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___10月16日(月)


【今日読んだ本】

金の王子と金の姫 〜神の眠る国の物語〜 (剛 しいら/B's-LOG文庫)amazon

《あらすじ》
 神が守りし王国・ラウルの光輝く双子の王子と王女。鏡に映したようにそっくりな顔立ちの2人も大人になるにつれて少しずつ違いが出てきた。魂がゆっくりと二つに引き裂かれるよう──。兄・アレンと離されることに耐え難い思いを抱きながらも日々平和に暮らすシーナだったが…。そんな2人の運命は、隣国との戦に国が負けた瞬間から大きく動き始めた──! 離れ離れになってしまった兄に成り代わろうとするシーナに、ラウルの神が貸してくれた力とは……? 剛しいらが描くヒロイックファンタジー決定版!!


 というわけで昨日宣言した通り、「乙女のための最強文庫」B's-LOG文庫に特攻してきました。著者さんは普段はBLで書いてる人らしいです。
 ファンタジーで女の子主人公、国が滅ぼされて双子の兄になりすましでしかも恋愛要素つき。物語の筋は大好きなんですよ、筋は。恋しちゃって、でも男の姿でいなければならなくて苦しむ主人公、最高じゃないですか。こんなに設定素晴らしいのに、描写がひどいなんてなんともったいない……。序盤の国が攻められる場面をはじめとして、心情や情景の描写が明らかに不足していて、緊迫感やドキドキが全く味わえませんでした。冒頭から国が滅びて脱出するまでたったの20ページですよ20ページ、ぶっちゃけありえない(死語)。細部で所々腑に落ちないところもあり(圧倒的に戦力負けていて、目の前で両親殺されるほど敵が近くにいるところからあんな風に逃げ出すのは不可能としか思えない)、設定以外はいまいちでした。ほんと設定は好みなんだけどなあ。


評価 ☆☆(4)



トリックスターズM (久住 四季/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 周がまどろみの中で見た夢、それは大胆な犯行予告とも言うべき「予知夢」であった。被害者の視点で紡がれる夢は、一体誰に起こりうる未来なのかを知らせてはくれない。ただ、今までの経験上言えることは、ごく近しい人間──いつのまにか周にとって大切となってしまった凛々子たち5人である可能性は高かった。未来視とはその名の通り、確定した未来を事前に見るものである。不可避の未来を前に、初めてそれを変えようと動く周。そして、いつどこで誰が被害者になるのかを探るイレギュラーな推理が始まるのだが……!? 魔術師と“M”の物語、登場!


 安定している故に積んでいた、魔術師によるミステリ「トリックスターズ」第4巻。
 「トリックスターズ」といえば数少ない自分でも推理が楽しめるミステリ、今回も推理しながら読みました。開始してすぐにどうせ首締められてるのは周本人ってオチだろうと予想、4巻にしてついに完全勝利! 動機とか詳細に予想できるわけないですし(ミステリ読みなら最初にアレについての話題が出た瞬間に解けちゃうのかもしれないけれど)。しかし今巻、本の薄さに比例して内容もかなり薄かったような。冒頭はいつも通りで楽しかったけれど、中盤が短めな上に意外性が全然なくて、解決編もやけにあっさり。決してつまらなくはなかったですが、今までの3冊と比べると見劣りしてました。次の最終(?)巻はきっと分厚いだろうから、そちらに期待します。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 風の影(下) (カルロス・ルイス サフォン/集英社文庫)
 春に来る鬼 〜骨董店「蜻蛉」随縁録〜 (日向 真幸来/B's-LOG文庫)
 金の王子と金の姫 〜神の眠る国の物語〜 (剛 しいら/B's-LOG文庫)



___10月15日(日)


【今日読んだ本】

風の影(上) (カルロス・ルイス サフォン/集英社文庫)amazon

《あらすじ》
 1945年のバルセロナ。霧深い夏の朝、ダニエル少年は父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で出遭った『風の影』に深く感動する。謎の作家フリアン・カラックスの隠された過去の探求は、内戦に傷ついた都市の記憶を甦らせるとともに、愛と憎悪に満ちた物語の中で少年の精神を成長させる…。17言語、37カ国で翻訳出版され、世界中の読者から熱い支持を得ている本格的歴史、恋愛、冒険ミステリー。


