___5月16日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ 破剣戦鬼ジェネウ 恩讐の変 (荻野目 悠樹/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ジェネウの裏切りによって、ウエルネルは命を落としてしまった。反逆者の汚名をきせられたエスキルとミリッカも、処刑台の露と消えようとしていた―。刑執行の時、突如仮面をつけた「鬼」がふたりを救い出す。帝国への、そしてジェネウへの怒りを燃やしつつ、辺境の地へと逃れたふたり。エスキルのもとへ、再度「仮面鬼」が現れるが…。北の大地を舞台に描く大河ロマン、クライマックスへ。 中国の清の時代をモデルとした、荻野目さんの初期の鬱ファンタジー、完結編。 _| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○ きついよこれ……。 敵の策謀による裏切りの罪を贖い大切な人々を影から守るために、ただひたすらに剣を振るいつづけ自らを追い込んでいくジェネウの姿は、見ていて本当に悲しく、そして痛ましい。大切な人々には誤解されたままで、挙句の果てには殺されかけて殺してしまい、それでも戦い続けるジェネウには、側にいるアンネリじゃなくとも、「あんたよく頑張ったよ! もう休んでいいよ!」と声をかけてやりたくなります。ラストは完全なハッピーとは到底いえないものの、不器用な彼が取りうるにはこれが最善な道だったのでしょう。弱い心を持ちつつも最後まで戦ったジェネウに敬礼。 評価 ☆☆☆☆(8) 【先日購入したもの】 のだめカンタービレ12 (二ノ宮 知子/講談社コミックスキス) |
___5月15日(日) |
【昨日と今日読んだ本】 ◆ 子どもたちは夜と遊ぶ(上)(下) (辻村 深月/講談社ノベルス) 【amazon】 《あらすじ》 優しく触れようとしても壊してしまう、大人になりきれない子どもたちは、暗い恋の闇路(やみじ)へと迷い込んでしまった……。同じ大学に通う仲間、浅葱(あさぎ)と狐塚(こづか)、月子と恭司。彼らを取り巻く一方通行の片想いの歯車は、思わぬ連続殺人事件と絡まり、悲しくも残酷な方向へと狂い始める。掛け違えた恋のボタンと、絶望の淵に蹲(うずくま)る殺人鬼の影には、どんな結末が待っているのか!? 「冷たい校舎の時は止まる」で鮮烈デビューをした辻村深月の新作は、悲しき青春ミステリー。 前作には及ばなかったものの、十分面白かったです。視点切り替えによって一人一人の内面と外面両方が分かりやすく描かれていて、キャラ立ては書き分けが弱かった前作よりも上手くなっているし、事件が起こりはじめてからはぐいぐいと話に引き込んでいく展開のうまさはさすが。基本的にミステリー嫌いな自分が、先を推理することを楽しみながら読めるのだから相当なものです。 今回はiとθが多重人格であることは比較的早期(といっても下巻の前半。上巻はメインの誰かだと思ってました)に気づきましたが、月子の名字に関しては明記されるまで気づきませんでした_| ̄|○ まあ、仕掛けに気づかない方が明かされた時の驚きや楽しみが大きいので、自分は勝ち組なのです。勝ち組なんですよ。・゚・(ノД`)・゚・。 残念だったのは、キャラ年齢上昇に伴う青臭さの減少と、スポットが浅葱に当たりすぎていたこと。あらすじ見て、前作のように全員にかなり均等に物語があるのを想像していたので、「あれっ?」って感じでした。あと、「恋愛ミステリー」と帯でうたっていた割にはあまり恋愛が表に出てこなかったのもちょっと不満。確かに本質は恋愛ミステリーだし、ラストの切なさなんか好きなんですが、このうたい文句がネタバレにもなってますし、ない方がよかったんじゃないかなぁ。 そういえば、周りからちやほやされるヒロインに、前作の作者と同姓同名のキャラと同じ匂いを感じたんですが……まあこれは見なかったことにします。ほら、デビュー作読んでなければそんなこと気づかないですし! 次作ではこういうキャラをヒロインに置くのはやめてほしいですが('A`) 評価 ☆☆☆☆(8) |
