___12月31日(金) |
今年の総括は年明けてから更新します。 【今日読んだ本】 ◆ 星の大地3 (冴木 忍/角川スニーカー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 〈大砲〉と〈銃〉―。レーンドラが持つ二つの〈科学〉が、ユハリシュ国民を襲った。逃げまどう人々。アゼル達は、何もできない非力さに落胆していた。〈科学〉に対抗できるのは、大陸を制覇できるという〈レーンドラの宝〉しかない。アゼルとマリクは、宝の在処へと向かうことを決意する。〈宝〉は、人類に幸福をもたらすものなのか。そして、災厄から人々を救い出すことができるのだろうか。アゼル、サウラ、マリク―。三人の若者の辿る結末は。感動の完結編。 ごめんなさい俺が悪かったです、確かにこれはひどい鬱ですね_| ̄|○ 最後の希望が足りない_| ̄|○ なんてやりきれない話なんだろう。でも構成はすごく好みだし鬱なだけで話悪いわけじゃないし、決して地雷じゃないです。でも新年に持ち越さないでよかった……。 評価 ☆☆☆★(7) |
___12月29日(水) |
コミケ参戦してきました。多分明日も昼から参戦してきます。 【今日読んだ本】 ◆ 星の大地2 (冴木 忍/角川スニーカー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 大地が揺れた――。 突然の地震によって、レーンドラの街は喧騒に包まれた。度量なる地震は災厄の前兆なのか?不安を募らせる民衆は、ぞくぞくとサウラのいる王城へとつめかけた。騒ぎをおさめるため、民衆の前に出た王女サウラは”災厄はおとずれない”と人人に告げる。 一方、アゼル達は、神秘の力を持つディースの招きで離宮へと向っていた。離宮の奥深く、彼女達が見た《レーンドラの秘術》とは? サウラの記憶に残された、金色の瞳を持つ予言者の正体は? サウラとアゼル――二人の運命の歯車が音をたてて動き始めた!! んー、これほんとに鬱になるのかな? 災厄の予感は沸々と迫ってきているけれど、やっぱり予想のはるか上の鬱がくるとは思えない。まあ感想を見るに、こう思って3巻で爆死した英霊は山ほどいたに違いない。英霊の歴史にまた1ページとなるか、いざ3巻へ。 ってこの巻の感想も少し。ちょっと恋愛をさらっと流しすぎなのが気になるけれど、やや政治色が強くなった物語は面白いです。この人の文章は淡白気味だけど読ませるなぁ。予言者が3巻でどう絡むかが気になるところ。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 されど罪人は竜と踊る6 追憶の欠片 (浅井 ラボ/角川スニーカー文庫) しゃにむにGO19 (羅川 真里茂/花とゆめコミックス) for RITZ (キングレコード) |
___12月27日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ 星の大地1 (冴木 忍/角川スニーカー文庫) 【amazon】 モノグラフさんの記述を見て興味を持って購入。カイルロッドは1巻読み終わった段階で激しいネタバレを食らったので読むのをやめたんですが、これは聞くところによるとカイルロッドが「へ」に思えるほどの鬱らしい。「されど」で鬱耐性もついたことだし、今年最後の締めくくりとして挑んでみることにしました。 《あらすじ》 砂漠を隔てて対峙する大国レーンドラとユハリシュ。大陸制覇を求める二国の戦いは長く続いていた。レーンドラの王女サウラに仕える侍女アゼルは、王女の身にたてつづけに起こった出来事にただ驚くばかりだった。突然の自殺、秘術を尽くした蘇生、甦った姫の別人のような変貌ぶり、そのうえ予見の力も死ぬ前の記憶もなくしたというのだ。唯一の手掛かりである男を探すため、こっそり城を抜け出した二人だが、わがまま王女と世間しらずの少女の旅が、もちろん無事ですむわけはなく…。待望のコミカル新ファンタジー、痛快娯楽活劇、開幕。 とりあえずこの巻では鬱はなく、政治を混ぜた普通の冒険ファンタジー。とりたてて目をひく点はないものの、キャラ、文章、話、全て水準以上で面白いです。今の流れだと最終巻にそれなりに鬱は来そうなものの、10年語り継がれるレベルのものが待っているとは到底思えません。