トップに戻る



 
 9月14日(月)


【今日読んだ本】

薔薇のマリア12 夜に乱雲花々乱れ (十文字 青/角川スニーカー文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
 ZOOの新メンバー、ルーシー。彼の父親は、あのSIXなのか。マリアたちが息の根を止めたはずのSIXが、生きていたというのか。ルーシーにどう接するべきか戸惑うマリア。そして、真偽を確かめるために第八区へと向かい、SIXらしき男と対峙するアジアン。一方、SIXへの復讐を誓う、≪秩序の番人(モラル・キーパーズ)≫の副長ヨハンは……。「君を一度、この腕で抱けばよかった」――。最も過酷な最後の戦いが幕を開ける! 慟哭の新章、第2弾登場!!


アジマリのカップリングに悶えるファンタジー「薔薇のマリア」、SIX復活の新章第2弾。

とてもよいアジマリでした! 11巻でルーシーが出しゃばってきたのでどうなるか不安でしたが杞憂でした、今回はマリア側の描写が素晴らしかったです。心配したり、触りたくなったりと無意識にアジアンを気にすることが増えていて、その気持ちを否定しきれなくなっていて、とても萌えます。特に中盤の2人きりのシーンは最高の一言、アジアンに惹かれてきていて、でも近づけることができない複雑なマリア心がとても乙女でした。別にマリアが男だろうが女だろうがもうどうでもいいんです、そんなことでアジマリは揺らぎません。

ただ、アジマリ以外は悪ノリしすぎな部分が多くて、少しついていけないところも。眼鏡好きの変態とか、究極のチョコレートとか、女装祭とか、単体では面白くはあるんですが、メインは相変わらず重たいので、抑えてほしいなと思います。もう12巻だし、再登場やら新キャラやらで混乱する面もあるので、ストーリーに集中してほしいなあと。この混沌具合がエルデンってことかもしれませんが。

悪ノリといえば、SIXは相変わらずひどい。SIX節は理解できないので読み飛ばしてるんですが、それでもひどさがよく分かります。初出のときから嫌いなキャラなので今度こそ滅ぼされてほしいですが、はてさてどうなるんでしょうか。ルーシーはSIX側につくんだろうし、ZOO側も誰かは無事じゃ済まない予感がします。せめてアジアンはひどいことになりませんように。一番危なそうですけどね!


評価 ☆☆☆(6)



 
 9月12日(土)


【今日読んだ本】

王子が恋した女神姫 薔薇と陰謀の舞踏会 (わかつき ひかる/ティアラ文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
 君の魅力に射殺されてしまった。君が欲しい――。王位継承権者レティシア姫とそっくりの町娘マリエは、王宮での仮装舞踏会にまぎれ込み、高貴な青年と恋に落ちた。夜が明けたら町娘に戻るはずのマリエは、王位をめぐる陰謀に巻きこまれる。家族を殺され、身体を奪われる寸前、マリエのなかに眠っていた王家の、そして女神の血が覚醒した! 一夜の恋が、世界の運命を変える――!


今月のもう1冊のティアラ文庫新刊は、王女様とそっくりのパン屋の娘が主人公の王宮ファンタジー。わかつきさん作品は「AKUMAで少女」を絶賛積み中なので買うか迷ったんですが、もうしばらくは全買い続けることにしました。

ヒーローの影の薄さがものすごいお話でした。女の子が恋をして陰謀に巻き込まれて、という立派に少女小説な筋立てなのにここまで存在感のないヒーローは最近記憶にありません。Hシーンのためだけに存在したと言われても納得するくらい。一目惚れってこういうものなんでしょうか、うーん。

ストーリーは、主人公のマリエが実は……というのはとてもバレバレ。でも、レティシア姫周りには意外な展開があってなかなか楽しめました、ジルの気持ちが切ない。欲をいえば、レティシアとジルは対面してほしかったなあ、レティシアにはジルの気持ちを知ってほしかったです。
また、苦難に合うと共にしたたかに強くなっていくマリエもかっこいい主人公、最初の無邪気なイメージからの変化が激しくて少し怖かったくらい。ジルを追い詰める様はまるで悪役でした。

