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___7月16日(日)

 投票するものどうしようかなあ→忘れる→気づいたら0時過ぎてる
 という流れで、2006年上半期ライトノベルサイト杯投票忘れました! いいんだいいんだ、どうせ上半期はどうしても推したい傑作はなかったし、トラックバック機能がない旧式サイトなんてどうせ除け者なんだい!

 という冗談はおいといて、票入ってる作品の中でそのうち読みたいと思うのは「お・り・が・み」「タマラセ」「桃源の薬」あたりですね。前者2つは結構前からターゲットに入ってるんですが、いかんせん未読が……。



【今日読んだ本】

タザリア王国物語 影の皇子 (スズキ ヒサシ/電撃文庫)
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《あらすじ》
 小国ひしめきあうバルダ大陸。そのひとつ、タザリア王国の王宮にて。王の御前に、いま一人の少年が召されていた。その名をジグリットという。彼はこの国の皇子に瓜二つだったのだ。出自の悪さから周囲に蔑まれる彼だったが、明晰な頭脳ゆえ、皇子の影武者として育てられる。そして転機が──。影が光と入れ替わる好機、その時ジグリットは!?


 あらすじが目を惹いたので買ってみた、今月の電撃新刊のファンタジー。
 うーん、一言で表すなら「微妙」かなぁ。シリアス気味のいかにも異世界ファンタジーな世界観や、「スラムで暮らしてたのに影武者に」という設定はかなり好みで、序盤はこれは当たりだなあと思って読み進めていました。
 でも、中盤以降が1人のキャラのせいで台無しに……。もう、リネアに腹が立って腹が立ってしょうがなくて。電撃スレ他で絶賛のコメントをいくつも見かけたので期待してたんですが、なんですかこの腐れ女は。狂った行動が自分の許容できる水準を余裕でぶち抜いてますよ、こんなイカれた愛情なんて認められません。ジグリットだけ狙うならともかく、それ以上のことするのはちょっと。今後何があろうともリネアを許せそうにないですし、ナターシの心情やラストの入れ替わりにかなりの強引さを感じたりもしたので、続きは見送りで。


評価 ☆☆★(5)



蒼狼の風(前編) 〜草嵐の章〜 (香村 日南/小学館パレット文庫)
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《あらすじ》
 漢帝国の北の大草原に、匈奴と呼ばれる騎馬遊牧民族がいた。匈奴の大王を単于と言い、一時は五人もの単于が立ち戦乱に。勝ち残ったのが呼韓邪単于だ。巫女姫なしでは単于と認められないが、巫女姫にしか見えない天神の御使い・飛天と共に巫女姫・阿沙那(時に無謀なほどの勇気を見せる十五歳)がいる。呼韓邪の跡取りで彼女の許嫁・迦連都特(寡黙、密かに阿沙那を思う十九歳)と、呼韓邪の兄・呼屠吾斯の跡取り・波留且〓(ハルショテイ)(外見こそ匈奴と違うが、明朗な十七歳)……三者が会したのは運命? なんと波留且〓(てい)には飛天が見えた……それには深い意味が? 若者三人を軸に、漢の謀略を絡めて描く、壮大な叙事詩の前編。


 パレット文庫は完全にBLに移行したものと思っていて完全にノーマーク、空想堂さんの感想を見て初めて存在に気がついた、先月のパレット文庫の新刊。匈奴が暮らすモンゴルを舞台としたお話です。
 あーもう、漢消えろ! くたばれ!
 主役の登場人物たちに共感して思わずこう叫びたくなるほど面白かったんですが、下巻で待ち受けている展開を考えると気が重いです……。
 阿沙那や波留且テイのドキドキして惹かれていく描写は凄く好みだし、2人の語る「草原を平和にしよう」という理想はとても輝いているんです。しかしそんな2人の思いは外圧やらすれ違いやらで粉々に砕かされそうな予兆があちらこちらからにじみ出ていて、読み進むのが辛い。でも、このやるせなさの表現がたまらなく胸を締め付けてくるんですね。幸せになってほしいけれど、不幸の予感が面白い。なんとも複雑な気分です。
 あとがきを読む限り作者は相当の中央アジア好きらしく、確かに草原の力強い雰囲気は出ていたと思うし、田村由美さんのイラストも作風に合っていて、今のところお気に入りの一冊です。あとは、お願いですから下巻で全滅だけはやめてください、それなりの不幸は覚悟してるので……。


