___8月31日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ 多重心世界シンフォニックハーツ 上. 独声者の少年 (永森 裕哉/角川スニーカー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 住人のすべてが多重人格である惑星アーモネイディア。人格数の多さがすべてに優先する理不尽な社会で、少年ソロが見る世界の真実とは!? 偽りの価値観、崩壊する世界、驚愕のスペース・パンク! スニーカーの新刊の2ヶ月連続新人ラッシュのうちの一冊、多重人格者たちの社会の中で異分子となっている単人格の少年が主人公のSF。 面白い! 面白いけど、でも……、という言葉を送るにふさわしい作品。人格同士で折り合いつけられるような超人間がこうも普通の人間と変わらないのか、そんな世界で主人公はこうも諦めずに生きてこれるのか、といった設定成立の是非の疑問こそ残るものの、それさえ納得すれば、人格の数で身分格差が生まれる社会や、異常多声者や独声者の立場といった設定は面白いし、独声者である主人公がいじめられ迫害される様子などのヒエラルキーの描写が上手いです。世界の雰囲気があまりサイバーパンク風でなく「神話の子供たち」シリーズみたいに科学は発達してるけどそこまで未来っぽくないのも好印象。シンフォニアのメンバーの人格の多種多様さもいいし、何より同じ独声者であるカノンを守ろうとする主人公の真っ直ぐな性格が気に入って楽しめました。 でも、でもこれだけは言わせてほしい。展開はやすぎいいいいいいいいいいいいい!!!!!! なんでラスト数十ページにあれだけの要素詰め込んじゃうんですか、世界の真相とかはもっと後にゆっくりと明かすべきというか、いやそれよりもその人をこの段階でそうしちゃうというのは速すぎ、いやいつかそれがくるのは分かっていたんだけれど、……と混乱してしまうほどの詰め込みっぷり。異常多声者の人たちや敵側にももっとドラマを作って3,4冊かけてやればもっと面白くなりそうなのに、なんで上下巻構成なんだろう……。このままだとユノの描写とか凄く薄そうですよ。いやーもったいない。12月刊「多重心世界シンフォニックハーツ 中. 」というサプライズが待ってればいいな。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 結晶物語3 (前田 栄/ウィングス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 いずれ劣らぬ曰く付きの品ばかりが集う、その質屋。主人の名を、凍雨という。最強にして最凶の大妖怪を父に持つ彼の楽しみは人の感情を“結晶”として取り出しては、舐め味わうこと……。そんな彼の元に持ち込まれた此度の不可思議は「黄金のリンゴを探して――……」? 毎度毎度どうして面倒事に関わる、と黄龍の嘆息も虚しく東奔西走のハメに陥るふたり(主に黄龍)。果たして彼らを待ち受けるのは張り巡らされた罠、神をも畏れぬ妄執、やがて哀しき愛――? 前田栄の紡ぐ当世あやかし冒険諢、胸しめつけられる第三弾。 今月のウィングスの新刊、童話がモチーフの現代舞台のあやかし草子第3巻。 うん、今巻も鉄板の出来。巻経るに従って話と童話の関わりは薄くなってきてますが、肝心の話の質は全く落ちてないので問題なし。というのも、話の魅力の結構な部分は黄龍と凍雨のコンビの会話の面白さによるものなので、童話の有無はどうでもいいんですよね。凍雨のアホさと残酷さのバランス加減とか白夜お父さんの絡み方とか楽しい楽しい。それに、ストーリーもすっきりしたもの、後味悪いもの、切ないものと各種揃えられていて、どれもなかなか。特に「その髪は彼が為に」の終わり方が印象に残りました、なにあのガクガクブルブルな結末、恵がちょっとかわいそうすぎ……。 次巻の範囲は雑誌で幾分か読んでしまっていますが、書き下ろしを楽しみに待つことにします。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 BLOOD+ ロシアン・ローズ II (漲月 かりの/角川ビーンズ文庫) 多重心世界シンフォニックハーツ 上. 