___9月30日(木) |
【今日購入したもの】 群青の空を越えて (light) 明日の夜明け (時無 ゆたか/角川スニーカー文庫) ポケロリ りぼんの章 (竹井 10日/角川スニーカー文庫) エルヴァインの末裔 (雨川 恵/角川ビーンズ文庫) 鏡のお城のミミ 乙女はゆりかごを揺らして (倉世 春/コバルト文庫) トワイライト・トパァズ かくて災厄の旅ははじまる (佐々原 史緒/ファミ通文庫) レディー・ヴィクトリアン5 (もと なおこ/プリンセスコミックス) 彼女たちのエクス・デイ2 (水城 せとな/プリンセスコミックス) 新刊いくつか購入したけど、群青モードに入るのでしばらく積み。 あと、完結記念にトパァズを買ってみる、いつ読むかは知らない。冷静に積みすぎな気がしてきましたよ。 |
___9月29日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ ハーフダラーを探して3 (水城 正太郎/富士見ミステリー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 伝説の詐欺師の弟子で〈詐術師〉の風堂練四郎と伝説の詐欺師の娘・霊元魔夜美は、些細な誤解がきっかけで決別していた。自分からは言い出せず、互いに自分の心に嘘をつきながら……。そして、いまさらながら魔夜美は、自分の中の正直な気持ちに気付いたのだった。「あたしは煉四郎のことが好き……」そのころ新都心では、煉四郎を狙う凄腕の刑事が動き始めた――。大人気コンゲームノベル怒涛の最終巻! 衝撃の結末は必見だ!! 詐欺小説「ハーフダラーを探して」、打ち切り風味の最終巻。 _| ̄|○ だからどうして1巻ラストのおいしそうな設定をこんな風に消化しちゃうんだ……。マヤウェルといいこれといいなんだか世間一般との嗜好のずれを痛感する今日この頃です。まあこの伏線回収も裏かかれたし悪くはなかったけれど、詐欺描写の消滅と最後の後味の悪さで帳尻はマイナスだなぁ。あとがき見て「裏切りゃいいってもんじゃないだろ!」と激しくツッコミたくなりました。 評価 ☆☆(4) ◆ リリカル・ミステリー 白い花の舞い散る時間 ガールズレビュー (友桐 夏/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 《ミズキ》と名乗って、同世代の少女たちとネット上で交流してきた主人公。ある日、4泊5日のオフ会が提案され、参加することに。女の子だけの高原でのステイ。そこには大きな力が働いていて…? 今月のコバルトの新人さん、発売後1ヶ月近くたってようやく読めました。 なるほど、これは新人さんらしからぬ文章と物語、あちこちで誉められているのも納得。集まった少女たちはネット上の知り合いでただでさえお互いが未知の存在なのに、ネット上の名前すら使わず偽名を用いることにしたため他のメンバーがどんな人間かすら分からない、そんな中でなされる少女たちのやり取りが緊張感と距離感を保っていて面白かったです。各人の秘密が徐々に分かっていく過程が上手いですね。後半ひねってきたのは余計だなと思わなくもないですが、よく練られて書かれているので悪印象はなし。個人的にはもっとミステリ分薄い話の方が好きなので評価抑えめ、でもミステリ好きにはお勧め、次作も期待。 評価 ☆☆☆(6) |
___9月28日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ ことりたちのものがたり (空谷 あかり/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 歌うために造られた亜人種、カナリヤ。美しく繊細な彼女たちはときに愛され、ときに残酷に扱われる。喫茶店マスターのセダは、捨てられた幼いカナリヤと暮らし始める。だが、ある日もとの飼い主が現れて!?(『歌声喫茶』)。僕は一度だけ歌うカナリヤを見た。だが、戦争が全てを奪っていく…(『リリー・マルレーン』)。カナリヤと人々の、優しくて切ない10の物語。 同人あがりのスーパーダッシュの新人さんのデビュー作は、歌うために育てられ金持ちに買われるカナリヤが存在する世界で、カナリヤ、人間、二種のハーフのカケス、様々な立場から紡がれた10編の短編集。 