 各国でベストセラーになっているらしい、一冊の本とその作者を巡る冒険小説。久々の邦訳小説だったので、時間をかけてじっくり読了しました。
 基本的に邦訳小説は苦手なんですが、これは邦訳の中では大分読みやすかったです。まず訳がうまいのか、地の文がそこまで硬く感じない。そして、邦訳小説に必ずついてまわる修飾過剰でもってまわった言い回しの会話文の連発、これが当然この小説にもあったんですが、恐ろしく饒舌なフェルミンによって語られる言葉は時々面白く(時々はかったるいんですが)、今まで読んだ邦訳小説会話よりも楽しめました。
 こうして邦訳のハードルが取り払われれば、後は物語を味あうだけ。「風の影」の著者カラックスは何者なのか、部分的な事実は段々分かっていくものの全体像はなかなか見えてこず、しかも得た情報がどこまで本当か分からないので余計に謎が深まるばかり。微妙にリンクするダニエルとカラックスの人生がどういうことなのかも謎だし、とにかく先が気になります。恋愛というかロマンスの部分は、女の子の描かれ方が洋風で扇情的なのがちょっと好みに合わないんですが、ドキドキしたり悲しんだりするダニエルの心情は如実に伝わってきて上手いのは確か。というわけでさっさ下巻を買ってきます。


評価 ☆☆☆(6)



___10月13日(金)

C★NOVELS ファンタジアに11月の新刊予定
11/25 翼は碧空を翔けて1 三浦真奈美 椋本夏夜


 ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
 よかった生きてた……。椋本絵で売れそうだし楽しみ楽しみ。


【今日読んだ本】

狼と香辛料3 (支倉 凍砂/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人のロレンスと狼神ホロ。行商がてらホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティと出会う。どうやらアマーティはホロに一目惚れをしてしまったらしい。急速に彼女に近づき始めた。一方ロレンスとホロの間には微妙な気持ちのすれ違いが生じ、誤解が誤解を呼んでしまう。そしてそれがロレンスとアマーティそれぞれの商売をも巻き込んだ大騒動へと発展していく。第12回電撃小説大賞<銀賞>受賞作第3弾。


 大人気の経済&狼娘ファンタジー「狼と香辛料」第3巻。
 うわ、今回は信用取引にバブルまでつけてきましたか。どちらも派手で見栄えがする題材だけあって、今回も経済部分は面白かったです。前回ひどい目にあった信用取引で今回は……、という繋げ方がいいし、相場を見ている時などの真に迫った心理描写が上手いですね。
 その一方で、この巻前半の主役2人はどうもいまいち。ロレンスの態度や言動には「何調子のったり戯言吐いてるんだ」と幾度か思わされたし、あの事実知った時のホロの動揺っぷりが前後や普段のイメージとどうも合わなくて気になりました。後半ロレンスはかっこいいところ見せてくれたんでいいんですが、ホロのかわいさには若干飽きてきたかも。まあ経済部分が楽しければそれで十分なので次巻にも期待です。
 しっかしアマーティはかわいそうだなあ。欲豚涙目はよくある話だからいいとして、ホロとの出来事をアマーティ視点で追っていくと……。ひどいはなしですほんと。


評価 ☆☆☆★(7)



___10月10日(火)

 いつのまにか第9回ライトノヴェルズ好感度アンケート集計結果が発表されていました。いつもお疲れ様です。空鐘トップか、復活の地つえー、などと思いながらのんびり結果を眺めていたんですが、

琥珀の心臓 1.35

 またまたご冗談を(AA略
 ……これはへこんだ。自分が4つけなかったら1.3以下ですよ、アレやアレよりも下なんて! ここまで一般受けしてないとはなあ。クジラのソラは評判いいし続き出そうなのでよかったですが。
 しかし非エントリーの上位作品を見ると名作揃い。トパァズもこの時期対象だし、昨季はほんと名作クラスが豊作でしたね。


