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 4月17日(日)


<最近読んだ本>


(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜最終決戦はついに離婚!?〜 (夕鷺 かのう/ビーズログ文庫)amazon
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最終巻手前はとても切ない。

毎回楽しんできた仮花嫁シリーズもついにクライマックス手前、今回は色々な決着が着いた巻でしたね、切なく寂しくなる場面が一杯でした。

冒頭からリグレイン妃の衝撃、それは恨みに支配されますよね……。ウーベルが変わらない限りはどうにもならなかっただろうし、クロウへの仕打ちも仕方なかったと思えるようになりました。だから、彼女がせめて心を取り戻せたことは良かったし、最期は母親らしかったと思います。

望外に胸にきたのはクロウとジルフォード兄上のやり取り。隠し事も消えて腹を割って話せるようになって、幸せになってほしいという想いにじんわり。分かち合おうとクロウの言葉には泣けてきました、裸が全開だった頃はこの2人のやり取りで心揺さぶられるとは思いませんでした。ミゼルカと幸せになる未来が、もう信じられる。最終巻でもう少しジルフォードとミゼルカのシーンが読みたいな。

パールは生きて幸せになる展開は苦しいだろうと思ってたので大体は想像通りの決着。クロウの枷になりたくないという想いはよく理解できて、妖精王から解放されて、クロウの幸せを願えたのは、パールにとっても他の皆にとっても良かった。クロウやフェルが何とか生きていてほしいと奮迅してきたからこその場面ですものね。欲張りを言えば他の兄弟にも会わせたかったなあ……。

そしてクロウとフェル。名前呼びのあたりでもときめきでしたが、告白はそういうレベルじゃなかった。過去を回想してちょっぴり笑わせてくれてからの告白からの離婚切り出しは噛み締めながら読みました。幸せになるためには絶対通らなければいけない通過点なのは分かるんですけど、切ない苦しい。フェルの泣き顔イラスト、表紙のフェルの凛々しさとのギャップが胸にきました。

次で最終巻。あとがきを読んで、別作のことを思い出して、ここまでこの物語を読むことができて良かったと思いました。あとはハッピーエンドに進むのみ、身分差を乗り越えるにはフェルの本来の身分が鍵になったりするんでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。

評価 ☆☆☆☆★(9)