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___5月31日(火)


【今日読んだ本】

歌姫−ロジエル−禁じられた歌 (桃井 あん/コバルト文庫)amazon


 《あらすじ》
 歌うことで特殊な力を使う「歌姫」として施設で育ったユリア。南部で人が凍る事件が起き、任務を与えられるが、ペアを組む先輩歌姫のスイが問題で!? ’04年ノベル大賞佳作受賞者、文庫デビュー作!


 昨日に引き続いてコバルトの新人さん、こちらは歌姫ファンタジー。
 うーん、客観的に見ると出来は悪くない気がするのだけれど、自分にはさっぱり合いませんでした。なんといっても、序盤で説明される世界観が気にいらなかったのが致命的。力が発動したかどうかで選ばれる歌姫の特殊性、なぜか歌姫にある四季、そしてそれ明らかに強引な設定だろと思ってしまった、歌姫が二人一組で行動する「半神」という制度。もう「歌姫」という存在が全然好きになれなかったわけです。このため、普段なら読みやすいと感じるだろうちょっとひねくれた少女の一人称の文章が、歌姫が嫌いなせいでマイナスに働いてしまい物語に入り込めないし、歌姫の悲しい話をされてもフーンとしか思えず。終始歌姫のコンビが話の中心なのにこれではどうしようもありませんでしたとさ。あうあうあー。


評価 ☆★(3)



ミゼリコルドの聖杖 永遠はわが王のために (高殿 円/角川ビーンズ文庫)amazon

《あらすじ》
 玉座を追われたアルフォンスは、王族・貴族の権利を否定する運動の指導者として民を導く。一方、アルフォンスと同じ顔を持つキースは偽りの玉座で何を考えるのか――。パルメニア・ストーリー感動の結末!


 高殿さんのデビュー作「マグダミリア」の大幅加筆修正バージョンの後編。
 あとがきのマウリシオとアルの関係のモデルはドラえもんとのび太発言に噴きだした。いや、ありえないですって! 「ドラえもんかよ!」と思いっきり三村ツッコミを入れてやりたい。まさか、高殿さんの中ではその2人はラブってことですか!? 確かに高殿さんが大好きな眼鏡っ子だし……。
 閑話休題。分量にして合計50ページ以上の加筆修正ですが、流れは全く変わっていないので増えたり良くなったりという感じはあまりなし。むしろ、細かいエピソードの加筆や文章の修正が失敗気味のように思えました。もちろん当時より文章は上手くなっているのだけれど、そのことによってデビュー作品特有の勢いとか若さとか、そういうものが削られているような感じ。まあ、自分は修正前のものが凄く好きだったので、多少そちらをえこひいきしているかも。でも、アルフォンスの肉体再構成時に、「愛しています」とマウリシオが言っちゃうあたり、やっぱり加筆部分に違和感あるなぁ。もちろん、主従恋愛物としても、パルメニアの歴史を綴った物語としても、名作であることは揺らがないんだけれど、なんだか喉の奥に小骨がささったような気分。自分はティーンズルビー版推しで。
 おまけ短編のエミリオの手紙は、マウリシオが面白くて上巻の短編より良かったです。あと、加筆部分でオリガロッドとエリシオンの描写が増えていたけれど、そのうちこの始祖たちの時代の話も読めるのかな。雑誌で掲載されていた話とかもあるらしいので少し期待。


評価 ☆☆☆☆(8)


【今日購入したもの】

狂乱家族日記 壱さつめ (日日日/ファミ通文庫)




___5月30日(月)

 ダービー見て、本棚の整理して、OS入れなおしたら1日が終わっていた、昨日はそんな誕生日でした。


【今日読んだ本】

蛇と水と梔子の花 (足塚 鰯/コバルト文庫)amazon


 《あらすじ》
 山に棲む妖猫一家には6人の娘がいた。末娘の六姫は、大好きな姉・三江がお嫁に行ってしまうのがイヤで、お見合いをブチ壊そうと頑張るが…!? ’04年度読者大賞受賞作に大幅加筆&新作1編を収録。


 あらすじも見ずにとりあえずデフォルトで特攻してみたコバルトの新人さん、出てきたのは娘ばかりの妖猫の一家に持ち込まれる縁談を舞台とした中編が2つ。
 最近のコバルトの新人さんは、暗号解読が出てきたり、凄くシュールだったりとあまりコバルトらしくない話が多かったのだけれど、これは久々に正統派。雰囲気としてはマーガレット系の少女漫画(数冊しか読んだことないですが)に近いものがあるのかな。
 どちらの中編も第一印象が悪い状態から恋愛に発展という流れだけとったらベタなんですが、表題作は大好きな姉の縁談相手に反発する六姫がもうほんとかわいいし、単にくっついただけで終わらない少しひねった締め方がとても綺麗。もうちょっと過程の尺が長ければなお良かったけれど、そんなのは些細な問題です。もう一つの中編も、妹たちを支えつづけてきた長女の一妃の強さと弱さの両方を持った内面がしっかりと描かれている極めて良質な恋愛中編で、コバルトの新人さんでは久々の大当たりでした。
 次女、四女、五女の縁談話も読んでみたいので、続きが出るといいな。


評価 ☆☆☆☆(8)



森の祈り 〜花冠の姫君 (香山 暁子/コバルト文庫)amazon

《あらすじ》
 一族のただひとりの生き残りとなったアンナリーゼ姫。森の奥深くにある教会で失意の日々を送っていたが、ある日2人の少年が現れて!? 試練を乗り越え彼女が手に入れた“真実の思い”とは!?