これはいいものでした。こうした雰囲気重視の短編集の他の例としてはキノなんかが挙がるけれど、キノが優しさの中に残酷さを混ぜているのに対し、こちらは儚く厳しい世界の中での優しさを表した感じ。悲しい運命を辿ることの多いカナリヤをめぐる切なさが、嫌味のない文章で綺麗に表現されていてとてもよかったですね。10の中ではあらすじにもある「歌声喫茶」やカケスと人間がカナリヤの女の子に恋をする「ジャックと僕とマリア」あたりが気に入りました。よくも悪くもあらすじ通りの作品なので、あらすじにあるように地味だけどじんわりとくる話が好きな人にお勧め。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 滅びのマヤウェル その仮面をはずして (岡崎 裕信/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 高校1年のユーキには特大の秘密がある。だが、自称超能力者の真綾にそれがバレてしまい二人は同居する事に! 彼女との奇妙で平穏な日々の中、皆に秘密を打ち明ける決心をしたユーキだが……。黒い魚が街にあふれ、人々の心が変わり始める。少女の想いは!? 戦場と化した学園の運命は!? 新人ラッシュもこれで一区切り、「司書爆弾」と並ぶSD新人賞大賞受賞作は、前半コメディ・後半シリアスな能力物という構成の話。 うーダメだ。前半の真綾と玉樹とユーキのラブコメっぽいやりとりは楽しかったし、後半の超展開は玉樹関連の話にかなりの唐突さを感じたもののこれはこれでありかなと思ったんですが、主人公がどうしようもなく気に入らない。ひどい無自覚たらしな癖して、玉樹に対する態度がちょっとあまりにも糞すぎる。ユーキがそこでばらしとけば後半のような展開にはならなかったわけで、そもそもタラシの癖にそこで逃げるのはダメだろー。あと、最後にテーマをモロに出しちゃったのもマイナスでしたね。こういうのは作中に自然に出すだけにしてほしいなぁと思います。以下余談で個人的嗜好の話、MFの某作品といいこれといい、こういう設定ならもっと男出してラブコメが見たいと思うんですが、こういう嗜好はマイナーで時代は百合なんでしょうかね。 評価 ☆☆(4) 【今日購入したもの】 放課後保健室3 (水城 せとな/プリンセスコミックス) 極上生徒会1 (まったくモー助/電撃コミックス) 悩殺ジャンキー4 (福山 リョウコ/花とゆめコミックス) |
___9月27日(火) |
数日家を離れていたわけですが、近くまで行ったのでスーパープリンを食べに焼津へ立ち寄ってみました。 売り切れてました。 くぁwせdrftgyふじこlp;@ 予約すればよかった……。 しょうがないのでノーマルプリンを食べてきました。 ぶれていて分かりにくいですがノーマルとはいえ底の直径は10cmを超えていて、焼プリンで身もぎっしり詰まっているのでなかなかのボリューム。アイスもつけたので普通にお腹一杯になるくらいの量はありました。ノーマルでこれならスーパーは……。通販もあるのでそのうち挑戦しよう。 【今日読んだ本】 ◆ 疾走!千マイル急行(下) (小川 一水/ソノラマ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 栄光の祖国を奪われた、豪華寝台列車「千マイル急行」とその乗客たちは、装甲列車に守られて、固く封印された謎の貨車とともに、ようやく、東方の友好国に辿り着いた。だが、援軍を得られるはずのその地で、軟禁の日々が続く。祖国滅亡か再建か? それを決めたのは若き乗客の決意だった。今こそ、千マイル急行は遙かなる希望の地へ! SF作家の中では刊行ペースが速い小川さんの鉄道物語、完結編。 昨年からの小川作品は神がかっていたのでそれらと比べると見劣りするものの、水準以上には面白かったです。軟禁されたりと様々な困難に会いガタガタの満身創痍になりながらも最後まで走破しきった千マイル急行とその乗務員はいつもの小川クオリティで文句なしにかっこよかったですね。クラリーザ婆さんの生き様や照れ隠しは最高。一方で引っかかったのが前半の展開のスムーズさ。四人の団結が話し合いだったのにはまるで劇みたいでかなり違和感あったし、テオ達が動き出してから挫折もなくパタパタパタとうまく行ってしまうのにはアレレといった気分に。全体的にテオ以外は一人一人の描写が薄く、見方が一面的になって人間ドラマの盛り上がりに欠けていた気がします。あと、ラブがご想像にお任せしますレベルで薄めだったのが少し残念でした。 評価 ☆☆☆(6) |
