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___9月14日(木)



【今日読んだ本】

火車 (宮部 みゆき/新潮文庫)amazon

《あらすじ》
 休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。


 「厚くて普段は崩しにくく、それでいて中だるみしなさそうなもの」として旅行先のお供に抜擢した、宮部みゆきの傑作と名高い小説。これがはじめての宮部作品でした。
 旅行先のお供としてはちょっと失敗でした。「中だるみしない」という選定条件はちゃんと満たしてたんですが、先が気になって読むのを切り上げるタイミングが掴めない上に文章読みやすくてページが進む進む。結局初日の機内で読み終わってしまいました。1冊で数日持たそうというのは無謀でしたけれど、ここまで持たないのは想定外でしたね……。
 まあそれくらい面白かったんです。あちこちでたくさんの人にあって彰子の人物像を掴んでいく工程だけでもかなり読み応えがあったし、クレジットカードの恐ろしさの描写が本格的なもので、一昔前には現実にこういう事例が結構あったんだろうと思うとなかなか怖かったです。amazon以外でカード使わない自分にはあまり縁がないんですが(落としそうだから外には持ち歩かない)、それでもちょっと考えさせられましたね。ただ、結末はちょっと物足りなかったかなあ。そこで終わるのが構成としては美しいし、続いたらきっと蛇足なんだろうけれど、読了時に満足感が得られなかったのが残念でした。


評価 ☆☆☆☆(8)



___9月13日(水)

 帰還ー、警察にしょっぴかれそうになるハプニングにあったりしつつも無事戻ってこれました。1週間もネットに繋いでいないと大分取り残された気分、B's-LOG文庫って何者ですかそれは? 旅行中は全然本読めなかったので、感想は明日から。


【今日購入したもの】
 ジャストボイルド・オ’クロック (うえお 久光/電撃文庫)
 トキオカシ (萩原 麻里/富士見ミステリー文庫)
 モンスターズ・イン・パラダイス1 (縞田 理理/ウィングス文庫)
 恐るべき子供たち イシャーウッドの幽霊と呪いの館 (橘香 いくの/コバルト文庫)
 ハチミツとクローバー10 (羽海野 チカ/クイーンズコミックス)



___9月6日(水)

 明日から旅行にいってくるので、火曜あたりまで更新止まります。


【今日読んだ本】

薔薇のマリア 5.SEASIDE BLOODEDGE (十文字 青/角川スニーカー文庫)amazon

《あらすじ》
 一通の手紙が届いた。差出人はジョーカーというトマトクンの旧友。莫大な資産を配分するから会いに来いという何やらあやしげな内容だったが、トマトクンの一声で、ZOOはジョーカーの住む、まだ見ぬ海の街に旅立つことに。しかしマリアたちは、そのとき旅路の先で起きている危機をまだ知るよしもなかった。旅先に集結する新たなZOO、妖しい教団、マフィア、そして“罪そのもの”!? ――ついに舞台はエルデンの外へ。新章早くも最高潮。


 「つぼみのコロナ」より前に発売されていたものの購入するのをしばらく忘れていた、薔薇のマリア本編第5巻。
 あれ、これ薔薇マリじゃなくね? マリアたちの出番が冒頭+αで、残りはほとんど新キャラたちの話というのは構成としてずるいというかなんというか、少なくとも「新章最高潮」というあらすじの謳い文句はどう考えても嘘つきだと思います。
 でもこれで面白いから始末が悪い。アジアンが全く出ていなくてアジアンを想うマリアしか萌えどころがないのに、今までの薔薇マリの中でトップクラスの面白さでしたよ。やたら視点がいれかわってましたが(合計10視点以上は余裕であった)さほど混乱はしなかったし、寄せ集めで作られて各人が複雑な思いをかかえている家族の暖かさがなかなかにいいもの。必死になるルカの姿をはじめ、家族全員のことが気に入りました。そして、後半のマフィアVS騎士の戦いがとても熱い。マフィアでファミリーで復讐で変人三兄弟で土壇場で豹変で、こんだけ要素を詰めこんで十文字さんが料理すれば熱くなるに決まってるんです、卑怯だ。終わり方は中盤では予想がついてたけどそれでもきつい、エピローグのマリアたちの違いがなんともいえないなあ……。この巻がどう本編に活かされるのか、次巻が楽しみです。


評価 ☆☆☆☆(8)



___9月5日(火)


【今日読んだ本】

ある日、爆弾がおちてきて (古橋 秀之/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 「人間じゃなくて“爆弾”?」「はい、そうです。最新型ですよ~」。ある日、空から落ちてきた50ギガトンの“爆弾”は、なぜかむかし好きだった女の子に似ていて、しかも胸にはタイマーがコチコチと音を立てていて―「都心に投下された新型爆弾とのデート」を描く表題作をはじめ、「くしゃみをするたびに記憶が退行する奇病」「毎夜たずねてくる死んだガールフレンド」「図書館に住む小さな神様」「肉体のないクラスメイト」などなど、奇才・古橋秀之が贈る、温かくておかしくてちょっとフシギな七つのボーイ・ミーツ・ガール。『電撃hp』に好評掲載された短編に、書き下ろしを加えて文庫化。