 現代風シンデレラのサクセスストーリーなどを書いている香山さんのファンタジー。
 今回はベースになっている童話はないんですが、奥地の森の村を舞台にしていて、やっぱりどことなく童話っぽい雰囲気。王に滅ぼされて家を失い辺境に隔離され孤独になった姫君が、子供たちと出会って心を開いた後に過ごすことになる、村での生活の描写が暖かくてなかなか良いですね。王宮の王子と村の教会の牧師、2人の騎士が別々の立場で全く異なる性格なのもグー。やっぱり姫君には騎士ですよ。ラストできっちりと落としてきて、これからどうハッピーエンドに持っていくか期待大。牧師と姫君のラブを望んで、返す刀で続巻に突入したんですが……。(↓につづく)


評価 ☆☆☆★(7)



森の祈り 〜太陽の恋・月の恋 (香山 暁子/コバルト文庫)amazon

《あらすじ》
 大貴族トレア家のアンナリーゼ姫が、森から都へ連れ去られ、5年が過ぎた。成長したジャンとセスは、彼女との約束を果たすために、囚われの身のアンナリーゼ姫を救い出す決意をするのだが…。


 上の続き。
 ……なんで子供たちにスポットが当たっているのかさっぱり分からない。これは姫君の話であって、子供たちの物語ではなかったはずなのだけれど。
 まあ子供たちの話でも面白ければ満足だったんですが、前巻から数年間すっ飛ばしておいて、その数年の間に出会った人々が次々とピンチの時に助けにくる、このご都合主義は一体何の冗談ですか。過程をすっ飛ばしたサクセス見せられても困ります。また、成長した子供たち三人の間の友情から愛情へのシフトもどうにもいい加減。幼稚な三角関係なんて全然見たくなかったんです、うちが見たかったのは姫君を想ってしまい葛藤する牧師さんだったんです。あれだけラブラブさせといて、最後は訳分からない超展開持ってくるし、ほんと何がしたかったのか分からない。
 これで続きが読めればまだよかったんですが、イラストがちょっと変だったこともあって見事打ち切り。この内容だから評判悪かったんだろうなぁ。南無。


評価 ☆★(3) (5/31訂正)


【今日購入したもの】

蛇と水と梔子の花 (足塚 鰯/コバルト文庫)
歌姫−ロジエル−禁じられた歌 (桃井 あん/コバルト文庫)
流血女神伝 喪の女王1 (須賀 しのぶ/コバルト文庫)
振り返れば先生がいる 2ndシーズン (響野 夏菜/コバルト文庫)
ミゼリコルドの聖杖 永遠はわが王のために (高殿 円/角川ビーンズ文庫)
アンダカの怪造学1 ネームレス・フェニックス (日日日/角川スニーカー文庫)




___5月28日(土)


【今日読んだ本】

ティー・パーティー我らこの世界を愛す(前編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon


 《あらすじ》
 あたし、後野まつり、八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。栄の超能力のため、崩壊まであと1か月となってしまった世界を救うため、あたしは、火星極冠の封印の中に入ったの…。そこに閉じこめられている、亡きガンダルヴァさんの罪の半身・「闇のパールシャ」からタールを借り受け、奏でなければ、世界は消滅してしまうんだ。封印の中であたしを待っていたものは…。


 昨日の前言撤回、やっぱり恭一郎は出てこなくていいです。人気あったみたいだけれど、自分にはキザで真性のたらしで自己中で不器用なフリしている嫌な男にしか見えないわけで。イラスト見ただけでも虫唾が走るこれは、生理的嫌悪感に近いかも。残り2冊で打ち負かされてくれるといいな。
 パールシャの真実、黒幕の登場と話自体は収束に近づいてきてまあ満足。この世界はナチスやベトナム戦争がない世界だったんですね、なるほどなるほど。でも 最初からずっと繰り返されているまつりの百合否定がいよいようざったくなってきたなぁ。こんなに想ってくれてるランを「女どうしは普通じゃない」の一点張りで否定するのは、ランがかわいそうでならないです。頑張れ、ラン頑張れ。


評価 ☆☆☆(6)



