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___9月15日(水)


【今日読んだ本】

アリス Alice in the right hemisphere (中井 拓志/角川ホラー文庫)amazon

どこかのサイトの感想見て興味持ち買ったものの、導入でつまづいてしばらく積んでた本。あらすじくらいは見るようにしよう……。


あらすじ
九五年八月、東晃大学医学部の研究棟、通称「瞭命館」で六〇名を超す人間が同時に意識障害を起こす惨事が起こった。しかし、懸命の調査にもかかわらず、事故原因は掴めないままとなった。それから七年―。国立脳科学研究センターに核シェルター級の厳重警戒施設が建造されていた。そこは比室アリスという少女を監視・隔離するためのものだった。世界を簡単に崩壊させる彼女のサヴァン能力とは一体!?前人未到のスケールで、最先端の脳科学の未来を紐解いた傑作長編。


サヴァンの9.7次元とうちらの一次元についての話。物語自体は途中まで主題がはっきりせず散漫としていて、引き込まれることもないまま終わってしまったんだけれど、扱っているネタ自体は目新しくて興味深い。終盤のフラクタルなどを交えた解説部分はかなり面白かったです。最初にネタありきだったのかなぁこれは。

評価 ☆☆☆(6)



有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 革命はお茶会のあとで (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon

なんとなくコラフェリ。地雷な確率が限りなく低いシリーズは重宝します。


あらすじ
"シュシナック"殺人疑惑事件でケガを負ったコラリーは、療養を名目に屋敷の自室で監禁同然の生活を強いられていた。彼女は脱出を謀り、一度はフェリックスに見つかるが、どうにか屋敷を抜け出すことに成功する。自由を手に入れたコラリーは、サン・トロペ大聖堂に向かう途中、ふと見上げた塔の窓から、女性が突き落とされるのを目撃してしまう。彼女の見た犯人は、金髪の女性だった。


お人よし娘、今度は容疑者をかくまうの巻。ほぼ一話完結でじわじわとしか進んでいなかった物語がついに大きく動き出す。白いリゼット、黒いアニエス、両者ともいいですね。一気に噴き出すアニエスの悪意にはゾクっときました。
王太后、王、フェリックス、シュシナック、各人の考えが色々絡み合ってきそうな次巻以降も楽しみ。リゼット頑張れー。

評価 ☆☆☆★(7)


___9月14日(火)


【今日読んだ本】

ウィーン薔薇の騎士物語1 (高野 史緒/C★NOVELSファンタジア)amazon

本格歴史物語みたいなものを期待して、久々のC★NOVELS。


あらすじ
十九世紀末、栄華と退廃の都ウィーン。『音楽とともに生きたい!』唯一の夢を叶えに少年フランツは不安と期待を胸に音楽の都を訪れた。新しい職場、そして仲間たち。夢の生活を得たのも束の間、密談を偶然盗み聴いた事から国を揺るがす大陰謀へと巻き込まれ!?様々な思惑を華麗な調べに乗せて仮面舞踏会の幕が上がる。


高級中華料理を期待していたら出てきたのはラーメン。タイトルからどうしてこれをコメディだと予想することができようか。勘違い、すれ違いをかなり露骨に大げさに表現していてコメディとしてはなかなか、でも読みたかったのはこういうのじゃないんです_| ̄|○

評価 ☆☆☆(6)



命短し恋せよロミオ! 透明人間は皮肉屋 (ココロ 直/コバルト文庫)amazon

昨日に引き続きロミオ。これでココロさんの既刊は制覇。


あらすじ
夏休みを満喫するトラブルバスターズ「ロミオ」。ある日、恋愛には最も無縁なはずの千鳥を訪ねて、ひとりの少女が現れた。その日を境に、いつもクールな皮肉屋が、突然の嵐に巻き込まれるようにもがき、苦しみ、暴走することとなり…!?封印されていた千鳥の過去、秘められた月人の想い、意外な透明人間の正体。謎がそこにあるかぎり、特殊能力年中無休、「ロミオ」のトラブル夏体験。


非常に腹立つ話。千鳥のキャラが受け付けられないし許せない。あんな風に人を傷つけてそのことに無頓着な人間が、他のメンバー、特に風太と仲間でいられるわけがない。数年間悪意ばらまき続けたんだから、もっと見放されてると思うんだけどなぁ。最後をいい話に仕立て上げていることも含めて納得いかず。
あとどうでもいいこと一点。貧乏中高生達が全員ためらいなく新幹線使うのにちょっと違和感感じました。