___9月26日(月) |
帰宅。疲れたので本の感想は明日から。 星虫アニメ化正式決定ですって。ヘーヘーヘー。 どうせまた未定になるに決まってるんだからそんな餌には釣られませんよ? や、ラノベアニメ化ブームきてるから今度こそ本当かもしれないけれど、岩本と秋完の新刊の延期延期延期に慣れている身には到底信じられないわけで。銀河と帽子屋マダー? 【今日購入したもの】 ことりたちのものがたり (空谷 あかり/集英社スーパーダッシュ文庫) 疾走!千マイル急行(下) (小川 一水/ソノラマ文庫) Magical×Miracle5 (水谷 悠珠/ZERO-SUM COMICS) |
___9月22日(木) |
週末出かけるので、金土日と更新止まります。 【今日読んだ本】 ◆ 銀盤カレイドスコープvol.5 ルーキー・プログラム:Candy candy all my rules (海原 零/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 今や世界的フィギュアスケーターとなった桜野タズサ。彼女が京都を観光中、一人の外国人少女が声を掛けてきた。少女の名はキャンドル・アカデミア、最近イギリスで注目を集めているアイドルスケーターだ。親しみを覚えたタズサはキャンドルを高嶋邸に招くが……? 漫画化・アニメ化と絶好調の銀盤カレイドスコープ最新刊は、売り出し中のアイドルスケーターが日本にやってきてタズサ達にからむ話。 タズサはもちろん、タズサの妹という立場にあるヨーコも含めて、今までの巻の中心人物はかなりキャラクター性が強くてそれが銀盤の魅力の一つであり、その二人に比べるとキャンドルは、アイドルでも本質的にはただの凡人でちょっと話の主役になるには弱いキャラかなと感じました。でも多くの場面はタズサ視点で進むし、夜中に読み始めて一気に読了するくらいには面白かったです。いやー、思い上がった人間を叩きのめすことにかけてはタズサ以上の人間はいませんね(誉め言葉)。鬼畜っぷりがなかなかに素敵でした。キャンディは嫌な奴ではないけど価値観カチカチなので、叩きのめされててもそんな胸が痛みませんしね。タズサの恋愛についてはあっさり片がついてちょっと意外。ここで終わっちゃうのか、はたまた次以降また動きがあるのか、できれば後者に期待。 しかし今回はヨーコかわいそうだったなぁ。タズサよりヨーコ派の自分はとても遺憾です。秀悟とラブラブさせてあげろよ、この作者の鬼! 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 戦う司書と恋する爆弾 (山形 石雄/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 死者の全てが『本』になり、図書館に収められる世界の話。記憶を奪われ、胸に爆弾を埋め込まれた少年コリオ=トニス。彼の生きる目的は、世界最強の武装司書、ハミュッツ=メセタを殺すこと。だが、ある日手に入れた美しい姫の『本』に、彼は一目で恋をする。その恋が、コリオを更に壮大な争いに巻き込んでいく…空前絶後のファンタジー! 9月後半の新人ラッシュ4冊目はスーパーダッシュ新人賞大賞受賞作、人の歴史が『本』となって残る世界が舞台のファンタジー。 人の魂が『本』として石になって残り、それを発掘する世界ってのは斬新だし、『本』を通じて過去と現在が繋がりを持つストーリーライン自体は面白いと思いました。が、それを素直に楽しむにはあまりにもツッコミ所が多すぎ……。まず、組織が何したいのかさっぱり分からない。記憶消したり半分洗脳みたいなこともできるのに人間爆弾って、非効率にしか見えないです。爆弾が団体行動をとるわけも記憶持ってからの半年間何をやっていたかも分からず、もう全然論理的じゃない。だから爆弾であるコリオの心理がよく分からず、盲目な恋心も理解できなかったです。他にも、ハミュッツや姫様の能力が説明不足で場面場面で都合よくとらえているように読めたりと、設定の雑さが気になりました。