ティー・パーティー我らこの世界を愛す(中編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon

《あらすじ》
 あたし、後野まつり、超常研のメンバー。〈闇のパールシャ〉のタールが消えてしまったいま、世界の崩壊を止めるには、須弥山の四珠を集めるしか方法がなくなってしまったの。世界がいまのようであることを望んでいなかった者たちの、さまざまな妨害を越えて、あたしたちは須弥山に行けるのかしら…。そして、誰よりも大切な友達であるランの、ついに明らかになった前世の記憶とは。


 (ノ ゚Д゚)ノ ====== >┼○ ←まつり

 まさかこの巻でこの顔文字を使うことになるとは思わなかった。最終巻一歩手前にふさわしく序盤から怒涛の展開で、椎奈の活躍に驚き彼女のことを見直し、愛知さん、かぐや、ツケモラス、様々な事象が閉じられていくことに気持ちよさと寂しさを覚え、ランの想いに涙した。なるほど、これまで積み重ねてきただけのことはあると思っていた。
 それが、最後のまつりの一言で全てぶち壊し。何、ここにきてそんなこと言うの? ただの朴念仁じゃなく、人の気持ちの分からない人間だったの? 自分のことを考えればそんなことはないってすぐに分かるだろうし、ランのことをちょっとでも想う気持ちがあるなら、そんな台詞は到底吐けないはずなのに。サイテーだ、まつりサイテーだ。17冊つきあってきた主人公にこうも裏切られるとは。あーもうひどすぎる。とりあえず最後の一冊読みます……。


評価 ☆☆(4)



ティー・パーティー我らこの世界を愛す(後編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon

《あらすじ》
 あたし、後野まつり。超常研のメンバー。須弥山の四珠を集めるあたしたちの前に現れた最大の難関、それは、ついにアスラ王ラーフとして覚醒したランだった。パールシャの呪いのせいで、恋人と結ばれることが不可能になってしまったラーフの怒りと絶望とが、彼をアスラ軍の将として、戦いのくりひろげられる須弥山へと向かわせる。ラン、あたしたちは、もう二度と、わかりあうことができないの…。


 タイトル通り、世界を愛する物語、終焉。ここまでスケールの大きい大団円を見せてくるとは、まいりました、というしかないですねこれは。結局最後までまつりを好きに戻ることはできなかったし、恭一郎は嫌いのままだったけれど、それでもこのティー・パーティーの世界は好きなまま終わることができました。大団円で提示された世界も全肯定とは当然いかないものの、単に全てが一つではなく、個という存在を認めた上で全体でも繋がっているという形だったので、一つの形として納得はできるものだったし、うん、満足です。
 読了時点でまつり・恭一郎・鹿の子以外の主要キャラはみんな好きになったんですが、この巻だけでいうなら、トップは間違いなくヤミサリですね。一ページ見開き、もう完全にやられました、屈折っぷりが最高。ああ今思うと、あのシーンの価値を薄めるって点では、ラストはちょっといただけないかも。なんかヤミサリの想いを踏みにじっちゃってるような感じ受けます。まあ今頃気づいたってことは、それだけの迫力が大団円にあったわけで、まあいいかな。
 会長と栄のペアは最初から最後まで変わらない、いわば物語の清涼剤なカップルで大好きだったし、ランの一途さも心に残ったし、全20冊、時には読むのが辛くなったりもしたけれど、楽しませてもらいました。


評価 ☆☆☆☆(8)




___5月27日(金)

 一昨日の作品タイトルが一部間違ってました。指摘くださった方ありがとうございます。一ヶ月に二回はやらかしすぎだなぁ……。


【今日読んだ本】

女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様 (山田 真哉/角川文庫)amazon


 《あらすじ》
 かつてない超実用的ビジネス・ミステリ、デラックス版として文庫化!
 キュートな女子大生会計士・萌実と新米会計士補・柿本が監査の先々で出くわす奇妙な〈事件〉。粉飾会計、会社乗っ取り、クーポン詐欺など、バラエティ豊かな謎を解くうち、会計についての知識まで身につく!


 昨年の11月あたりにネット界隈で話題になっていた会計士小説。今になって会計に少し興味を持ったので、かなり時代遅れながら読んでみました。
 「女子大生会計士の事件簿」というタイトルの癖に、主人公が女子大生じゃないのは詐欺だと思う。……いや、勝手に騙されただけなのでただのたわ言です。でも、このタイトルなら勘違いしますよね? 冴えない新米男が主人公だなんて思いませんよね? うぅ……。
 閑話休題。で、小説もどきの形をとったビジネス書なんですねこれ。正直小説としては、ずば抜けた短所はないけど長所もどこにもなくて普通につまらない凡作。が、会計士という職業が普段何やっているかを知るには、トレードやっていて簿記かじったこともある自分には見慣れた言葉もたくさん出てきて、分かりやすく書かれていてよかったです。でも話はつまらないので、二巻も出てるみたいですがこれ一冊で十分かな。


評価 ☆☆★(5)