評価 ☆★(3)


___9月13日(月)

久々に都市シリーズの巴里を再読。かっこいー。川上作品が一番楽しかったのはこの巴里と伯林の頃だなぁ。登場キャラ固定で展開ワンパターンに思えるクロニクルはどうにも好きになれず。


【今日読んだ本】

命短し恋せよロミオ! バイバイ、優しいチェリー (ココロ 直/コバルト文庫)amazon

ココロさんのデビュー作の少年探偵団風学園物。


あらすじ
正義の味方「ロミオ」参上!私立陽香学園では、願いを書いた手紙を掲示板に貼りつけておくと、謎のトラブルバスターズが必ず叶えてくれるという噂がまことしやかに流れている。彼らの正体は、四人の美少年+一人の少女(+一匹の犬!?)。ある日、「トイレの花子さんをやっつけて」という依頼が舞い込み調査を始めるが…。恋と涙と特殊能力、ドラマティック学園事件簿、さて幕開き―。


悪くはないけど、他のココロさんの著作からは一、二枚落ちるかな。恋愛の甘酸っぱさもライトミステリーとしての面白さもワンパンチたりない感じ。リーダーの存在感が薄すぎるのが痛いなあ。

評価 ☆☆★(5)


【本日購入したもの】

のだめカンタービレ10 (二ノ宮 和子/講談社)


___9月12日(日)


【今日読んだ本】

ハイスクール・オーラバスター 十字架の少女 (若木 未生/コバルト文庫)amazon

引き続きオーラバ。


あらすじ
春休み、亮介たちは軽井沢にある忍の別荘で合宿することになった。メンバーは亮介、諒、亜衣、冴子、そして諒の妹・彩―彼女は過去の悲惨な事件の後遺症で、かたくなに心を閉ざす少女だった。彩をめぐって、4人の思いがそれぞれ複雑に交錯する。そんなある日、彼らの前に、「牙」という名前の他は一切の記憶をなくした謎の男が現われて…。待望のハイスクール・オーラバスター第3弾。


分かった。はじめにキャラありきの話なのに、そのキャラ達が好きになれないから楽しめないんだ。場面場面のパーツには光る点があるけれどこれじゃダメだ。ついでに、和風能力者が活躍する話はあまり受けつけないとようやく自覚したわけで、ひとまずシリーズ凍結することにします。しばらく後には未読から消滅しているかも。

評価 ☆☆(4)


___9月11日(土)


【今日読んだ本】

ディアスポラ6 (前田 栄/ウィングス文庫)amazon

とっても分厚い最終巻。LightNovels CROSSROADのデータによると、やはり485ページは少女小説では最厚。しかし、過去にも473ページがあるとは、ウィングス文庫侮れず。


あらすじ
空からやってきたという、精霊たち。故郷に帰りたいと望む彼らと、それを駆逐しようと狙う敵。精霊の置かれた状況を知ったクワンたちが、精霊たちのためにできることとは――!? 最後の選択を前に、生まれ育った村へ戻るクワンと手を繋ぎながら、ユリウスもまた、ひそかな決意を抱いていた。別れの、決意を――。前田栄が21世紀に放つ、アルティメット・ファンタジア、堂々の完結!


厚さに見合った濃い内容。途中から過去文明が出てくるファンタジーというのは、例を持ち出してくるまでもなく大抵が後半ぐだぐだになって終わるんだけれど、これは厄災前の世界の存在を人々がきちんと認識していることもあって地に足がついた話になっており、それだけでも読んだ甲斐あり。
また、このシリーズの最大の魅力であると思われるキャラクターも皆これまで以上に活き活きと描かれてます。特に炎王とゼクロス。炎王には非常に笑わされたし、後日談のゼクロスはそれまでがそれまでなだけにかっこよすぎ。まさかこんなおいしいところ持っていくとは思いませんでしたよ。
最後がちょっとあっさりしていたことを除けば、起伏に富んでハラハラドキドキさせられる最高の最終巻でした。
しかし、「ラノすご」知名度最下位にしとくにはあまりにもったいないなあ。尻上がりに面白くなる話だし、女っ気薄いし確かにとっつきずらくはあるのですが。

評価 ☆☆☆☆★(9)