評価 ☆☆☆☆(8)



___7月14日(金)


【今日読んだ本】

銃姫7 No more Rain (高殿 円/MF文庫J)
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《あらすじ》
 期せずして灰海で生涯の敵と巡り会ったセドリックは、しかし同時に彼と自身とに秘められた“精霊王”の力が諸刃の剣であることを知る。殺さねばならない。けれど、殺したくはない――。葛藤するセドリック。一方、アンブローシアはセドリックとの再会の約束を胸に、暁帝国へ亡命するガリアン難民隊に同道する途中、アラベスカと遭遇、進軍する帝国軍に随行することになる。スラファト軍と交戦状態に入った流星軍、セドリックのいる“灰海”を目指して。――やがて灰色の地が炎に包まれることも知らず!! 本格異世界ファンタジー火急の第7弾。


 いよいよ佳境に入ってきた、コメディなのかシリアスなのかよく分からないファンタジー「銃姫」第7巻。
 あー、やられた。まさかあの巻であーなったあの人があーくるとは、完全に意表つかれましたよ。指示語ばっかりですが、多分読了した人なら何のことか分かると思います。いやーそれにしてもよかった。これのせいであの巻のあの話単体での評価はちょこっと下がったけれど、何とかあっての物種です。
 話の方も、終盤に差し掛かってきただけあってコメディ分が薄くなり面白かったです。大きなイベントこそなかったですが、再登場キャラが多くて最終章に向けて溜めを作っていていい感じ。アンもエルウィングも先行き危うそうな匂いがしてきましたが、明るい未来は待ってるんでしょうか。あと、プロローグの長さには圧倒されました、青春の輝きは美しく儚いなあ。この人たちにもできることなら幸せになってほしいですが、死ぬ運命にあるんでしょうね……。
 実にいいところで引きやがってくれたので、続きが待ち遠しいです。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 天空のアルカミレス II テスタコーダの鬼 (三上 延/電撃文庫)
 タザリア王国物語 影の皇子 (スズキ ヒサシ/電撃文庫)
 ラジオガール・ウィズ・ジャミング (深山 森/電撃文庫)

 先日お金が足りなくて買えなかった分を追加購入、一月に電撃4冊も買うのは久しぶりです。評判次第では悪魔も買う予定。



___7月12日(水)

 ここで告知することではあまりないけれど、他に場所もないので告知。へろへろと更新続けていたライトノベルサイト案内ですが、今月より新規サイトのみの更新に移行しました。つまり、既登録サイトのデータ更新は停止ですね。新規サイトはid1000になるまでは更新しようと思うので御愛顧お願いします。(あんまり使われてない気もするので自己満足の域ですが。)



【今日読んだ本】

空ノ鐘の響く惑星で11 (渡瀬 草一郎/電撃文庫)
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《あらすじ》
 シュナイクの提案により、正式な使者としてラトロア入りしたフェリオとウルクの一行は、ダルグレイ議員と面会を果たす。対話を目的とした彼らとは別に、“神霊”奪還を目的とするリセリナ達は、玄鳥を使って空からラトロアへ侵入し、行動を開始するが──。一方ラトロア国内では、反ジェラルドの勢力による議会占拠事件が発生。イリス達は鎮圧に協力をする。“神霊”を追うハーミットとシルヴァーナが知った意外な事実とは!? クライマックスへ向け、いよいよ物語は核心へ! 注目の第11巻!!