ふぁいなるすてっぷティー・パーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon

《あらすじ》
 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。栄の超能力のため、異常に不安定になった世界が、あと一か月で崩壊するという、前代未聞の危機に遭遇しちゃったの。しかも頼りのガンダルヴァさんは既に生きてはいず、タールさえ人間界にはないという、絶体絶命の大ピンチなんだ……。


 「ふぁいなるすてっぷ」というタイトル通り、ついに最終章に突入したティー・パーティー第17弾。
 今巻でようやくシャチーや神々がどういう人物だったか分かってきたし、地球・火星・須弥山の世界の仕組みはなかなかに面白い。でも、話のメインであるだろうラン・恭一郎・まつりの三角関係については全貌が見えてこなくて焦れます。ランはいまだに何も話そうとしないし、恭一郎に至っては全く出てこない始末。嫌いだし顔も見たくもないけれど、こうも出てこないとちょっと気になります。
 ヤミサリには「そこでそうくるか!」と驚かされたけれど、三田さんの扱いのひどさや埴谷&女史の放置っぷりなど不満な点もあったので、期待値よりは評価低めかな。この辺は残り3冊で何らかのフォローほしいなぁ。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】

アダルシャンの花嫁 (雨川 恵/角川ビーンズ文庫)
キーリV 惑星へ往く囚人たち (壁井 ユカコ/電撃文庫)
キーリW 長い夜は深淵のほとりで  (壁井 ユカコ/電撃文庫)
キーリX はじまりの白日の庭(上)  (壁井 ユカコ/電撃文庫)
白人萠乃と世界の危機 (七月 隆文/電撃文庫)




___5月26日(木)


【今日読んだ本】

海馬が耳から駆けてゆく2 (菅野 彰/ウィングス文庫)amazon


 《あらすじ》
 『あなたの今までの人生の中でしてしまった、一番の悪いことはなんですか?』「海馬」史上最大の話題をまいた「悪いことの話」。『八丈島に住んでいるシカ科の哺乳類は?』の問いに即答できますか?答えは、「二十八歳大人の話」の中に…。体育会系一族の中で「カスケブタ」と呼ばれていた著者の、愛(?)と友情と勘違いの日常を綴る爆笑エッセイ、文庫化第二弾。


 昨日に引き続き、菅野さんの大爆笑エッセイシリーズの二冊目。
 今回も滅茶苦茶笑わせてもらいました。洗顔剤の原液を綿棒につけて口内炎を焼こうとして七転八倒するような面白著者と、その周りの面白家族&友人達、この人たちをネタにして面白くならないわけがない。後半のはじめてのパソコン話が普通だった分だけ前巻より劣りますが、とてもよいエッセイなことに変わりはなし。最近、自分の中でのウィングス文庫の株が電撃やコバルトに並びそうです。


評価 ☆☆☆☆(8)



ボクの瞳に映るのはキミときどきユーレイ (歩川 友紀/集英社スーパーダッシュ文庫)amazon

《あらすじ》
 翔の毎日は変わった! とびきり美少女シズカとの出逢い。でも彼女のおかげで翔はヒドイめにΣ( ̄ロ ̄lll) 悪霊まで出てきて学校は戦場と化してしまう!! 400年の秘密って? あこがれの亜稀が! 平凡な特撮少年だった翔の運命は……シズカと合体して変身だ!? コスプレ美少女ヒーローが大活躍!!


 気づいたら売っていたので買ってみた、スーパーダッシュの新人さんの作品。
 久しぶりに豪快に踏み抜いた、清く正しい核地雷でした。読み始め、なんか文章がへっぽこだなぁと思っていたところに、地の文での神視点からのツッコミが露骨に入って思いっきり萎え。擬音語は太字でもろに使うし、ヒロインの一人は語尾が統一できてなくて時々別人になるし、「静? シズカじゃなかったの?」なんていう、いやそれ声に出したら同じだろという大ボケまでかます始末(仮にアクセント違ったとしても、読者にさっぱり分からない時点でアウト)。主人公はヘタレで、活躍する場面では強引さとご都合主義っぷりしか感じず、ヒロインには欠片も魅力がなく、それゆえヒロインを助ける物語は全然盛り上がらず。よかったのはイラストぐらい。スーパーダッシュはどうしちゃったんだ一体……。


評価 ☆(2)


【今日購入したもの】

刹那〜そのとき彼女が願ったこと〜 days of Broken Blood (山下 卓/ファミ通文庫)
海馬が耳から駆けてゆく2 (菅野 彰/ウィングス文庫)
海馬が耳から駆けてゆく3 (菅野 彰/ウィングス文庫)
ウスカバルドの末裔 前編 (たけうち りうと/講談社X文庫ホワイトハート)
Bad Name (Silveredsteel)