ハイスクール・オーラバスター セイレーンの聖母 (若木 未生/コバルト文庫)amazon

破妖と並んで積まれていたのでこっちにも着手。


あらすじ
まず狙われたのは、十九郎だった。何者かの呪縛が激しく行き交う車の流れの中に彼を誘ったのだ。次に希沙良が強烈な妖気を胸に受けて昏倒した。そして、ついには亮介までが。敵はいづれも女。しかも、とてつもない妖力。恐るべき奴らの正体は?姿を見せぬ諒の行方は?総帥・忍に策はあるのか。そして冴子は。―一層スケールアップした手に汗握るハイスクール・オーラバスター第2弾。


普通だ。現時点ではつまらなくはないけど誉めるところも特にない、よくありそうな対異形物語。様々な作品の原点となっているのだろうからそう思えるのもしょうがないんだろうけど、何か一つ魅力が欲しいところ。とりあえず惰性読みするかな……。
内容についてちょっとだけ。2巻の段階で敵の3強の一人があっさりと敗れたわけで、この先どう20冊以上も話を続けていくのかが気になります。

評価 ☆☆★(5)


【本日購入したもの】

吉永さん家のガーゴイル2 (田口 仙年堂/ファミ通文庫)


___9月10日(金)


【今日読んだ本】

さよならトロイメライ3 幻想リプレイ (壱乗寺 かるた/富士見ミステリー文庫)amazon

今月の富士ミスの新刊。最近の富士ミスはアンパイが多くて安心できるけれど、それはそれでちょっと寂しい。


あらすじ
振り返った藤倉冬麻の視線の先、屋上の風が白い制服をはためかす。「君がここに居るから、帰ってきたようなものです」季節はずれの転校生は謎めいた微笑みを浮かべる。第一校舎屋上、吹く風に冬麻は、ごほ、とむせる。(なんだ、こいつ―?)学園祭の間近に控えた私立御城学園。知力体力ともにへっぽこ、史上最低<トップ3>藤倉冬麻17歳は、演劇部員の美春に泣きつかれ「オペラ座の怪人」に出演することに。怪人役に抜擢され張り切る冬麻だが、周囲では照明装置の突然の落下、部員の事故など不審な事件が相次ぐ。「呪いだ…紫の呪い…!」次々に起こる事件は、事故死した演劇部員の呪いなのか?一方、時を同じくして現れた謎の転校生柿崎。理事長令嬢・都の婚約者だという柿崎の出現と、冬麻を避け始めた都に、冬麻は動揺するが―!?仮面の向こうに隠された真実の心。忘れられない大切な想いがあるのは、不幸なこと?


相変わらずミステリーじゃない。2巻ではやや鳴りを潜めていた1巻の頃の独特の文体が今巻では復活。相変わらずキャラがよく立ってるし、学園モノのツボをよく抑えていて面白い。ただ、オペラ座の話が浮き気味。ちょくちょく話の焦点が変わって分かりにくかったし、メインの主人公の過去話一本に絞った方がよかった気がします。都の行動が腑に落ちなかったのもこのせいかな。 あと、八千代がどんどんネタキャラになっていくのは見るに耐えないんで勘弁してください_| ̄|○

評価 ☆☆☆★(7)



業多姫 六之帖――夢見月 (時海 結以/富士見ミステリー文庫)amazon

富士ミスのLOVE路線の最前線を突っ走ってきたこのシリーズもついに最終巻。


あらすじ
(助けて。助けて、颯音―!)遠雷の咆哮を響かせ、牙を剥いた獣が鳴に襲いかかる。鳴の意識は、闇へと落ちていく。 ―二人でともに生きる。颯音と交わした約束を何度も繰り返しながら。激しく地が震えた。春惜月の出来事から一月。城下町で「狐」の情報を集める鳴と颯音。しかし、青津野の巧妙な罠により鳴は敵の手に落ちてしまう。鳴を救い出すため、そして自らの過去に決着をつけるため、颯音は青津野に反旗を翻した領民らと共に町へ突入する。そして、遂に宿敵・青津野警部がその本性を現す―!大いなる戦の前触れに揺れる、時は五百年の昔。異能の力故に“業多姫”と呼ばれ恐れられた少女と、心を持たない間者として育てられた少年。孤独な二つの魂が出会い、全ての運命は動き出した―。第二回富士見ヤングミステリー大賞準入選作「業多姫」シリーズ、遂に完結!これは、戦乱の世に駆け抜けた、少年と少女の物語―。