アイデアは良いのでもっと世界をきっちり作りこんでほしかったところ。 あと、死者の魂が『本』になって記憶を追体験できる、って設定なのに、『本』を開くと神視点で傍観するっていうのが個人的には許せない。それじゃただの一生分のホームビデオじゃないですか。そこはその人物の視点になって感情や考えまで伝わってくるようにしないとダメだろ! なんか色々ともったいない話でした。 追記。話に関係ない点で、舞台の町の立地設定がおかしかったりもしました。国の西端に町があるのに、町の西に大平原・東に大海原と港ってどう考えても矛盾してますよね。多分後者がミスなんだろうけれど、このくらいは校正でなおしてほしかったです。何やってるんだスーパーダッシュ編集部。 評価 ☆☆(4) |
___9月21日(水) |
極上の清々しいまでに何でもありの超展開っぷりに爆笑。管理人さんもシンディもプッチャンもすげー。個人的に一番の見所はれいんの赤面シーンですが。 【今日読んだ本】 ◆ 煉獄のエスクード2 The Song Remains The Same (貴子 潤一郎/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 あれから半年。正式な就任式を数日後に控えていた深津薫は、マリウス(エスクードとは別の教皇庁の秘密組織)の女エージェント・エリスと出会う。彼女は、婚約者を見つける手伝いをして欲しいと薫に持ちかけるのだが 大賞受賞作家貴子潤一郎の売れ筋狙った魔族相手のエージェント小説、第2巻。公式からとってきた上のあらすじは激しく間違っていてマリウスやらエリスやらは全く出てこず、正しくは魔術師が殺された村への潜入捜査の話です。まあそれはさておいて、 あれれ、レイニーどこおおおおおおおおおおお? このシリーズに一番楽しみにしていたのが薫と一緒になったことでレイニーがどのように変わり、またどう活躍するかだったのに、レイニーの登場シーンが1回もないって、これは惨い仕打ちがあったものですね。まあその代わりに登場した真澄の師匠のクラウディアは飄々としていて一見非情、でも実は情に厚くてかっこいい人だし、ゲストキャラのアイリスはかわいいし、話もきっちり練られていて面白かったんですが、レイニーいないと主人公が戦う時の燃えがちょっと足りない感じ。次こそレイニーが出てくれますように。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 戦う司書と恋する爆弾 (山形 石雄/集英社スーパーダッシュ文庫) 滅びのマヤウェル その仮面をはずして (岡崎 裕信/集英社スーパーダッシュ文庫) 銀盤カレイドスコープvol.5 ルーキー・プログラム:Candy candy all my rules (海原 零/集英社スーパーダッシュ文庫) よーしパパスーパーダッシュ文庫の新刊4冊も買っちゃうぞー、と思っていたらお金がたりなくてレジで1冊購入取り消し_| ̄|○ |
___9月20日(火) |
【今日読んだ本】 ◆ 琥珀の心臓 (瀬尾 つかさ/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 少女・遙は修学旅行に向かう途中、親友の優子と幼馴染みの敦也らクラスメイトと共に、突如、異世界へと連れ去られてしまう。そこは竜と巨人が戦う世界。どこまでも続く鬱蒼とした森、獣人族が闊歩する場所だった―― 新人ラッシュの三冊目は審査委員賞、色んな要素が詰まった異世界ファンタジー。 表紙の巨人ロボット見て三作の中で地雷あるならこれだろうと予想してたら、これが一番気に入ったのだから新人の見極めは難しいですね。巨人で戦う場面はあるもののそれはおまけのようなもので、本筋は不自由な異世界でのサバイバルや観念的なSFの混ぜ合わせ。原始的な未知の世界での行動はうまく書かれているし、三ヶ月前の過去と現在が交互に書かれた時系列も、凝っていて普通に進むよりいい感じ。後半の世界の説明などの観念的な部分も雰囲気抜群だし面白かった。 そして何より素晴らしいのが、遙と優子と敦也三人の描写、特に遙と優子の関係の描かれ方。