 ラノパのイチオシ投稿文を書いていたら刹那を猛烈に読み返したくなって、でも貸出中だったので葛藤したあげくの2冊目買い。意図しての2冊目買いは初めてです。また一歩ダメな人に近づきました_| ̄|○

 あと、普段はほとんど書いていないエロゲの話をたまには。Bad Nameは少女視点一人称の陵辱&純愛同人ゲー。変に悲壮感があるわけでもなく堕ちるわけでもなく、等身大の少女を丁寧に描いた一人称の文章がとにかく素晴らしいのです。Trueルートではエロだけでなく恋愛物としてもこれまでに読んだことのない一級のものを見せてくれたし、陵辱に嫌悪感がなくて少女一人称が好きなら問答無用でお勧め。




___5月25日(水)


【今日読んだ本】

海馬が耳から駆けてゆく (菅野 彰/ウィングス文庫)amazon


 《あらすじ》
 その時、姉弟は遭難しようとしていた。どうということのない(ように見えた)川で―。その夏、作者と作者の弟を襲った、人生最大の事件とは…!?波瀾と爆笑に満ちた愛すべき日常を綴る、菅野彰の大人気エッセイ、ついに文庫化!!「海馬が耳から駆けてゆく」、「ネイキッド・ソウル」、そして様々な雑誌で書き綴ったショート・エッセイを集めた「雑文」を収録。


 「屋上の暇人ども」がよかったので買ってみた、同著者のエッセイ。
 ……なにこれ、ありえない面白さで抱腹絶倒したんですが。開始20ページで電車の中で読むのを諦めたほど。身近な人間のネタだけでこれほど笑えるものが書けるとは、菅野さん恐るべし。巷のどんなあとがきよりも数段面白くて、目から鱗が落ちました。まとまった本として読むエッセイは数年ぶりなんですが、こんなに笑えるものでしたっけ。小説とは面白さのベクトルが違うものの、間違いなく名エッセイ。既刊全部買ってこないと。


評価 ☆☆☆☆★(9)



はるまげどんティー・パーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon

《あらすじ》
 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。封印された栄の超能力も元どおりになり、無事に(神無月恭一郎さんとの婚約という、とんでもないオマケもついたけれど…)火星から帰っきました。でも、ほっとする間もなく、今度は、あのガンダルヴァさんがとんでもない危機に陥っているらしいんだ…。


 (ノ ゚Д゚)ノ ====== >┼○ ←椎奈

 ふう、昨日の投げと合わせて気が済みました。残り5冊、いよいよ佳境にさしかかったシリーズ第16弾。
 キタキタキタキター! ついに皆川ゆかの本領発揮、前世ネタががんがん出てきて、今までの伏線を回収しつつ最後の大風呂敷を広げてきました。まつり、神無月、ランの関係もこれでようやく見えてきた感じ。前世でも三角関係だったってことですね。しのぶはシャックラの第二の妻かな。前世だらけになってきた中で、会長や栄といった前世に関係ない人たちの頑張りが光るなぁ。あと、神無月も椎奈もまつり達との絡み少なくて善哉善哉。
 そして終盤は著者に「少女小説の極北」と言わしめる大技発動。最近の少女小説には当時より変なものが増えているとはいえ、巨大ロボットVS悪魔なんつーことをやったのは多分これだけでしょう。あと4冊、どんな超展開を見せてくれるか、期待9割不安1割で次巻へ。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】

ボクの瞳に映るのはキミときどきユーレイ (歩川 友紀/集英社スーパーダッシュ文庫)




___5月24日(火)


【今日読んだ本】

マリオネット症候群 (乾 くるみ/徳間デュアル文庫)amazon


 《あらすじ》
 とにかく私は驚いた。ある晩、目覚めたら、勝手に動いている自分の身体。意識はハッキリしてるのに、声は誰にも通じない―まさか私、何かに乗っ取られちゃったの!?誰の仕業かと思っていたら、なんと操り主は、あこがれの森川先輩らしいの。でも、森川先輩って、殺されちゃったらしくって…それっていったい、どういうこと?とっても奇妙なパラサイト・ストーリー。書き下ろしで登場。


 ライトノベル・フェスティバルで買った徳間デュアル文庫総解説を見て興味をもった、とりつかれ小説。
 うわー、変な話だけど面白いやこれ。とりついた側ではなく、とりつかれて声が出せない完全な傍観者の視点で終始話が進むのが新鮮。意志に反して体を動かされるもどかしさがよく伝わってきて、憑依話好きな自分としてはこれだけでも満足なんですが、この話の真骨頂は後半。あるとんでもない事実が分かってからの重苦しい驚愕の展開、そしてラストに訪れるパラダイス。こんな終着点が待っているとは夢にも思わなかったですよ、すごいや。他の作品も読んでみよう。


評価 ☆☆☆☆(8)