___5月12日(木) |
道歩いてたら、横30cmのところに鳥のフンが落っこちてきて、はねて服がひどいことに_| ̄|○ 頭に落ちてこなかっただけ良しとするべきなんでしょうかね、こういう場合……。 【昨日と今日読んだ本】 ◆ 七姫物語 第三章 姫影交差 (高野 和/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 草萌える春、二人の姫は向き合う。一人は七宮カセンの空澄姫、一人は三宮ナツメの常磐姫。望もうと望むまいと、かつて琥珀色の姫が舞った桜の下を目指し、歩み始める二人の姫。幼き姫は世界のかたちを探って、武門の姫は祖国を護るために。それは、櫻帰る春。風に舞う花弁のように、それぞれの姫装束が揺れ動く、新たなる日々。空姫の物語が、七姫の物語へと紡ぎ合わされる道のり。第9回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞作、待望の第3弾! 七姫物語の一年四ヶ月ぶりの新刊。これも待たせすぎですが、他にもっとひどいのはいくらでもあるので我慢できます。ラ板の作者スレはテンプレ化してるとはいえちょっと泣きすぎではないかと。 それはさておき、この第3巻は今までとは随分違う作風。前巻までが空澄姫から見た世界を描いていたのに対して、今巻は七宮を中心に描いてはいるものの、各国それぞれの立場を書く政治小説としての色が強くなっています。カラカラ視点の雰囲気が消えてしまったのは残念だけれど、七国の思惑がうまく絡み合って政治物として面白いので、これはこれでよし。欲を言えば、まったりと進みすぎなのでもうちょっと意外性が欲しいかな。とはいえ、文章は相変わらず美麗だし、続きにも期待。 評価 ☆☆☆★(7) |
___5月11日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ ティー・パーティー 愛のキューピット (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 《あらすじ》 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会に入会してから、たて続けに起こる事件のおかげで、あたしの入学当時のかぎりなくヘェボンに近かった毎日は、もはや、忘却の彼方なんだ…。あぁ、疲れる!そして、またまた今回の事件というのは、椎奈の中学時代の同級生で、占いや予言などに深い関心を持っている愛知輝さんに、放課後、あたしが遊び半分で、《キューピットさん》占いをしてもらったことから始まったの…。 ティー・パーティーシリーズ12冊目は、まつりが告白されちゃったりする話。 んー、今回の話は嫌い。○○されているとはいっても、愛知さんがとてもいけ好かなくて読んでてイライラしてくるし、ランに対するまつりの感情がさっぱり理解できないのがなぁ。嫉妬心ゆえに神崎に挑んだりデートつけたりするのは自然だし、親友としてもデートつけるのはおかしくないと思うんだけれど、なんでデバガメと切って捨てるんだろう。一人称で進むだけに、これだけ主人公と感情の齟齬が出ると辛いです。伏線は色々出てきて面白いんですがね。シャチーとラーフが恋仲なのかなこれは。あと8冊、さくさく行こう。 評価 ☆☆★(5) 【今日購入したもの】 子どもたちは夜と遊ぶ(上) (辻村 深月/講談社ノベルス) 子どもたちは夜と遊ぶ(下) (辻村 深月/講談社ノベルス) |
___5月10日(火) |
またタイトルミスやらかしたー!_| ̄|○ ツッコミいれてくれた皆さんありがとうございます……。 【今日読んだ本】 ◆ さよならトロイメライ4 (壱乗寺 かるた/富士見ミステリー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 些細なことでスレ違っちゃった関係はきっかけがないと仲直りできない。アンニュイな気分だった藤倉冬麻にチャンス到来! <トップ3>と<パートナー>で旅行に繰り出すことに。学園という日常を抜け出して山奥の旅館へ。「トーマさんのお背中流します!」と張り切る泉に緩む頬。都とも関係修復! と意気込む冬麻だがそうは問屋が卸さない。自らの過去の因縁にまつわる人物から命を狙われて……。