4月10日(日) |
気づけば2ヶ月以上更新してませんでしたが生きてます。オンノベから少しずつ書籍に戻ってきているので、マイペースにやってきます。 <最近読んだ本> ◆ 青薔薇伯爵と男装の執事 〜発見された姫君、しかして結末は〜 (和泉 統子/ウィングス・ノヴェル) 【amazon】 激流の展開からの大団円で面白かったです!! いや本当に望外の面白さでした。1巻読んだときはアンとアッシュの主従が変わっていて面白い少女小説だな、くらいに思っていたんですが、ここまでのものを見せてくれるとは。本誌で最終話読んだとき、面白さを吐き出したくて、でもネタバレになるから迂闊に語れなくて困りました。 まずは前半、本誌での第3話部分。ここでまず「えっ」と声が出るくらいに大きな衝撃が1つくるわけですよ。おまけに引きがあれで、どうなるかハラハラしたところに、最終話が凄かった。てんこ盛りで頭の整理が最初大変でしたが、絡みあう事情を豪快に紐解いていってのパワフルなハッピーエンドは、「姫君返上!」でも見せてくれた和泉さん流。こういうの大好きです。少女小説らしさも存分に味わえて、拍手喝采したくなる大団円。いやー面白かったです。 以下、ネタバレ反転。 アンの出自は不意打ちでした、アンが頑なに執事を貫こうとするのはそういうキャラだからだと思っていましたが、そういう事情あったなら理解できます。好きになってはいけない理由が分かり、読者的にニヤニヤできて、ロマンス成分がここでグッと増したなあと。 異教徒の話が前面に出てきて、アッシュ逮捕にスコット登場にと3話だけでも相当でしたけど、最終話は本当によく詰め込んだものですよね、衝撃の事実のてんこ盛り。こんだけ豪快に詰め込んで、多少力技でも気持ちいい大団円を見せられて、本誌読んだときは凄い良いもの読んだなあという気分になりましたね。見所は一杯ありましたが、ローズベリー家の皆の暴走、青い薔薇の判明、格好いいアンからのプロポーズ、アンのお日様な言葉、結婚式、あたりでしょうか。大体全部ですねはい。 青い薔薇、察しのいい人は気づくんでしょうねおそらく。自分は全くだったので衝撃でした。この血縁関係をがんがん投入してくるパワフルさが凄かった。相関図見てすっきり、従兄弟同士だったんですよねそこは……。 そんな複雑な中での、メイン2人の恋模様は良かったですね。全て明らかになった後、親の辛いところを見てきたから身を引こうとする気持ちもよく分かって、アッシュが逃すまいとプロポーズするのが見事。アンのこと分かってますよね、こうでもしないと逃げようとして時間かかりそうですし。 それにアンが格好いいヒーローで。あとがきにある「人殺しも辞さない主人公」に近いくらいの覚悟に、両首脳が集まった場所での陽だまりの言葉。1巻の最初での、盲信ヒロインの姿とは全然違うものでした、見誤ってましたね、素敵でした。 他の世代にも色んな恋模様があったのも良かった、いくつかは言葉足らずが結構な原因になってそうですが(特にプリムローズ夫妻)。スコットは長い道のりを経て、よく復縁に辿り着いたなあと思います。サイモンの扱いもこのシリーズらしいなと後日談読んでしみじみ、普通のお話なら捕まってそのままコースですよねえ。 ローズベリー家の皆も変わらず暖かくて好きでした。皆に愛されているアッシュが微笑ましい。1巻同様、裏表紙に皆いるのが素敵です。 といった具合に見事なハッピーエンドで満足でした! 久々でもこれは感想書かねば!と思わされる物語でした、本誌の番外編も楽しみです。 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ 十角館の殺人<新装改訂版> (綾辻 行人/講談社文庫) 【amazon】 一文にしてやられました。 綾辻さんのデビュー作にして超有名ミステリー。Another話題になっていた頃から綾辻さん作品いつかは読んでおこうと思っていて、ミステリ読みたい気分になったので手にとりました。 で、事前知識なかったので、一文の切れが有名な作品ということすら知らなかったんですが、見事に後半の一文にぶった切られました。推理しようと思って読んでいて、でも視点と場所の切り替えに、犯人分からないでいたらこれですよ。怪しいなと思いつつ疑いきれなかったしトリックも見抜けませんでした。悔しい。オルツィ生きてるんじゃないかとか、明後日の方向に働く想像力が憎い。 いやでもこの作品、推理できない方がきっと楽しめると思うので、良かったと思います(半分負け惜しみ)。騙される快感が味わえるミステリ読みでこれからも居たい……いや鋭くもなりたいです。 一文の後のまとめ方はやや説明寄り過ぎな感があったりと引っかかるところもあったんですが、錯綜する犯人探しからの一文の切れで十二分に面白いお話でした。読了後に館シリーズをお勧めいただいたので、プッシュの時計館までは読みたいと思ってます、幸い電書化もされてますし。 評価 ☆☆☆★(7) |