ティー・パーティー宇宙へ飛ぶ(後編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon

《あらすじ》
 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。入学以来、妙な事件にばかり巻きこまれてきたんだけど、封印された栄の超能力を解放するため、今回はとうとう『火星行き』なんていう、とんでもないことになってしまったの。火星に行ったら行ったで、三好さんの師匠のいるという火星高野山で、あたしたち一行を待っていたのは、あのキンナラくんだったし…。これからいったい、どうなるのかしら。


 (ノ ゚Д゚)ノ ==== >┼○ ←神無月一族


評価 ☆☆★(5)




___5月23日(月)


【今日読んだ本】

屋上の暇人ども (菅野 彰/ウィングス文庫)amazon


 《あらすじ》
 ウワサなんて気にしない。同情なんと欲しくない。理由なんて意味がない。居場所がないなんて、きっと言わせない…。そこは、湘南なのに海の見えない南高校。走れなくなった陸上選手・鵜飼譲、その幼馴染みの松下未来。二人が居場所を求めて作った天文部に、ある日嵐がやってきた。百間鴫、凌霄夏女。放校寸前、鑑別所帰りのウワサのふたり。だけど、そんな彼らの中に譲は何かを見つけてしまって…。それぞれに手探りに、四人の居場所探しが始まる。


 ラノパの感想から良作を発掘しようフェア第一弾は、問題児二人組・怪我で選手生命を絶たれて宙ぶらりんとなった特待生・そのことに責任を感じている幼馴染、の四人がおくる居場所探しの青春物語。
 うひゃー、青臭くて痛くて青臭い。上のような四人が集まって青臭くならないわけないんですが、語りの視点の中心が陸上挫折した譲なために青臭さがさらに倍。問題児二人にも重苦しい過去が当然あるわけでさらに倍。鴫と夏女の二人には多少ボーイズラヴくささがあるものの、友情色の方が強いし、二人のバランスの危うさの方に目がいくのでそんな気になるものでもなく。ひとまずまとまった四人が今後どういう風に変わっていくのか、続きが非常に楽しみ。


評価 ☆☆☆☆(8)



ティー・パーティー宇宙へ飛ぶ(前編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon

《あらすじ》
 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。異常にトラブルを呼びやすい体質なのか、入学当初から妙な事件に巻きこまれ続けて、ついに!封印された栄の超能力を解放するため、火星にまで行かなきゃならない羽目になってしまったの…。あたしたち超常研のメンバーは、またまた火星で、どんな事件に遭遇するんだろう。というわけで、"前編"の始まりです。


 とうとう舞台を火星に移した、ティー・パーティーシリーズ14冊目。今回の感想はフローチャート形式でお送りします。

宇宙旅行キタキタキター!

あれ、なんか変な展開……椎名邪魔

鹿の子出やがった('A`) 神無月の他が出てないのが救いか

椎名うざすぎ、悪意なく邪魔しまくるキャラはいらないですほんと

あーようやく元の雰囲気に戻ったよ
↓ えええええええええええええええええ!!!?????

ここでそのキャラを出してくるのかー。総じて微妙だったので、後編に期待。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】

屋上の暇人ども2 一九九八年十一月十八日未明、晴れ。 (菅野 彰/ウィングス文庫)
屋上の暇人ども3 恋の季節 (菅野 彰/ウィングス文庫)
屋上の暇人ども4 先生も春休み (菅野 彰/ウィングス文庫)
海馬が耳から駆けてゆく (菅野 彰/ウィングス文庫)




___5月22日(日)

ラノパのイチオシ駆け込み投稿に必死で本読めませんでした(´・ω・`)


【今日購入したもの】

銃姫4 (高殿 円/MF文庫J)
パラケルススの娘1 (五代 ゆう/MF文庫J)
マリオネット症候群 (乾 くるみ/徳間デュアル文庫)
銀河郵便は“愛”を運ぶ (大原 まり子/徳間デュアル文庫)




___5月21日(土)


【今日読んだ本】

煉獄のエスクード RAINY DAY & DAY (貴子 潤一郎/富士見ファンタジア文庫)amazon


 《あらすじ》
 両親を亡くし教会にひきとられ育った少年・薫。ある日彼が学校から帰ると、神父に義兄の真澄とともにある老人のもとへ連れて行かれる。そして長剣を渡され、告げられた。「今日からお前はエスクードとなるのだ」と。


 大賞受賞作家貴子さんの最新作は、著者初となるシリーズ物。
 うわ、これは今までと違って本気で売れ線狙ってきたなぁ。強い武器を支給されたけれどまだ全然役にたたない少年と、長い間まわりに理解されずに戦いつづけてきた孤高のヒロインが、血を吸って人を使徒化する悪魔を相手に戦う話で、まだ導入ながらなかなか話が動いて面白いです。キャラクターにはヘタレで好きになれない奴もいたりしますが、レイニーのかっこよさがそれを補ってあまりありますね。圧倒的に強いけど孤独で弱い部分もある人物ってのは万国共通の燃えキャラ&萌えキャラです。
 この話なら売れるだろうし、主人公が強くなっていく今後はますます面白くなると思うので、あとは続きが出るのに間が開かないことを祈るのみ。