優子の願いをかなえるために戦うことを決める遙、誰よりも遙のことを思いながらもクラスメイトを守るために遙を戦いに押し出してしまい、その責任を一人で背負う優子、強く結びついた二人の友情は極上、これ読めただけで買ってよかったと思うくらい。一方で、幼馴染である遙と敦也もお互いを意識しかけている微妙な段階で、遙の扱いについての敦也と優子の口論が、二人とも遙のことを思っているゆえのものだけにほんと切ないですね。 主役三人以外のクラスメイトは完全にその他大勢な扱いだし、観念的なだけに人を選びそうな作品だけれど、とんがったもの好きな自分は過去の富士見の新人作品の中でこれが一番好きですね。続編が出ない作りなだけに次作がどうなるか大いに楽しみ。願わくば、この一作で消えるなんて事態が起こりませんように。 あ、一言追記。ナルニア国物語のラストのネタバレが少し入ってます。そろそろ読んでみようかと思っていたので、これはちょっと痛かった……。 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ ムーンスペル!! 真夏の迷宮 (尼野 ゆたか/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 国家詠唱士になることを目指すクラウス。ある夏の日、彼が教師を努める子供向けの詠唱教室で野外学習として、山にでかけることになった。ところが、なぜかエルリーやけんか友だちにイルミラまで一緒にいくことに―― ラブコメ&アットホームファンタジー「ムーンスペル!!」第3巻。 なにこのエルリー、ふざけてるの? 一話完結だった今までとは違い、エルリーの過去の話が出てきてようやく長編らしくなってきたのだけれど、過去の気配察してからのエルリーの行動がひどすぎる。子供たちの安全すら考えないほど一人で暴走し、あっさりと心折られ、あげくにカラーページのあの台詞を吐く始末。これでは同情も共感もさっぱりできないし、台詞見た時は腹立ちましたよ。 また、クラウスが陥る悩みも、いまさらそれを悩むのはちょっとヘタレすぎじゃないかなぁ。3巻通して多少成長したのに、ここでヘタレるのには違和感覚えました。平和時な前半部はそれなりに楽しめるのだけれど、新キャラが教え子たちなためにラブコメ部がややマンネリ。トピィの出番も少ないし、どうもいまいちでした。 評価 ☆☆(4) |
___9月19日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ 銃姫5 The Soldier’s Sabbath (高殿 円/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 「結婚相手を見つけて来い!」暁帝国のアラベスカは、父の命令にやむなく従い、魔銃士の闘争祭に参加するため家を出るが……『絢爛豪華武闘祭』 旅を通じて少年から大人へと成長したティモシー=ボイド。彼が垣間見た実父の意外な一面とは……『星の数は数えられない』 セドリックとアンが星見が丘(ルビ:ステーリア)に滞在していたときの物語。争いの絶えぬ盗賊カップルの一風変わった愛情の形……『ホームスイートホーム』 本格ファンタジーシリーズ第五弾は、ショートストーリーを三編収録。 容赦のない展開を見せる「銃姫」の最新巻は、4巻後の中編一つ短編一つと、1巻と2巻の間の中編一つ、計三編の短編集。 ちょっとネタバレしないと感想書けそうにないので、しばし反転。 とりあえずティモシーの話は20ページしかない短編で、ちょっといい話だけれど残るものも少ないので置いといて、今巻の焦点は残り2編。そのうち最初の短編は嵐の前のひととき、「髑髏王の六つの目」のメンバーと月海王国の面々で繰り広げられるコメディで、バロットとギースのからみ、シエラのはっちゃけっぷりなどがかなり愉快でよかったです。高殿さんはシリアス○ギャグ×な人だと思っていただけに、今回面白かったのは意外でした。アラベスカも常識人な態度がこの作品ではなかなか新鮮でいいキャラだし、楽しい短編でしたね。(ここまで軽いネタバレ) で、その楽しさの余韻を残して後半へ。喧嘩したセドリックとアンが変わった盗賊カップルとの交流を通じて恋する気持ちを育てるお話で、セドリックとアンの言動のハモリや性差による考え方の違いの描写などが面白いし、20年間はっきりせずに一緒にいた不器用な盗賊カップルもいかしてる。