 珍しく2日連続でメールフォームレス。

>佐々原史緒が好きなので、t-snowさんプッシュのクジラのソラを読んでみました。女の子たちが好みですっごく面白かったです。ありがとうございます。あと出来れば、このラノに投票した作品を知りたいです。

 よかったです、上にもあるように前作はとても人を選ぶ作品だったので……。面白かったという言葉を聞くと感想サイト冥利につきます。このラノで投票したのは以下の5作品。

煌夜祭・キーリ・クジラのソラ・BBB・抗いし者たちの系譜

 9以上つけた作品がこの5作しかなかったので、選ぶのは楽でした。来季は大当たりがもっと多いと嬉しいな。


【今日読んだ本】

バッカーノ!1934 獄中編 Alice In Jails (成田 良悟/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 若手幹部(フィーロ)は重要参考人の恋人をかばって刑務所に。殺人鬼(ラッド)は『不死者』を殺す快感を求めて刑務所に。泥棒(アイザック)は普通に逮捕され刑務所に。殺し屋(フェリックス・ウォーケン)はネブラの部長に依頼され刑務所に。錬金術師(ヒューイ)は最初から刑務所に。サンフランシスコ湾の沖合に浮かぶアルカトラズ刑務所に、一筋縄ではいかない男達がそれぞれの目的を抱えて集う。一方、NYに残された者やFBIも何かを求めて動きだす。全ての事象が一つに繋がっているかのように……。そして、最悪の事件の幕が開ける──。


 結構久しぶりな気がするバッカーノ、今回は刑務所が舞台。
 成田作品には大橋シリーズみたいに合わないものもあるけれど、バッカーノは相変わらず安定して面白いですね。1931や1933だけに登場したキャラを記憶の引き出しから発掘するのに苦労したりしつつも、いつも通り色々な思惑が交差する作りは何が待ってるか読めなくて楽しいです。ていうか、あらすじに見事に騙されましたよ。てっきりあの人はあの人のことだと、いや肩書きちょっと変な気はしたんですが、まさかそうくるとは。おまけに2段重ねで罠が仕掛けられてるとはさすが。でも、生殺し状態で引くのはよくないと思います!
 双子の能力はちょっとヒューイに都合よすぎる気がして萎えたんですが、成田さんならきっと下巻でいい方向に裏切ってくれるはず。12月発売らしいので楽しみです。


評価 ☆☆☆★(7)



___10月9日(月)

 このラノアンケート滑り込みセーフズザー。富士見が5作中3作という偏った回答になりました。

 久々にいくつかメールフォームレス。

>きっとdさんは、吸血姫美夕の、美夕とラヴァの関係にご満足されるに違いないヽ(・ω・)ノ 

 一ヶ月以上前のメールですが、まだ手に入れてませんすいませんすいません。本屋で存在を思い出しても、作者や出版社を覚えてなくて困るケースがしばしば。興味はあるのでそのうち買います……。

>バティスト不憫、というか、私としてはバティストとでも、良い夫婦になりそうな気がして、むしろこのままバティストと一緒になっちゃ駄目なのかなあと思ってしまいました。いっそこのままエリックが帰って来なければ…とまで言っちゃあ何ですが。

 えーと、かなり心の底から同意です。短編での姿からも、エリックいなければ間違いなく名夫婦でしょう。残りの巻でエリックがかっこいいとこ見せてくれればいいんですが、エリックだしなあ……。


【今日読んだ本】

ねじまき博士と謎のゴースト (樹川 さとみ/コバルト文庫)amazon

《あらすじ》
 天才だけど人間ぎらいで変わり者の少年博士アレックスが、リーのために雇った家庭教師メアリー。“動物に育てられた”というリーの自己紹介に面食らった彼女は、他にも多くの謎を持つアレックス邸に不気味さを覚える。さらには、アレックスの留守中にメアリーは幽霊を目撃してしまう。そのおびえように、リーたちは彼女がやめてしまわないか心配するのだが? 大騒動コミカル・ファンタジー。