藤倉冬麻17歳、旅行の結末やいかに!? 風雲急の長編第4弾! もはや完全にミステリーから脱却したトロイメライの第4弾は温泉旅行が舞台。 うは、都&八千代フラグたちまくり&泉完全はぶきキター! どうせシリーズ最後には泉ルートなんだろ、けっ、とか思って長編のこれまでの八千代萌え描写なんかには反感抱いていたんですが、これは今後期待してもいいんですか? というか今後関係なしに、八千代かわいすぎ反則すぎですよ。都はツンツンが取れちゃったのが悲しいけどそれでもかわいいし、このまま萌え小説としていってくれると嬉しいな。あ、話もミステリー捨て去って血縁ネタと過去ネタ全開で、以前より面白くなったと思います。でもあくまでメインは八千代です。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 憂鬱アンドロイド (真嶋 磨言/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 自分をアンドロイドだと信じ切っている少年・小田桐正機。そして、純真だが変人と呼ばれる正機を愛する少女・桜野茜。ちぐはぐな想いを抱えながらも、ただそこにある現実を追い求める二人を巡って様々な人間模様が交錯する。アンドロイドになりきれない人間と、人としての心を見つけられない人間たちの哀しくも優しい物語。 電撃の新人さんの作品は、自分のことをアンドロイドだと思い込む少年と、それに付き添う少女を中心とした短編集。 悪くはない、悪くはないんだけれど残るものもないなぁ。第一章のオチなんかはあらすじとタイトル見ただけで想像ついちゃったし、各短編はどれも概ねいい話ではあるものの、この手の話はちょっと食傷気味。人の心を語るなら、もっと主人公の2人中心に書いてほしかったなぁ。エピローグが物語を締めるにも続かせるにも中途半端だったのも残念。続きは気が向いたら買うといったところ。 どうでもいい話ですが、天気がいいので屋外でこれ読んでたら、ページめくる時にハエが止まっていることに気づかなくてベチャっと_| ̄|○ 皆さん外で読む時は気をつけましょう。 評価 ☆☆★(5) 【今日購入したもの】 シインの毒 (荻野目 悠樹/集英社スーパーファンタジー文庫) 暗殺者は眠らない (荻野目 悠樹/集英社スーパーファンタジー文庫) 暗殺者は一度哭く (荻野目 悠樹/集英社スーパーファンタジー文庫) 破剣戦鬼ジェネウ 恩讐の変 (荻野目 悠樹/コバルト文庫) 屋根裏の姫君 (香山 暁子/コバルト文庫) 屋根裏の姫君 裸足の花嫁 (香山 暁子/コバルト文庫) 森の祈り 〜花冠の姫君 (香山 暁子/コバルト文庫) 森の祈り 〜太陽の恋・月の恋 (香山 暁子/コバルト文庫) 法廷士グラウベン (ひかる 彩穂/講談社X文庫ホワイトハート) 沫子 信太流れ海伝説 (佐向 真歩/講談社X文庫ホワイトハート) 竜飼いの紋章 ドラゴンファーム1 (久美 沙織/ハヤカワ文庫JA) 古本市場からたくさん来襲。 |
___5月9日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ ウィザーズ・ブレインV 賢人の庭<上> (三枝 零一/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ヨーロッパで錬とフィアが《世界樹》を巡る事件に巻き込まれている頃、シティ・マサチューセッツを脱出した祐一、ディー、セラの三人は、《賢人会議》の正体を探るため、崩壊してしまったシティ・メルボルン跡地の地下都市を訪れていた。彼らの前に現れたのは、ただシティを存続するためだけに生み出され殺されてゆく魔法士の子供達を救うため、シティに闘いを挑む魔法士の少女サクラだった──。 魔法士達の物語「ウィザーズ・ブレイン」シリーズの1年4ヶ月ぶりの新刊。待ちくたびれました。このウィザーズ・ブレインの1巻は、数少ないジャケ買いした作品であり、自分をラノベの道に引きずり込んだ元凶の一つでもあったりします。 さて今巻は1巻のif、もう一人の「原型なる悪魔使い」と「幻影」を中心とした物語。