___2月13日(日) |
【今日読んだ本】 ◆ ちーちゃんは悠久の向こう (日日日/新風舎文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「ちーちゃんこと歌島千草は僕の家のごくごく近所に住んでいる」――幽霊好きの幼馴染・ちーちゃんに振り回されながらも、「僕」の平穏な日常はいつまでも続くはずだった。続くと思っていた――あの瞬間までは。怪異事件を境に、ちーちゃんの生活は一八〇度転換し、押さえ込んでいた僕の生活の中の不穏まで堰を切って溢れ始める……。疑いもしなかった「変わるはずがない日常」が音を立てて崩れ落ちていくさま、それをただ見続けるしかない恐怖を描いた、新感覚のジュブナイル・ホラー。世紀末の退廃と新世紀の浮遊感を内包した、新時代作家・日日日(あきら)、堂々デビュー!! 先日に引き続き、大型新人日日日さんの作品。 今作は「私の優しくない先輩」と違って文体にとんがったところはあまりなし。色んな作風持ってるみたいですね。文章がうまいのは変わってないので安心して読めますが、とんがっていたほうが好きかな。 お話の方は、ちーちゃんと「僕」の間の、恋愛ではなくてどこか危うい所をもっている友情関係はかなり気にいりました。でも、二人を取り囲む雰囲気は、嫌いというかなんか気持ち悪い。「死にぞこないの青」や「六番目の小夜子」を読んだ時に感じたのと似た気持ち悪さ。こういった現代の学生の閉塞感+ホラーというジャンルは自分は苦手みたいです。終わり付近の急展開にもちょっと違和感を覚えたし、いまいちとまではいかないけど普通の話でした。 評価 ☆☆☆(6) |
___2月12日(水) |
谷山由紀スレにて、「SFが読みたい!のソノラマの新刊情報に谷山由紀の名前があったぞ。」との記述があったので、本屋で確認。本当にあった━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!! 今年刊行予定として挙げられている作家リストに入ってました。いやーめでたい。 ただ、秋山完、岩本隆雄の名が一緒にあがってるので、数年は待たされるかもしれません_| ̄|○ まみはまも帽子屋もどうせ今年も出ないに決まってる。 【今日購入したもの】 ちーちゃんは悠久の向こう (日日日/新風舎文庫) 神保町で手に入らなかったのに、地元でゲットできるとは思ってもみなかった。 |
___2月11日(金) |
【今日読んだ本】 ◆ 空ノ鐘の響く惑星で6 (渡瀬 草一郎/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 制圧されたフォルナム神殿の解放を目指すフェリオ達。さらに敵国タートムの侵攻も伝えられ、アルセイフ王国はかつて無い危機を迎えていた……。そんなフェリオ達のもとに西の大国ラトロアから一人の剣士が訪れる。ウィスタルの“甥”と名乗る彼の目的とは? 一方、来訪者の一人であるムスカは、この世界と自分達の世界の関係についての一つの推論を出す。それぞれの思惑が交錯するなか、物語は思わぬ展開へ──!? 人気の異世界SFファンタジー第6弾!! 電撃ではなかなか珍しい戦記ファンタジー、打ち切られないか心配でしたが無事第6巻までやってきました。 リセリナ派の自分としてはキターと叫びたい箇所が今巻たくさんあったわけですが、それ抜きにしても物語の面白さが一段ランクアップした印象。ラトロアの動向、リセリナの親、来訪者達の世界、御柱、色々な謎が明らかになっていく中で、各人の思惑が絡んで流れていく物語が最高。各勢力が持つ情報の差のつけ方が上手いなぁ。フェリオのラストの行動にはちと納得がいかないけれど、続きが猛烈に気になる引きを作ったので許します。 正直コンスタントで発売されている電撃の中では一番面白いし、熱い展開だろうが鬱展開だろうが超展開だろうが最後までついていくこと決定。 でも、リセリナと他の男くっつけるのだけは勘弁な。 評価 ☆☆☆☆★(9) |
