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___9月29日(金)


【今日読んだ本】

終わる世界、終わらない夏休み 〜桜井深優の終末〜 (あきさか あさひ/ファミ通文庫)amazon

《あらすじ》
 「今は四日目、私は三冊のメモ帳と一冊のノートを持ってセントラルタワーの屋上にいます」何人もの和也、亜美と別れ四○回の終わらない「終末」を繰り返した深優。永遠に続く円環の中で、無力感と共に和也に対する恋心を抱き始めた彼女だが、母親の言葉に、四一周目のループで出会った和也、亜美と共に、もう一度希望を取り戻すべく奔走する。世界を救えば消滅する「永遠の夏休み」の中、三人の想いは叶えられるのか!? 渾身の上下巻連続刊行、感動の終幕!


 2ヶ月連続刊行、滅びを迎えそうな世界が舞台のループ小説の下巻。
 ……('A`)
 冒頭、タイトル通りに深優視点ではじまってくれて期待通り。女の子視点主体のループ物ってなかなかお目にかかれませんからね(自分が知らないだけかもしれないけど)。しかもいきなり40回ループという始まり方もいいし恋愛要素も入っていて、こりゃ良作の予感と小躍りしましたよ。恋心の描写が説明的な気もしましたが、小躍りの前ではそんなことも些細に感じられたんです。
 でも途中から何故か和也視点に('A`) タイトルふざけるな('A`) 物語もなんだかスケール小さめの予定調和な方向に落ち着きそうな感じで進んで、しょうがないのかなと思いつつもテンションダウン。
 そして、ちょっとそれは青臭すぎるだろーという終わり方をしたと思ったら、さらにテンションダウンさせるパンチが飛んできましたよ。ちょっとネタバレ伏せ。いや、星野さんの扱い方ひどすぎるでしょうこれ……。本編の出番やたら少ないのに、そんな使い古された正体明かされても正直困ります。伏せ終わり。最後の数ページはいい余韻残してるんですが、そこまでがなあ。序盤で期待しただけに無念。


評価 ☆☆★(5)



七姫物語 第四章 夏草話 (高野 和/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 七人の宮姫が立つ世界、東和の地。対立していた三宮常磐姫と会談し、その和解を人々に示した空澄姫。空姫とも呼ばれる彼女は、市井の少女カラスミとして、ツヅミの街に立っていた。そこはかつて、琥珀色の姫を掲げていた水の都。人々を見上げ、出会い、すれ違い、そして再会し、少女は歩き続ける。そしてやがて、探していた光景を見つけ出す……。少女カラスミが見つめる世界。心に触れる新感覚ストーリー第4弾、七姫物語第四章「夏草話」開幕。


 1年4ヶ月ぶりに発売された、戦乱の世のまったり小説「七姫物語」第4巻。
 こちらは上の小説とは逆に、序盤がやたらしんどかったですね。読み始めた時の体調が悪かったのもあるのかもしれませんが、こんな気分が乗らない小説だったっけ、1年4ヶ月もたってるしこちらの感じ方が変わったのかな、とか思いながら読んでました。
 大いなる勘違いでした。中盤からは過去のイメージ通り、なんだカラカラ視点がなかっただけじゃないですか。相変わらずののんびりとした雰囲気に安心しつつ、今後各国の争いが激化した時に大丈夫なのかなと不安に思ったりも。まあ少なくとも今巻に関しては、合間合間に他の色々な人の動きを挟む手法で、戦争後の各勢力の動きを雰囲気壊さずに描いていて面白かったです。
 あとはちゃんと続きがコンスタントに出てくれれば……。そういや続きが出ないといえばウィザ
 >◇ウィザーズ・ブレインVI 再会の天地<上> 著/三枝零一 絵/純 珪一
タイムリーにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!! 年間ベストを覆しそうなのはこれだけ、ワクワクテカテカ。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 太陽の下でまってる3 (岡野 史佳/花とゆめコミックス)
 太陽の下でまってる4 (岡野 史佳/花とゆめコミックス)
 フルーツ果汁100%1 (岡野 史佳/花とゆめコミックス)
 手のひらに星1 (岡野 史佳/花とゆめコミックス)
 君の海へ行こう (岡野 史佳/花とゆめコミックス)
 ハッピー・トーク1 (岡野 史佳/花とゆめコミックス)
 FLESH & BLOOD4 (松岡 なつき/キャラ文庫)
 FLESH & BLOOD5 (松岡 なつき/キャラ文庫)
 カーリー 〜二十一発の祝砲とプリンセスの休日〜 (高殿 円/ファミ通文庫)
 学校の階段3 (櫂末 高彰/ファミ通文庫)
 終わる世界、終わらない夏休み 〜桜井深優の終末〜 (あきさか あさひ/ファミ通文庫)
 7SEED9 (田村 由美/フラワーコミックス)