 いよいよクライマックス直前、戦記風の三角関係ファンタジー「空鐘」第11巻。
 面白かったことは面白かったんですが、予定調和な点が鼻についたりで、次巻がラストの割には盛り上がりに欠ける気がしました。なんだかあちこちでフラグらしきものが過剰にたっているし、カトルのあれなどはあまりにも露骨すぎてちょっと萎えました、書きたいことは分かるんですが……。
 もちろんリセリナが完全敗北したことも影響してます。半分とはいかないまでも、3〜4割はリセリナ小説として楽しんでいたので。この巻で幸せになれる道が仄めかされると思ったのにあれだものなあ。まあラスト1巻、リセリナが、世界が、どのような運命を辿るか楽しみです。死んだり元の世界に戻ったり不幸になったりしませんように。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 空ノ鐘の響く惑星で11 (渡瀬 草一郎/電撃文庫)



___7月10日(月)

 最近はてなアンテナに嫌われてる気がします、なんででしょう?
 もう一つ、【amazon】が改行されてるのはなんででしょう?

 もう2ヶ月もこうなってたのか……。タグ手うちコピペ更新恐るべし!


【最近プレイしたゲーム】

星の聖杯 (NAOXな部屋)

《あらすじ》
 下の本文にて。


 おまけシナリオまでコンプリートしたので、宣言しておいた通り、ドラクエをベースにしたオリジナル同人ADV「星の聖杯」の感想です。

 まずはじめにあらすじを簡単に。ゲームの舞台となるのは、ルビス伝説及びドラクエ1〜3の歴史が神話として語り継がれている、現代風の世界。そんな世界で、主人公のアルスは妹のターニアや幼馴染のマリベルやキーファ、友達のアリーナらと平和な生活を送っていました。が、ある日ダーマの大神官候補のフォズが修行のために主人公の通う学校に転校してきます。さらに幼馴染のシンシアと7年ぶりに再会したり、怪しい人物と遭遇したりと、主人公の身辺は俄かに慌しくなっていき……。

 こんな感じ。名前見れば分かるようにキャラクターはドラクエ4〜7の登場人物がベースになっています。ドラクエ知らなくても一応楽しめるとは思いますが、外見やベースの性格は引き継がれているし、ティミーやポピーといった名前が登場したりと、知っている人ならニヤリとする個所が結構あるので、やはり既プレイ推奨ですね。(自分は7以外プレイ済)
 で、このゲームの魅力の一つは練られた設定。既存の設定でちゃんと語られることのない勇者や魔王の発生やオーブの秘密などについて、「七曜節」などの独自の解釈で筋の通った面白い説明をしています。どうやら久美さんの小説「精霊ルビス伝説」の設定も前提にしているらしく、ブラックオーブなど初見の単語も散見されましたが、この辺は知らなくてもちゃんと説明があるし、色々想像しながら読むことができて、知らなくて逆に得した気分。
 そして、その設定を現代に取り込んだ物語も見事。ちょこっとだけネタバレすると、ドラクエ世界ベースだけあって魔物が出てきたりするんですが、現代に出てきてもおかしくないよう世界観が構築されているし、魔物に対する一般人(主人公)の描写も上手いです。フォズ編、シンシア編、最終シナリオ、熱かったり泣けたりかっこよかったりと方向性が違う3本のシナリオ、どれも堪能しました。
 ちなみに、恋愛要素は相当薄いのでご注意を。でも、普段は恋愛要素あることを熱望してる自分ですが、この作品に限っては薄くてよかったと思います。心の絆はしっかり描かれてますし。

 以下、キャラ別にネタバレ感想、反転します。プレイする可能性がちょっとでもある人は読まないでください。

アルス
 主人公。大切な人の幸せを願う、ごく普通の男の子。その優しさが7年前シンシアを実体化させて事件の一端を担ったわけだけれど、彼は何も悪くないですよね。フォズ編とシンシア編で頑張る姿を見てきた分、最終シナリオでの復讐に駆られる彼の姿はすごく印象的でした。プレイヤーとしてはもうちょっとチコの話聞いてやれよとも思うんですが、記憶を取り戻したアルスにとってシンシアがいかに大切かはシンシア編で見てきたわけで、複雑な気持ちでした。悪い人は誰もいないもんなあこの話。(強いていうなら……プサン?)