評価 ☆☆☆★(7)




___5月19日(木)


【今日読んだ本】

荒野の恋 第一部 catch the tail (桜庭 一樹/ファミ通文庫)amazon


 《あらすじ》
 山野内荒野、12歳。"恋愛小説家"のパパと、年若き"ばあや"と暮らしている。中学入学式の日、荒野は一人の少年と出会い、衝撃的な胸のドキドキを体験する。少年・悠也がクラスメートだと知って嬉しい荒野だが、彼の氷のような視線に戸惑う。好きってどういうこと? 恋ってなぁに? 未知なるものとの遭遇にまだコドモの荒野はオタオタするばかり。そんな荒野が、ついに"恋のしっぽ"をつかまえて――。一人の少女の恋の軌跡を描く『恋の三部作』第一作。


 現在ブレイク中の桜庭一樹の新刊は、著者初挑戦の恋愛物語の三部作、第一弾。正直なところ、最近の桜庭さんのブレイクにはちょっとついていけていなかったりします。「砂糖菓子」なんかすごいとは思うけど、好きかどうかと聞かれたら間違いなく否ですし。「現代魔法」祭の時と同様な疎外感を覚えてちょっと寂しいですが、まあそれはさておき。
 んー、なんだかよく分からない話だったなぁ。キャラ造形とか筆致の雰囲気とかは推定少女の砂糖菓子mixみたいな感じ(?)で、これは別に問題ないのだけれど、舞台設定にどうもはまりこめない。"恋愛小説家"のパパは非日常すぎるし、ハングリー・アートなんかは???だし、青春物としてならOKでも、現代の恋愛小説の設定として受け入れることができませんでした。
 自分が主に好むのはコバルトやLOVE寄せされた富士ミスのような直球な恋愛物語で、一般小説みたいなごちゃついたのはあまり好きじゃないんですよね。決して出来悪いわけではないので、最近の桜庭作品好きなら楽しめると思います。続きどうしようかなぁ……。


評価 ☆☆★(5)



平和の鐘、永遠の女王 (いわなぎ 一葉/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 ついに2千年の時を超え、魂と魂で巡り会ったカルロとクレア。もう二度と離れないと誓う二人でっあったが、別々の国の上級貴族と女王−−二人の立場がそれを許さない。しかし、カルロは世界を変える決意をする!


 2000年間の時を越えた恋を描いた、女王シリーズ3部作の完結編。
 もうだめぽ。相変わらず「……」多用しまくっていて文章読みにくいなぁとか、カルロのこと全然信じてないクレアがうざすぎるとか、敵も味方も大声で密談しすぎだろとか、思うところは色々あるのですが、何よりどうしようもないのがこの主人公2人に飽きちゃったこと。前巻までで十分2人の関係書き終わってるし、もう1冊読みたい程この2人好きではなく。「その後色々ありましたが2人は幸せに暮らしましたとさ」で十分です。政治陰謀劇はそれなりに書けているけど、これなら1巻で終わっといた方がよかったんじゃないかなぁ。


評価 ☆☆(4)



ムーンスペル!! 霧の向こうに…… (尼野 ゆたか/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 国家詠唱士を目指す青年クラウスは、ふとしたことから手にした大金をもとに予備校に通うことにするのだが、なぜか知り合いの美少女闇魔術使いエルリーも一緒に通うと言い出して。しかし、そこには事件が待ち受ける!


 ファンタジーだと思ったらラブコメだった、新人さんのファンタジーもどきシリーズの2冊目。
 2巻にして惰性買いだったのに、1巻より面白くなってました。前回のように下手に話の風呂敷を広げようとせずに、自分に自信が持てないクラウスの成長物語にしたのが正解で、定型多めのほのぼのとしたラブコメとマッチしていい按配。魔法設定は深く考えなければ楽しめることに気づいたし、新しくラブコメに加わったキャラはロリなのにロリっぽくない大人びたドジ僕娘というあまり見ないタイプでなかなかに気にいったし、期待してなかっただけに嬉しい誤算です。
 ムーンスペルの使用とかご都合主義な部分は気にしないことにして、エルリーの過去とか持ち出さずにこの調子のラブコメで進んでくれるといいな。


評価 ☆☆☆(6)




___5月18日(水)


【今日読んだ本】

乱破GOGOGO!02 いま、忍びにゆきます (八街 歩/富士見ファンタジア文庫)amazon


 《あらすじ》
 ちょっとケーハクな高校生・総太郎と幼なじみ夢姫の元に、美少女忍者・静刃が現れてから1か月。そんな彼らのもとに再び「邪神組合」の魔の手が忍び寄ろうとしていた……。そして炸裂するおばか忍術! 絶好調第弐弾。