 積んでた「太陽の下でまってる」の1〜2巻を読む→先が気になったので3〜4巻を買ってくる→よかったので他作品も買う コンボ発動。里紗も好きだけど、それよりもそよぎさんが素敵でした。あとは新刊と、いつか読むためのFLESH & BLOODを購入。



___9月27日(水)

 過去ログにちょっとミスがあったので修正しました。tableタグ一行コピペ忘れとかださすぎ。ツッコミありがとうございます。


【今日読んだ本】

<骨牌使い>の鏡 I〜III (五代 ゆう/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 腕の良い占い師だった母を亡くしたアトリは、娼館<斥候館>の女主人の寵愛をうける占い師。今日も館の花の祭りに招かれていた。館では年下の親友モーウェンナから頼まれていた骨碑占いをするが、その最中に因縁を付けられたアトリは、その場にいたひとりの青年・ロナーを占う羽目になる。そこでアトリに選ばれた札は不吉なものだった…。 祭りの帰り、何者かに連れ去られそうになったアトリは、母から受け継いだ大切な<骨碑>が、音もなく光の粒となって消えゆくのを目にする。その直後、異形のものに襲われる―。少女アトリの成長、冒険、恋を描いた日本ハイ・ファンタジーの金字塔が全三巻で登場!


 五代さんの文庫落ちハイファンタジー、ようやく3冊出揃ったので一気に読みました。
 ハードカバーで昨年の始めに1回読んでいるので、初読時の感想はこちらを見てもらうとして、再読でも文句なしに面白かったですね。というか鳥頭のせいでかなりの部分を忘れていたので、実質初読のようなものでした。なにせユーヴァイルの裏切りに思いっきり驚かされましたからね! ……忘れすぎ。モーウェンナのあれとかは「あーあったあった」って感じでしたが。
 というわけで今回抱いた感想も大体初読時と同じ。1巻を中心にハイファンタジーっぽい描写で一部馴染めないところがあって、でも世界観は好きだし、ぐんぐん成長していって恋もする主人公はとてもいいものです。1巻はダーマットの過剰な悪人ぶりやアトリの思慮たりない行動とかも気になって評価低めなんですが、それが2、3巻の盛り上がりに繋がってるんですよね。2巻後半からはハイファンタジー苦手な人にもお勧め。
 しかしイラストは3ヶ月間隔での刊行ならもう少しなんとかならなかったんですかね。モノクロ絵は雰囲気出しとしても雑に見えるんですが……。ハードカバー落ちなんだから、イラストを溜めて用意すれば3ヶ月連続刊行も可能だったろうに、うーん。
 以下どうでもいいこと。
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 こっぱい!こっぱい!
 ⊂彡

のAAが頭に思い浮かんで以来、違うと分かっていてもつい「こっぱいつかい」と読んでしまいます。AA恐るべし。


評価 ☆☆☆☆★(9)



___9月25日(月)


【今日読んだ本】

暗闇にヤギを探して (穂史賀 雅也/MF文庫J)amazon

《あらすじ》
 真面目なのにぼーっとしてるように見られてしまう草加合人は高校1年生。合人の周りは、常に着ぐるみ姿の幼馴染みやカエルグッズマニアの姉など、どこかずれた人間ばかり。ある日の授業中、合人は机の中にしまいっぱなしだったノートの間から1枚の便箋を見つける。「ごめんなさい、おいしかったです」……? いったいどういう意味なんだろう? この手紙をきっかけに、流されやすい性格だった合人君の“ひと夏の不思議な体験”が始まるのだった!第2回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>受賞作、晴れやか&のどかに登場!