 楽魔女の樹川さんがおくる、動物に育てられた少女と偏屈博士のハートフルコメディ、第2巻。
 あれ、すごく面白い。1巻でちょこっとあったシリアス分が消えて今巻は1冊丸々ほのぼのコメディ、リーと博士、2人ともますます可愛さに磨きがかかってます。特に博士がやばすぎ。時折女らしい一面を見せるリーに対して無意識の警戒心でヒネクレたり、突然帰ってきた母親に対して思いっきりヒネクレたり、あーほのぼのしてて可愛すぎる! そんなヒネクレっぷりに対するジャックのツッコミがまたいい味だしてます。脇キャラのオリビエが主役の短編も、構成うまいしオリビエに対する博士のヒネクレも見れて楽しかったし、不満全くなし。オチも綺麗で微笑ましかったし、やっぱりこのシリーズはシリアスなしの方が楽しいですね。お勧め。


評価 ☆☆☆☆(8)



___10月7日(土)


【今日読んだ本】

空ノ鐘の響く惑星で12 (渡瀬 草一郎/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 ラトロアの議員達との会談に臨んだフェリオとウルク。元首・ジェラルドとの論戦は、他の議員達を巻き込んで白熱し、やがてラトロアの暗部を暴き出すに至る。しかし紛糾する議論の裏側では、その時、メビウス達の手によって、一つの異変が起こされつつあった。 突如、首都ラボラトリに現れた漆黒の空間──死の神霊(アービタ・スピリット)を奉る六番目の神殿、“終末の黒い神殿”。古の書に記されたその忌まわしき存在は、この星の命運をかけた最後の戦いへと、フェリオ達をいざなう──! シリーズ最大のボリュームで贈る最終巻!!


 三角関係正統派ファンタジーの空鐘もついに最終巻。
 あーずるい、ずるいなあ渡瀬さんは。こんな完璧なエンディング見せつけられたら、名作だったと言う他ないじゃないですか。そこに行き着くまでの過程も熱かったし、前巻あたりで感じてた物足りなさも吹き飛びましたよ。いや、三角関係の決着方法だけはちょっと納得いってないんですが、まあこれは諦めきっていたのでこの程度でも許せます。
 つーか、パンプキンは特にずるいですよ、かっこよすぎですよ。シリーズ途中から、おいしいところ掻っ攫いまくっていた気がしますが、最終巻でもこんなに主役ばりの扱いとは。最後まで彼そのものだったことに、いい意味で裏切られました。最後にネタバレ一言。カトルの香水が匂いでばれて死亡フラグだと思ってた自分プギャーーーーーーーー!!


評価 ☆☆☆☆★(9)



天涯の砦 (小川 一水/ハヤカワSFシリーズJコレクション)amazon

《あらすじ》
 地球と月を中継する軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。虚空へと吹き飛ばされた残骸と月往還船“わかたけ”からなる構造体は、真空に晒された無数の死体とともに漂流を開始する。だが、隔離されたわずかな気密区画には数人の生存者がいた。空気ダクトによる声だけの接触を通して生存への道を探る彼らであったが、やがて構造体は大気圏内への突入軌道にあることが判明する……。真空という敵との絶望的な闘いの果てに、“天涯の砦”を待ち受けているものとは? 期待の俊英が満を持して放つ極限の人間ドラマ。


 小川一水の久々のハヤカワからの新刊は、軌道ステーションで起こった事故に遭遇した人々を描いた物語。
 いつも通りの災害の苦境から脱する熱いお話で、今回も面白かった! ……と言いたいところだったんですが、何か違う。話しあいつつ状況を何とか改善しようとする流れはいいんですが、いつもと違うのが登場するキャラクター。今回の登場人物たちは、よく言えば人間くさい、悪く言えば行動にむかついて腹が立つ、そんな人間が多かったです。そしてその中の1人、大島功がどうしようもない奴で許せませんでした。思春期だし同情する面も多少あるとはいえ、こいつはひねくれすぎ、ほんと嫌い。いい話っぽい場面も、ちょっと前に「バトル・オブ・CA」の最終巻読み返してたために、思いっきり比較してしまって駄目でした。(コンラッドと比較するのは酷なんですけれど)
 どうも今年の小川一水作品2作は自分と合わなかったです。来年は合う作品が出ますように。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 空ノ鐘の響く惑星で12 (渡瀬 草一郎/電撃文庫)
 バッカーノ!1934 獄中編 Alice In Jails (成田 良悟/電撃文庫)
 狼と香辛料3 (支倉 凍砂/電撃文庫)