ここからどうなるんだろう。あらすじの「痛快娯楽活劇」は詐欺だよなぁと思いつつ次巻へ。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 虚剣 (須賀 しのぶ/コバルト文庫) 【amazon】 須賀さんのコバルト一筋50冊目は初の和モノ。デビュー10年で50冊ってすごい。おかげで本棚整理の時はいつも苦しめられます。 《あらすじ》 剣の道は、修羅の道――。剣の才能を認められ、幼くして別れた父のもとへ戻って厳しい修行をはじめた柳生連也。めきめきと腕をあげた連也は、江戸に向かうことに。そんな彼の前に、江戸柳生の嫡男・柳生十兵衛が現れて―。 近代以前の日本の話はあまり好きではないし、柳生について知っていることと言えば「十兵衛という人がいる」だけなのですが、これは普通に楽しめました。修羅の話ということで純粋なハッピーエンドにならないのは見え見えなんですが、心理描写がうまく、なぜ連也がラストそういう行動をとったか、完全に納得できるのはさすが須賀さんといったところ。ただ、コバルト向きじゃないよなぁこれ……。天バカよりもさらにコバルトっぽくないですよ。コバルトらしいキャラの名前にこだわるならもう少し(ry でもそんな須賀さんがいいのです。 評価 ☆☆☆★(7) |
___12月26日(日) |
【今日読んだ本】 ◆ 鏡のお城のミミ 異国の素敵な空のした (倉世 春/コバルト文庫) 【amazon】 ミミのシリーズ最新刊。これで8巻目なんですね、もうそんなになるとはちょっと意外。ここ数巻、物語が停滞しているせいかも。 《あらすじ》 やっぱりあの人が好き! ロマンチックファンタジー。ミミをあきらめ、辺境のアルロン自治領に行ってしまった元王子のエリック。恋に臆病なミミだが、思いを新たにして彼を追いかける。騎士の従者となったミミは兜で顔を隠し、エリックに近づくが…。 最近、コバルトスレでミミのDQNっぷりがボコボコに叩かれていて、自分は全然気にならずに今まで読んでいたんですが、改めて振り返ると確かにそう思える点もありました。だからちょっと気にしつつ読み進めてみた所、今回のミミはまとも。エリックに自分から近づいたわけでもなく、人に迷惑もかけてない。何しにアルロンに来たんだと突っ込みたくはなりましたが、ミミの描かれ方については満足。エリックはちょっと鈍感すぎかつアホすぎ、まあこのシリーズの愛嬌ということで許せます。 ただ今回は話がいまいち、あちらこちらに「えーそりゃないだろ」って思えるところが目立ちます。ナディアとかもうほんとアホかとバカかと。何その気持ちの移り変わりの激しさ、ありえない。ここだけ見たら本投げつけレベルのひどさ。 まあ、よかったねよかったね、ということで話には目をつぶることにしました。ようやく一段落、これから新章突入(終盤かなそろそろ)みたいなので続きにはまだまだ期待。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 石の剣 ソーントーン・サイクル (久美 沙織/新潮文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ジリオンは14歳の魔女見習い。山深いソーントーンの館から、はじめて下界に下りてきた旅の途中、剣の形をした貴重な魔法石サイトシリンを、青狼の毛皮をまとった男に奪われてしまう。石の行方を追って、ジリオンの孤独な旅がはじまった―。白馬の王子、青い狼、ねじれた城、邪悪な魔王etc.を配してみずみずしいタッチで贈る、著者初の本格異世界冒険ファンタジー・シリーズ第一弾。 ドラクエのノベライズや「丘ミキ」を書いている久美さんの本格ファンタジー。今年1年で自分の中では「本格ファンタジー=読みにくい」という構図が完成したんですが、これは装飾はしてあってもまわりくどいと思う言い回しが少なく、物語もテンポよく進んでかなり読みやすかったです。世界観よりはキャラと物語に魅力を感じるあたり、本格をややライトノベル風に料理してるのかな。世間知らずのジリオンが当然のごとく苦難にあいながら成長していく姿がいい。絶版でなかなか売ってないので購入リスト入り。 評価 ☆☆☆(6) |