 今月のMFの新人さんの作品、着ぐるみ幼なじみとヤギのお話。
 いい点もあったんだけれど、それ以上に気にいらない要素が強くて微妙でした。机の中のノートが食べられていた、という冒頭のアイデアが面白くて、その後に続く犯人探しやキャラ紹介がその勢いで楽しめたし、ツンで変てこな着ぐるみ幼なじみも肯定派。途中までは良作かと思って読んでいたんです。
 が、130ページの「いや、そのりくつはおかしい(AA略)」と思わずツッコミいれたくなった後あたりからがいただけない。なんだか、内容が非常に薄く思えたんですよね。自分の認識だと3章終わるところまでが「起」だったので、4章〜5章の流れが「あれれ、中盤これだけでもう進んじゃうのか」と感じられて、その後ろくに感情移入できず。伯父さん出てくる場面とか正直どうでもよかったです。
 さらに、幼なじみのひどい扱い、これが大問題。気持ちを吐露した後にちゃんとしたリアクションを返さない主人公は大嫌いです。237ページの態度は鈍感云々以前、自分には許せません。終わり方が唐突だったので続編出るのかもしれませんが、この主人公で三角関係は読む気起こらないです……。


評価 ☆☆(4)



___9月22日(金)


【今日読んだ本】

ヤクザガール・ミサイルハート (元長 柾木/竹書房ゼータ文庫)amazon

《あらすじ》
 “彼岸”の超技術によって、混沌をきわめた世界。人外の化物と改造人間が群がるもう一つの「広島市」で、少年アドルファスはひとりの少女と出会う。榊塚アカリと名乗るその少女は、組織の『鉄砲玉』として戦い死ぬことに何の疑問も持たない、完全無欠のヤクザガールだった! 修羅のように強く、霞のように危ういアカリ惹きつけられたアドルファスは彼女を組織から抜けさせようと試みるが、「広島」の覇権を賭けて勃発したヤクザの戦争に巻きこまれてしまい!?  きらめく白刃、飛び散る血潮! 息をもつかせぬ異能力者同士の壮絶バトル! 鬼才・元長柾木が緒方剛志の美麗イラストと共にはなつ、戦闘美少女アドヴェンチャー!


 エロゲシナリオライター・作詞家の元長柾木の小説2作目は、タイトル通りのヤクザガールの物語。
 うーん、すごく複雑な心境。まず、この作品を一言で表すと男の子が惚れた女の子(鉄砲玉として育てられた)とドンパチする話で、ドンパチってことはアクション過多なわけです。このアクション、心理描写もドライで多くないので、アクション好きじゃない自分には読むのがきつくて所々読み飛ばしたくらい。それでも、あかりの孵化してない心をじわじわと暖めていく過程や、既出な事柄以外にも裏に色々張り巡らされてそうな設定などは面白くて、全体としては楽しめました。アクション好きな人にとってはきっと良作のはず。
 でも、「Sense Off」にはまり「未スを」も肯定派のよくいる(?)元長信者の1人としては、この作品じゃ満足できませんでした。そりゃあれから5年もたってるから作風変わるのも当然なんだろうけど、ロマンスが読みたいんです、21世紀の圧倒的な楽園が見たいんです。中谷さんや1989年や素因数分解といったあたりに、旧作品の名残を見出せるだけに余計もどかしい。来年はゲーム出すみたいなので、そちらに期待しよう……。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 暗闇にヤギを探して (穂史賀 雅也/MF文庫J)
 学園アリス11 (樋口 橘/花とゆめコミックス)

 アリス、新登場の馬鹿どもが面白すぎ。にん人も実にアホでいいなあ。
 あとはMFの新人さん購入。スーパーダッシュは評判がいい作品にもあまりいい思い出がない(司書とか)のでひとまず様子見。大賞はばりばりアクションぽかったし……。



