___4月15日(土) |
【今日読んだ本】 ◆ 天使のレシピ (御伽 枕/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 高校二年の春、俺は呪いをかけられた。えらく強力なシロモノで、ほとほと困り果てている。呪いをかけた主と目が合った。するともうだめだ。先の行動を逐一考えてその通りに実行していかないと、どんなヘマをやらかすかわからない。そんなことを考えていると、俺が口を開くよりも先に「おはよう」と声をかけてきた。あい変わらず気が強そうで、でもどこか抜けてて、呪術なんてものとは縁遠そうで……。彼女は今、俺と同じクラスにいる。羽根を失くしたヒトたちが織りなす不思議な物語。 今月の電撃の新人さんの作品は、ちょっと風変わりな恋愛短編集もどき。 うーん、実力自体は結構ありそうな人なんですが、肝心の話が……。冒頭がかなり意味不明で置いてかれる上、その後に続く短編2つが変化球でやっぱりついていけず。両短編とも天使の存在がいまいち意味不明で邪魔なんですよ。2つ目の短編はキスがやけにエッチかったけどそれ以外には魅力感じられず。 一方で天使が出てこない3つ目の短編は普通の女の子視点恋愛話で、凄くいいわけではないけどなかなかいい話。また、エピローグとしてついてきた天使の二人の話は、これ単体で見ればかなり好きで、著者が天使を出してやりたかったこともこれを見れば理解はできました。ただ、理解はできてもそれが表現できているかというと、うーんと唸らざるをえません。ところどころにいいセンスは見受けられるので、次はもっと直球勝負の話を読んでみたいです。 評価 ☆☆★(5) ◆ 夏期限定トロピカルパフェ事件 (米澤 穂信/創元推理文庫) 【amazon】 《あらすじ》 小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を! そんな高校2年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは〈小佐内スイーツセレクション・夏〉!? 待望のシリーズ第2弾。 古典部シリーズなどを書いている米澤さんの最新作は、日常の謎系列だった「春期限定いちごタルト事件」の続編。 いやー、前巻以上に面白かったですね、満足。短編を連ねていく中で次第に長編としての話が見えてくる、という作りで短編としても長編としても素晴らしいんですが、特に第一章の「シャルロットだけはぼくのもの」の出来が神がかってました。ケーキをばれないように食べる、たったそれだけ、されどそれだけ、それは人類の浪漫、誰もが一度は望んだことがある行為。その実行する前のドキドキ、実行した後のやましさ、露見した後の無常感、全てが表現されている神短編です。 長編としては小鳩君バカヤローの一言ですね。空気読んで返答しろよこの馬鹿! 小佐内さんひどくもあるけどかわいそうって気持ちの方が強いです。実は黒い米澤作品としてはこれで終わるのもありかなと思いましたがどうやら続くようで、続くならハッピーで終わってほしいものです。 一つだけツッコミ。あの「半」はどうみても地図だと思うのですが(ついでにいうと六叉路に見えたのですが)、あれを「半」ととらえるのはどうなんでしょう。昔読んだ「六枚のとんかつ」でもあたけど、ミステリでの絵の認識は強引なものが多いなぁ。 評価 ☆☆☆☆(8) 【今日購入したもの】 夏期限定トロピカルパフェ事件 (米澤 穂信/創元推理文庫) |
___4月12日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ 月色光珠 黒士は白花を捧ぐ (岡篠 名桜/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 家の再興を夢見る少女・琳琅。科挙を受験する弟と共に、7年ぶりに長安に戻ったある夜、謎の道士たちと斬りあって傷を負った黒衣の男を助ける。男は琳琅に届け物を頼むが…。中華アクションロマン! 今月のコバルトの新人さん、借金背負って左遷された名家の娘が主人公の中華小説。 