思い起こすと四巻が他の三話と比べて今一つだったのは、心理の起伏が少なく派手さがないエドを中心に置いたことと、錬フィアコンビがあまり悩みがなくほぼ完成しているのが原因だった気がします。今回は、黒髪ツインテールツンデレというある種最強キャラであるサクラをメインとしたのが大正解だし、ディーとセラの青さの描き方は素晴らしいし、真昼がダークホースなかっこよさ発揮してるし、物語も出会いとかすれ違いとか新たなる事実とか色々な要素が一つにまとまった神がかった出来、最高。 もう下巻が一刻も早く読みたくてなりません。幸いあとがきによると「現在最終章の半ばまで書き上げている」そうなので、すぐに……って来月・再来月の刊行リストに名前がないんだった_| ̄|○ また1年後とかは勘弁してくださいほんとに。 評価 ☆☆☆☆★(9) 【今日購入したもの】 ウィザーズ・ブレインV 賢人の庭<上> (三枝 零一/電撃文庫) 七姫物語 第三章 姫影交差 (高野 和/電撃文庫) 憂鬱アンドロイド (真嶋 磨言/電撃文庫) 電撃購入。「僕らはどこにも開かない」はヒトクイの人だと思って見送ったら新人だったとは……。「御堂彰彦」と「御影瑛路」、「御」だけ見て判断してしまった_| ̄|○ 買いそこねたことだしとりあえず評判待ち。 |
___5月8日(日) |
未読を崩さずにラノベ・ロワイヤル読んでたら日が暮れてました。 出来不出来はあれど、これだけあちこちからキャラクターが集うと夢の競演といった感じで楽しいなぁ。空目&サラや子荻&臨也なんかいいコンビですね。「チキチキ」「学校を出よう」あたり読みたくなってきました。……未読崩さなきゃ。 |
___5月7日(土) |
4日の反動で一昨日は全く本読まず。結局GW3日間、1日平均3冊という並な数字に……。 そして昨日は更新作業途中で爆睡。 【昨日と今日読んだ本】 ◆ 霧の日にはラノンが視える4 (縞田 理理/新書館ウィングス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 《魔術者》フィアカラの企みを阻止するため、クリップフォード村へやってきたジャックたち。折しも村では、フィアカラの言葉巧みな提案により、大ストーンサークル復活の話が具体化しようとしていた。フィアカラの真の目的は何なのか? それを阻止し、ジャックは仲間たちを守ることができるのか? 物語は今、途方もない結末を迎える……!! シリーズ最終話「星の銀輪めぐる夜に」一挙収録。ネオ・フェアリーテール、堂々の完結!! 現代イギリスファンタジーシリーズの最終巻は、ストーンサークル、村の伝承、ラノンの存在、全ての謎の決着編と後日談。 うまく予想を裏切って且つ綺麗にまとまった、非の打ち所のない最終巻でした。村の住民を巻き込んでの仲間の救出・フィアカラとの戦いで大いに盛り上げ、前巻までと今巻前半でばら撒かれた伏線がラストに向かって見事に消化されていく様は見事。フィアカラの行末なんか完全に想像外だったのに、読み終わってみるとこれしかないと思えるからなぁ。キャラクター達も脇キャラ含め一人も影薄くなることなく、皆が活躍していて満足。ラムジー、アグネス、シールシャ、好きなキャラ挙げたらキリがないですが、ちょっと意外なところではレノックス。ディアスポラのゼクロスなんかもそうでしたが、一見軽そうに見えて実は苦労人なキャラは大好きです。全4巻、ちょっと短かった気もしますがとてもいい物語でした、次シリーズも期待してます。 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ ティー・パーティー星の王女様(前編)(後編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 《あらすじ》 あたし、後野まつり。八幡高校一年生。あたしたちの超常研に、新会員が入ったの。その人は、三好久実という美少年の転校生。今回の事件は、その三好さんに、志摩会長が、過去の事件を話してる時に始まったんだ。『歩くキャプテンシステム』の異名をもつ、谷津くんが、とびこんできたの!!話を聞いてみると、地学部が三日前に撮影した天体写真を現像してみたところ、なんと、円盤が写っていたというんだけど…。 