___9月21日(木)


【今日読んだ本】

死神とチョコレート・パフェ (花凰 神也/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 「天倉さんには死んでもらいますよ?」「何ぃ―っ!? お前が俺を手当したんじゃないか!」お金がからむと少々うるさい高校生・天倉神名は、空から落ちてきた何かに激突され死にかける。彼は偶然現れたナギと名乗る美少女に命を救われた。ところがその後、ナギは自分が死神で、神名がそこで『死ぬはず』だったと言いだす! ナギは一週間以内に神名を正常な輪廻に戻す=殺さないと、上司の手でチョコレート・パフェに変えられてしまうのだ……。チョコ・パフェになりたくないナギと、絶対死にたくない神名。この理不尽な魂争奪戦は、いったいどうなるの!? 第18回富士見ファンタジア長編小説大賞の準入選作。期待の新鋭が描く、コミカル・スイーツ・ファンタジー登場。


 今月の富士見の新人さんの準入選受賞作、空から死神の女の子が降ってくるところからはじまる現代ファンタジー。
 これは一点特化のわかりやすい作品ですね。出会い→転校してきてドタバタという流れはいかにもステロタイプだし、後半シリアスになってからの筋書きが、ネタが読める上に一部キャラの意味不明な頭の固さのせいで言い争いが単調になったりもしていて正直いまいちでした。ではこの作品の魅力はというと、主人公とヒロインのキャラクター。守銭奴の神名とチョコ・パフェ大好きで妙に律儀なナギ、ボケタイプの2人によるずれた駆け合いと、卵型物体から生えたスプーンとフォークでゴキブリ型の敵と戦っちゃうようなシュールさがなかなか面白かったです。ただ、この一作でお腹一杯になったし成長が楽しめそうなキャラクターじゃないので、続編は見送りで。なんかこの台詞、現代コメディタイプの新人さんの時によく言ってるなあ……。


評価 ☆☆☆(6)



___9月19日(火)


【今日読んだ本】

輝石の花 (河屋 一/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 “輝石使い”を目指す少女ベルネージュ。田舎の村に暮らす彼女は、幼馴染みの少年カッサや村の人たちと穏やかな日々を過ごしていた。だがその平和な村を“黙”が突如襲う。“黙”――それはあらゆる“命のリズム”を奪う存在。そしてこの襲撃により、村は滅亡した……。さらに半年後、孤児院に身を寄せていたベルネージュとカッサを更なる不幸が襲う。カッサの身体に“黙化”の兆候が現れたのだ。このままではカッサは“黙”になってしまう……。「二人なら大丈夫。大丈夫だよ…」ありとあらゆる病を治すという雪月花の伝説にすべてを託し、二人は旅に出る。最後の絆を失わないために――。読む者の心に切なくさわやかな風をおこす、感動の長編ファンタジー。


 今月の富士見の新人さんの努力賞受賞作は“黙”という人を襲う存在がいる世界が舞台、初々しいカップル未満の少年少女が主人公のファンタジー。
 騙された! あらすじ見て「女の子主人公ファンタジーきたああああああああ!」と思って楽しみにしていたのに、蓋開けたら主人公はどっちかっていうと男の子ですよ。これが今流行り(?)のあらすじ詐欺って奴ですか。あっさり引っかかった自分は猛省するべし。
 まあ男の子視点が多いといっても、お互いのことを一番大切に思っていて、男の子に降りかかった不幸を取り除こうと頑張るカップルというのはかなり好みの部類に入るわけで、水準並には楽しめたものの……、うーん何かが物足りない。物語の構成はしっかりしているし、冒頭の平和なシーンや終章の最後の数ページなど気に入った個所はいくつかあるんですが、なんというか深みが足りない気がしました。リアーレリ&クレオンにはもうちょっとエピソードか何かが欲しかったし、雪月花は伏線不足だし、そのせいか物語が真っ直ぐすぎるのが淡白に思えてしまって。設定や主題がそんな珍しいものではないので、もうワンパンチ欲しかったですね。
 でも全編ベルネージュが主人公なら全部許して良作認定したかも(台無し)。多分続かないと思うので、次回作はもうちょっと変わった話を読んでみたいです。


評価 ☆☆☆(6)



___9月18日(月)

 とてもいまさらですが『このライトノベルがすごい!』のアンケートがはじまってますね。推したい作品あるので回答する予定ですが、このアンケート、「奥付に記された発行日が2005年10月1日〜2006年9月30日のライトノベル作品」が対象となってますが、実際のところは公式発売日準拠なので注意です。つまり、ファミ通文庫の2005年9月の新刊は奥付が2005年10月でも対象外です(わざわざ問い合わせた)。これでトパァズを推せなくなったのが残念、もし推してもどうせ圏外でしょうが……。