あらすじwebKADOKAWAからコピってきたんですが、「青津野警部」はさすがに誤字りすぎですよ!(正しくは刑部)
閑話休題。完結ということで直球勝負でくるかと思っていたら予想の斜め上をいく展開。どうも青津野が最後の敵としてはふさわしくない行動とるなと思ったらそういうことですか。今までの疑問点が解決して整合性という点では問題ない反面、唐突で急展開な印象はぬぐえないなぁこれは。特にラストは「えっ?」という感じ。情景描写も丁寧な割に何故か読みにくいし、3,4巻の頃が一番よかったです。
でも、エピローグは短くても完璧。綺麗な締めでした。次回作(あとがきによると古代が舞台?)にも期待してます。

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

さよならトロイメライ3 幻想リプレイ (壱乗寺 かるた/富士見ミステリー文庫)
業多姫 六之帖 夢見月 (時海 結以/富士見ミステリー文庫)
ディアスポラ6 (前田 栄/ウィングス文庫)

ディアスポラ分厚! 480ページって少女小説の中では最厚なんじゃ……。
ROOMはにひいたこともあって様子見。


___9月9日(木)

昨日の更新細かいところミスりすぎてました。これだから手打ちは……。


【今日読んだ本】

破妖の剣3 柘榴の影 (前田 珠子/コバルト文庫)amazon

昨日に続いて破妖。少女主人公ファンタジーは好きなジャンルなんだけどなぁ。


あらすじ
ガンダル・アルスの中心に浮かぶ浮城の結界近く。破妖剣士ラエスリールの前に、突然凄絶なまでの美貌の青年が出現した。問うまでもなく、上級魔性である妖貴であるのは明らか。謎の青年は、ラスに禍々しいまでに赤い柘榴の実を手渡して、消えた。その話を知った護り手・闇主には、いつになく不審の色が走った。そして更に、柘榴を手にした少女妖貴の桜妃がラスの前に現れた。人気アクション・ファンタジー。


登場人物みんな馬鹿ばっか。何悩んだり暴走したりしてるんだろうこいつら。比較的まともな闇主でさえ行動に一貫性ないように見えるし、もうだめぽ_| ̄|○ 外伝流し読んでみたところ、本編よりはいいもののいまいちだったし、シリーズ切ります。

評価 ☆★(3)


___9月8日(水)


【今日読んだ本】

破妖の剣2 白焔の罠 (前田 珠子/コバルト文庫)amazon

先日の掃除で、積まれて放置されてたのが表に出てきたので、久々の破妖。


あらすじ
自治都市ユラクが、白い焔につつまれて突然消えた。その原因を究明するため、ラエスリールは破妖の剣「紅蓮姫」を携えて浮城を出立した。押しかけ護り手の闇主はもちろんだが、ザハトという少年も一緒だった。荒野を旅する3人を、陽炎の鏡を通して見る者がいた。白焔の妖主と呼ばれる最高位の魔性。そしてラスたちはその恐るべき罠へと誘いこまれていった…。大人気FT第2弾。


なんか悪い意味で自分勝手なキャラばかりで、感情移入もできず読んでて腹立つばかり。ラエスリールの弟への想いがさっぱり理解できませんよ。続きまだ10冊くらい積んであるけど、もう1,2冊読んで駄目なら切りかなこれは。

評価 ☆★(3)



バッカーノ! 1933(上) THE SLASH 〜クモリノチアメ〜 (成田 良悟/電撃文庫)amazon

どこよりも早い新刊感想を目指して。本流から外れてた2001を除くと、久々のバッカーノ。


あらすじ
鋏使いのチックは無邪気に人を斬る。見えない“絆”がどれだけ傷みに耐えられるかを確かめる為に。刀使いのマリアは陽気に人を斬る。この世に斬れないものなど無い事を信じる為に。槍使いのアデルは慇懃無礼に人を斬る。ただ存分に暴れたいが為に。ナイフ使いのシャーネは無言で人を斬る。自分の仲間を傷つける者を排除する為に。刃物使い達の死闘は雨を呼ぶ。それは、嵐への予兆──。


1929〜1932のキャラが色々と集まってオールスターみたいな感じ。内容は良くも悪くもいつもの馬鹿。一同集結シーンに1931の食堂室ほどの迫力がなかったり、バカップルの浮きっぷりの描写があからさますぎたりと気になった点はあるものの、たくさんキャラが出てくる成田作品は安定して面白い。引きもよかったので下巻にも期待ー。
あと、あとがき。こんなとこでChronicle 2ndの名前見るとは思いませんでした。ある意味将軍様の鍵ネタより衝撃。確かにいいCDなのですが。