独声者の少年 (永森 裕哉/角川スニーカー文庫) |
___8月30日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ 終わる世界、終わらない夏休み 〜芹沢和也の終末〜 (あきさか あさひ/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 計画都市・谷園で、いつものように教室に向かった高校生・芹沢和也は、「疎開」により、ついに唯一人になったクラスメイト、大舞都亜美から「世界を救う方法を一緒に探そう」と誘われる。荒廃した街ですることもなく、生きることに執着もない和也は、暇つぶしとして亜美に付き合うことにする……。 喪われた日常が繰り返される$「界で、生きる希望を探す少年と少女を描いた、えんため受賞作家、渾身の上下巻連続刊行! 全国1000万人のループスキーの皆さんこんにちは、本日ご紹介いたしますのはファミ通文庫の新刊、「終わり」をむかえる直前にループを繰り返している世界に生きる、ニヒリストの少年と一見お馬鹿な少女を描いた物語です。ややネタバレ風味に話を進めていくのでご了承ください。 以下ネタもないので通常文体に戻りますが、なかなかに面白かったです。同じ台詞を何度も繰り返していく中で、ループを抜け出しているものがあって微妙に主人公たちの行動が変化していく、というループ物でよくある構成になっているんですが、事象の明かし方のペースが上手く、どう変わっていくのか1ループごとに先が気になります。どちらかというと世界の設定よりも人間の変化に重きをおいていて、主人公が変わっていく様には素直に好感を持ちました。亜美のキャラ設定は多少描写が安易すぎじゃないかと思うところもあったけれど、3章終わりあたりの雰囲気が凄く好きなんで全部許せましたね。切ないループってもどかしくて素晴らしい。また、たまに遭遇する理不尽な結末もループならではといった感じで楽しめました。 結構いいところで引けて、下巻で2人と世界がどういった結末を迎えるのか楽しみです。タイトルの通りに亜美視点なのかな、それなら嬉しいけれど。 評価 ☆☆☆★(7) 【今日購入したもの】 終わる世界、終わらない夏休み 〜芹沢和也の終末〜 (あきさか あさひ/ファミ通文庫) |
___8月28日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ 桜乃きらほの恋愛処方箋 (月見 草平/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 桜乃きらほ、現在尾行中。ターゲットはきらほの親友である委員長こと田中智子だ。気合の入った格好で時計を気にしている委員長の姿は、どこから見てもデートの待ち合わせ。そしてきらほの隣には双眼鏡を片手にやる気満々のクラスメイト、鞠菜がいる。「ゴメン、委員長」と心の中で謝りながらも、どうしても気になることがあって尾行を続けるきらほ。なぜならそのデートの相手というのがよりにもよって……。はたして尾行の果てにきらほたちが見たものは!? 「普通では考えられない病気」をめぐる天才魔法医ときらほのハートフルファンタジー第2弾登場! 今月のMFの新刊、魔法医療医とその助手の現代ラブコメファンタジー、第2巻。 「くぁwせdrftgyふじこlp」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!! こんな微妙なラインのネタを出してくるとはなかなかやってくれます。 そしてお泊まりキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!! 期待をはるかに上回るラブ分の増量にもう大満足。委員長と朝永の仲睦まじい姿を見て嫉妬したり、たまに見せる朝永の優しさにドキドキしたりするきらほの姿に転がり、3人もの心を奪ってしまう朝永のかっこよさと優しさにきらほと共にドキドキし、一描写で2度おいしいですよ。両方の見方で楽しめるって素晴らしい。最初の話では、ちょっと考えれば朝永が普通のデートなんてするわけないと分かりそうなものなのに、鞠菜もきらほも恋は盲目ですね、それがいいんですけど。 