ただ、Hシーンはノリノリすぎてついていけませんでした。というか、バージンブレイクとかもはやギャグです、思わず笑ってしまいましたよ。少女小説はそれまでの雰囲気にあったHシーンが特に大事だなあと実感しました。男性向けエロゲなんかだと、主人公が多少豹変しても「まあいいか」で済むんですが。

ところで、パジェリーが筆頭文官でこの国大丈夫なんでしょうか。文官としては有能なのかもしれませんが、王弟の怪しさに気づけないようじゃ……。

これで9月ティアラも終了。今のところ、ティアラは自分の中で「1月1当たり」ペースをしっかり守ってます。来月も当たりがありますように。


評価 ☆☆☆(6)



 
 9月11日(金)


【今日読んだ本】

Xの魔王 (伊都 工平/MF文庫J)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
 封印されし魔王ミトラスが復活した時代。勇者アティスは魔王の城に単身乗り込み、『盾の聖女』と謳われるフェシナス王国カルセ王女は、彼を守るため城外での戦いに挑む。しかし彼女が見守る中、閃光とともに城は崩壊。勇者と魔王は姿を消した――。それから一年後。ふたたび平和が戻った世界で、カルセ王女は勇者アティスの姿を見たという噂を耳にする。その真偽を確かめるべく一人旅立ったカルセは、ついにアティスと再会した。しかし彼の様子はどこかおかしい。その瞳に輝く銀光の十字は、魔王の証そのものだった……!? 魔王×王女×勇者が織り成す本格ファンタジー!


精神入れ替わりがあると耳にしたので手を出してみた、最近出た伊都さんのファンタジー。

入れ替わり部分はなかなかいい設定でした。魔王ミトラスの魂が勇者の体に入って、勇者アティスは魔物の少女の姿になって、という単なる入れ替わりじゃない設定。この1巻の段階ではアティスの出番があまりなかったりでいまいち活かしきれてないのが惜しいですが、恥らうアティスはかわいかったし、魔王も勇者の姿で生きることで何か感じてきそうで、今後に期待できそうな感じです。

で、エピローグなどを見るに、シリーズ通して書きたいことは面白そうに見えるんです。魔王が人間らしく変化していって、でも魔王としての重たい宿命も背負っていて、さらに三角関係つき、とかときめきます。動乱の末にミトラスとアティスがうっかりくっついちゃったりしないですかね!

ですが、1冊通してのストーリーは色々詰め込みすぎで何だかバラバラ。メインストーリーを見せたいなら、リトエルや王をこんなに前面に出さなくてもいいと思うんですが。特に王関連は見せ方がおかしくて全然気持ちが理解できませんでした。他にも、魔王の性格が場面場面で変わりすぎのような、国も短期間でこんなに荒れるのかな、など引っかかる点がたくさん。戦闘シーンが多い割に燃えないのもマイナスでした。

続きは気になるものの、またストーリーがバラバラな恐れがあるのでとりあえず様子見。


評価 ☆☆★(5)



 
 9月7日(月)


【今日読んだ本】

灰かぶり猫と半月の騎士 (汐月 遥/コバルト文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
身寄りがなく、貧しい宿屋で下働きをしているキーリア。不思議なものが見える瞳と、灰だらけの服のせいで“灰かぶり猫”と呼ばれる。ある日、一人の紳士が現れ“神依姫”になってほしいと言ってきて…?