評価 ☆☆☆★(7)



とある魔術の禁書目録3 (鎌池 和馬/電撃文庫)amazon

もういっちょ新刊。金欠気味なのでとりあえず今月は2冊で新人は様子見。


あらすじ
「不幸だ……」真夏の夕暮れ。補習帰りにジュースの自動販売機に金を呑まれた上条当麻はそう呟いた。ちょろっとー。なにやってんの、アンタ?」カツッと革靴(ローファ)を鳴らしながら、御坂美琴は上条に声をかけた。お姉様?」その後、美琴に顔形そっくりの御坂妹がやってきた。それが、事件の幕開けだった。一方通行(アクセラレータ)と呼ばれる超能力者(レベル5)が起こす殺戮劇の、幕開けだった──。


びりびりキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!! 序盤では1巻と同じ匂いを感じたけど、ちゃんと後半まで大活躍。いやほんと、ビリビリ分こんだけ補給できた時点で大満足ですよ。一見強そうで典型的やられキャラな敵も、この作風にはあっているんでは。
なんか数人、びりびりの煽りを受けて出番少なかった人々がいますがどうでもいいです。このまま素直にびりびりルートへ。

評価 ☆☆☆☆(8)


【本日購入したもの】

とある魔術の禁書目録3 (鎌池 和馬/電撃文庫)
バッカーノ! 1933(上) THE SLASH 〜クモリノチアメ〜 (成田 良悟/電撃文庫)


___9月7日(火)

酔っ払って頭痛い。


【今日読んだ本】

不夜城のリリム (ココロ 直/コバルト文庫)amazon

 「アリスのお気に入り」を書いているココロさんの別シリーズ。


あらすじ
眠らない「城」―新宿歌舞伎町。汚くてウザくて危ないところだけど、この町で生まれ育った高一の凜々(りり)には愛すべきホームタウンだ。うず巻く誘惑には目もくれず、勉強にバイトに励んでる、はずだったが。ある日玄関前で拾ったのが、よりによって行き倒れの国籍不明の真っ裸の美少年(しかも空腹)!?そのとたん、周囲でヤバイ事件ばかり起こりはじめて…。夜型奇天烈ファンタジー。


 正直全然期待してなかったんだけれど、なかなか面白かった。パッと見美形、実はへたれキャラさいこー。是非とも主人公をめぐった魔王との三角関係を読みたいので、激しく続編を希望。

評価 ☆☆☆★(7)


【本日購入したもの】

しゃにむにGO 第18巻 (羅川 真里茂/白泉社)


___9月6日(月)


【今日読んだ本】

ネットワーク・フォックス・ハンティング (一条 理希/集英社スーパーファンタジー文庫)amazon

浅木原さんの感想見て気になって購入。昨日ちょうど地震があったので、タイムリーに積みを崩すことにする。これ書かれたのは1996年、阪神大震災の1年後。もうあれから9年かあ。


あらすじ
ネットワーク・フォックス・ハンティング―それはパソコン通信を利用し、移動するフォックス(オニ)の居場所を推理するマルチメディアゲーム。今回のフォックス役、瀬尾がいるのは完成したばかりの超高層インテリジェントビル、フロンティア360。正解をつきとめた少年わたるがここへやってきたとき、直下型の大地震が発生。破損した巨大ビルの一室に閉じ込められ、わたるは持っていたハンディパソコンで助けを求める…命懸けのフォックス・ハンティングが始まろうとしていた。


一言でいうと、パソ通は人と街を救う、という話。同じ地震復興ネタの「復活の地」とは違い、こちらは局地的で民間人が主役。うまく話を展開するための強引な設定や美化された部分が結構目につくものの、そんな欠点を吹き飛ばすほどに熱くてかっこいい物語。地震発生後からはわき目もふらずに一気読みしてしまいました。極限下で共通の目的に向かってひた走る人々の姿は輝いて見えるのです。
ただ、一点だけ最後まで気になったこと。パソ通はじめる直前に電話で母親の悲鳴聞いた主人公が、その後ずっと母親について触れないのはちょっと不自然。あの流れならせめて直後に一言母親に触れると思うんだけれど。惜しい。

評価 ☆☆☆☆(8)