話の構成は相変わらず玄人じみて不満なく、恋愛要素を楽しむためにはこれで十分。最後の伏線とこれからの恋愛の進展がどうなっていくか、3巻がとても楽しみです。 評価 ☆☆☆★(7) |
___8月27日(日) |
いつのまにか150000Hit越え。更新ペースは落ちてますが、今後ともよろしくお願いします。 【今日読んだ本】 ◆ 記憶の繭 おもひでや (宝珠 なつめ/C★NOVELS ファンタジア) 【amazon】 《あらすじ》 様々な事情から助けを求める人びとに今日も「思い出」を商う店【おもひでや】。ほら、あなたの側にもきっと――小さなお店を舞台に繰り広げられるファンタジック・ストーリー第2弾。 思い出を客に売る「おもひでや」という店を舞台にした現代ファンタジー、前巻から2ヶ月しかたっていないのに早くも第2巻。 うわー、黒いよ怖いよ。1巻では多少暗めの話はあったもののほとんどはハッピーな終わり方をしていたんですが、今巻は始めからダークな話が連発。「スリーピングビューティー」は後味の悪さがたまらないし、「マリア」は新登場の姫の残酷さも加わって凄く悲しい結末に。サナギの行動による一抹の清涼感が味わい深かったです。「カリキュラム」はあまり見ないタイプの結末、全部の話がこんな終わり方したら本投げつけますが、たまにはこういう話があっても面白いですね。 後半ではスカっとする話やほんのりビターな話も読めたし今巻も楽しめましたが、惜しいのはテンさんやクレオの過去があまり出てこなかったこと。2巻だしもうちょっと掘り下げてくれると思ったんですが。「ハレーション」程度だと物足りなかったので残念。あとがき読む限り次が出るかどうかは微妙そうですが、まだネタはありそうだし続いてほしいです。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 黄金の魔女が棲む森 (麻木 未穂/トクマ・ノベルズEdge) 【amazon】 《あらすじ》 異母妹のベーダを刺した罪で王宮を追放されたアエスティ族の王女シフは、魔女と恐れられる老婆・ルヴァーと〈神狩りの森〉で暮らしている。十八年前、ベーダはフン人との政略結婚を嫌がるあまり、シフの目の前で自らの喉に小刀を突きつけた。それを制止しようと、シフはやむを得ず彼女を刺してしまったのだ――。ベーダは一命をとりとめるも、十三歳のシフはそれ以来、その咎を負い歳を取ることがなくなっていた。そんなシフのもとへ、ある日ローマ皇帝に仕える騎馬隊がやって来る。皇帝の愛妾となったベーダが東方の都コンスタンティノポリスで病に臥し、シフを連れてくるよう懇願しているという。ローマ兵に捕われたシフはローマに向かう途中、騎馬隊を率いる騎兵隊長レギウスの寝所に忍び込んだが……。第一回トクマ・ノベルズEdge新人作品最優秀作品に輝いた、ローマを舞台に繰り広げられる本格ファンタジー。 トクマEdgeの新人さん、ローマが東西に分裂してた時代が舞台、三十路のロリ少女が主人公のファンタジー。何気にトクマEdgeの本を読むのはこれが初めてです。 トクマEdge=深見=アクション、という式が自分の頭の中にあったので何が出てくるかちょっと不安でしたが、予想外に本格的なファンタジーで驚きました。参考文献一覧を見る限り古代ローマについてかなり調べたらしく、東ローマと西ローマにゴートやフン族が絡んだ状勢を描いており、素人目には古代の雰囲気がかなり出ているように見えました。主人公のシフは魔女と呼ばれる存在、読者にも分からない秘密の目的を持っていてそのためだけに行動するのが、奔放なようで実は一途でよかったですね。糞真面目でかっこいいレギウスとのやり取りと、上下に揺れつつ少しずつ変化していく関係も面白かったです。 一方で、ヴォーダンの描写がかったるかったり、無駄に神話絡めたり、ラストの展開に物足りなさを感じたりと、結構不満点も。終盤であの名前出されたのは興ざめでした。まあ新人さんですし、十分には楽しめたのでOK。次回作で一層よくなることを願ってます。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 記憶の繭 おもひでや (宝珠 なつめ/C★NOVELS ファンタジア) 黄金の魔女が棲む森 (麻木 未穂/トクマ・ノベルズEdge) 結晶物語3 (前田 栄/ウィングス文庫) 桜乃きらほの恋愛処方箋 (月見 草平/MF文庫J) |
