわいいし、展開ぬるくたって下手な超展開見せられるよりは大歓迎。しょっちゅうは嫌だけれど時々読む分には楽しい、そんな作品。 ぴったりと完結しているけれど、いかにも売れそうな感じなので強引に続編出すのかなこれは。飽きること見え見えなので、続き出ても絶対買いませんが。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 かのこん (西野 かつみ/MF文庫J) ゴーレム×ガールズ (大凹 友数/MF文庫J) クリスマス上等。 (三浦 勇雄/MF文庫J) |
___10月20日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ FW(フィールドワーカー) 猫の棲む島 (鷹野 祐希/講談社X文庫ホワイトハート) 【amazon】 《あらすじ》 “呪われたゼミ”――東ノ宮大学文学部史学科の舟和ゼミを人はこう呼んだ。主催者である教授の逆指名でゼミ生が決まる。学生に拒否権はなし。小美仁――今年は彼に白羽の矢が立った。ゼミ開始の新学期もまだだというのに、小美は北九州の海の上で船酔いに苦しんでいる。舟和ゼミのフィールドワーク――民族調査のためである。目指すは中恵島。島民の数よりも島を覆うおびただしい猫、猫。異様な雰囲気のなか、恐怖の事件は起こった!! 好評価をいくつか見たので購入してみた、大学のゼミでとある島の祭を調査しにいく民俗学ミステリ。 と思って読み進めていたら、猫の胴体と赤ん坊の頭がくっついたうわああああ!!! というわけで実はホラーだった本作。ホラーで当たりに出会ったことはほとんどないんですが、本作の場合、無知な新入りが一から体験するフィールドワークの描写が意外と面白く序盤からとっつきやすいし、事件が起きた中盤以降はホラーのおどろおどろしさと過疎の島特有の閉塞感が民俗学とうまくマッチして、最後まで一気に読まされました。によく話が練られている上に能力者などは登場しないので、極一部を除いては本当にあってもおかしくないと思えるほどリアリティがあって、それだけに祭の真相の悲哀さが心に響きましたね。外部の人間で大人じゃない小美の台詞が本質ついてるのが何とも。でも、最後は島内で綺麗に閉じてくれて満足。「母は強し」ですね。話に重点置いている作品なのでキャラクターのアクはあまり強くないものの、小美と永吉のからかいのやり取りなど結構楽しくて、必要以上に重苦しくなることがなく大学生らしさが出てたのもよかったです。 あえて欠点あげるなら……レーベル間違えてることですかね。恋愛要素が皆無な上に民俗調査という地味オーラが出ていて、これじゃホワイトハートじゃ売れないよなぁ。せめて講談社ノベルスならもう少し……。1冊で打ち切りになったようで残念なことこの上ないです。民俗学嫌いでなければ楽しめる作品だと思うのでお勧め。 評価 ☆☆☆☆(8) |
___10月19日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ 西の魔女が死んだ (梨木 香歩/新潮文庫) 【amazon】 《あらすじ》 中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。 「新潮文庫読者アンケート第1位!」みたいな売り文句にひかれて買ってみた本。 社会の息苦しさに嫌気がさして不登校になった女の子が田舎のおばあちゃんのもとで暮らすうちに生き方を会得するという、児童文学らしい綺麗な構成の話で実に普通。読む人が読めば胸をうたれて心に届くものがあるんだろうけれど、ひねくれた自分にはほとんど何も残りませんでした。……何だか寂しい気分。 