___9月5日(日)


【今日読んだ本】

探偵王女フジコ ペイガン・ゴッドの白狼 (深見 真/富士見ミステリー文庫)amazon

ついに初深見。第一回富士ミス大賞でとんでもミステリの壊拳を世に送り出し、
そればかりでなく角川NEXT賞も見事ぶっつぶしたその実力、とくと見せてもらおうではありませんか。


あらすじ
時は西暦一九三〇年代、東ヨーロッパの小国・ティルナパン王国に、一人の少女がいた。ひらめきと体力勝負で悪人たちを恐怖の底に叩き込み、新聞紙上を賑わす少女。それがフジミ・クリスティ、通称フジコだ!しかし、フジコには一国の王女という秘密の姿があった!それでも彼女は城を抜け出し、悪人を相手に日夜奮闘する!そんな時、フジコは助手のジェシカや愛猫の黒猫・ヨミとともに、人間が白い狼に変わるという奇病伝説を捜査することになったが…。キュートで可愛い少女探偵の、ミステリアス・アドベンチャー・シリーズ新たなる開幕。


田舎農家のひ弱な三女なのに眼鏡で読書家で大食らい、など初見だけでツッコミ所がたくさん見つかる設定はご愛嬌。頭脳においてはとことん無能で、敵地で犯罪を暴いて相手が逆ギレし窮地に陥ったところを、格闘技で強引に解決する主人公に失笑しつつも、なぜか全体的にはそんな悪いと思えないのは、深見汁に毒されてしまったせいでしょうか。
単に駄目なハヤブサあたりとは違い、既存の他の作品とのずれっぷりが読んでて心地いい。百合設定はいらないし、冷静に眺めると色々ひどく思えてくるんだけれど……。

評価 ☆☆☆(6)



少年陰陽師 異邦の影を探しだせ (結城 光流/角川ビーンズ文庫)amazon

上の口直し。○マシリーズと並びビーンズ文庫の看板を背負う陰陽師モノ。陰陽師ネタ、それ以前に平安時代という舞台設定は好きじゃないんですが、評判はいいので着手。


あらすじ
「ぬかるなよ、晴明の孫」「孫、言うなっ!」時は平安。13歳の昌浩は、稀代の陰陽師・安倍晴明の末の孫。資質は素晴らしいのだが、まだまだ半人前。よき(?)相棒の、物の怪(愛称もっくん)にからかわれながら、修行に励む日々である。そんな中、内裏が炎上するという騒ぎが起き、昌浩はもっくんと共に独自の調査を開始するが…。おちこぼれ陰陽師は都を救えるか!?新説・陰陽師物語登場。


陰陽師にしてはなかなか楽しい。主人公をはじめキャラがよくたっているし、もっくん素晴らしい。ちょっと孫孫とくどいところは気になったものの、なかなかいい成長物語になっていきそうな感じ。
でも、怪異との戦闘も今後出てきそうな朝廷との駆け引きも好きじゃないので、続きはひとまず保留。

評価 ☆☆☆(6)



あなたの人生の物語 (テッド・チャン/ハヤカワ文庫SF)amazon

昨年の海外SF部門で、「しあわせの理由」と評価を二分した作品。しあわせの方はいまいちだったが、こちらはどうか。


あらすじ
地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく…ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―ネビュラ賞を受賞したデビュー作「バビロンの塔」ほか、本邦初訳を含む八篇を収録する傑作集。


ネタ自体はかなり面白いものがつまってるけど、小説としてはいまいちなものが多め。
「理解」や「顔の美醜について」なんかはうまく仕上がってるけど、「バビロンの塔」や表題作は普通に面白くない。表題作の構成は凝ってるけど何がしたかったかよく分からなかったし、「ゼロで割る」などネタ以外の面は駄目駄目。
まあ、短編集なんで、2,3当たりがあっただけで一応は満足。自分はハードSFには向かんのかもしれんなぁ。

評価 ☆☆☆(6)


___9月4日(土)


【今日読んだ本】

風の聖痕Ignition1 綾乃ちゃんの災難 (山門 敬弘/富士見ファンタジア文庫)amazon

富士見の最近の新人の中で売れ行きNo.1にして、なおかつ地雷の呼び声も高いステイグマ。読む気なぞさらさらなかったのですが、大掃除で出てきた本をブクオフへ売りにいった際、100円で転がっているのを見つけてしまいつい購入。これってまだ発売してから10日しか経ってないのに、一体何があったんだろう。


あらすじ
絶好調な長編と対をなす、和麻たちの日常を描くエレメンタルアクション! 和麻と綾乃のコンビが挑む怪事件や日常をコメディタッチに描く。新宿でひさびさに休暇を満喫していた綾乃は何の因果か突然死霊たちに追われるはめに……(「綾乃ちゃんの災難」)。他書き下ろしを加えた短編集!