___8月24日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ 枠の外にある風景 (石川 寛之/産業編集センター) 【amazon】 《あらすじ》 高校二年の夏休み。僕は家を出た。 小さい頃からの相棒、〈カミカゼ〉に乗って 陽光の照りつける外の世界へ。 当てもなく目的もないまま、僕は西に向かって走る……。同人ゲーム「天に高く地に深く」から一年。「nuko」の石川寛之が描く“ありきたりな僕ら”の“普遍的な物語”。 「天に高く地に深く」という同人ゲーのシナリオライターさんの作家デビュー作。「天に高く地に深く」は絶賛積み中なので、こちらを先に崩してみました。 これは見事な青春小説。主人公は普通の家庭に生まれて特に不自由もなく暮らしてきた高校生。そんな「僕」はふとしたきっかけでがらんどうな自分の生き方に疑問を持ち、自転車に乗って旅に出る、というお話。こういうテーマはかなり普遍的なものだし、作りも色気の欠片もなく一点集中なだけに作者の力量が問われるわけですが、主人公の「僕」の描写が実にうまかった。帯に「等身大の青春小説決定版」とある通り、「ありそう」と思わされる思考や行動が多くて凄く共感しやすかったです。偶然の出会いから物語的な展開をちょっとだけ期待して、でもそんなものは現実には起こるわけなくて自嘲する、うん分かる分かる。他にもいい描写が一杯、時折回想を交えつつ旅は進み、最後に自分なりの結論にたどり着く。華は全くなかったですがじんわりと心に残る話でした。こりゃ近いうちにゲームも崩さないと。 評価 ☆☆☆☆(8) 【今日購入したもの】 ハーフボイルド・ワンダーガール (LIFE SYSTEM) コミケで売り切れだったので通販を頼んでおいた物。上のを読んだ後にこれを読んだら、こっちは恋愛方面の青春要素の濃さにクラクラ。なかなかダメージ大きい話だったけど面白かったです。やっぱり早狩さんが書く少年少女はいいなー。 |
___8月23日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ 月の娘1 (渡辺 まさき/HJ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 いつものように校舎の屋上で昼寝を決め込んでいた一沙。その口に、ぬるりと何かが入り込んだ。「……うぅ、気持ちわるい」。気を取り直して部活に出ようとすると、一沙の頭の中に突然声が響く……。声の主は「イブキ」と名乗る得体の知れない人物。体を見つけてくれないと一沙から出られないと言われ、一沙は不承不承「イブキ」の抜け殻探しを始めるが……。 HJ文庫挑戦3冊目、富士見で「夕なぎの街」を出していた渡辺まさきがおくる現代ファンタジー。 うーん、出来は悪くないけど好きじゃない。「1」とついているだけあって、今巻は導入どまり。キャラ紹介→軽度な事件という作りはオーソドックスながら話の運び方上手かったし、現代に適当に魔法をとりいれた設定も結構面白かったです。 でも、主人公の性格がちょっと受けいれられず。2人分買ってなおかつ味見用買う人に共感できるわけないんですよ! なんだよ味見用って、どうせ後で2人で食べるのになんで味見する必要があるんだよこのブルジョワ! という半ば本気の冗談は別にしても、人の話はあまり聞かないわ、状況判断力が微妙に悪いわ、すごくむかつく点はないけれど細部が色々と引っかかって馴染めませんでした。夕なぎそんな好きだったわけでもないので次巻はスルーで。 評価 ☆☆★(5) |
___8月21日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ 魔王の憂鬱 (相川 直樹/新風舎文庫) 【amazon】 《あらすじ》 自ら封印されて勇者の出現を待つ魔王ゾルガディウス。その魔王が召喚した勇者は、おてんばな女子高生ミユキだった。