___2月11日(木) |
【先日読んだ本】 ◆ 狼と香辛料 (支倉 凍砂/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」 老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることをロレンスは了承した。そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが──。 新刊ラッシュ最後は電撃の新人さん達、まずは銀賞受賞作、行商人と狼娘の経済ファンタジー。 これは文句なしに面白かったです。まずライトノベルで経済をこれほどの分量扱ってるのがすごく珍しい上、為替や貨幣や商会同士の争いがとても分かりやすく、それでいて稚拙でもないちょうどいい按配で、こういうネタ好きな自分はこれだけでかなり満足。そして、登場人物の数が少ないおかげで、ロレンスとホロ主役二人の描きこみが十分、老獪さの中にかわいさを垣間見せるホロがよかったですね。構成もしっかりしていて最後までひきつけられたし、派手さはない作品だけれどかなり気にいりました。 評価 ☆☆☆★(7) |
___2月9日(木) |
やーらかしたやらかした。今日からしばらくの間はどきどきできそう。こんなどきどきしたくなかった。 【先日読んだ本】 ◆ マキゾエホリック Case1:転校生という名の記号 (東 亮太/角川スニーカー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 なぜかトラブルに巻き込まれ転校しがちな主人公・高浪藍子。そんな彼女が決意新たに、転入したのは、御伽学園1年乙組。この学園で心機一転をするはずが、クラスで待ち受けていたのは巫女やメイド、魔法少女に復讐鬼、ハーレムや電波など一筋縄ではいかない生徒たちだった! さらには転校初日には、生徒監視員である灘英斗に呼び出され「君のデータは全てなくなっている、故に君が転校生であるという物的証拠はゼロだ」と告げられ、挙げ句の果てには、校庭に捨てられていた子猫のような記憶喪失の少女も、「私が転校生です」と言い出す始末。 今度こそ藍子は巻き込まれずに平和な高校生活をおくれるのか? なぜこのクラスにはライトノベル的なキャラクターが集められているのか? 藍子という乙組に集められた最後の“記号”が巻き起こす――31人の愛すべき問題児たちとの記録が始まる! スニーカー大賞の奨励賞受賞作の新人作品、学校の1クラスに記号キャラクターを詰め込んだゴッタ煮小説。 なんだこれは。最初は最近よくある戯言リスペクト入ったキャラクター小説なのかと思ったんですよ。でもちょっと進むと、キャラクターをことごとく記号で表現していて厚みがなく、キャラクターで魅せようとしているわけじゃないことに気づく。かといって、メタ萌えというのもなんか違う。では一体なんなのか、と考えて自分が至ったのは、この作品は強引に緻密に組み上げたロジックありきな小説なのでは、という仮説。推理小説というのはちょっと無理があるけれど、滅茶苦茶な設定によって普通ならとても展開できない論理をびっしりと張り巡らせている様は、ロジックを元に設定を組み上げたんじゃないかと少し思わされたほど。ただ、その割には設定が甘いというか、登場人物がちょっと多すぎな感。これだけ設定で無茶するならもっとかっこいいロジックができるはず。結局、著者がこの作品で何がしたかったのかよく分かりませんでした。続刊が面白くなるタイプじゃなさそうなので続きは様子見。 評価 ☆☆★(5) 【今日購入したもの】 小説Wings冬 No.50 (新書館) お留守バンシー (小河 正岳/電撃文庫) 哀しみキメラ (来楽 零/電撃文庫) 狼と香辛料 (支倉 凍砂/電撃文庫) 灼眼のシャナ12 (高橋 弥七郎/電撃文庫) ぼくと魔女式アポカリプス (水瀬 葉月/電撃文庫) 図書館戦争 (有川 浩/メディアワークス) もちろん電撃新人も図書館戦争も楽しみなんですが、それより数倍楽しみなのが小説Wings。縞田理々、前田栄、雁野航、そして甲斐透のファンタジー短編!!!! ああなんて素晴らしいラインナップなんだろう。 |
___2月4日(土) |
今月前半までは不定期更新続きそうです。 先月のまとめ。 読了――20冊 購入――21冊 パッと見悪くないけれど、10冊が2月1日扱いになっているのでやっぱりまずい。 【今日読んだ本】 ◆ 私のKnightになってよネ! (佐藤 了/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 突然、クラス一の美少女、佐倉恭子に告白?され、強制的に表向きは恋人、実はただのボディガード、にされた御影裕也。恭子にはある能力があり、自分が襲われる未来を予知したというのだ!? 半信半疑のまま、我が儘なツンデレ娘、恭子に振り回される裕也と親友の匠。しかし、しだいに三人の周囲に不気味な出来事が起こり始め、彼らは恭子の予知を信じざるを得なくなっていくのだが――。新鋭が軽快なタッチで描くジェットコースター・サスペンスノベル! 第6回えんため大賞東放学園特別賞受賞作登場! これもファミ通新人賞受賞作、女の子が偽装告白してくるところからはじまる、ラブコメだかサスペンスだかよくわからない物語。 うーん……。冒頭、既視感のあるノリのつまらないコメディ読んでいる時は正直こりゃ踏んだかなと思ったんですよ。が、中盤サスペンスのノリになってからは、ちょっと人殺しまくりでやりすぎ感はあるものの、追い詰められていく描写が濃く緊迫感があって、先も気になるし、これはなかなかいい感じだなと。で、思ったよりはやく事件が片付いて終盤どうするのかなと思ったら、 _, ._ ( ゚ Д゚) 何ですかこの超展開。しかも一段だけじゃなくて多段階超展開。いや、これは駄目でしょ……。最後の解決法とかもうそれまでの全てぶち壊しちゃってる。中盤までのノリでこじんまりとまとめればいいのにどうしてこんなことするかなぁ。タイトルセンスで警戒はしていたんだけれど、中盤思いがけずよかっただけにかなり裏切られた気分。さすがは東放学園か……。 評価 ☆☆(4) |