ターニア
 主人公にはもったいないくらいに凄くよく出来た妹。そして攻撃力255のフライパンを持つ子。ドラクエ6での立ち位置を考えれば、本当の妹ではないというのは予想できたはずなのに、まんまと騙されました。幼い頃からずっと秘力を使って妹を演じてきた、というのは心境考えると凄く切ないなあ。最終シナリオの後日談後は是非ターニア大逆転であってほしいですね。ターニア編も出るかもしれないらしいのでそちらにも期待です。

フォズ
 ラーメン大好き大神官候補。固有シナリオが世界観の説明にやや重き置いていたり、盛り上がるのがみんなとの救出作戦だったりのせいでキャラはやや弱めなんですが、はじめて道を決めてアルスを眠らせる場面なんかはいいですね。学園の日常を知っても、大神官としての滅私の精神は揺らいでないのがすごいよなぁ。しかし、100%報われないアルスの恋愛感情はどうなるんだろう、一時の再会だけで吹っ切れるほどアルスが思い切りいい子だとは思えないんですが。

シンシア
 タイトルパッケージにも描かれている、星の聖杯の真ヒロイン。なんではじめ少女の姿と心で現れたのかはよく分かりませんが、あーいう形で出会った以上、実体化を願ってしまうのは普通だし、シンシアは悪くないんです。それなのに、フォズ編の別れ方は切なすぎるし、最終シナリオではあっさり殺されちゃうし……。最終シナリオでは生きている人以上に存在感ありましたけれど。
 それだけに、シンシア編ラストでのプサンの粋な計らいには本当に感謝。天に帰るのが筋でも、1個くらいはこんなシナリオあってもいいですよね。七曜節は起きず、アルスとシンシアは仲良く、フォズとチコもダーマで仲良く。まさに薔薇色の未来だし、真ルートといってもいいくらい(チコの7年間が無駄になってしまうのが悲しいですが……)。ずれた丁寧な喋りも好きだし、チコに次いで気に入ったキャラです。

チコ
 登場人物の中で一番優しくて一番強い女の子。勇夢の死を経て7年間を1人で戦い抜き、世界の平和を願い誰にも理解されなくとも七曜節を終わらせようとした彼女は、この物語の影のヒロインと呼ぶにふさわしい存在だと思います。目的第一の姿勢を貫きながらも、フォズを悲しませることだけはできなかったというのがアントリアル達との違いで優しさの証。本当の姉妹よりも強い二人の絆、いいなあ。フォズ過去編読むと余計そう思います。チコは「ダーマには帰らない」って言ってますが、いつかチコやアンナと一緒にダーマで暮らす日がきたら素敵ですよね。
 フォズ編の後日談では、影でこっそりフォズのこと見守ってそう。アルスが不埒なことしようとしたら警告で炎飛んできたりとか。もちろんフォズには見えないように。あー想像が楽しい。この子が一番お気に入りです。

アリーナ
 この子も名前通り、サントハイムの令嬢で空手が強くてお転婆。ぶちやぶられた壁には思わずニヤリ。でも、幼い頃病弱で母の死を乗り越えて育った彼女は、オリジナルのアリーナよりもずっと強いんでしょう。フォズ編でしか活躍しなかった分インパクトが弱いんですが(キーファ、マリベルも同様)、これはしょうがないですね。

神塚夕璃
 一応最終シナリオのヒロインのはずなのだけど、チコやターニアに食われちゃってるかわいそうな子。告白シーンがちょっと強引なので、余計そんな印象を受けます。夕璃→主人公は勇夢の一件なんでしょうが、主人公→夕璃がしっくりこないんですね。しかし、メガザルかけるほど好きになっていたとは……。

神塚勇夢
 フォズ過去編でちょこっとだけ登場する子。一見ただのナンパ野郎だけれど、その後彼が取った行動を考えると。・゚・(ノД`)・゚・。 チコとの間に何があってメガザルに至ったのか、是非読んでみたいです。