評価 ☆☆★(5) 【今日購入したもの】 スキップ・ビート!11 (仲村 佳樹/花とゆめコミックス) しゃにむにGO21 (羅川 真里茂/花とゆめコミックス) 水仙の清姫 (紗々 亜璃須/講談社X文庫ホワイトハート) 此君の戦姫 (紗々 亜璃須/講談社X文庫ホワイトハート) |
___10月18日(火) |
また昨日の更新分アップし忘れてた_| ̄|○ 【今日読んだ本】 ◆ 吉永さん家のガーゴイル5 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 御色町に祭りの季節が巡ってきた。南口商店街名物の「さくら祭り」が始まる。町内会長やイヨ、吉永家のママや双葉もウキウキ。そんな折、パパは偶然、中学の同級生でマッカチンこと松川に出会う。彼は町唯一のデパートの支配人で、南口への進出を目指しており、さくら祭りに対抗すべく北口でもイベントを行う気らしい。思案顔のパパは、何を思ったか「友達に協力する!」と家族に宣言し、一家から総スカンを食らう。家族を案じるガーくんだったが、なかなか仲裁できない……。そんな中、南口商店街にかつぎ出されて、ガーくんは御輿に乗ることに。一方パパは北口でビラ配りを始め、祭り争いと一家の亀裂は深まるばかり──! ご町内ハートフルコメディ第5弾! ホームコメディ「ガーゴイル」シリーズ第5巻は、町を二分した祭りのお話。 このシリーズは出来が非常に安定していて、今回も夜中にちょっとだけ読むつもりがさくさく最後まで読んでしまうくらいには面白かったです。町内の皆さんに1〜3巻のゲストキャラ達も加わって盛りたてる祭りの風景が楽しくないはずもなく、今まで焦点があまりあたらなかったパパとママの思い出もしんみりといい話。ただ、一箇所どうしても納得できない部分があって、そのせいで読了時にシコリが残ったのが残念。生来の祭り好きであるゴールデンボーイズの面々が、いかに自分たちの祭りを盛り上げるためとはいえ、他の祭りを邪魔する行為に出るとは思えないんですよね。そんなことしたら祭り好き失格だろうと。あまり反省している様子もないし、この作品に合っていない存在な気がしました。 評価 ☆☆★(5) |
___10月17日(月) |
いやー、プレーオフ面白かった! とても素晴らしいコバマサ劇場でした。日本シリーズもこのくらい熱いゲームになりますように。 あと、5年後くらいにはカープも日本シリーズいけますように。 【今日読んだ本】 ◆ 海の底 (有川 浩/メディアワークス) 【amazon】 《あらすじ》 横須賀に巨大甲殻類来襲。食われる市民を救助するため機動隊が横須賀を駆ける。 停泊中の潜水艦『きりしお』に未成年者13名が逃げ込み孤立。そう、海の底から来た『奴ら』は―――『レガリス』。 先日読んだ「塩の街」の有川さんのハードカバー二作目は、横須賀への巨大エビ襲来事件を描いた作品。 これは今までの有川さんの作品の中で頭一つか二つ抜けてよかったですね。潜水艦に閉じ込められた自衛官&子供たちを描いたパートと、街を侵そうとするレガリスに抵抗する警察(機動隊)のパート、大きく分けて2つに分かれているのだけれど、どちらかがもう片方を損なうことなく、両パートとも非常にいい出来。潜水艦パートは特殊な閉鎖環境に置かれ不安の渦中にいた子供たちが成長する過程が面白かったし、厳しい環境下での自衛官のかっこよさが光ってました。途中まで「こいつうざすぎ消えろ絶対好きになるわけねー」と思っていた圭介を、最後には許していたのには「こりゃやられたな」といった感じ。 そして機動隊パート、一言でいうなら負け戦燃え&萌え。到底勝ち目がないレガリス相手に信念を持って戦う姿が本当に熱くてかっこよかった! ライトノベルなら潜水艦パートが主になるところ、撤退戦がこんなに書き込まれていたのがハードカバーの良さですね。 また、今までの作品にあった終盤の弱さも、今回は最後の一文まで失速せず、いいエンドを見せてくれました。「忘れてください」の使い方が見事。デビュー時から比べて明らかにうまくなっているので、今後もとても楽しみ。 評価 ☆☆☆☆★(9) 【今日購入したもの】 メタモ☆キス3 (おもて 空良/あすかコミックス) |