___2月10日(木) |
日本ライトノベル大賞の投票締め切りは明後日です。読本vol.2持っててまだハガキ出してない人は急いで投票しましょう。 【今日読んだ本】 ◆ 私の優しくない先輩 (日日日/碧天舎) 【amazon】 《あらすじ》 過疎化が進む小さな島の女子高生・西表耶麻子(いりおもてやまこ)の悩みは、大好きな同級生に告白できずにいること。何度も何度も書き直したラブレターはまたしても、ポケットの中で賞味期限切れ。おまけにそのラブレターの存在を、乱暴ものでややコワモテの苦手な先輩に知られてしまい…。現役男子高校生がつづった純愛小説です。 新人賞5つ受賞の超大型新人、日日日さんの作品第一号。 なるほど、5つ受賞するだけのことはあるなぁこれは。ストーリーはあらすじと序盤の描写から想像できるようなベタなものですが、見せ方がうまいし、何より文章センスが素晴らしい。乙一に似てるって意見をいくつか見かけたけれど、それよりも舞城の勢いをエンターテイメント方面に洗練させたような感じを受けたかな。この文章ゆえに感情移入しづらい面も多少はあってラブストーリーとしては少し残念、でもそれ以外不満はないし、新人らしくない完成度。この手の話好きな自分としては十二分に楽しませてもらいました。「ちーちゃん〜」も早くゲットしなければ。 。 評価 ☆☆☆☆(8) |
___2月9日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ ルカ ―楽園の囚われ人たち― (七飯 宏隆/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 もしも、世界が滅びてしまったら? もしも、家族が偽りのものだったら? もしも、自分が世界で最後の人間だったら──? その少女は、五人の家族と老犬トッピーと一緒に“箱庭”で暮らしていました。家族みんなの笑顔とやさしさに囲まれ、とても幸せな日々を過ごしています。──しかし、その幸せは偽りでした。世界はとっくの昔に滅んでいて、家族だと思っていた五人はすでに死んでいて、トッピーだけが唯一生きていて……。少女は『世界でたったひとりの人間』でした。 昨日に引き続き新人さん、大賞受賞作。 この設定で少女以外を主人公として、しかもそれをピエロに据えてくる手法にやられた。冷静に考えるとそんなすごくない気もするけれど、あらすじからの先入観があったために見事に変化球をくらった感じ。テーマはありがちな上に主人公のピエロっぷりが激しくて微妙にピンぼけ気味、落とし所は綺麗だけどそれ以上ではない、と大賞の割には微妙と思う点もあるのですが、アヤ・ヒロ・まゆの主要3キャラ達には好感が持てたし、構成もなかなか。まあアイデア勝ちな面もあるので、別作品となる次が試金石っぽいです。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 奇蹟の表現 (結城 充考/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 かつて裏組織を束ねていた男、シマは抗争で妻子を惨殺され、自らも瀕死の重傷を負う。サイボーグ化手術で一命を取りとめたシマに残されたのは、癒えぬ心の傷と、後悔と諦めの日々だった。少女ナツはかつて親に捨てられ、施設で暮らしているが、頑なに神を信じる態度は、心の傷を隠す仮面にも似ていた。心に傷を持った二人が出会う時、少女の心を守るためにシマが見せる「奇蹟の表現」とは──! 新人さんラストは銀賞受賞作。タイトルから大当たりか地雷かどちらかなんだろうと思っていたら、出てきたのはなぜか地味良作。 主人公が元妻子持ちで歳食ってるってだけでまず地味なのに、教会という舞台設定、派手さに欠けるアクション、淡々とした文章と地味さを後押しする要素がてんこもり。主人公以外のキャラも裏社会の人間が多くて全体的に渋め、ナツは理知的な面と子供っぽさの同居っぷりがよく描かれてるしいい子なんだけれど、女の子としての魅力にはやや欠け気味。でも、主人公の心が癒えていく過程はうまいし、終盤の「奇蹟の表現」も、やっぱり派手さはないものの胸にじわじわとくる熱さがあって、新人三作の中では一番面白かったです。 ちょっと悲しいのが、エピローグあたりに明らかにシリーズ化しそうな雰囲気があること。こんな雰囲気ない方が絶対に物語綺麗に締まるのに。続編至上主義な風潮は消えてほしいものです。 評価 ☆☆☆★(7) |
___2月8日(火) |
【今日読んだ本】 ◆ ひかりのまち nerim's note (長谷川 昌史/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 夜だけが続く日黒期がやってきてひと月。高等部に通うネリムは、この日黒期という現象と、六年前の「森の神隠し事件」による兄の失踪に疑問を感じていた。そんな折り、保健室で出会った新しい医務員のディネが、ネリムが疑問に思っている日黒期や兄のことを仄めかす。そして、徐々にディネに惹かれていくネリムは、彼女と一緒に六年前の事件に関する資料を探し始めた。『本当のこと』を知るために──。