読みはじめるまで異世界ファンタジーだと思ってた_| ̄|○ だって、「風の聖痕」ですよ! いかにもファンタジーじゃないですか。多分、普通の人間はサブタイトルと表紙で気づくんでしょうが……。
閑話休題。決して面白くはない、でもそこまで叩かれる程のものでもない、というのが短編一つ読み終わったときの印象。切り口は数年前の古臭いものだし、人物配置も完全に定型であまり魅力ないけれど、普通のダメ富士見レベル。
と思っていたら、読み進めるにつれてどんどん下方修正。なんかどの短編も全然変わりばえしませんよ。和麻と綾乃のカップルのウェイトがどの話も高くて、かつこいつらに魅力がない。長編が毎回こんな感じだとしたら、地雷扱いされるのも分かるなぁこれは。

評価 ☆☆(4)


___9月3日(金)

数年に一度クラスの大掃除を断行しました。
なんでこんな時期に掃除してるのかといいますと、うちの部屋は北向きで日が差さないんですね。ということで、冬場には窓が結露しまくるわけです。それを気にせず放置すること数年。
窓と壁がかびました。

それでも放置していたものの、上の方から目に余るのでどーにかせいとお達しがきたので今回に至ったのです。

で、大掃除でたくさんスペースがあいたんですが、それでも収納しきれない本。困ったもんだ。


【今日読んだ本】

有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 ふたりで泥棒を (橘香 いくの/コバルト文庫)amazon

橘香さんが富士ミスで書くっていう話はどうなったんだろう。コラフェリ読んでいる限りでは、ラブもミステリーも兼ね備えた「最も富士ミスにふさわしい」ものを書ける人だと思うのですが。


あらすじ
怪盗"シュシナック"が、殺人罪でローランス警視庁によって逮捕された―。それはコラリーにとって信じがたい話だった。しかし、警視庁を訪れたコラリーとフェリックスが鉄格子の向こう側に見たのは、紛れもなく"シュシナック"の姿だった!"シュシナック"が裁かれる姿なんて見たくない、と戸惑うコラリーを見かねたフェリックスは、彼の汚名をそそぐためにコラリーと動き出すが…。


相変わらずアンパイシリーズ。今回は泥棒編。シュシナックがいい奴に思えてきたなぁ。……韓国行く前に読んだ上に大掃除で本がどっかにいったのでこれ以上書けない_| ̄|○。

評価 ☆☆☆(6)


【本日購入したもの】

風の聖痕Ignition1 綾乃ちゃんの災難 (山門 敬弘/富士見ファンタジア文庫)
有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 ローランスは猫日和 (橘香 いくの/コバルト文庫)
有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 楡屋敷の怪人 (橘香 いくの/コバルト文庫)
有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険 黒い塔の花嫁 (橘香 いくの/コバルト文庫)
よくわかる現代魔法 (桜坂 洋/集英社スーパーダッシュ文庫)


___9月2日(木)

昨日夜半、ネットサーフィンをしていると、突然PCが再起動。
……これはもしや、一昔前に流行ったブラスターですか? ウイルスくらうような行動はとってないはずだけれど、どこから入ったんだろう。起動遅くなるからとノートン切ってたのが間違いだったか。
とりあえず、再起動の様子を眺めていると、ログオン画面に行く前にまた再起動。
……何これ? セーフモードで起動しても、デスクトップ表示されてから1分程でカウントダウンもなしに再起くらうし、どうしろと。親のPC使って調べても未知の現象のまま、こうなったら色々いじって局面打開するしかない。

フロッピードライブ外したら直った。……何故?