【今日読んだ本】

クジラのソラ01 (瀬尾 つかさ/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 10年前。地球は異星人の圧倒的艦隊の前に全面降伏した。彼らが人類に課したのはたったひとつのシステム。“ゲーム”。各国政府の後押しをうけ、人々は“ゲーム”に熱狂した――。“ゲーム”のWG優勝者であり、宇宙へ旅立った兄の後を追う少女・桟敷原雫。しかし、チームメイトと仲間割れし参加資格を失ってしまった雫は、伝説のメカニックと言われる聖一を自分のチーム“ジュライ”に引き入れようと奮闘する。「仲間になってもいい。ただし、彼女に勝ったらな」。聖一が出した条件。それは、従妹の冬湖に“ゲーム”で勝つこと。雫は勇んで“ゲーム”に臨むが!?「リリック――くじらたちの歌を聞くの」宙にくじらの旋律が響く時、“ゲーム”は真実の姿を雫の前に現す――。スペース・ファンタジー開幕。


 「琥珀の心臓」でデビューした瀬尾つかささんの待望の新作は、国家公認の架空宇宙戦争ゲームに参加する少年少女たちの青春SF。いつもより多少ネタバレ気味の感想なので注意。
 デビュー作はフロックじゃなかった、そう断言できるくらい面白かったです。架空の戦争に不思議な存在を付け加えた作りは琥珀の心臓と似た感じ(まさか琥珀とリンクすることは……さすがにないか)、でも主人公の雫は「琥珀」の遙よりも大分弱い子で(遙が強すぎるんですが)、プライドが高くて癇癪持ちで幾度も折れかかり、それでも前に進む彼女は無茶苦茶かっこいい。もう1人の主人公といってもいい聖一もメカニックという立場ゆえの苦悩と戦っていてやっぱりかっこいい。。智香も単純馬鹿キャラとしては最大限に素敵な女の子として描かれているし、冬湖は他3人にはちょっと見劣りするけれどただの戦う病弱少女ではなく、そんな女の子と男の子たちがチームとなって戦っていくんだから面白くないわけがないんです。
 もちろんゲーム部分もよくできていて、自分のようなハードSF嫌いには、描写過多でなく会話多めで要所を派手に描いてある戦闘シーンがちょうどいい按配でした。脇役を簡単に切り捨てない点もよかったし、物語の先も気になって続きが本当に待ち遠しいです。
 これでもかと全肯定してますが、正直なところ信者化しているので多少割り引いて読んでください。みりおんぐらむでは瀬尾つかさと佐々原史緒と将軍様を応援しています。


評価 ☆☆☆☆★(9)


【今日購入したもの】
 BLACK BLOOD BROTHERS 6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 九牙集結― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)
 <骨牌使い>の鏡 III (五代 ゆう/富士見ファンタジア文庫)
 クジラのソラ01 (瀬尾 つかさ/富士見ファンタジア文庫)
 輝石の花 (河屋 一/富士見ファンタジア文庫)
 死神とチョコレート・パフェ (花凰 神也/富士見ファンタジア文庫)
 ヤクザガール・ミサイルハート (元長 柾木/竹書房ゼータ文庫)
 七姫物語 第四章 夏草話 (高野 和/電撃文庫)

 色々新刊と買い損ねていた七姫ゲット。富士見新人は大賞以外買い、大賞は和風+アクション+男主人公で好みじゃないので回避しました。



___9月17日(日)

 白翁さんが書系サイトブックマークを作っているようです、これは便利ですね。ってあれうちは書評系サイトだったのかー、☆評価してる時点で分類はそっちになっちゃいますかうーん。そしてこのブックマークを見て、ラノパリンク集の更新をサボっていたことに気づく。最近は新刊の著者&イラストレーターにはトンボさんがリンク張ってるし、もうそろそろ停止するかなあ。