今月のコバルトの新人さん作品、灰かぶりの少女が主人公のファンタジー。

新人さんらしくない完成度の高い物語でした。貧乏な少女キーリアが、ある日突然「神依姫」候補として聖堂に入って、でも平民出身のキーリアに対する風当たりは強く……、といった感じのお話。まず、キーリアがかっこいい女の子なのがポイント高いです。「神依姫」としての一歩を踏み出すときから「暮らしを変えたい」という意志の強さが見てとれるし、その後のお約束な貴族達のいじめなどにも真っ向から歯向かう気の強さはかなり好みでした。

そのキーリアと「半月の騎士」ロトリックが、お互いを必要とするようになる過程もなかなかよかったです。仲違いしてしまう際のキーリアの反発と後悔が印象的。恋愛にならなかったのは残念な気持ちが半分、この2人ならこの方がいいなという気持ちが半分でした。

それ以上に印象的だったのが、謎の根幹となっている姉妹の絆。長い間ずっと離れ離れ、という設定は普遍的だけどとても切ないですね。憤るキーリアの気持ちにとても共感。仕掛けも凝っていて面白かったです。

ストーリーの行方は途中から何となくは分かりますがバレバレではないし、信じて、裏切られ、それでも前に進むという王道なストーリーを気持ちよく読めたので満足。次回作にも期待です。


評価 ☆☆☆★(7)



七つの人形の恋物語 (ポール・ギャリコ/角川文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
 お金も仕事も失った孤独な少女ムーシュは、言葉を話す七つの人形と出会い、謎めいた一座の長キャプテン・コックと旅と舞台を共にすることに。人形という存在を通して二人の間に芽生える深く純粋な愛の物語を、ストーリーテラーとしての抜群の才能で描いた表題作に加え、著者の名声を国際的にゆるぎないものにした名作「スノーグース」を、矢川澄子による静謐で感受性豊かな名翻訳で贈る、ギャリコ・ファン必携の豪華版。


久々に読む一般小説、昔どこかの感想を見て、いつか読もうと思っていた作品。夏の100冊に入っていたので、これを機に読んでみました。

実は中身を全く知らずに読んだので、意外と重たい話に面食らいました。童話風の話なんだと勝手に想像してました……。

短編の「スノーグース」は、第2次世界大戦開戦直前を舞台にした、醜い隠遁男と少女の交流話。少しずつ縮まっていく距離とその後のやるせなさが胸にきます。ただ、時代背景の実感がないせいで、ラストはそうなっちゃうのかという残念な気持ちもありました。

表題作は、自殺する直前に不思議な人形達と出会った少女ムーシュが主人公の恋物語。個性豊かな人形達との出会い、そして人形達とムーシュのおかしなやりとりには、観客達と一緒に惹きこまれます。その一方で、人形を動かすコックとの関係はとても重たくて逃げ出したくなるくらい。その2つの側面が最後には綺麗に昇華していて、上手く作られた物語だなと思わされました。

でも、感情的には、2人の気持ち、特にコックの複雑な男心が理解できず。コックの心のネタ晴らしの部分で冷めてしまいました。そのうち理解できるようになるかもしれないので、数年後に再読してみたいです。


評価 ☆☆☆(6)



 
 9月5日(土)


【今日読んだ本】

384,403km あなたを月にさらったら (向坂 氷緒/ティアラ文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
美由紀は幼稚園以来9年間、理世にずっと片思い。別の小中学校に通う理世とは384,403km――月と地球の距離のように遠いと思っていた。念願かなって女子高で再会するも、傷つくのを恐れる美由紀は理世への想いを告白できず悶々とする毎日。理世が先輩とHしているのを目撃! 殺意を覚えるほどの嫉妬が燃え上がり、理世を奪おうと決意する。玄鉄絢巻頭コミック&イラスト収録!


今月のティアラ新刊も3冊。これはタイトルを見てSFなのかなと思ったら、実は学園百合だった作品。百合は創刊時のがいまいちだったので、回避するか迷いつつ手にとってみました。

そうしたら意外や意外、面白かった! 今までのティアラで一番気に入るんだから世の中分かりません。幼稚園時代の初恋の子に高校生になって再会して、でもその子は「恋愛勉強會」という怪しげなクラブに入っていて――、こう書くと普通に見えるお話。

でも、主人公の美由紀がものすごかった。変態で、策士で、間抜けで、根は内気で、乙女な子なんです。……こう羅列するとさっぱり分かりませんね。幼稚園の頃から外面を完璧に作っていたけれど、理世と出会って惚れてからは理世の一挙一動で躁鬱ひっくり返るような子です(離れていた9年間はずっと暗黒期という本格っぷり)。ついでにいうと理世のあれやこれやを妄想する変態です。