ついに折り返し、シリーズ10冊目と11冊目は第2部本格スタートの話。 うわ、神無月シリーズとリンクしちゃった。神無月のキャラクター達には魅力ないので、できれば混ざらないで欲しかったんだけれどこれから絡んでいくようで不安。できるだけ出番少ないといいんだけどなぁ。 でも、まだ今回はちょこっとリンクしただけでいつも通り楽しめました。とうとう少女小説らしからぬ超展開が全開ムード、火星の王党派・共和派に王女様まで登場してきましたよ。神無月シリーズに火星云々のくだり少しあったけど、ここで持ってくるとは。さらにここで赤猫再登場とは完全に予想外。一気にいいキャラに化けたなぁ。こんな超展開でも学園物としての雰囲気が崩れないのはいいこと、これはまつりの一人称ゆえかな。ヤミサリに魔法使いのプロトタイプくささを感じつつ次巻へ。 評価 ☆☆☆★(7) 【昨日と今日購入したもの】 霧の日にはラノンが視える4 (縞田 理理/新書館ウィングス文庫) 女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様 (山田 真哉/角川文庫) 鏡姉妹の飛ぶ教室 (佐藤 友哉/講談社ノベルス) さよならトロイメライ4 (壱乗寺 かるた/富士見ミステリー文庫) 放課後保健室 (水城 せとな/プリンセスコミックス) 電撃売ってない_| ̄|○ |
___5月4日(水) |
11:10 起きました。4時寝だったのでこんな時間になってしまった_| ̄|○ これから紅茶とお菓子近所に買いに行って、それから読み始めます。 28:40 何時の間にか意識飛びかけていた&頭痛くなってきたので終了。 半分も読み終わらなかった_| ̄|○ 【今日読んだ本】 ◆ ぱらどっくすティー・パーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 13:15 《あらすじ》 あたし、後野まつりは、ふつうの高校1年生。でも、友人には変わり者が多いの。新島栄はかわいい子なのに、なんと超能力者。そして、転校生の鷲橋蘭は、美女なのに、男まさりの元気印だったりして…。そんな私たちの周りに、おかしな事件が、次々に起きるの。だれかが学校を、そして、私たちを狙ってるみたいなんだ…。 というわけで読み始めた、ティーパーティーシリーズ全20冊の第一弾。発行日が1987年、今から18年前ですよ。それでいてネットのあちこちで名前を見かけたのできっと名作なんだろうと思い、運タロとは対照的な「運命非決定論」を書いた話ということ以外、全く予備知識なしで20冊集めて吶喊しました。 まだ一冊目ということでそんなにとがった所はないものの、パラレルワールドなど普通の少女小説にはない要素が入っているあたりは、さすが皆川ゆかといったところ。「運タロ」では、恋するライコの一人称に馴染めず、秘密ゆえに一人で行動する場面も多かったために序盤はあまり楽しめなかったわけですが、このシリーズはまつりがノーマルな人物な上に、周りのキャラクターがとてもよくたっていて、学園コメディとして十分面白いです。これから何を見せてくれるのか楽しみ。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ すくらんぶるティー・パーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 14:45 《あらすじ》 あたし、後野まつりは、ふつうの高校1年生。でも友人には変わり者が多いの。その最たる人、超常研の会長が、漬けもの屋からもらってきた"百年漬け"から、またまた事件発生!な、なんと、赤い目がある水につけた毛玉のような怪獣―ツケモラスの登場ってわけ!さあ大変!超能力者の新島栄、元気印の鷲橋蘭と、あたし、まつりは、みごと、ツケモラスを退治できるのかしら…? シリーズ第2弾は漬物怪獣ツケモラスとの戦いのお話。 あらすじから想像つくようにお馬鹿な話でした。まつりの一人称は流れるように読みやすいし、かっこいいランや変人会長などキャラクターが活き活きしていて楽しいんですが、パラレルワールドみたいな「おおっ」というネタはなく、戦闘シーンが分かりづらかったりもして、1巻と比べるとややダウン。