 二四〇九階の彼女は買おうか迷ったけど評価待ち。



___10月5日(木)


【今日読んだ本】

カーリー 〜二十一発の祝砲とプリンセスの休日〜 (高殿 円/ファミ通文庫)amazon

《あらすじ》
 オルガ女学院に転校生がやってきた! 彼女の名はクリシュナ・パドマバディ=ガエクワッド。なんと大国バローダの第一王女――ほんもののプリンセスだった!! 初日からわがまま放題の彼女は、ヴェロニカから特別室を奪い取り、カーリーを自分の召使いにしてしまう。カーリーを奪われたシャーロットは大ショック! しかも新たなルームメイトはあのヴェロニカ!? 最悪な寄宿舎生活に、どうするシャーロット? 運命の初恋ストーリー、待望の第2巻!


 おそらくファミ通文庫最厚であろう、激動の近代インドが舞台の恋愛物語、第2巻。
 面白い、面白いんだけど好きになれない。いや、パティとエドワードの話だけなら、プロローグからおしまいまで徹頭徹尾気に入って、最高傑作級と叫びたいくらいなんです。特におしまいの方のやり取りにクラクラ、377ページのイラストの笑顔が素敵すぎ。
 でも、シャーロットとカーリー、この主役2人の話がどうも好きになれないんですよね。2人が一緒にいない寄宿舎の日常描写は楽しいのに、一緒のシーン、例えば180ページあたりの語学教える場面などは楽しくない。これだけの分量なのにシャーロットがろくに成長してないのも不満だし、話云々よりも自分はこの2人自体が気に食わないようです。
 今後シャーロットが大分変わりそうなので続き出れば多分買いますが、出るんでしょうか。こんだけ特例の厚さで出させてもらえるんだから、多分出るとは思うんですが……。


評価 ☆☆☆★(7)



鏡のお城のミミ 小さな恋の種まいて (倉世 春/コバルト文庫)amazon

《あらすじ》
 古城を訪れたミミとエリックは城で亡くなった領主夫妻に取りつかれ…(「亡霊城の王妃」)、砂漠で遊牧民の娘に恋された男装のミミにやきもきするエリックは?(「砂漠に咲く花」)など、待望の短編集。


 かなり久しぶりのミミ、いよいよクライマックスかと思いきや短編集。この短編集読んで、改めてミミ&エリックにドキドキしたりむかついたり馬鹿さ加減に笑ったり。……なんだか恋愛小説らしくない要素が混じってますが、かなり昔の話も読めて楽しかったし、続きが待ち遠しくなりました。でもどうやら「古城ホテル」の方に力いれてるみたいで、また半年以上待たされそうで不安です。まあ未完で終わることはないでしょうしのんびり待ちましょう、以下各話感想です。

「Shall we dance?」――ミミ、恐ろしい子……! 1巻読んでた当時は全然意識しなかったけど、改めて読むと悪女ですねぇ。いくら自分の気持ちに気づいてないとはいえ、これはさすがにエリックかわいそう。それに比べてフィディルはなんていい子なんだろう。
「亡霊城の王妃」――あ、やっぱエリックかわいそうじゃないや。こんな調子乗ってる男はひどい目に遭うべきですね。それに比べてポール兄ちゃんのビビりながら頑張る姿はいいものです。主役2人以外は8割方いいキャラだよなあこのシリーズって。まあそれでバランスとれてるんですが。話はカージャの気持ちがよく分からなかったこともあっていまいち。幽霊ネタは短編に合うだけにアラが目につくと気になってしまいます。
「小さな恋の種まいて」――文句なし。リゼットとルネの初々しさ万歳。
「砂に咲いた花」――こりゃひどい天然。でも、このミミには腹立たないですね、実際かっこいいし。しかし、カリンがこの先まともな恋ができるのか心配です……。
「午後のお茶会」――この短編だけ見るとバティストが不憫で不憫で。だってエリックがあれだし。

 主役以外で恋する男の子女の子が出てくる話がよかったですね。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 鏡のお城のミミ 小さな恋の種まいて (倉世 春/コバルト文庫)
 ねじまき博士と謎のゴースト (樹川 さとみ/コバルト文庫)
 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー カントリー・ハウスは恋のドレス (青木 祐子/コバルト文庫)



___10月2日(月)

 枯野さんのオリジナル新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!! よくやった富士見!