___12月25日(土) |
【今日読んだ本】 ◆ マリア様がみてる イン ライブラリー (今野 緒雪/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 超人気シリーズ、本をめぐるスペシャルストーリー。学園祭も終わり、薔薇の館に集う山百合会の面々。疲れのたまった祐巳は、ついうたた寝してしまう。目を覚ますと祥子さまどころか、祐巳以外の人は誰もいなくなっていて…!? マリみての最新刊は、バラエティギフトと同じような構成の短編集。最近のマリみては惰性買いだし全く期待してなかったんですが、意外なことに当たり短編が。「チョコレートコート」のほろ苦さを堪能できただけで今回は満足です。静の話もそうですが、キャラも雰囲気もいつものマリみてと違ったのがいい方に働いているんではないかと。つまりいつものに戻るだろう本編はやはり期待できなそう。 最後に、一点だけ激しく突っ込みたかった点。図書館内で大勢でしゃべるな! 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 マリア様がみてる イン ライブラリー (今野 緒雪/コバルト文庫) 鏡のお城のミミ 異国の素敵な空のした (倉世 春/コバルト文庫) 虚剣 (須賀 しのぶ/コバルト文庫) |
___12月24日(金) |
【今日読んだ本】 ◆ 銃姫3〜Two and is one〜 (高殿 円/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 自国の民を救おうと、大国の王のもとへ嫁ぐ決心をしたアンブローシア。謎多き自らの過去と向かい合い、運命を切り開こうとするセドリック。穏やかな物腰の陰で、なにかを思い詰めた様子のエルウィング――。それぞれの想いを胸に秘め、謎の「銃姫」の行方を追う三人。道中、突如として彼らの行く手を阻んだのは、魔銃士の少年とその召し使い。ティモシーと名乗る少年は、セドリックの等級タグを狙って決闘を挑んできた。やがて吹き荒れる嵐から逃れ、一行がたどり着いた先に待っていたものとは!? えええ、ちょっと待て。前巻でアンと別れたんじゃなかったんですか! そのつもりで読み始めたのでプロローグでかなり不意打ち食らいました。でもプロローグも本編も、その件に関しては前巻のおさらい以上ではなくて、あえてこうした意味は感じられず逆に蛇足気味。セドリック周りの話なんかは変わっていく様がうまく書けていて面白かったんですが、、エルの本性開眼もまだこないし、前編ということで今回は盛り上がりに欠けてました。1巻2巻であったような名シーンがないのが辛い。後編での黒エルに期待。 評価 ☆☆☆(6) |
___12月23日(木) |
各所で話題の冒頭クイズ。ライトノベル部門だけ考えてみる。 分かる ……2,5,10 ヒントから推測……4,6,8 見た覚えはある……3 わけわからん ……1,7,9 なかなかに難しい。ライトノベルより名作の方が分かる(4つ分かった)ってのはラノベ読み失格だよな_| ̄|○ 【今日読んだ本】 ◆ ホーンテッド!2 コトコトクライシス (平坂 読/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 死んだ人間の約1割が、姿が見えて話もできる存在――ゴーストとして蘇る時代。幼馴染みのゴースト・深春を恋人にもつ久遠悠紀は、カルト教団によるテロに巻き込まれたあとも、ごく普通の生活を送っていた。今回も、「ごく普通」の修学旅行で奈良・京都へでかけた悠紀。深春をはじめ、委員長の一ノ瀬さんやお馬鹿な紺藤、ロリ系美少女の吏架ちゃんなど、あまり普通でないクラスメートと班を組んだ悠紀だったが、見学の途中、紺藤に誘われてナンパに出かける。二人は着物姿の美女に声をかけるが……。古都を舞台に入り乱れる恋のお話(たぶん)。 ホーンテッドの2巻は、前巻の後半のようなアクションは鳴りを潜め、全編に渡ってラブコメ中心のお話。この方向性自体は大いに歓迎、ただテキストが前巻前半に比べるとやや勢い弱め。委員長のキャラもベタベタすぎていまいち。それに加え、冒頭のあれといいエピローグのあれといい、読者をおちょくってるかのような設定の出し方が非常に不快。エピローグとかポカーンですよ。そう持ってくならもうちょっと伏線増やしてください。妹が今後どう話にからむか気になるので次も買いますが、期待度はダウン。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 星の大地1〜3 (冴木 忍/角川スニーカー文庫) スキップ (北村 薫/新潮社) |