 富士見とファミ通の新刊シーズン、まずは期待度の低いものから読もうということで、オタネタ満載のラブコメディの第2巻。
 飽きるかと思っていたら、今回も普通に笑えて読めました。前巻と同様、ストーリーなんてただの飾りですと言わんばかりにラブコメとネタに徹底する姿勢がとても潔い。メイド、ドリル、貧乳といったオタネタだけでなく、のど自慢などの小ネタや、突然液体窒素かけたり戦隊登場したりの不条理路線など、ギャグの間口が広がっています。静刃・夢姫・総太郎の三角関係はラブ3割コメ7割ですが、掛け合いのテンポがいいのでラブの薄さは気にならず。ダメな人はとことんダメなんだろうけど、自分のツボには合っているみたいです。まだ続きそうなのでこのままのノリで期待。


評価 ☆☆☆(6)



ティー・パーティーえくすぷれす (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート)amazon

《あらすじ》
 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。遊び半分でやった「キューピット」さん占いが原因で、偽天使につけいられる羽目になり、とうとう、ランとケンカしてしまったの…。それでも事件は容赦なくふりかかってくる。ツケモラスのお墓の近くで、いきなり空からカウンタックが降ってきたり、女子トイレで、侍の幽霊が、「手首を返せ」とすすりないたり…。いったい、どうしちゃったんだろう。


 1週間ぶりのティー・パーティー、シリーズ13冊目。
 ついに神無月一派がでしゃばってきてしまいました。この人達TPOをわきまえないし行動ワンパターンだし、やっぱり嫌いです。本丸の恭一郎がまだ出てきてないとはいえ、ピンチに登場するくせに大して目立たないし、正直この人たちいらない。帽子屋に恋する役目の三田さんとか不憫すぎるんですが、今後何か活躍するのかなこの人。
 ランとまつりの関係は一旦放置され、ヤミサリとのバトルにページの3分の1費やされたりもして、話が思ったより前進せずいまいちな巻でした。次は宇宙へGO! な話みたいなので、派手に動いてくれることを期待。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】

煉獄のエスクード RAINY DAY & DAY (貴子 潤一郎/富士見ファンタジア文庫)
ムーンスペル!! 霧の向こうに…… (尼野 ゆたか/富士見ファンタジア文庫)
平和の鐘、永遠の女王 (いわなぎ 一葉/富士見ファンタジア文庫)
乱破GOGOGO!02 いま、忍びにゆきます (八街 歩/富士見ファンタジア文庫)
荒野の恋 第一部 catch the tail (桜庭 一樹/ファミ通文庫)
屋上の暇人ども (菅野 彰/ウィングス文庫)
放課後保健室2 (水城 せとな/プリンセスコミックス)
とりかえ風花伝 (柳原 望/花とゆめコミックス)




___5月17日(火)

 家に帰った後、昨日発売のコミックスで読みたいものがあるのに気づいたので、わざわざ再外出。
 本屋4件まわってゲットできませんでした_| ̄|○ そんなマイナーだったとは……。


【今日読んだ本】

屋根裏の姫君 ガラスの靴をはいた少女 (香山 暁子/コバルト文庫)amazon
  屋根裏の姫君 裸足の花嫁 (香山 暁子/コバルト文庫)amazon


 《あらすじ》
 貿易商ランプリングの娘=美春は継母のエマにひどくいじめられ、みすぼらしい格好で屋根裏に住んでいる。そんな健気な美春が、舞踏会でガラスの靴をはいたら。アッと驚く展開。運命の恋のその後。女のコなら誰でも知ってる、憧れるシンデレラ・ストーリー。でも、「香山版」はひと味もふた味も違う、青春サクセス物語なのだ。思わず涙のクライマックスが待っている。


 コバルトスレで、復活してほしい作家としてよく名前を見る気がするのが、この香山暁子さん。前々から気になってはいたのですが店頭では全然見かけず、ようやく手に入りました。この物語はあらすじのとおり「シンデレラ」のアレンジバージョン。
 とってもいい話でした。・゚・(ノД`)・゚・。
 著者があとがきで書いているように、元のシンデレラが「救いを待つ」物語なのに対して、こちらは「自らの手で幸せをつかみとる」物語。継母や継姉が単なる悪役ではなく一人のキャラクターとして扱われているのが元と大きな違いで、王子との恋愛より家族愛の要素が強いです。
 上巻で、美春、エマ、姉たち、みんなの想いが全然かみ合わずにどんどん不幸になっていく様子を見た時は、読むのが辛くて投げ出してしまいそうでしたが、これがあるからこそ下巻でのサクセスストーリーが活きるわけで。屋根裏から足を踏み出し、皆が頑張ったすえのハッピーエンドは本当に爽快。ご都合主義な面があった気もしますが、こんだけ綺麗な終わりを見せてくれるなら文句なし。みんなが幸せになれるシンデレラ、堪能させてもらいました。


評価 ☆☆☆★(7)