なんだかどこかで見た感がしまくる設定ですが、文章・キャラ立て共に新人さんとしてはまあまあ。主人公の弟が、ストーカーもどきの行動を悪びれずにとるふてぶてしい変態でちょっぴりヘタレ、というなかなか見ないタイプで面白かったですね。一方で主人公の琳琅はいまいち、というのも恋愛描写がさっぱり萌えないんですよ。あまりに直接的に書きすぎていて、そこだけ文章パサパサで全くときめきませんでした。あと、続編前提に書かれてるのはいいとしても、最後のネタばらし方にはちょっと閉口。(反転)主人公が身を引く決意をした時に、唐突に有と春蓉が兄妹ってバラして希望もたして終わりってなんだそりゃー。この流れで春蓉放置はありえないし、李尚の存在も意味不明になるし、微妙極まりないです。この先どうやって続ける気かちょっと気になるけど、あまり期待できないかもなぁ……。 評価 ☆☆(4) |
___4月10日(月) |
結構前にやるって言っていたページ価格分析の続き。 まず「キノの旅」が値段高いんじゃないか疑惑についてですが、東雲長閑さんからこんなデータを紹介していただきました、ありがとうございます。カラーページ多いということで、これなら値段高くてもおかしくないですね。天華無敵ってそんな特殊仕様だったんだ……。 前回はサンプル数少なすぎたので今回はサンプル数を増やして調査。サンプルは日販と紀伊国屋の週間売り上げデータが手に入った、2004〜2006年の電撃文庫18か月分(紀伊国屋データは電撃スレの過去ログから発掘)から邪魔な1000ページ超えの1冊を除いたもの、 売れてる(赤):日販の各月上位3作(たりない時は2作以下でも可) 売れてない(緑):紀伊国屋100位ランク外 普通(青):その他 で分類。月の集計日によって多少ばらつきが出るのはしょうがないということで。で、グラフにプロットしたのがこれ。これだとよく分からないので、回帰分析で一次直線に近似したのがこれ。売れてないのが値段高いのは露骨に出てますが、途中から 売れてる>普通 になっちゃってますよ、あれれ。 よく見るとなんだかクロニクルが悪さしてるように見えるので、試しに750円超えの作品を除外して近似しなおしたのがこれ。若干売れている方が安くなりました。ただ、「普通」には集計の関係で「売れてない」に入るような作品が入ることもあるので、それ考慮するとあまり差はないかもしれません。(パッと見だと、赤は何作品か上に大きくはみだしているのが全体の値段押し上げてる印象。) 最後に「キノの旅」がどうなってるかも検証。売れてる作品群を赤、2002年以前のキノを青、2002年以降のキノを緑でプロットしたのがこれ。(直線は赤群を近似したもの)2002年以降のキノははっきり高いと言ってもよさそうです。 |
___4月9日(日) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大体出揃った感があるので、今期のアニメを一気にまとめて一行感想。計19作品、多すぎ。
粗製濫造なのかひどいのも多かったけれど、小説原作のアニメがいい出来で幸せ。ガーゴイル、ハルヒ、ホスト部、FROGMAN、プリプリ、うたわれ、西魔女の7つ継続、いくつ最後まで残るかなぁ。 【今日読んだ本】 ◆ 古城ホテル フリューリングスハウフのおもちゃ箱 (倉世 春/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 孤独な少年・セトが相続した古城で眠っていた少女ウルリーカの体は、どんな願いも叶えてしまう不思議な『霊薬』だった。彼女を狙うセトの継母だが…。ふしぎファンタジー。 「鏡のお城のミミ」の倉世さんの新シリーズは、とある青年が受け継いだ古城が、異形たちが泊まるホテルとなるまでのお話。 この作品、今月のコバルト刊の中でダントツに売れていないみたいなんですが、このシリーズタイトルとサブタイトルとあらすじと絵じゃ、売れないのも当然な気がします。「フリューリングスハウフ」なんてよくわからないカタカナ語をはじめ、惹かれる部分がないですもの。 で、中身はどうかというと、今まで読んだ倉世さんの作品の中で一番下かなぁこれは。