___12月22日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ くじびきアンバランス (横手美智子とゆかいな仲間たち/MF文庫J) 【amazon】 はじめてタイトルを見た時、地雷レーダーに引っかかる。ノベライズということを知り、著者欄が怪しくなるにいたって予感は確信に変わる。当然げんしけんは未見。なのに唆されてついノリで買ってしまった_| ̄|○ まあいいですよ、1冊くらい地雷と付き合ったって! さて、とりあえずあとがきを (つづく) 続くんですか_| ̄|○ 《あらすじ》 生まれてこのかたくじ運に見放されていた榎本千尋はこの春無事立橋院高校に合格。しかしこの学校は入学試験をはじめ、大事なことはすべて「くじびき」で解決するのが唯一無二のルールという不思議なところ。入学した日、千尋は図書館で出会った女の子に一目惚れしてしまう。彼女の名前は秋山時乃、次期生徒会会長候補。くじびきによって千尋は次期書記候補として時乃とともに次期生徒会執行部となるため戦っていくことに!? 幾多のライバル候補を倒して栄冠を勝ち取れるか? そして恋の行方どころか、さらなる運命の出会いが千尋を待っていた!? まず2ページ目でいきなり驚かされる。「エロゲーちっくな羞恥心ではなく、」ってそんな表現はMFでありなんですか!? ホーンテッドのあとがきによると、女子小学生も読んでいるレーベルだというのに。でも、よく考えるとホーンテッドの方がやばいネタたくさん入ってるんだから問題ないですね。いや、両方問題なのか。 それはさておき内容ですが、あろうことか普通に良作のラブコメ。ノベライズの宿命か登場人物が多すぎて、数年ぶりに再開した幼馴染他、出番少なすぎてもったいないことになっているキャラが多いし、心理描写がちと直接的すぎるけれど、こういう超常も事件もないラブコメ久々に読んだためかすごく楽しい。葛藤する小牧さんに萌えた。地雷の予定がこれ、なんか騙されてる気がするけれど面白いからいいや。 評価 ☆☆☆★(7) |
___12月21日(火) |
先日ファミ通文庫を読んでいてふと気になったので、各レーベルのアンケートハガキについて調べてみる。 切手不要……ファミ通、MF、講談社ノベルス 切手必要……靴、富士見(両方)、電撃、ダッシュ、コバルト、ビーンズ 葉書無?……ティーンズハート、ウィングス、(コバルト) 主に新興レーベルが切手不要にして頑張っているという分かりやすい結果に。切手いらないとハガキ送りやすいですからね。ファミ通文庫の640円とちょっと割高な原因の一つはこれか。それを考えると全て580円で売っているMFは凄いのかもしれません。 あと面白いのが、コバルトと講談社ノベルスは一作一作に専用のハガキを用意していること。金かけてますね。ただ、コバルトは作品によってハガキが挟まっているものとないものがある模様。基準も不明。試しに女神伝何冊かチェックしたところ、暗き神の鎖(前編)にだけ挟まってました。謎だ。 というわけでまずはファミ通とMFにハガキを送ってみようと思うのでありました。(こんだけ読んでてハガキ送った経験なし_| ̄|○) 【今日購入したもの】 銃姫3〜Two and is one〜 (高殿 円/MF文庫J) ホーンテッド!2 コトコトクライシス (平坂 読/MF文庫J) くじびきアンバランス (横手美智子とゆかいな仲間たち/MF文庫J) きっと今日売っているだろうと信じて神保町に立ち寄ったらありました。とりあえず危険物のくじアンから読もうかと思います。 |