【今日読んだ本】

BLACK BLOOD BROTHERS 6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 九牙集結― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 この身は、賢者の血統に捧げた。それが誇りだった……。吸血鬼・望月ジローは、苦い想いを?み締める。 ――今は、その運命が少し、つらい――。『カンパニー』が招聘した吸血鬼化特殊部隊『赤い牙』。セイたちが黙秘を続ける九龍王の遺灰の在り処。カーサ率いる『九龍の血統』の特区攻略の兆し。幾多の不安要素が渦巻く中、それでもジローは、フリーの調停屋となったミミコと共に、充実した日々を過ごしていた。しかし“血の宿命”が、その平穏を破る。血が命ずるままゼルマンとの死闘に臨むジロー。運命がもたらす戦いを通じ、彼は秘めたる想いを自覚する――。誰もが己の内なる願いと直面する、新感覚吸血鬼サーガ、長編第6弾!


 ついにアニメもスタートした、吸血鬼と人間の共存と戦いの物語の第6巻。
 忘れていた。なんてことだろう。直近に読んだのが短編のジローとミミコだったせいで、すっかり忘れてしまっていたのだ。こんなにも大事なことを。
 169ページの一行目の事実を。
 ……いいじゃない鳥頭だって! おかげでミミコが味わった驚愕を分かち合えましたよ。ビバ鳥頭。
 内容? こんなに熱くて切なさにもエンジンがかかってきて、もう名作確定ですよ。見所が多すぎて息をつく暇がなかったです。あとは名作になるか傑作になるかの違いだけ。特区の行方が、ミミコの恋がどうなるか、さっささっさ続きを!


評価 ☆☆☆☆★(9)



___10月1日(日)

 ディープ惜しかった。展開でしょうね……。

 9月のまとめ。

 読了――20冊
 購入――21冊



【今日読んだ本】

学校の階段3 (櫂末 高彰/ファミ通文庫)amazon

《あらすじ》
 ついに夏休み! 生徒会長の遊佐の計画で、天栗浜高校では全校合同合宿が実施されていた。非公認の階段部も当然のように参加して女子部員獲得を狙うのだが、常に我が道を征く九重の提案により部員争奪「階段部VS女子テニス部」が実現。負けた部は一名部員を差し出さなくてはならないことに!? かくして勝敗の行方は「黒翼の天使」天ヶ崎と女テニのエース美冬の女神対決に託された――! ビバ青春の無駄足! 大反響の学園グラフィティ第3弾。


 階段部の面々の活躍を描く、階段レース青春小説の第3巻。
 安定安定。レースシーンをメインに据えていた1巻から階段部のメンバーにスポットを当てていく形式へと完全に移行したらしく、今巻はいずみメイン。どうするのか悩む様は、本当の気持ちが分かりきってるだけにはたから見てると非常にもどかしいんですが、そのもどかしさの解消方法が見事。過去のトラウマとその払拭、そしてその後の気持ちのいい階段疾走、爽やかな青春風景を楽しませてもらいました。
 4姉妹は相変わらず微妙な位置どりですね。美冬はいずみとの絡みは珍しい素直さがよかったんですが、幸宏との関係は宙ぶらりんなままだし、千秋はバスケ部の子を出すために出てきた感もありましたし。階段部一周したあたりでメインになるんでしょうか。美冬の感情大暴発が早く見たいです。
 しかし、途中から三枝が何考えてるのか気になって仕方なかったんですが。いずみとは違って何考えてるかさっぱり分かりませんよこの人。何が98%なのか、4巻が楽しみです。


評価 ☆☆☆(6)