一応序章ながら、ホテルの設定出てくるのがほんとに最後だけでほとんど独立した一つの話なんですが、主人公のセトが場面場面で頑なに現実的だったりあっさり受け入れたりと態度変わって、どういう人物なのか内面がいまいちよく分からなかったです。ヒロインのウルリーカも恋愛対象としてはちょっと精神幼すぎて微妙。いかにも端役っぽい継母が物語に大きく絡んでくるのは意外性あったけれど、それ以上ではなし。登場人物そう多くないのに、語尾の「だよねー」や「ですう」で特徴づけられたキャラクターが2人もいるのもちょっとどうかと思います。やっぱ女主人公がいいなということで「姫様オーバードライブ」発売マダー? 評価 ☆☆(4) |
___4月8日(土) |
【今日読んだ本】 ◆ キーリIX 死者たちは荒野に永眠(ねむ)る(下) (壁井 ユカコ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ──もう少し、もう少しだけ、こっち側にいてもいいかな。もう少しだけキーリと一緒にいてもいいかな……。遠からず自分も自分に決着をつけるときが来る。終わりを迎えるときが来る。でも……。もしも誰かが、この惑星に何かの奇跡の力を持った誰かがいるのなら。願わくはどうか、もう少しだけ彼女と一緒に……。キーリとハーヴェイ、彼らと彼らを取り巻くすべての人々が辿り着いた“終わり”と“始まり”とは──。第9回電撃小説大賞<大賞>受賞作シリーズ、遂に完結! 「キーリ」最終巻。 あー、うー、あー、こんな終わらせ方なのか! いや確かに最後のキーリはキーリ主観でいけば決して不幸ではなくて救いはあったし、第六話ラストのあのシーン、ハーヴェイのあの台詞、兵長関連のあれこれなど、もう琴線震えまくりで名作なのは間違いなくて、ただ終わり方だけはもうちょっとはっきりして欲しかったというのが本音。これじゃ生殺し、というかきつすぎ……。(読み終わってしばらくは放心状態でした) いやでも作中でのキーリの心境に納得はいったし、この作品の最終巻をリアルタイムで読めたのは幸せだったと断言できます。みんな凄く輝いてた。次回作にも大期待。 最後にどうでもいい一言、イラストは初期の方が好きです、後期のぷにっとした感じのキーリは苦手。 評価 ☆☆☆☆★(9) |
___4月7日(金) |
【今日読んだ本】 ◆ キーリZ 幽谷の風は吠きながら (壁井 ユカコ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 キーリとハーヴェイとラジオの兵長は、行方不明のままのベアトリクスの手がかりを探すため、教区境のバーに滞在していた。ある日、ラジオの様子がおかしい事に気づき、修理屋に持ちこむと「そろそろ寿命かもしれない」と言われる。とにかくラジオを直すため、キーリ達は古い部品が残るという鉱山区に向け、旅立つ。ハーヴェイの“核”にも異変が起きており、今までに手に入れてきた大切なものが一つずつ剥がれ落ちていく不安をキーリは拭えずにいた。『もう何もいらないからずっとこのままでいたい』そう願うキーリ。しかし…。 いよいよ佳境の「キーリ」第7巻。 一気にクライマックスとはいかず溜めの巻だったので若干がっかりしたものの、ベアトリクスに、兵長に、そしてハーヴェイに、次々とたっていく不幸フラグを見るのはとても辛い。前巻でハッピーを願ったばかりなのにこうくるとは、半ば予想された不幸とはいえ壁井さんもなかなかに鬼ですね。キーリの「いつまでも旅が続いたらいいのに」という儚い願いに心の底から同意。でも皆が笑えるハッピーは最早無理そうなので、せめて救いのある終わりをむかえられますように……。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ キーリ[ 死者たちは荒野に永眠(ねむ)る(上) (壁井 ユカコ/電撃文庫) (壁井 ユカコ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 どうか、お願いです、この惑星に奇跡の力を持った誰かがいるのなら。来年も、その次の年も、その先もずっと、みんなが一緒にいられますように―キーリとハーヴェイは、ラジオの兵長を直すための旅の途中、首都治安部隊に捕まった。