___2月1日(水) |
約1年半ぶり、ただいま、3桁。100冊の中から次に読む本が選べるなんて,ぼくはなんてしあわせなんだろう('A`) 【今日読んだ本】 ◆ 学校の階段 (櫂末 高彰/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 季節は春――高校生活を楽しく送れるラク〜な部活に入るため見学に余念のない神庭幸宏は、ある日、校内を走り回る「階段部」なるものと出会う。学校非公認、邪魔もの扱いの部にムリヤリ体験入部させられた幸宏だったが、ひたむきに「階段走り」にかける部員たちの姿に自分の中に芽生えた欲求に気づく。「とにかく走りたい!」そして幸宏は駆け出す! ビバ青春の無駄足! 真正面から「若さ」を描く第7回えんため大賞「優秀賞」受賞の学園グラフィティ!! ファミ通新人賞受賞作5冊同時発売のうちの1冊、階段でレースを行う階段部の話。 今年は機雷一作を除けばまだ新人で外れ踏んでませんが、これもなかなか面白かったですね。「階段部」であるからには階段を走る描写がたくさん出てくるわけですが、これがなかなか燃える。速く走るために校内のどんなコースをとるか、障害物である人を迷惑かけないようにいかにかわすかを、床のへこみ一つまで気にして考えていて、階段レースならではの面白さが出ていると思います。こういう一見くだらないことにあふれんばかりの熱意を傾けるのはいいなぁ。また、階段でレース=人様に迷惑なわけですが、その辺も当然きっちり書いていて、なし崩しに入部した主人公の成長物語としてもよかったです。 ちょっとキャラクター出しすぎていて、これなら家族の描写はなかったほうがよかった気もしますが、きっと続編のための布石……って続編出すのかなこれ。まあ楽しかったのでよし。 ただ、一つだけ凄くもったいないなぁと思う点が。校内の地図をください。この学校、ある校舎の1Fと別の校舎の4Fがくっついていたりして、文章だけでどんな形状しているのかを想起するのが不可能に近いです、少なくとも自分には無理です。地図があればルートをあれこれ想像して楽しむこともできるし、著者の頭の中だけに眠らせておくのは惜しすぎ。複雑すぎて載せられなかったのかなぁ。 話ちょっと逸れますが、地図欲しいなと思う作品って結構あるんですよね。国を結構行き来するファンタジーは間が空くと位置関係掴めなくなりやすい(というか忘れっぽい自分は東西や南北を逆に覚えていることもよくある)ので、地図ついてると非常にありがたいんですが、あまりついてないのが現状。女神伝くらいの地図がもっと多くの作品につきますように。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 走って帰ろう! (加藤 聡/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 大好きな亜希子ちゃんにフラれた高校生の卓也を待っていたのは、夜逃げした両親の借金12億5千万円と黒スーツにグラサンのヤクザだった! 莫大な借金を返すため、卓也は競走馬のオーナーを夢見るヤクザ原田のもと、非合法自転車レースの選手となる。『倒産』『丘サーファー』『赤い彗星』奇妙なレースネームの仲間と走る全長10qの周回レース。走行妨害、落車、ドーピング……そんな中で、卓也がしかける大勝負とは!? 第7回えんため大賞「優秀賞」受賞作! 感動の青春サバイバルエンターテイメント登場!! こちらもファミ通の優秀賞受賞作、借金背負って自転車のドッグレースに出ることとなった少年の物語。 うん、豊作豊作。レース物と青春というのは実に合いますね。自転車は見も乗りも全然しないので用語はさっぱりだったんですが、レースを走る面子が皆なかなかに個性的、中距離レースの選手のタイプや駆け引きも分かりやすく書かれていて、ドッグレースが非常に面白かったです。一方青春物として見ると、親父がよく分からなく、また日常振り切るのがあっさりしすぎなのがちょっと不満、結果には納得なんだけれどもうちょっと描写が欲しかった。でもレースの面白さだけで十分満足、陸上の中距離走見るの好きな人などは問答無用で買い。 評価 ☆☆☆(6) 【先日購入したもの】 マキゾエホリック Case1:転校生という名の記号 (東 亮太/角川スニーカー文庫) 学校の階段 (櫂末 高彰/ファミ通文庫) 走って帰ろう! (加藤 聡/ファミ通文庫) 私のKnightになってよネ! (佐藤 了/ファミ通文庫) ワンダフル・ワンダリング・サーガ (矢治 哲典/ファミ通文庫) RE:凪野アオイ 超高速機動粒子炉船 春一番 (原口 美奈子/ファミ通文庫) コッペとBB団 その2 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) シャリアンの魔炎5 (ゆうき りん/コバルト文庫) 流血女神伝 喪の女王3 (須賀 しのぶ/コバルト文庫) ガイユの書 薔薇の灰に恋がれ (響野 夏菜/コバルト文庫) ファミ通1ヶ月に6冊ははじめてかも。 |