ツケモラスの発言にまつりの隠された秘密の伏線みたいなものがあったので、その辺りに期待かな。 どうでもいいことですが、奥付のフリガナ見て、「皆川」が「みながわ」ではなく「みなかわ」だと知りました。人名の読みって難しいですね……。 評価 ☆☆☆(6) ◆ ティー・パーティー古都を行く (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 16:15 《あらすじ》 あたし、後野まつり。ふつうの高校1年生。今朝は、かわいい子なのに超能力者の新島栄と、男まさりの元気印・鷲橋蘭といっしょに、超常研・会長さんたちの修学旅行のお見送り。もうすぐ出発だというのに、栄ったら、新幹線の中で、会長さんとイチャイチャしてる。どうにかしなくちゃ!というまに、あたしたち3人は、車中の人となっちゃった。この時には、京都で、またまた変な事件にまきこまれるとは、全然思ってなかったの…。 シリーズ第3弾は1年生なのに修学旅行についていってしまう話。 なんかラブ寄せてキター。まつりとランが微妙に怪しい関係だったところに、ボンボンの変なキザ野郎の神無月恭一郎が割り込んできて、女→女←男の怪しい三角関係勃発。事故とはいえキスまでいって、これからどうなることやら。恭一郎はイレギュラー的な存在に思えてちょっと邪魔なので、退場願いたいところですが。物語の方は苦手な陰陽師・式神がメインな話だったこともあって好きになれず。恭一郎や帽子屋といった新キャラに魅力感じなかったせいもあるかな。栄の前世なんかはぶっ飛んでてよかったですけどね。 ここまで1冊1時間半ペース、このままだと全部読み終わるのに30時間ですか……無理。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 今夜は夢にてティー・パーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 18:20 《あらすじ》 あたし、後野まつり。八幡高校の1年生。おなじみの超常現象研究会のメンバーたちと、相変わらずの日々を送ってます。ところが、入寮してからというもの、妙な夢を見るようになったの。それは、鉄仮面少女に襲われる夢。そして、その夢を見るたびに、何かが迫ってくるみたいな恐怖が…。いったい、どうしちゃったんだろう?あの夢には、何か意味があるのかしら…。 シリーズ第4弾は夢の中で鉄仮面少女に会う話。競馬見てたせいでペース落ちました。 うん、やっぱり学校が舞台の方が面白いですねこのシリーズは、変なキャラが出てこなくていいし、学校での日常生活が楽しそうに描かれているのが魅力です。鉄仮面の謎を探っていく過程、後半の夢で提示された世界、そして新たなる謎の人物、と今回は物語に惹きこまれて、1巻の面白さが戻ってきたかな。ランとまつりのラブ寄せもいい感じ。ランが体育に参加しなかったり風呂に行かなかったり、っていうのは伏線なんだろうなぁ。「実は男」という単純なものでもないだろうし、どういうネタ持ってくるか楽しみ。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 神無月恭一郎の冒険 ソロモン・エクスプレス (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 20:00 《あらすじ》 ボク―冴木しのぶ。17歳。高校2年生。ボクっていっても、れっきとした女の子。両親は海外赴任してるので、民間の考古学研究者としてはけっこう有名なおじいちゃん―冴木権左衛門と二人暮らしなんだ。ある日、学校に、"従兄"と称する美形が、尋ねてきたんだ。名前は神無月恭一郎。そして、帽子屋という人まで現れて…。どうも、みんな、おじいちゃんが持っている『ソロモンの鍵』を狙ってるらしいんだ…。 夕食を挟んでシリーズ第5弾は、同世界で舞台と主人公を変えた番外編。主人公の冴木しのぶがライトノベル作家と同姓同名、なんたる偶然。 神無月恭一郎いらね('A`) 帽子屋もいらね('A`) 60ページ付近での主人公のあまりにもわざとらしく都合よすぎな錯覚に激しく萎え、最後までテンションあがることのないまま読了。さっさと本編に戻ります。 