彼らはキーリを実の父親に会わすと言う。迷った末に、キーリは(監視付きで)ハーヴェイ、兵長と一緒に首都に向かう。移動の列車でヨアヒムも現れ、無理やりキーリたちと同行する。しかし、この首都行きが、キーリ、ハーヴェイ、兵長、そしてベアトリクスやヨアヒムの運命までも決めることになる。シリーズ完結エピソード“死者たちは荒野に永眠る”は(上)(下)巻構成。 首都突入でついにクライマックス、「キーリ」第8巻。 ああ、壁井さんはずるいなぁ。これまでの積み重ねの上にベアトリクスの過去話なんてやられたら泣くしかないじゃないか。幕間でこんなに懸命なハーヴェイと兵長見せられたら泣くしかないじゃないか。もうほんと壁井さんずるすぎる。キーリもハーヴェイも必死に必死に少しでもいい未来を掴み取ろうとしていて、これもまた胸をうちまくり。ヨアヒムはもうちょっと救われてもいい気もしたけれど、これは所業が所業だししょうがないか。さあ後は最終巻を残すのみ、覚悟して望もう。 評価 ☆☆☆☆★(9) 【今日購入したもの】 天使のレシピ (御伽 枕/電撃文庫) 天空のアルカミレス (三上 延/電撃文庫) トリックスターズD (久住 四季/電撃文庫) キーリ[ 死者たちは荒野に永眠(ねむ)る(上) (壁井 ユカコ/電撃文庫) キーリIX 死者たちは荒野に永眠(ねむ)る(下) (壁井 ユカコ/電撃文庫) |
___4月6日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ キーリY はじまりの白日の庭(下) (壁井 ユカコ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 キーリとハーヴェイそしてラジオの兵長は、ベアトリクス捜索のために植民祭の最中であるウエスタベリに来ている。興行団のキャンプに世話になりながら、ハーヴェイ一人がベアトリクスの捜索をする。残されたキーリは、キャンプで暮らす小さい女の子ナナと遊んだり洗濯をしたり、不思議な力の持ち主に出会ったりしながら留守番をする事に。そんな中、強盗から助けてくれたある人物の家に行く事を決心したキーリは、その事をハーヴェイにも兵長にも告げず実行してしまう。そして―!?新展開を見せる人気シリーズ。“はじまりの白日の庭”完結編。 電撃新刊が明日には手に入りそうなので急いで読もう、「キーリ」第6巻。 5巻が凶悪な引きでどうなることかビクビクしてましたが、思ったよりは平和な展開で安心、アクション多めなのも気にならず今回も鉄板の出来でした。ハーヴェイとキーリの関係を見守るのが楽しいのは当然として、他にこの作品を気にいっている要因の一つは文章、壁井さんの書く寂しさをはらんだ文章は妙に心揺さぶってくるんですよね。切なさと寂しさが混ざったような場面なんかすごく好き。 子供ハーヴェイがかわいかった一方で大人ハーヴェイは相変わらずなんだけれど、不死人としての価値観の違いを考えるとこれはこれでありな気がしてきました。ハーヴェイがこんなだからキーリ視点がドキドキするのは事実なわけですし。ハーヴェイの過去も語られそろそろ佳境かな、不幸の匂いがしますがハッピーで終わってほしいものです。 評価 ☆☆☆☆(8) 【今日購入したもの】 カーリー 〜黄金の尖塔の国とあひると小公女〜 (高殿 円/ファミ通文庫) 吉永さん家のガーゴイル9 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) ジャンクル! (木村 航/ファミ通文庫) ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスは開幕のベルを鳴らして (青木 祐子/コバルト文庫) |
___4月5日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ キーリW 長い夜は深淵のほとりで (壁井 ユカコ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ハーヴェイが消えてから約一年半。 