 あと、色々巡回してたら富士見の新刊がもう出てることに気づいて愕然、クジラのソラとその他もろもろ買ってこなくちゃーーーーーー。


【今日読んだ本】

FLESH & BLOOD3 (松岡 なつき/キャラ文庫)amazon

《あらすじ》
 カナリア諸島を航海中、敵国スペインの商船を捕獲!! 掠奪成功に沸く、イングランド海賊の船長ジェフリー率いる一行。けれど海斗は、捕虜の敵船長と話すうち、重大な史実の食い違いに気づく。もしやこの世界は、自分が習った歴史と微妙に違ってる!? 予言が外れる可能性がある!? ジェフリーの期待と信頼を裏切ったら、見捨てられてしまうかも――。海斗は密かに不安に怯え……。


 少しでも感想寄りのサイトにしよう→感想っぽくなりやすいものを読もう→BLだ! というよく分からない理論で今日はBLの日。まずは現代から中世にタイムスリップした少年が主人公の海賊小説「FLESH & BLOOD」の3冊目。
 ここまで3冊、読み終わった直後の感想が「続きを読みたい!」なあたり、実に続き物としてうまくできている話だなあ。「史実とのズレ」はタイムスリップものとしては普通ながら、前巻で完全に一員として認められた海斗が怯える姿など共感できて面白かったし、この先どんどんずれて海斗がやばくなるのか、先が気になってしょうがないです。きっとドレイクは命落とすことになるんだろうなあ、死亡フラグがたっちゃったし。海斗がどんどんジェフリーを信頼していく様や、ナイジェルが海斗に堕ちていく姿など、ほんのりBLな部分も楽しめました。これが楽しめちゃうのはだんだんBLに染まっていってる気がしてちょっと嫌なんですが、楽しいだからしょうがない。また続き買わなきゃ。


評価 ☆☆☆★(7)



富士見二丁目交響楽団シリーズ マンハッタン・ソナタ (秋月 こお/角川ルビー文庫)amazon

《あらすじ》
 圭との仲が学校にばれて、ホモのレッテルを貼られた悠季。おかげで音楽教師の職をクビになってしまったけど、圭を真剣に愛しているから後悔はしない。そんなある日、圭の部屋に謎のマッチョ男・生島が居候を始めた。なぜかその上、突然そいつが悠季に迫って来るではないか。一体、この男は圭の何なんだ。番外編を含む、圭&悠季の激しく純な恋物語3編。オーケストラが舞台の大人気シリーズ、第3弾。


 続いてBL2冊目は、市民オーケストラのコンマスの青年が主人公の「富士見二丁目交響楽団シリーズ」第3巻。
 あーこっちも面白いなあ。2巻で桐ノ院の激しい攻勢についに陥落した悠季ですが、この話の舞台は現代社会、はいそーですかとうまくいくわけもなく、あっさりと生徒ばれ→学校ばれコンボ。その後に描かれるのは現実の厳しさと優しさ、厳しさの描写は容赦なくてこういう差別の話が苦手な自分は思わず読み飛ばしそうになるほど。そして優しさ、きっと本当の現実はこんな優しさすらも見せてくれないんでしょうけれど、後半の悠季に対する生徒たちの行動はそういうのを忘れさせるほど胸を暖かくさせてくれました。そんな「赤い靴ワルツ」は文句なしにいい話。一方、「マンハッタン・ソナタ」の方は桐ノ院を疑う悠季の心情がよく理解できませんでした。少女漫画等でもささいな行動で相手を疑ってしまう主人公はよくいるけど、桐ノ院は120%悠季にぞっこん(死語)なのになあ。うーん、分からん。番外の「百十二分の十一」は桐ノ院を第三者から見た話、本編で見れなかった姿が見れて楽しいんですが、次巻の大ネタバレが入っちゃってるのがとてもアレ。編集さんもうちょっと考えようよ……。
 ちなみにこのシリーズは「FLESH & BLOOD」とは違って濡れ場がたくさん出てきますが、自分はその辺は適当に読み飛ばしてます。男×男エロを真っ向から読むにはまだまだレベルがたりません、いや上がらなくていいですが。


評価 ☆☆☆★(7)