ティミー・ポピー
 ドラクエ5の小説好きにはたまらない名前。性格もそのまんまですね。ポピーが秘力を使ったハッカーというのは現代風アレンジで面白い。ポピー自身は「月影の義賊」の名前についてどう思ってるんだろう、案外気に入っているのかな? この時代に勇者は必要ないため、ティミーは妹に比べるとちょっと不遇でした。
 リュカやビアンカも存在はするみたいですが、この世界だと魔物使いにはなってなさそうなのが残念。魔界は邪教崇拝の架空の存在と言われていたけど、実際のところはどうなんでしょう? 数年後に歴史には語られないミルドラースとの戦いがあったりするんでしょうか? ロトと天空は繋がりないし、さすがにないかな……。

アントリアル
 フォズ編ではむかつきが80%くらいだったんですが、最終シナリオを見るとこの人たちも「世界を守る」ために自分なりの最善を尽くしているだけなんですよね。強引だったり人道的にひどかったりしても、その想いだけは本物なわけで。7年前も星の器が現れなかったからしょうがなかったという経緯があるし、憎めません。

プサン
 名前そのまんまの人。つまりはアレ。シンシア編のご褒美や最終シナリオの一押しなど、最後においしいところ持ってっちゃってるんですが、ドラクエでマスタードラゴンなんだからしょうがない、と納得。両シナリオとも皆120%の頑張りを見せてますし。
 ところで、星の器の仕組みを作り出した神とマスタードラゴンは同一の存在なんですかね? 人として暮らしてみて人間の良さを理解して、アルスをターニアの元に導いて〜、という流れなのかもしれません。それだと、7年前の事件もこの人の手のひらの上だったわけですが……。


 以上、これだけ長く書いたのは久々。文句なしに面白いと言える物語でした。音楽もなかなかいいし、これ1人で作ったのは本当に凄い(製作4年らしいです)。オフィシャルサイトでフォズ編を丸々プレイすることができる体験版がダウンロードできるので、興味を持った方は是非やってみてください。ドラクエ好きな方は特に。


評価 A



___7月7日(金)


【今日読んだ本】

光炎のウィザード はじまりは威風堂々 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫)
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《あらすじ》
 リティーヤは、「学園」の基礎課程を修了したばかりの見習い魔術師。がさつと生意気を絵に描いたような彼女は、幼いころ生き別れになった家族と命の恩人を捜している。そんなある日、リティーヤは無口・無表情・超甘党の青年ヤムセと出会った。どうやらこのヤムセ、リティーヤの担当教官らしいのだが…? 命の恩人は誰? なんでも願い事を叶えられる『グリーンワードの魔導書』って何? 愛と冒険のファンタジーが幕を開ける。


 今月のビーンズの新刊、「西風の皇子」や「龍の王女」を書いている喜多さんの新シリーズ。
 元気だけどお馬鹿(誉め言葉)な女の子にちょっと性格悪い年上男と、実にビーンズらしい作品。昨年の外れ新人などの影響でしばらくビーンズから遠ざかってましたが、腹が立つキャラや超展開がなければ、ビーンズクオリティは好きな部類に入るんですよね。リティーヤの寒いボケ(でも「虹ドロさん」のセンスは結構好き)、ヤムセとのやりとり、適当っぽい魔術設定、などなどどれも結構気に入りました。
 きっとヤムセ=虹ドロさんなんでしょうけど、ラストのアリバイはどういうことなんだろう、ユローナの過去に一体何が、など結構気になる点が多いですね。今後はどうせキツネ面のせいで超展開になるんでしょうが、よく考えたら予測できたら超展開って言わないことに気づきました。というわけでラブ寄せを願いつつ続刊にも期待。


評価 ☆☆☆(6)



卵の檻 少年マリア 少女マリア (天河 りら/コバルト文庫)
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《あらすじ》
 交通事故で一カ月もの間、意識を失っていた女子高生の美潮クルミ。目覚めたとき、平和だったクルミの世界は一変していた。安全を保証してくれるはずのノイエ帝国軍基地で起こった謎の爆発事故。両親、そして兄を失ったクルミの前に、双子の兄弟を名乗る少年、伊吹が現れる。クルミと双子だというわりに要領がよく、そのまま家に入り込んだうえに同じ学校にまで通い始めた伊吹の目的とは。