キーリは16歳に。キーリと、ラジオの憑依霊・兵長そしてベアトリクスは、東サウスハイロで暮らしている。――ある日、ベアトリクスの情報筋からキーリの出生の手がかりが見つかったと聞き、ノースハイロ方面に向けて出発する。旅の途中、ウエスタベリ教区のはずれの街トゥールースに着いたキーリ達は、また不思議な出来事に遭遇する。そして、キーリの出生の手がかりとは!? ハーヴェイとの再会は!? がんがん崩そう、素敵な女の子と間抜け不死人の旅の物語「キーリ」第4巻。 馬鹿馬鹿ハーヴェイのおばか! あんたね、よりにもよって「誰?」はないだろ「誰?」は。キーリがかわいそうすぎますよ。3巻後半でちょっと見直した自分がアホでした、ほんと一度馬に蹴られて死んでこい。その一方で株をあげたのがユリウス、一昨日うざいガキとか言ってごめんなさい。こういう「出会いを機に真面目になって見違えた」キャラ、どこかで見たことがあるなと思ったらミュカ@女神伝でした。まあミュカと比べるのは酷ですが、どう見ても報われないところまでそっくり。ハーヴェイがこんなだからちょっとくらいの役得はあげたいですね。ベアトリクスの行方が激しく気になりつつ5巻へ。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ キーリX はじまりの白日の庭(上) (壁井 ユカコ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 植民祭の季節。不死人がいるという噂を聞いて、はぐれてしまったベアトリクスかも知れないと、キーリとハーヴェイ、そしてラジオの兵長はウエスタベリに向かう。ハーヴェイの知り合いの興行団と出会い、彼らのキャンプを拠点にベアトリクス捜索を開始したキーリ達。そんななか、キーリの前に予期せぬ人物が現れる! 新たな展開を見せる人気シリーズ第5弾! あうあうあ……あ????!!?????????!!!!! 評価 ☆☆☆☆(8) |
___4月3日(月) |
気力減退中でさぼってたり本読んでなかったりで4日ぶりの更新。 3月のまとめ。 読了――27冊 購入――17冊 思ったより多かったけれど1日1冊ペース切ってるのはまずい。今月こそは……! 【今日読んだ本】 ◆ キーリV 惑星へ往く囚人たち (壁井 ユカコ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 “砂の海を渡る船”を降りたキーリと「不死人」ハーヴェイそしてラジオの憑依霊・兵長は、炭鉱の街に住むことに…。キーリは初めてのアルバイト生活を楽しんでいたが、ハーヴェイはほとんどの時間をアパートの部屋で過ごしていた。ある朝、アルバイトに出かけるキーリを狙うかのように、上の階からフォークが落ちてきた。なんとか防いだハーヴェイは、フォークを落とした張本人の部屋に向かう。しかし、そこは空き部屋になっていて―!?第9回電撃ゲーム小説大賞大賞受賞作、第3弾。 新刊も色々貯まっているけれど、キーリが今月完結するようなので発売までに積みを崩すことに。 で、1・2巻は結構前に読み返したんで3巻から手つけたんですが、これが予想外に面白かった! 1・2巻は短編形式の割にこなれていない感があったり、ガキがうざいなど展開かったるい箇所もあったんですが、この3巻は長編っぽくなって色々洗練されてきている上に、キーリの強さとハーヴェイの弱さが対照的でなかなかに自分好み。ていうかキーリかわいいよキーリ。終わりの方の胸にぐっとくる切なさも既刊にはなかったし、これは化けたなぁ。ちょっと情けない状態から前に踏み出したハーヴェイがどう成長するか、そして今後の2人の運命がどうなるか、楽しみです。 評価 ☆☆☆☆(8) 【今日購入したもの】 キーリY はじまりの白日の庭(下) (壁井 ユカコ/電撃文庫) キーリZ 幽谷の風は吠きながら (壁井 ユカコ/電撃文庫) 古城ホテル フリューリングスハウフのおもちゃ箱 (倉世 春/コバルト文庫) 月色光珠 黒士は白花を捧ぐ (岡篠 名桜/コバルト文庫) ファミ通もヴィクトリアンも売ってなくてションボリ。 |