 いわずとしれた昨年下半期のライトノベル板大賞受賞作、「ブラックロッド」「サムライレンズマン」などを出している古橋秀之がおくる「時間」がテーマのボーイミーツガール短編集。
 なるほど、これは大賞とるだけあって無茶苦茶上手い。7つの短編それぞれで異なる「時間」の使い方をしているんですが、そのほとんどが他ではあまり見ないタイプの料理の仕方をしていて、短編としての構成も見事で面白かったです。7つのうち好きなのは「三時間目のまどか」「むかし、爆弾が落ちてきて」あたり。一方で「恋する死者の夜」は上手いけど気に入らなかったですね。女の子視点が全くないのが個人的嗜好と少々外れているので評価はこんなものですが、万人にお勧めできる良作だと思います。


評価 ☆☆☆★(7)



___9月4日(月)


【今日読んだ本】

イチゴ色禁区1 夏の鳥居のむこうがわ (神崎 リン/角川スニーカー文庫)amazon

《あらすじ》
 「正樹いくよっ!」 亜美、女の子がイクというのはどうかと思う―とか考えながら向かっているのは派遣先の神社。そう俺たちは神社仏閣を管理する“玉城一族”の血をひく由緒正しき神子なのだ。毎年お盆のこの時期、退魔仕事を果たすはずが、鳥居の先で待ち受けていたのは迷子の幼い女神!? しかも記憶喪失!? この夏からはじまる亜美(スネデレ)と正樹(妄想系)の甘くてクールなイチゴミルクデスティニー!


 今月のスニーカーの新人さん、退魔っぽい設定の皮をかぶった11歳ツンデレロリ少女小説。
 や、記憶喪失の神様がやってきてはじまるストーリーは導入としては悪くないし、「さよならトロイメライ」を思い起こさせる主人公の1人ボケな地の文も結構面白かったんですが、この小説のメインは(多分)ヒロインの11歳ツンデレロリ少女の亜美。普段はボケ主人公に厳しくあたる従兄弟、でもその心の内は他の女が寄れば嫉妬し、義兄妹ものの本を買いあさっちゃうデレデレ少女。この子を受けつけるかどうかでこの小説の評価が決まると思います。自分は是、ちょっと狙いすぎでもかわいいものはかわいいのでOKです。
 タイトルが意味不明だったり、こまが許婚の割に空気すぎたりと不可解な点もありましたが、11歳とくっつくのか気になるので2巻も買います。 


評価 ☆☆☆(6)



___9月3日(日)


【今日読んだ本】

NO CALL NO LIFE (壁井 ユカコ/メディアワークス)amazon

《あらすじ》
 携帯電話に残された、見知らぬ男の子からの留守メッセージ。奇妙な間違い電話に引き寄せられて、東京湾に臨む埠頭で出会った有海と春川。17歳と19歳、オトナとコドモのあいだで押し潰されて行き場を失った2人。それはあまりにも刹那的で欠陥だらけのつたない恋──。怖いものなんてなかった。無敵になった気分だった。明日地球に隕石が衝突して世界中の人類が滅んで2人きりになったって、困ることは何もないような気がした。


  _| ̄|○

 先月ハードカバーで出た「キーリ」の壁井さんの新刊、キーリとは舞台が違ってすごく今風なラブストーリー。退廃的なキャラクターと薄氷を渡るような危うい恋路は、共感できるようなできないような何ともいえない感じでしたが、それでも楽しんで読んでたのは事実。でも、この終わり方はきつい……。キーリはまだアリだったけど、これはダメ。ラスト数ページの締め方が後ろ向きな気がして受け付けなかったです。11月の新刊に期待。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 イチゴ色禁区1 夏の鳥居のむこうがわ (神崎 リン/角川スニーカー文庫)



___9月1日(金)

 8月のまとめ。

 読了――20冊
 購入――15冊

購入すくなっ!


【今日読んだ本】

BLOOD+ ロシアン・ローズ II (漲月 かりの/角川ビーンズ文庫)amazon

《あらすじ》
 翼手探索のための活動を続ける少女・小夜と、彼女の忠実な従者・ハジ。その前に現れる”灰色の枢機卿”グレゴリーと、謎めいた皇女アナスタシアの正体とは――!? 大人気アニメBLOOD+のアナザーストーリー!


 今月のビーンズ文庫の新刊、ロシア革命の時代を舞台としたBLOOD+ノベライズの後編。
 ラブがたりない。いや、1巻ではどちらかというと邪魔に思えていた「赤い盾」のメンバーたちが今巻では活躍したし、噂のDIVAさんもようやくお見えなすって、話は1巻よりも明らかに面白くなってるんですよ。でも、1巻の感想で「ラブさえあれば他は何もいらない」と書いたように小夜×ハジ全開を期待していたわけで、そういう意味では物足りない。負い目あるからって遠慮しすぎなんですよ小夜は。74ページあたりの描写はおいしいけど、これだけじゃ足りないんですよ。
 と思って読んでいたら、最後にガツンときました。なんだか小夜の気持ちが過程を省いてステップアップしすぎなのが腑に落ちないんですが、イラスト+ハジの台詞で充分に満足できる範疇。ハジは最高の従者です。少しだけ本編に興味わいたけど、本編じゃラブは大したことないんだろうなあ……。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 NO CALL NO LIFE (壁井 ユカコ/メディアワークス)