バッツとビニーの本心をぶつけあうやりとりに心熱くなって、 うわああああああああああああああああああああ!!!!!! いや、ちょっとまじですか、きついよこれ_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○ まるで須賀女神が取り付いたかのようなえぐさ。完全に無警戒だったせいでもう痛い痛い痛い痛い。いやそりゃ、過去があれなだけに予兆はあるけれど、マイホームの名シーンで結ばれた後にコレ持ってくるとは予想だにしなかったですよ……。高殿さんあんたーほんと鬼だ。個人的には今年の鬱No.1に認定。 (激しいネタバレここまで) まあ、前半部が高殿さんのギャグ路線では一番面白かったのは確かなので、そういうの求める人にはオススメデスヨ多分きっと。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 魔法鍵師カルナの冒険2 銀髪の少年鍵師 (月見 草平/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 どんな鍵も開けてしまう特殊職業・魔法鍵師(ロックスミス)見習いとして修行中のカルナ。師匠は「大陸一」とうたわれる凄腕の鍵師、ミラだ。相変わらず厳しい特訓に励む毎日だが、そんなカルナのもとへ鍵師の資格試験票が届く。試験に合格しないと鍵師として仕事ができないらしい。試験を受けるため、カルナはミラとともに「賢者の学院」に向かうことに……。鍵開けファンタジー第2弾! 少女主人公の鍵開けファンタジー「カルナの冒険」の第二巻。 今回も安定、前巻同様楽しかったです。この作品の最大の売りの鍵開け描写は若干量こそ減ったものの知恵を使って解く過程が相変わらず面白い。それに加え、今回は同年代の男の子と女の子の新キャラが登場し、恋愛要素が新たに追加。はっきりと好きなわけじゃないけれどどこか気になる、そしてそんな姿をからかわれて慌てるカルナいいよいいよー。デートいいよいいよー。お姫様だっこいいよいいよー。前巻から続いているエクセラの話も、そんな日常を崩さずうまく組み込んでいていい按配。次巻でラブ進展しますように。 評価 ☆☆☆(6) |
___9月18日(日) |
【今日読んだ本】 ◆ 紅牙のルビーウルフ (淡路 帆希/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 盗賊団に身を置く15歳のルビーウルフは、不似合いな長剣を携えた赤毛赤眼の美しい少女。狼の乳で育ち、狼を兄弟として「盗賊の姫」として育てられた。しかしある日盗賊団は、グラディウス国軍の襲撃を受ける……。 新人ラッシュの二冊目は準入選作、幼い頃捨てられて盗賊として育った姫が主人公のファンタジー。 これといった欠点がなくうまくまとまった作品、でも普通でこじんまりとしていて売りも少ないなぁ。行動的な女の子が主人公で、一つの国が再生へと芽吹くまでの物語で、姫と従者の恋愛要素も若干含んでいて、敵対者がどうしてそういう行動をとったかという背景も書かれていて、好きになりそうなネタばかり含んでいるのに、心が全然踊らないんだから困った。一つ一つの要素全てがテンプレの範疇に収まっていて、どこかにある既作を劣化させた匂いがするために、キャラクターにも物語にも愛着がわかなかったです。この作品、ファンタジアよりはビーンズとかに雰囲気近いのだけれど、敵役の書き方なんかが「マグダミリア」とかぶって見えたため、劣化イメージが強くなったのも痛かった。下手とかではないので、次作には改めて期待かな。 評価 ☆☆★(5) |
___9月16日(金) |
【今日読んだ本】 ◆ 透明人間の告白 上巻 (H・F・セイント/新潮文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ウォール街の証券マン、ニックは、偶然巻き込まれた事故で突如"透明"になってしまった。透明になったら無限の自由が手に入ると思っているあなた、ちょっと待って下さい。透明な人生は決して楽ではありません。食事は?買物は?生活費は?でも見えても見えなくても、人は生きていかねばなりません。透明人間の苦難と哀しみの底から、不透明な現代が浮び上がってくる秀逸な作品。 