___12月20日(月) |
ログの方にtableタグをコピペし忘れていて、1日ほど見苦しい状態になってました_| ̄|○ 【今日読んだ本】 ◆ BLACK BLOOD BROTHERS2―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 特区を訪れた吸血鬼の兄弟ジローとコタロウ。彼らは、仮の宿として知り合った調停員ミミコのアパートに一泊したものの、自らの住む場所を探すためにミミコの案内で街を散策する。しかし、行く先々でトラブルが――。 あざのさんの吸血鬼アクション第2巻。前巻の段階ではDクラの熱さには程遠く及ばず、吸血鬼ネタも好きではないため、2巻にして早くも気分は惰性買い。実際、前巻の事後処理中心の前半部はたるめで思わずうつらうつらしてしまったほど。こりゃだめぽいなとか思っていたら、ゼルマンとの対面のあたりからじわじわ面白くなってきて、終盤は大いに燃える展開。一癖も二癖もあるトップの人間達がいい味だしているし、ミミコの奮闘と挫折が熱い。なるほど、あざのさんはスロースターターなんですね。後編は大いに期待。 評価 ☆☆☆(6) |
___12月19日(日) |
ちょっと横幅を固定してみるテスト。 【今日読んだ本】 ◆ 春期限定いちごタルト事件 (米澤 穂信/創元推理文庫) 【amazon】 《あらすじ》 小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。 米澤さんの新刊は、「氷菓」路線の地味目の日常ミステリ。創元から出てますが、ライトノベル度はスニーカーで出した「氷菓」と同程度。二人の小市民を目指そうとする態度となかなか言うことを聞いてくれない内面とのギャップがよく出ていて、小佐内さんは米澤作品一の萌えキャラとなってます。二人の関係は互恵関係というよりは仲間意識と言ったほうが適切かな、もうちょっと気持ちに揺れが欲しい(特に小鳩君)気もしますが、距離感自体は気にいりました。謎解きの聞き手が少なかったり話後半にゾクゾク感を感じなかった分、評価は「氷菓」にはやや劣るものの(「氷菓」のオチ凄い好きなんですよね)、是非とも続きで関係の変化が読みたい話。 評価 ☆☆☆☆(8) |
___12月18日(土) |
昨日新刊買いに本屋行ったら、「西の善き魔女」が一般文庫で出ていてびっくり。あれは一般で受け入れられるんだろうか、特にラスト。 【今日読んだ本】 ◆ 三月、七日。 〜その後のハナシ〜 (森橋 ビンゴ/ファミ通文庫) 【amazon】 まさかこれの続きが出るとは思わなかった、今年の続刊で一番驚いた。 《あらすじ》 半年前、三月は七日に恋をした。実の妹の七日に。今も消える事のない欲望の炎が燻っている。半年前、七日は三月に恋をした。双子の兄の三月に。未だ自分に触れてくれない事を寂しく思う。次第に募る苛立ちを隠せず、孤立していく三月と、戸惑いながらも小さな幸せをかみ締め、順応していく七日。そんなすれ違いの中、七日がある男子生徒から告白され、その事実を知った三月は思いきった行動に――。不器用な二人が紡ぐ、拙く切ない恋のその後。 至極真っ当な後日談、物語が終わった後でも登場人物達は悩んだり苦しんだりしつつ進む道を見つけていくという話。読み終わった後では1巻とこれ切り離して考えることができなくなりました。三月の弱さも七日の優しさも真希の一途さも新登場の赤坂を始めとした他のキャラクター達も全部好き。特に真希、ほんといい子だなぁよかったなぁ。そして終わりの爽やかで優しい雰囲気が素敵すぎ。これの前に読んでたのが「されど」だったこともあって癒されましたよ。前巻読者なら間違いなく買い。 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ ALL YOU NEED IS KILL (桜坂 洋/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 現代魔法の人の新刊は、ループ!ループ! ループスキーとしては期待せずにはいられません。 《あらすじ》 敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。出撃。戦死。出撃。戦死。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でひとりの女性と再会する……。ケイジは絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することができるのか!? 直球勝負で普通に面白いですねこれは。SFはあくまでループのためで設定が濃いとかいうことはなく、本質は戦争ループ小説。話に重きを置くことで、現代魔法で気になったキャラの弱さが解消されているのが○。ループ中の主人公の心理はよく掘り下げていて共感できるし、読み手に与えられる情報量もちょうどよい按配。4章に入ったあたりで結末は大体見えるんだけれど、それが切なさ増してるなあ。ラストも好みからこそ外れてはいるもののうまいことは確かで、完成度の高い物語でした。 評価 ☆☆☆☆(8) |