評価 ☆☆(4) ◆ めるへん気分でティー・パーティー(前編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 21:30 《あらすじ》 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。ついに待ちに待った文化祭がやってきた。あたしたち超常現象研究会は、"お化け屋敷"で参加するために、今、準備の真っ最中。その時、平安時代の貴族のような格好をした男のコが、突然、飛び込んできて、あたしの胸に顔をうずめていったの。「おいら、探したんだよぉ〜」その時はまだ、それが超常研最大の事件の始まりだなんて、誰も思わなかったんだ…。 シリーズ第6弾は、文化祭中にメルヘン世界などのパラレルワールドが紛れ込んでくるお話。 ガンダルヴァ再登場キター、1巻以来のパラレルワールドキター。やっぱり本編は楽しい。もはや非日常が日常に組み込まれちゃってるのがすごいなぁ。ガンダルヴァの台詞や会長の行方が非常に気になるので、さっさ下巻読んできます。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ めるへん気分でティー・パーティー(後編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 23:05 《あらすじ》 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。文化祭を明日にひかえ、あたしたち超常研のメンバーをはじめ、学校じゅうは大騒ぎ。そんな時、奇妙な格好の男のコが突然現れ、あたしを探してたっていうの…。その謎の男のコが現れてからというもの、学校の中では、奇怪な事件が次々と起こる。さあ大変!!ガンダルヴァさんとあたしたちは、この超常研最大の事件を、みごと解決することができるのかしら…!? そういえば、このシリーズはなんで「ティー・パーティー」ってタイトルなんだろう? 超常研の雰囲気からとったのかな。 で、後編です。神無月一派を除いた過去の登場人物がほとんど出てきて、これまでの一区切り的な話。まさかツケモラスまで出てくるとは。世界云々なんかのネタが本格的に本筋に関わってきて、ようやく少女小説から逸脱してきました。話が大きくなった上に巻を通して大勢が一つの目的のために動いているので、盛り上がりがなかなか。途中から夢中になって読み進みました。最後のまつりの決意の部分はもうちょっと尺あってもよかったけど、この単純明快さもまつりの魅力かな。あと、今回は会長の栄を想う描写がよかったなぁ。今までは栄→会長ばかりだったけれど、ちゃんと双方向だったんですね。 次は神無月恭一郎シリーズで気合出ないので、続きは少し休憩してから。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 神無月恭一郎の冒険 シェイクスピア・エクスプレス (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 25:30 《あらすじ》 ボク、冴木しのぶ。私立三崎女学園2年生。今度の事件は、秋葉原の電気店で、あの帽子屋と再会したことから始まった。電気店での大騒動の最中、いつのまにか、ボクのブレザーのポケットに、古びて変色した紙が入ってて…。帽子屋が預けたに違いない。また厄介なことに巻き込まれたらしい。ということは、いずれ神無月恭一郎も登場してくるのだろうなと、ささやかな期待を抱きながら、ボクは思ったんだ…。 外伝の神無月恭一郎シリーズの第2弾は、シェイクスピアの暗号文書を巡る話。 やっぱり恭一郎いらね('A`) 帽子屋もいらね('A`) また三つ巴ですか('A`) ただでさえ好きじゃないアクションシーンがワンパターンで何度もあるのが非常に苦痛。話の盛り上がりポイントもよく分からないし、やっぱり外伝はいらないでファイナルアンサー。 評価 ☆☆(4) ◆ いんたぁみっしょんティー・パーティー (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 27:50 《あらすじ》 あたし、後野まつり。