「本の雑誌が選ぶ30年間のベスト30第1位!」という煽り文につられて買ってみて、しばらく積んでいた本。 まさしくタイトルそのまんまだった。「もし現実世界で透明人間になったらどうなるか?」という命題に対し、透明になるまでの生活・透明になる経緯・透明になってからの苦難を一人称で馬鹿真面目に書いて答えた話で、とてもよく出来てる。設定自体はありがちに見えても、ここまでガチにやったのは凄い。ただ、よく出来てはいても斬新ではなく、主人公にかっこよさや華がないため面白みには欠けており、翻訳小説に時折あるもってまわった会話のやりとりが嫌いなこともあって、「30年間1位!」という謳い文句は言いすぎに思いました。まぁまだ上巻で、人物紹介に並んでいるうちの一人は本文には名前すら出てきていないので、下巻に期待。 で、色々新刊買ったついでに下巻も買おうと思い、神保町に行くもなかなか見つからない。そこで、三省堂の検索機で検索してみたら、 絶版の文字が。 30年間の1位が絶版ですかそうですか。……ほんとに1位なの? (9/18追記)今月15日付で再版されていたみたいです。つまり三省堂の怠ま(略 評価 ☆☆☆(6) ◆ 七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ! (大楽 絢太/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 少年マーガスは、悪友ジャンとともに勇者ご一行を騙して稼ぐモラトリアムな少年だ。だがある日、エクス・ガリバーという武器屋の前に張り出されていたオーナー募集の告知に目を留める。すちゃらか・起業ファンタジー 秋の新人ラッシュの一冊目は富士見の佳作、武器屋経営ライトファンタジー。 正直あからさまにご都合主義で「いや、それはちょっとさすがに……」と思う箇所がいくつかあったし、粗を探せばキリはないものの、感想を一言で述べろと言われたら「楽しかった」と答える、そんな作品。偶然集まることになった7人が武器屋経営を軌道にのせようと苦闘する様子には文化祭準備などのような楽しさがあって、うまくはないけれど勢いはある文章でさくさくと読み進められる。主人公以外の6人は変な特徴持った奴ばかりで書き分けは○、メンバー同士の意見のぶつかり合いがもっとあるとよかったけれど、それは欲張りすぎか。ノリ的にはソードワールドリプレイなんかに近い感じかな、変な武器屋やアフォい武器には笑いました、ビッグバン・ソードには不覚にも噴いた。後述するように世界観なんかもかなりいい加減なので、そういうのを気にしないライトファンタジー好きにお勧め。 以下、本筋には関係ないけれど気になったこと。ドラゴン狩りが一匹あたりいくらの職業として成り立つほど莫大な報酬を出せる機構ってありえないよなー、経済破綻しますよこれ。それに、どんどん狩ってるのにドラゴンの生態系が数を維持できていそうなのにも違和感。そもそも、狩られるなら人の町には近づかない、くらいの知恵をドラゴンには持っていてほしいです。RPGから適当に考えたのかなぁ。 評価 ☆☆☆★(7) 【今日購入したもの】 銃姫5 The Soldier’s Sabbath (高殿 円/MF文庫J) ぴよぴよキングダム3 あかりの国のあかり (木村 航/MF文庫J) 魔法鍵師カルナの冒険2 銀髪の少年鍵師 (月見 草平/MF文庫J) 紅牙のルビーウルフ (淡路 帆希/富士見ファンタジア文庫) 七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ! (大楽 絢太/富士見ファンタジア文庫) 琥珀の心臓 (瀬尾 つかさ/富士見ファンタジア文庫) ムーンスペル!! 真夏の迷宮 (尼野 ゆたか/富士見ファンタジア文庫) 煉獄のエスクード2 The Song Remains The Same (貴子 潤一郎/富士見ファンタジア文庫) ハーフダラーを探して3 (水城 正太郎/富士見ミステリー文庫) 玉響―たまゆら― 三 (時海 結以/富士見ミステリー文庫) まだ16日なのに22日発売のはずのMFの新刊がもう置いてあった。ちょっと多いので霜島さんの新刊は様子見。 あ、噂の銃姫のメディアミックスは漫画化@シリウスでした。しかも完全オリジナルの過去編みたいです、楽しみ。 |