 非BLの新シリーズということでなんとなく買ったものの気分が乗らず積んでおいた、5月のコバルトの新刊。
 ギブアップ。まさか2日連続でこんな自分に合わない作品に当たるとはなぁ。まず読み始めて早々、三点リーダの使い方がすごく癇に障る。「ひき逃げ…なの!?」「本当に…一ヶ月も入院してたんだ……私……。変な…感じ……」 こんな風に長さごちゃ混ぜで多様されていてテンポが悪いことこの上ない。気弱系というわけでもないキャラがこんな喋り方してるとイライラしてきます。そして、そのイライラに追い討ちをかけてきたのが主人公のクルミの痛さ。現実逃避ではなく家族が死んでいないことを当たり前のように信じこんで、人の言うことをあまり聞かず主張ばかりするその姿には、理論が通じない市民団体のおばちゃんを連想させられました。さらに、双子のことを中途半端に受け入れたり、必死な割に学校には普通にいったりと、主人公の行動理念が理解できずじまい。そんなこんなで半分も読み進まずに力尽きました。まあ、たまにはこんなこともあるか……。


評価 Give up


【今日購入したもの】
 ある日、爆弾が落ちてきて (古橋 秀之/電撃文庫)
 Landreaall8 (おがき ちか/Zero-Sumコミックス)
 君に届け1 (椎名 軽穂/マーガレットコミックス)



___7月6日(木)


【今日読んだ本】

ウィッチマズルカ1 魔法、信じますか? (水口 敬文/角川スニーカー文庫)
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《あらすじ》
 失われた強大な力―魔法。だが、その力は形を変え「偽りの魔術」として現代にも受け継がれていた。高校生の綾白未玖とその過保護な姉である夏咲も“力”を使うことができる「魔女」の姉妹。しかし魔女を守るはずの組織「連盟」が二人を襲い始めたとき、未玖から魔術起動の象徴・八重桜が大量に舞い始める!そこには未玖の持つ「偽りの魔術」を根底から覆す秘密があった!強く優しき魔女たちによる運命の踊りが今、始まる。


 青春+とんでもSFの「憐」を完結させた著者さんの新シリーズは、魔女姉妹が主人公の学園物。
 あー駄目だ、これは自分には受け付けない。面白さや出来云々以前に、途中から出てくる堂本兄弟がむかついてむかついて非常に不快、ちょっとエンターテイメントとして許容できる範疇を超えてました。もうネチネチうざったすぎるので2人でどっか行ってくださいほんと。文章は読みやすいし、設定も前作から比べればまともになっているんですが、旧態依然とした魔女社会はこれも不快。さらに、人の気持ちを慮らない言動をはなったひなたに、「〜」がうっとうしいみちるとサブキャラに気に入る人間がいないのも辛かったです。主役姉妹にこれらの欠点はねのけるようなよさを感じることもできなかったし、まあ合わないものはしょうがないでFA。


評価 ☆★(3)



___7月4日(火)

 久々に積んでいるゲームを崩そうと思い、ドラクエベースの同人ゲー「星の聖杯」に手をつけてます。現在1シナリオクリアしたところですが、
 シンシア。・゚・(ノД`)・゚・。
 練りこまれてるっぽい設定と後半の熱い展開がなかなか。これの絵・シナリオ・音楽を1人で作ったっていうのは凄いなあ……。このクオリティで最後までいくならちゃんと感想書こう。ゲームの「感想書こう」は過去2,3回なかったことにされてますが、今回は絶対書きます。


【今日読んだ本】

オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)
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《あらすじ》
 役者は揃った―病を負った、剣士にして薬師の青年。完璧な美貌を持つ謎の詩人。青年を狙う暗殺集団の少女。舞台は整った―「世界の王」と呼ばれし者と、鳥の姿をした神によって、一度滅んだ後に復活した世界。不死を、生きる意味を、愛を求めて、彼らの長い旅が始まった。永遠よ、かくして第一の幕が上がる!全審査員が絶賛、第3回角川ビーンズ小説大賞優秀賞受賞。