八幡高校1年生。無事(?)文化祭も終わって、また、普通の学校生活が始まると思ったら、また事件が…。今回の事件の主は、三好久実という美少年の転校生!!なんか、わけありなんだ。あたしたちの超常研に、異常な興味をもっているみたいだし、スポーツの腕も、人並以上だし…。いったい、何者なんだろう? 極上生徒会を挟んでのシリーズ第7弾は、転校生の新入部員登場の巻。 「いんたぁみっしょん」とついているだけあって、物語は小休止な感じ。事件が特に起こることもなく、転校生の正体を巡った話がちょこちょこっと展開されるだけで、前巻の盛り上がりを味わった身としてはちょっと物足りず。あとサブキャラクター、椎名の壊れっぷりはいいんだけれど、三田さんといずみのワンパターンにはちょっと飽き気味。そもそも、なんで接点なかった三田さんがまつり好きなのかがよく分からないからなぁ。いずみは次巻から変わってくれそうなんでいいですけどね。謎の伏線「シャチー」が何なのかが楽しみ。 評価 ☆☆☆(6) |
___5月2日(月) |
24時間耐久ティー・パーティー祭(仮)概要
【今日読んだ本】 ◆ 破剣戦鬼ジェネウ 裏切りの変 (荻野目 悠樹/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「冬」の帝国ヴァーサ。ジェネウは騎馬民族キャムソールの血を引く貴族の子息。彼は学問に秀でていたが、病弱だったため、父に疎まれていた―。親友のウエルネルからの招きを受けたジェネウは、一緒に暮らす遠縁の少女ミリッカとともに、ファーゲルホルム親王家を訪ねる。そこでジェネウは、ウエルネルの企みを知る。彼はクーデターを起こし、自ら太子の座に就こうとしていたのだった…。 荻野目さんの初期のコバルト作品、シリーズ第一弾は病弱で心優しいジェネウが追い詰められて戦鬼の道へ踏み出すまでの話。 世界観が分かりやすく書かれていてテンポよくすすむ物語は面白いです、面白いけどさ……ジェネウ可哀想すぎますよこれ。これだけいたぶられているのに、次巻に救いが欠片もなさそうというか、もっと酷い目に会いそうなのが何ともえぐい。ジェネウの気持ちに共感できるだけにえぐさ倍増です。主人公サイドの人間はみんな精一杯やってるのに誰も幸せになれないあたり、多少タイプは違うものの「星の大地」読んだ時のようなやるせなさを感じました。どうやら2巻で完結らしいですが、願わくばジェネウに少しでも救いが訪れますように。 評価 ☆☆☆★(7) 【今日購入したもの】 めるへん気分でティー・パーティー(前編) (皆川 ゆか/講談社X文庫ティーンズハート) |
___5月1日(日) |
4月のまとめ。 読了……32冊 (※5月2日修正。読了と購入が逆になってました) 購入……34冊 三ヶ月連続負け越し_| ̄|○ 今月こそは! 【今日読んだ本】 ◆ 夢見が丘 (横井 哲正/GANGAN WING NOVELS) 【amazon】 《あらすじ》 「僕の生きる意味ってなんなんだ〜!」「焼肉のタダ券あるけど行く?」佐倉沙夜は、誰がなんと言おうと、自分がなんと言おうと、こんな少女だった。しかし、そんな彼女に日記帳一冊では収まらない非日常な出来事が訪れた。それも世界の運命という手土産まで持って…。第1回ガンガンWING小説大賞受賞作、「夢見が丘」待望の単行本化。 ブックオフで新書コーナー漁ってたら偶然見つけた、ガンガンWING小説大賞受賞作。この本手に取るまで、賞の存在すら知りませんでした。 うーむ、一言で言うと軽い。テーマに比べて登場人物の言葉があまりにも軽すぎます。数百年の年月の重みを、1ページに収まるような主人公の台詞で吹き飛ばされても、読み手としては唖然とするしかないわけで。主人公の普段の行動や人物像があまり描写されていないことも、言葉の軽さに拍車をかけてます。イラストはいいんだけど、それだけだなぁ。 でも1箇所だけ爆笑したところがあったので地雷認定は回避。3章の入り口、脈絡なく唐突に「政局が混迷を極める中、突然岐阜県が愛知県に対し宣戦布告、南進を開始した。」って来られたら笑うしかないじゃないですか。年に一冊レベルの暴走ぶり、楽しませてもらいました、2ページだけ。 評価 ☆☆(4) |