様々な謎が巧妙に絡む新感覚ファンタジー。 電撃の新人シーズン到来、まずは金賞受賞作から。新人作品というのは長所と短所の入り乱れ率が高いものですが、これは特にその傾向が強いです。 とりあえず、話のネタ自体は第2次世界大戦前くらいの世界ベースでの科学を扱っていてなかなか興味深く、途中までは日常の中でうまく伏線が張られていって構成もいい感じ。キャラは少ない分丁寧に書き込まれていて、一部箇所を除けば主人公に共感できます。文章もあちらこちらに違和感を抱きはするものの、基本的には読みやすい。 なら何が悪いかというと、一つは世界観。前述したように科学がそれなりに発展してきている世界大戦前くらいの世界がベースなんですが、この時代に部分的とはいえ科学抑制案が支持されるとは思えないし、数年程度で情報抑制がここまで進むはずもない。下手に地球を舞台と名言したせいで、つつけばつつくだけ粗が出てきそうです。 そして、もっと問題なのが後半の展開。あとがきで「対話」を徹底して活用したとあります。対話部分も後半はややぐだぐだですがこれは許せます。が、盛り上がるべきネタばらしの部分で、一人が数ページ語りつづけるのは駄目でしょう('A`) しかも、このネタばらしがかなりの超展開なのに、聞き手達は「な、なんだってー!」と驚きを見せるそぶりもなく、普通に理解してしまいます。ありえない、ほんとありえない。一気に冷めましたよ。幽霊は結局幽霊でラスト付近に出てくるのもひどいし、最後まで冷めたままでした。 見所も一杯あっただけに惜しいんだけれど、あとがき見る限り方向性があわない気がするので、次回作はひとまず様子見。 評価 ☆☆★(5) 【今日購入したもの】 ルカ ―楽園の囚われ人たち― (七飯 宏隆/電撃文庫) ひかりのまち nerim's note (長谷川 昌史/電撃文庫) 奇蹟の表現 (結城 充考/電撃文庫) 空ノ鐘の響く惑星で6 (渡瀬 草一郎/電撃文庫) ネコソギラジカル(上)十三階段 (西尾 維新/講談社ノベルス) 私の優しくない先輩 (日日日/碧天舎) 「私の優しくない先輩」はハードカバーで高いので買うつもりはなかったのだけれど、「ちーちゃん〜」がどこ行っても見つからず、あらすじが非常に好みっぽかったので、つい購入。 その代わり、ネタで買おうと思っていた「萌える株式投資」(なぜかラ板大賞でも名前が挙がっていた)を断念。まあこれよりは楽しめるでしょうきっと。 |
___2月7日(月) |
昨晩、現実逃避をしてライトノベル板を周っていたときのこと。富士見スレにてこんな記述を発見。 貴子(たかこ)というキャラをどうしても”たかね”と読んでしまっていた理由が今わかった。 ああ、確かに「貴子潤一郎」の印象が強いと「たかこ」とはなかなか読めなくなりますよね。ってあれ、”たかね”? ずっと「きこ じゅんいちろう」だと思ってました_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○ どうかしてるなあ自分。「きこ」はないだろう「きこ」は……。 |
___2月6日(日) |
本日も読了本はなし。 リッパーさんのところで「富士見ミステリー文庫」読書調査が行われているので、回答してみました。 結果、189冊中53冊。これじゃ富士ミスファン名乗れませんね。こういう調査は大抵シリーズ単位ですが、これは1冊ごとなのでROOMを2巻で止めてる人が現時点で自分だけということが分かったりとなかなか面白い。 |
___2月5日(土) |
ちと建てこんでるので、来週前半までは更新ストップor簡易更新になると思います。 2chライトノベル大賞2004下半期、結果発表。集計人が消えたりとごたごたしてましたが、無事終わったようで何より。 「ALL YOU 〜」のトップは今の桜坂人気を象徴してますね。個人的にはちと過剰すぎる気もしますが(現代魔法のもてはやされぶりがどうも理解できない)、「ALL YOU 〜」は確かにいい出来だったし、これからもっと伸びてほしいところ。 あと気になるところでは、ついに2位まであがってきた小川一水、躍進した米澤・桜庭といったところでしょうか。シャナもそろそろ読もう。 【今日読んだ本】 ◆ 西風の皇子 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 大帝国の皇子ディディウスは、ひょんなことから、女神メイヴェーラを自分の身体に同居させることになってしまった。意識を失ったりすると、身体を好き勝手にメイヴエーラに使われてしまうのが、ディディウスは気に入らない。