 昨年のビーンズの新人さんのデビュー作。発売日に購入し、眠い時に読んだせいで気乗りせず、20ページくらいで中断してそれっきりになってました。
 積んでた理由のもう一つに、同時にデビューした作品の出来がアレだったというのがあるんですが、これは他の2作より大分面白かったですね。キャラクターにはとりたてて気に入った人間はいなかったものの(ミリアンはカナギ狙っている時は好きだったんですが、心境の変化が早すぎるのがいまいち)、街や神話や魔物等の世界設定やその描写はいかにもファンタジーといった感じで結構気に入りました。暗殺者集団とか不死者とか萌え対象です。
 というわけで忘れないうちに続刊買っておきました。どうせ積みますが。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 蒼狼の風(前編) 〜草嵐の章〜 (香村 日南/小学館パレット文庫)
 オペラ・カンタンテ 静寂の歌い手 (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)


___7月2日(日)

 そろそろコミケの時期が近づいてきましたが、今回はリスト作らないかもしれません。いや作家系と作品系とその他はどうせ作るんですが、イラストレーターは数がやたら多いんで……。ところで、前回とかリスト使った人どれくらいいたんだろう?


 一応6月のまとめ。

 読了――20冊
 購入――16冊

 あれ、勝ち越してる。購入量少ないですね。


【今日読んだ本】

スイートホームスイート2 ウィンナ・ワルツは憂鬱の調べ (佐々原 史緒/ファミ通文庫)
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《あらすじ》
 ありえない展開から始まった、「人外だらけのお城生活 IN ヨーロッパ」にもようやく慣れてきた一彦に、またも襲いかかるありえない試練! 「おまえにダンスを習得してもらう。二週間で」燕尾服? 社交界デビュー? ウィンナ・ワルツ? 一歳上の曾祖母、アデルのぶっとんだ企みから、一彦はその身を守ることができるのか? 金髪ドリルの美少女吸血鬼・リリアナも登場して、ますます波瀾万丈のファンタジック・ホームコメディ第二巻、華麗に登場!


 佐々原さんの新刊は、人外ばかりが住む城の後継ぎとなった男の子が主人公の、ハートフルかもしれないシリアスコメディ第2巻。
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
 佐々原さんの書く文章はやっぱり自分にとって波長が合っているらしく、ピコリー等との何気ない日常の会話も一彦の心理を書いた地の文も(トパァズよりは劣るものの)かなり楽しめるんですが、それよりも今巻の見所はラストですよラスト。もうキターとしか言いようがない素晴らしいシーン、イラストも効果的に働いてますね(特にピコリーの表情が!)、ラブ寄せ万歳。まさか2巻で一気に来るとは思いませんでしたが、はやく来る分には全く困らないので無問題。3巻が楽しみで楽しみでなりません、アデルは、一彦は一体どうするんでしょう。


評価 ☆☆☆☆(8)



流れ星が消えないうちに (橋本 紡/新潮社)
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《あらすじ》
 大好きな人が死んじゃうよりも、世の中にはもっと悲しいことがある…。つらくって一睡も出来なくても、朝は来るし。涙が涸れるほど泣いてても、やっぱりお腹は空くもので。立ち直りたいなんて思ってなくても、時間はいつでも意地悪で、過ぎ去った日々を物語に変えてしまう―。玄関でしか眠れないわたしと、おバカな僕と、優しすぎる彼を繋ぐ「死」という現実。深い慟哭の後に訪れる、静かな愛と赦しの物語。


 橋本紡の集大成だとの声も聞く、メディアワークス以外へはじめて飛び出したハードカバー作品、生きてる男の子と生きてる女の子と死んだ男の子のお話。
 悔しい。とにかく悔しい。さすが好評をえているだけあって完成度は高くて、加地君という死んだ重い存在を奈緒子と巧が昇華していく過程などほんと上手いと思います。でも、上手いとは思うけれど、感動したり涙したりはできなくて、それが本当に悔しい。自分にこの物語を受け止めるだけの感受性が欠けてるのか、全然心を揺さぶられませんでした……。頑張って理由を探すなら、現実っぽいのが嘘っぽく見えた、とかなんだろうけど、多分それ以前の問題。うーん、これが良かったら半月にも手を出そうと思ってたんですが、見送りだなぁ。


評価 ☆☆☆(6)