___12月17日(金) |
アクセス解析を眺めていて、googleの検索結果の並べ方に大いに文句を言いたくなる。その検索ワードでうちを1件目にされても困りますって_| ̄|○ 公式より上にくるとかありえません。 【今日読んだ本】 ◆ されど罪人は竜と踊る5 そして、楽園はあまりに永く (浅井 ラボ/角川スニーカー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 竜の顎に襲われていた記憶喪失の少女・アナピヤ。どうやら彼女の存在には、俺達の想像を超えた秘密があるらしい。それを狙って兇悪な5人の咒式士達が、残忍な手段を武器に俺達を襲ってくる。全ての真相の地、メトレーヤへと向かうほどに追いつめられていく俺達だったが、その戦いの日々はアナピヤと俺の間に確かな絆を生んだ。だが、旅の終着点では少女を巡る最悪の陰謀が待っていた!シリーズ第5弾で波乱の旅路がついに完結。 うあー_| ̄|○ きっついきっつい。一鬱去ったと思ったらまた一鬱。畳み掛けるごとに鬱度が増していくという凶悪な展開にノックダウン。普通なら、落とした後はあげてくるものなんですが、この話はただひたすら落として落として落としまくってきます。最後こそ鬱とまではいかないものの、決して読後感はよくはなく。よくもまぁこんな話が書けたものです。 でも、これ程鬱くらうってことは物語にそれだけ惹きこまれてるってことで、実際すごく面白かったんですよね。好きか嫌いかって聞かれれば嫌いな部類に入りそうな内容でも、それを吹き飛ばす密度の濃さに参りました。 評価 ☆☆☆☆★(9) 【今日購入したもの】 春期限定いちごタルト事件 (米澤 穂信/創元推理文庫) 三月、七日。 〜その後のハナシ〜 (森橋 ビンゴ/ファミ通文庫) ALL YOU NEED IS KILL (桜坂 洋/集英社スーパーダッシュ文庫) BLACK BLOOD BROTHERS2―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫) なかなか期待が持てそうな新刊ラインナップ。 で、いつものようにとりあえずあとがきを全部チェックしていたら……あれ? あれれ? 東京創元社やるなぁ。 |
___12月16日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ シャリアンの魔炎4 (ゆうき りん/コバルト文庫) 【amazon】 今日からログ(diary)の方も毎日更新にしました。。 《あらすじ》 街で下級貴族の《狩り》を始めたルァズは、リリーベルが自分の標的とする貴族であることを知ってしまう。一方アリエスは、《神聖薔薇騎士団》の団長リリーティグと逢瀬を重ねていた…。 あれれ、こういう風に話転がしていくのか。ルァズとリリーベルの関係の決着は最終巻だと思っていたので、かなり意外。正体ばれたと気づいた後のやり取りを期待してたので、それがなかったのはマイナス、でも決着シーンはよいものだったので万事OK。ルァズかっけー。 腹黒な人たちもようやく本性を出したわけですが、ヴィスはずっとこれ狙ってたなら凄い忍耐力だなぁ。でも、そうなるとリリーベルへの苛立ちが説明できないから最近思いついたのかな、しかし凄い腹黒っぷりだ。アレウストは力量勘違いヘタレキャラだったので破滅するだけですね、どうでもよし。 さて、メインキャラ数人の立ち位置がばらけ、あとは収束向かって一直線となったわけですが、これ残り1冊で収拾つくのかな。今までのペースで書くと200ページじゃ収まりきらなそう、急ぎ足にはなりませんように。 評価 ☆☆☆★(7) |