女子高生、魔界、勇者、魔王…その関係は?めまぐるしく展開するストーリーと逆転の発想、思いもよらないアイテムが結びつくとき、人類の未来とすべての謎が明らかになる!第7回「新風舎文庫大賞」大賞受賞作。 今月気づかないうちに発売されていた、「新風舎文庫大賞」の大賞受賞作、へっぽこ魔王が主人公のファンタジー。新風舎は日日日作品以外知らないのですが、もう7回も賞続いてるんですね。 よくも悪くもとても新人らしいというか素人くさい話でした。とりあえず文章は×、あまりに会話の割合が多すぎてかえって読みづらくなってます。作中で風景描写批判してるあたり狙ってやってるのかもしれませんが、地の文少なすぎるのは小説という形態をとる価値が減るのでいただけない。あと、大して意味のないところでフォント拡大+太字を多用するのも鬱陶しかった、使うならもっと効果的であってほしいです。 一方物語はというと、妙にへりくだった魔王のキャラがなかなかよくて、序盤は勇者のミユキとの会話を楽しめました。でも350ページ超えという分量のせいもあって、中途半端にシリアスになった中盤ではちょっと中だるみ。エリーナがおいしいポジションにいる割に浅いんですよね(終盤は完全に空気化しちゃいますし)。このままイマイチなままで終わるのかなと思っていたら……超展開キター! いや伏線は張ってあるから、トンデモ展開というべきでしょうか。話の持っていき方が物凄く荒削りですが一応破綻はしてないし、予想できなかった方向性の話で面白かったです。あちこちご都合主義な点があってもこの適当な雰囲気なら問題ないし、そもそも展開のインパクトが強くてご都合主義気にする余裕なんてないです。 なんとなくこの一作で消えちゃいそうな気がしますが、新作が出たらまた読んでみたい、そんな作品でした。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 悩殺ジャンキー7 (福山 リョウコ/花とゆめコミックス) ようやくウミとナカが想い通じあって一安心、と思ったらまだ突っついてきますかー! 鬼だなあ作者さん……。 |
___8月20日(日) |
【今日読んだ本】 ◆ 青い花の伝説 (八原 ゆうき/HJ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 鍛冶屋を営む「風追い者」のファンとスゥの兄妹は、聖アルージュ王国に滞在中、女騎士マデラインと出会う。マデラインから伝説の槍「トキギリ」に対抗する武具の製作を頼まれるファン。武具を作らないという信条を持つファンだったが、他の鍛冶屋にはない特殊な力を持つために国同士の戦いに関わることに…。最愛の妹を護るため生きるファンの過酷な運命を描く、ハートウォームファンタジー。 HJ文庫挑戦2冊目、鍛冶屋が主人公のファンタジー。 悪くはないけど、もったいないなあこれは。第一印象としては、先月のゴールドベルク変奏曲と同様、一昔前のファンタジーといった感じ。実力はあるけど過去の出来事のせいで〜、という設定はよくありますが、かっこいい跳ねっかえりのマデラインが気に入ったし、エセリンダなどのサブキャラもいいエッセンスになっていてなかなか。戦争の戦略は若干ぬるめ、でも作品の暖かめな雰囲気と合っていて心地いいぬるさ。終結方法もひねってあって面白かったです。でも、ラスト数ページが……。綺麗なシーンに見せたかったのは凄く分かるんですが、正直「ぽかーん」、ダメダメだと思いますこれ。唐突に語られるキリウスの孤独とか、あまりにも浮いていて寒さしか感じませんでした。これがなければなあ……惜しい。 評価 ☆☆★(5) |
___8月18日(金) |
とてもいまさらですが「皆さんの本の選び方を知りたいな」に回答。「『毎月9日頃や月末から数日間ほど新刊の感想が続き、暫くすると旧作の感想を書き始める』方たちには是非、答えてもらいたいなあ。」(少なくとも昔の自分は)これにぴったり当てはまっているので。