富士見二丁目交響楽団シリーズ リサイタル狂騒曲 (秋月 こお/角川ルビー文庫)amazon

《あらすじ》
 近々2年ぶりに開かれる、富士見二丁目交響楽団の演奏会。当日、コンサートマスターの悠季にはソリストとしての大役も待っている。だがそんな中、指揮者の圭との間に亀裂が走ってしまった。2人の恋愛関係を、圭は親友の生島になぜか隠そうとするのだ。「僕は圭にふさわしくない…」哀しみに満ちた悠季の心は、圭の指揮をもはや拒絶してしまうのだった…。演奏会と2人の恋の行く末は。大人気シリーズ〈第一部〉、番外編を加えていよいよ完結。


 さらにBL3冊目、続きが気になったので「富士見二丁目交響楽団シリーズ」第4巻、富士見での2人のファーストオケ完結編。
 今までこのシリーズは悠季と桐ノ院の2人の話で富士見はあくまでその舞台という認識で読んでいたんですが、実はこの2人を中心とした富士見二丁目交響楽団のお話だったんですね。この巻に団員視点からの番外編が2つも入っていてようやく分かりました。メインの「リサイタル狂騒曲」はやっぱり悠季の心情はよー分からないんですが、悠季に感情をぶつけられた後の桐ノ院の再告白シーンは悠季関係なしによかったし、オケの成功は素直によかったなーと思えました。関係に感づいてる人が何人かいても悠季を信頼する富士見のあったかい雰囲気が好きだなあ。番外編の2編では五十嵐くんの方での桐ノ院の嫉妬する姿が印象に残りました。我に返った後に恥ずかしがる様は色々と卑怯。
 まだ積み何冊かあるので、いくらか間は開くかもしれませんがまたそのうち読みます。長期シリーズがいつまで劣化しないかが楽しみ。
 

評価 ☆☆☆(6)



___9月16日(土)

 そろそろ新刊が出るようなので久々に「琥珀の心臓」を再読。やっぱり名作、初読時よりも面白かったかも。遙も敦也も優子も愛しすぎるよー。そろそろ今年のファンタジアの新人さんが出てきますが、このくらいの作品があればいいなあ。


【今日読んだ本】

ジャストボイルド・オ’クロック (うえお 久光/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 いつかの未来。人類が脳に「珪素脳」を持ち、「家電」と共生している世界。過去の事件のせいで「裏切り者(ベトライアー)」と呼ばれる探偵ジュードと相棒家電の黒猫アル。お金はないけれど、今日もそれなりに、なんとかやっている彼らは、とある理由から、人探しの依頼を受けることに。探す相手は世界的に有名なウィルスデザイナーのゴービー博士。しかし、博士はすでに数年前に死んでいるはずで……。ハードボイルドではなく、“ジャストボイルド”な二人の活躍を描く、不思議な未来のSF探偵アクション。「悪魔のミカタ」「シフト」のうえお久光が満を持して贈る最新作、華麗に登場!


 「悪魔のミカタ」のうえおさんの久々の文庫本は、家電と人間がペアになって暮らす世界が舞台のハードボイルドアクション。
 うわーなんだこの熱さは。読みはじめてしばらくは世界観や状況がやたら分かりにくい文章に「ヒーロー馬鹿じゃないの」と言いたくなるようなバレバレな同士討ち設定に「うえおさんはどうしちゃったんだろう」と思ったものの、慣れてきた&文章がこなれてきた中盤からは事件の真相が見えてきて面白くなり、後半の心のぶつけあいやタイトルを絡めた展開に燃え燃え。主人公のジュードの優しさとかっこよさの同居が少年漫画の中の漢を体現していてよかったです。ラブ分は少なかったですが、こういう作品ならむしろラブがない方がいいですね。うえおさんの実力を再確認したことだし、次こそは悪魔のミ


評価 ☆☆☆☆(8)


【今日購入したもの】
 風の影(上) (カルロス・ルイス・サフォン/集英社文庫)
 天涯の砦 (小川 一水/ハヤカワSFシリーズJコレクション)
 一人の王にさしあげる玩具 (吟 鳥子/ウィングスコミックス)

 一つのブログで絶賛されていたので、買ってみました(パクリ)。文庫にしろ漫画にしろ、ウィングスのファンタジーは好みの雰囲気なものが多くて嬉しいなあ。「修道士イーディルカンと二人の傭兵」のラブっぷりに満足。見分けはつきませんでしたが!