そればかりか、ディディウスは、すべてを滅ぼす力を持つという「種」にも身体をむしばまれてしまう。魔法使いダークロア、琴弾きミューシカを仲間とし、種をめぐる戦いにいどむディディウスだが――。 喜多さんの二作目は、デビュー作と同じ世界観での少年主人公のファンタジー。 まず気になったのが世界観。相変わらずぶっ壊れすぎです。前作の時も相当だったのですが、今回なんと登場人物の5割以上が神様。人間界が舞台なのに、まともな人間は主人公一人、もう人外のオンパレード。それでいて神界の説明はほとんどないし、いくらファンタジーだからといってやりすぎです。 とここだけ見ると地雷なわけですが、なぜか楽しめたのが悔しくもあり嬉しくもあり。文章が前作より大分読みやすくなっているのが好印象だし、奔放なメイヴェーラのキャラがいたく気にいりました。神様なのがまずいのなら、神様と思わなければよいのです。それで十分読めてしまうのが問題なわけですが気にしないことにします。続きも買い。 評価 ☆☆☆(6) |
___2月3日(木) |
ふと衝動にかられ、マグダミリア2冊、さらにエヴァリオットの剣と一気に再読。やっぱりシリアス分たっぷりの高殿作品は燃えるし泣けるし素晴らしい。で、そろそろマグダミリア同人誌の通販でも申し込んどこうと高殿さんのサイトに行ったら、申し込み停止中でした_| ̄|○ こういうのは気づいた時に申し込んでおくべきですね、ほんと……。 【今日購入したもの】 風光る 17 (渡辺 多恵子/フラワーコミックス) 気がついたら新刊出ていたので購入。……読み始めてから16巻を買っていないことに気づく_| ̄|○ どうりで1年以上新刊買ってないわけだ! |
___2月2日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ ジョッキー (松樹 剛史/集英社文庫) 【amazon】 《あらすじ》 栄光に向かって疾走する、若き騎手の青春。女子アナとの淡い恋、横暴な馬主との確執、馬への愛情――様々な思いを抱え、心優しき騎手は天皇賞の大舞台に挑む。魅力的な登場人馬を描く第14回小説すばる新人賞受賞作。 めったにない競馬小説ということで迷わず購入。 まず、レースシーンや厩舎周り、勝てない騎手の苦悩といった競馬に関連ある部分の描写はなかなか。深すぎず浅すぎずのちょうどいい按配で、競馬を多少なりともかじったことのある人間なら楽しめると思います。多少ご都合主義な面はあっても、どん底からの競馬モノは多かれ少なかれそういう面は絶対出てしまうし、これくらいなら全く問題なし。ただ、競馬全く知らない人にはお勧めできず。説明しようという努力は垣間見られるものの、前提としての基礎知識は必要です。 一方、人間関係、物語などのドラマ的な部分はいまいち。後輩騎手の小生意気っぷりなんかはいいんですが、恋愛方面は踏み込みが浅すぎでなかったほうがましなくらい。話も場面場面の描かれ方はよくても全体的に見ると繋がりが薄く、ラストが主人公の独善的思考で終わってしまったのには開いた口が塞がらず。いやそれは干されるって。 まあ、競馬部分だけで十分楽しませてもらったのも事実。また競馬小説出すようなら買います。 評価 ☆☆☆(6) |
___2月1日(火) |
1月のまとめ。 読了……33冊 購入……38冊 負け越し。でも読書ペースは落ちてないので、購入数減るだろう来月は未読減るでしょう。 【今日読んだ本】 ◆ ブラック・ベルベット 神に見棄てられた土地と黒き聖女 (須賀 しのぶ/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 10年戦争で荒れ、無法地帯と化したバレン。うらぶれたモーテルで働くロキシーの前に、黒ずくめの少女キリが現れた。彼女はハルという神父を捜しているというが―。怒濤のアクション・ファンタジー! 須賀さんの新作は、教会の支配する中世と近未来が入り混じった頽廃世界観での女たちの物語。女神伝を除くと須賀作品の中で一番好きだなぁこれは。微妙に暗いファンタジー世界をまず気にいり、ミステリアスでありながらそうじゃない面も色々と兼ね備えたキリがとっても素敵。今巻は出会いから旅立ちまで、物語はまだまだ入り口なのに、説明的になったりせず単体で見ても綺麗にまとまっているのはさすが。後半のひねりの伏線に全く気づかなくて激しく鬱になりましたがそれは余談。結構長期シリーズになりそうで女神伝の発刊時期に響きそうだけれど、この面白さなら問題なし、来月が楽しみです。 評価 ☆☆☆☆(8) |