2年くらい前は月40冊でしたが、今は月20冊ほど。 9割方ライトノベルですが、面白ければ何でも読むというスタンス。少年系、少女系、BL、なんでも読みます。 新刊のシリーズデフォ買い、新シリーズ特攻をとりあえず除くと何パターンかあって、 あと一番上の奴、最近はあちこちブログ化されていて、過去の読了本がリストになっていないことが多いのであまり使えません。読書系ブログは50音でリスト作ってくれると嬉しいんですが、あまり需要ないのかなあ。 ちなみに店頭での事前情報なしでの衝動買いはほぼ0。これだけ色々漁ったり、リンク集作ったりした影響で、9割以上は何らかの事前情報持ってしまっているので……。 特に何も。最近は古本で買うことが減ったくらい。 ネタバレを極力なくす、書く場合はできるだけ隠す。2年半もやってるのにいまだに慣れません。 大体1〜2時間。「ぼくのメジャースプーン」あたりはじっくり読んで3時間強くらいかかりました。 【今日読んだ本】 ◆ デュラララ!!×3 (成田 良悟/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「あんたは人を殺せるか? 新宿で情報屋なんかやって、何人もの人間を好きなように弄んで。折原臨也、あんたは、人を殺せるのか? 自分の手で、直接な。ナイフで死なない程度に刺して、お茶を濁し続けやがって。まあ、何を言っても……結局お前は誰か他人を使うんだろう? 笑える程に、卑怯な奴だなお前は」 東京・池袋。そこには寂しがり屋な過去が集う。現実から逃避し続けるボス、責任を感じている女子高生、友人の想いに気づけない少年、乗っ取りを図る男、未だ情報で人を操る青年、そして漆黒のバイクを駆る“首なし(デュラハン)ライダー”。成田良悟が贈る都市ファンタジー第3弾! 凄くいい引きで2巻が終わっていつ続きがでるのか気になっていた、池袋舞台の群像ファンタジー「デュラララ」第3巻。 十分に面白かったんですが、ちょっと期待しすぎていたせいで若干不完全燃焼。この3巻、9〜10をつけてしまうような作品だと予想してたんですよ。3人がバラバラになった挙句にかっこいい収束で脳汁出まくりな展開になってくれるんじゃないかと。でもよく考えれば、1巻で帝人、2巻で杏里中心だったんだから、3巻で正臣が中心なのは当然ですよね。こう正臣の物語という見方をすれば、正臣と沙樹のなかなかいい話をサブキャラたちが盛りたてまくるという形で楽しめました。ドタチンやサイモンといった今まであまり目立ってこなかったキャラたちが熱かったですね。臨也の相変わらずの歪みっぷりには少しだけ虫唾が走りましたが、今後変わっていくのかなあ。 あと、巻が進むにつれてセルティがどんどんかわいくなってきてるんですが。元々チャットの喋り方とか細かいところ色々と好きだったんですが今回急上昇、葛原怖がってる場面とかやばいまじやばい。次巻はセルティ主役なようで、さらに萌えキャラ化するのかどうか期待。 評価 ☆☆☆☆(8) |
___8月17日(木) |
昨日「しばらく積もうかな」などといっていたキラークイーン、インストールしてちょっと触ってみたら、そのまま一気にエンディングまでプレイしちゃいました。プレイ時間は7時間ほど。なるほど、これは確かに凄く面白いけどもったいないなあ。パッと見でエンターテイメント性抜群設定と主人公のキャラ造形に筆力が加われば外れのわけがなくて、適度に先が読めない展開や2つのシナリオの相違を生かしたサプライズは一級の出来。それに、このボリュームでフルボイス1500円は凄い。 でも、前述したようにもったいない点もあるんですね。一本道のシナリオは事前に情報得ていたので気になりませんでしたが、一部を除いたキャラの描写不足が本当に惜しい。男どもはまあどうでもいいとして、麗佳はきっと魅力の半分も描かれてないはず。文香さんも自分から「生きて帰ったら〜」と死亡フラグを両シナリオでたてて死んじゃうなんて救われなさすぎですし……。公式のBBSに追加シナリオ希望の声がたくさん挙がってますが、完全に同意。文香ルートは絶対あるべきですよ! あとできれば一押しキャラの渚ルートも(モード切り替え後の彼女が大好き)。 【今日購入したもの】 魔王の憂鬱 (相川 直樹/新風舎文庫) 小説Wings vol.52 (新書館) memoire-めもわぁる- (Rita) 何時の間にか新風舎から怪しげなものが出ていたのでゲット。あと、最近マイブームがきている理多のCDを購入。 |