で、この美由紀、基本的に「これで完璧ね!」と言いつつどこかが抜けてるタイプの子なので、眺めていて実に楽しいんです(背表紙の口絵の慌てた姿が性格を結構体現してます)。特に一人称の心理描写のテンションがツボにはまりました。暴走したり自分に言い聞かせたり(内心の口癖は「びーくーる」)と独特なので人を選びそうですが、はまる人は思いっきりはまると思います。告白シーンがとてもアホで爽快。それでいてシリアスな場面ではグッとさせてくるから侮れません、初キスのシーンはズシリときました。やタイトルにもなっている比喩も何気にうまいし、ただのコメディじゃないです。

ヒロインの理世は……変な子? ネタバレになるのであんまり書けないんですが、意外性あって面白い子でした。

そして、この話の真骨頂は結ばれた後の蜜月部分。美由紀だけでなく理世の視点も描かれるようになるんです。傍から見た美由紀が間抜けでダメダメで、本人はそれを自覚していないのがもう面白くて面白くて。エロくて甘々で、おまけに笑える素晴らしい後日談でした。

「百合だから」と敬遠するのはもったいないお話です、テンション高い話が好きな人には特にお勧め。魔女と風紀委員長の関係は軽く匂わせただけで放置されているので、この2人が主役の話も今後出るのかな? 魔女の歪んでそうな内面も、委員長のツンデレっぷりも見てみたいので出てほしいです。


評価 ☆☆☆☆(8)



黄金の皇子と白銀の騎士姫 (ゆきの 飛鷹/ティアラ文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
 剣の稽古、乗馬、狩り――。少年のように活発なティリア姫の初恋の人は、幼い日に愛を囁かれた隣国の皇子リュカオン。亡命してきた皇子と5年ぶりに再会した姫は、従者ナルセスと惹かれ合ってしまう。恋心が揺れるなか、リュカオンが昔と変わっている事に気づく。彼は偽者? ではナルセスは?……王位を奪還すべく故国に戻った彼らを追った姫は、二人の秘めたる激しい恋心を知った!


もう1冊ティアラ、お転婆な姫様が主人公のファンタジー。

キャラや設定は好みだったんですが、ストーリーの中だるみがとても引っかかる物語でした。初恋の皇子様が主人公の国に亡命してきて、でも皇子様よりもよく似た従者が気になって……、というお話。ぶっちゃけると従者=本物の皇子で、読者視点では最初からあまりにもバレバレなんですよね(亡命=身代わり用意、なんていかにもですし)。最初はいつバレるのかなとドキドキしたんですが、主人公は後半くらいまで全然気づかずに葛藤を続けるので、その長さにダレてしまいました。ティリア視点でも正直バレバレだし、せめて自力で真相に行き当たってほしかったです。

でも、ティリアのお転婆な性格はなかなか好みでした。暴走しすぎと思うところもありましたが、恋のためにどんどん行動する前向きさはいいですね。これでもう少し勘がよければなあ、惜しい。H方面は感度がやたらとよかった以外は普通、脚触られただけで感じるのはやりすぎな気も(これはティアラ全般にいえるかも)。

リュカオンもティリアと似たような性格していて、一緒にお城抜け出したりするあたりはお似合いのカップルだと思いました。しかしリュカオン、16歳の時に10歳のティリアにベタ惚れしているんですが……、いや何も言うまい。

そういやプロローグにHシーン入れるのはティアラの方針なんでしょうか、以前にもありましたが浮いているような。ない方がしっくりきます。

ところで今月刊から折込チラシが入るようになったんですが、作品紹介にひどいネタバレがあります(一瞬、誤植かと思ったくらい)、これから読む人は要注意。百合の紹介ページがないのも引っかかりました(百合が面白かったので余計に)、1月あたりの作品少ないんだし全作紹介してほしいです。


評価 ☆☆★(5)