【今日読んだ本】

風の王国 天の玉座 (毛利 志生子/コバルト文庫)amazon

ラブラブ中世チベット小説の二冊目。


あらすじ
旅の道中で恋した人が吐蕃王!? 政略結婚によって初恋を実らせた翠蘭は、人々に温かく迎えられ、晴れてリジムの妻となる。幸福な蜜月を過ごす翠蘭だが、その平安を乱す出来事が…。


なんかラブ分がたりない気がする。描写の量はたっぷりあるんだけれど両者いじいじしててまどろっこしく、ラブよりも歴史の方に偏っているように見えてちょっと不満。話も微妙だし、1巻に比べると大分劣るかなぁ。

評価 ☆☆★(5)


___9月1日(水)

8月終了、ということでまとめ。

読了……42冊
購入……31冊

10日間程いなかったことを考えれば至極快調。今月中に未読70冊くらいまで行けるといいな。


【今日読んだ本】

レンタルマギカ 〜魔法使い、貸します! (三田 誠/角川スニーカー文庫)amazon

昨日、これを買うか「本格推理委員会」を買うかで私は非常に迷っておりました。なかなか決断できないので、とりあえずあとがきを読んでみることにしたのです。

『「みたまこと」じゃなくて「さんだまこと」だったりしますので、どうぞよろしく』

「みた」だと思い込んでましたごめんなさい_| ̄|○ そういうわけでこちらを購入。


あらすじ
東に困った人いれば行って陰陽道の札を貼り西に探し物する人あれば行ってダウンジングをする我ら魔法使い派遣会社アストラル。2代目社長に就任した伊庭いつきは慣れない仕事に日々涙目。いつきのふがいなさを嘲笑う同業者は古代ソロモンの魔法<悪魔召喚>を使い、アストラルに挑戦状を叩きつけた。次々と倒される仲間を前に、いつきの真の力が目を覚ます。古代ケルト魔法、黒魔術、神道など世界中の魔法が集結。マギ・ナイトが始まる。


アンダーへヴンは地味良作だったし、未読のスプラッシュもそっち系らしいので今回も地味なのかなと思っていたら、思いっきり売れ筋路線。魔眼をもった弱気主人公、関西弁隠れ幼馴染、勝気系お嬢様に加えて魔法ネタ。目新しさはないし、魔法関連の記述も普通、でもつまらなくはない手堅い作りだし、後半は三角関係勃発でなかなか楽しい。ステロタイプでも勝気お嬢様はいいものです。2巻以降で伏線が明らかになっていきそうだし、とりあえず次も買い。

評価 ☆☆☆(6)



世界の中心で、愛を叫ぶ (片山 恭一/小学館)amazon

言わずとしれた大ヒット小説。こういうベタな売れ筋は絶対自分にはあわない確信があるし、きっと叩くことになるだろうので買っていなかったんですが、何時の間にか親が買ってました。まあせっかく家にあることだし、地雷覚悟で読んでみることに。


あらすじ
十数年前・高校時代・恋人の死。好きな人を亡くすことは、なぜ辛いのだろうか-。落葉の匂いのするファーストキスではじまり、死を予感させる無菌状態の中でのキスで終わる、「喪失感」から始まる魂の彷徨の物語。


案の定駄目。冒頭に死んだ後のシーンを持ってくる構成は使い古されていて、こういう展開読めまくりの死に話ではどう共感させるか、どう盛り上げるかが重要だと思うのだけれど、羅列ばかりで平坦な文章のせいで感情移入することができず、俯瞰気味にしか読み進められないのがとにかく致命的。これじゃ泣けません。あと一点、呪縛にとらわれているのはいいんですが、現在もちゃんと見つめるべきだと思います。

評価 ☆☆(4)



殿がくる! (福田 政雄/集英社スーパーダッシュ文庫)amazon

第3回スーパーダッシュ文庫新人賞受賞作。タイトル見て躊躇していたものの、スーパーダッシュ文庫応援者としては買わないわけにはいきません。


あらすじ
カツアゲされていた新一郎を救ったのは、かの大将軍・織田信長公だった!? 「やられっぱなしとは、恥じるがよい!!」そう吼えた殿は、明け方にはなぜか丹羽家の居候になっていた…。死ぬほど偉そうなタイムトリッパー信長が、日本を斬る! 古今未曾有の痛快☆殿アクション!


前に読んでた「世界の〜」の出来が悪かったための反動か、それとも悪いと聞いて身構えていたためか、評判のよくない序盤を普通にコメディとして楽しめた時点で勝ち決定。正直よく見ると「あれっ」てなる部分もたくさんあるし、勢いだけで押し切ってる面も強いんだけれど、ラブコメとしてなかなかだし、予想の上をいく政治的展開も素晴らしいし、パッと見地雷設定にも関わらずとにかく読んでる最中楽しかったので名作認定しちゃいます。多分騙されてる、でも心地よい騙され方。これで一発屋じゃないようなら、スーパーダッシュの未来は明るそうです。

評価 ☆☆☆☆★(9)