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___5月14日(月)

 電撃総スルーして余裕ができたので、新刊読むためにミカタを読み返し中。が、ついミドリノツキを読み返してしまったりしていてあまり進んでません。ルルルがくる前には読みきりたいところ。


 そしてウィングスリスト作成完了。作ってるうちにどんどんなくなっていく自信。はたして無事COMPはできるのか!?


【今日読んだ本】

リアルゲーム (前田 栄/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 本物みたいに、降るような星空?。本物よりも本物らしい、最新体感RPG『ファンタジア』の星空の下、高沢昭一はヴァルダーと名乗る青年と出会う。何度もアクセスを重ね、彼と旅を続けるうちに、昭一の心にはひとつの疑問が染みのように広がって行った。ヴァルダーは、人間なのかな…。ゲームの外でも彼に会いたい。彼の本当の匂いが、手触りが知りたい。彼の“正体”を求め、昭一はひとりきりのゲームを始める…!!前田栄のヴァーチャルでリアルな“ゲーム”が大幅加筆でいよいよ文庫化。


 というわけでウィングス文庫COMPスタートです! まずはアンパイということで積んでいた作品、「ディアスポラ」の前田さんがおくるネトゲ小説。
 よかったアンパイアンパイ、さすが前田さんだ。初出が1996年ということで、ネトゲ小説としてはかなり直球な内容。舞台は人々が体感ネットワークで仕事を行うようになった近未来の日本、そこで常識を覆すくらいにリアルな完全体感型RPGが登場、そのあまりの完璧さと閉鎖具合に黒い噂がたったりしてるんですが、そのゲームに主人公は没頭していく……、といった感じの展開。戦士や賢者のジョブでクエストをこなしていって、ラスボスはこういう小説の常としてアレ(ゲームマスター)が出てくるという。もうベッタベタです。
 でもベッタベタでも面白く仕上げているのがさすが。ゲーム内で出会った一人の男ヴァルダーとの絆をメインに据えているんですが、薄っぺらく映る現実とワクワクするネットの冒険の描写を通して、ヴァルダーにどんどん惹かれていく主人公にとても共感してしまいました。それに、ベタといってもRPGの冒険や戦闘描写って面白いですしね。ただ、現実社会がちょっと歪みすぎで設定に多少無理があるので(友達の影すら見えやしない)、そういうの気にする人には向かないかも。
 ヴァルダーのリアルが男か女か分からず終いの引きはちょっとずるい、でも元は1冊だったらしいので納得。続刊も買ったので近いうちに読みます。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 リアルゲーム2 シミュレーションゲーム (前田 栄/ウィングス文庫)
 美しいキラル1 (前田 珠子/ウィングス文庫)
 美貌の魔都 月徳貴人(上) (松殿 理央/ウィングス文庫)
 MIND SCREEN1 (結城 惺/ウィングス文庫)
 三千世界の鴉を殺し1 (津守 時生/ウィングス文庫)
 罪と罰2 (鈴木 由布子/ウィングスコミックス)

 さあ、準備は整った。



___5月13日(日)

 考えるだけならタダ!

企画:ウイングス文庫COMP

概要:現在合計116冊出ているウイングス文庫を全て読む

 今季の小説Wingsの当たり率が100%(4分の4。続き物のS-AとFATAL、新刊出るまで封印中のDAY Waltz以外全部)だったのを喜ぶあまり、以前から少し夢想していたこんなことを表に出してしまいました。たった116冊くらいならいけちゃうだろうし、地味面白い作品群が揃っているウィングス文庫にもっと日の目を! という企画です。
 が、すでに興味ある作品はあらかた着手済、という状況なわけで、はじめる前から先行き不安。初期のBLっぽい作品と長期シリーズ(三千世界あたり)を面白いと思えるかどうかが鍵。とりあえず各作品の1巻目をブクオフあたりで漁ってきます。


【今日購入したもの】
 罪と罰1 (鈴木 由布子/ウィングスコミックス)
 旬(いまどき) (鈴木 由布子/ウィングスコミックス)
 エビアンワンダー1 (おがき ちか/Zero-Sumコミックス)

 見る人が見ると、どこの影響を受けたか丸分かりのラインナップ。まあ、Landreaallは全部読んでるし、鈴木由布子さんも「あの子の腕は虹の続き」「お振るいあそばせ」が面白くてそのうち既刊全部揃えるつもりだったので、いい機会だなと。みりおんぐらむでは文庫コミック問わずウィングスを応援しています。




___5月12日(土)


【今日読んだ本】

カタリ・カタリ トキオカシ2 (萩原 麻里/富士見ミステリー文庫)amazon



《あらすじ》
 支倉誠一は、平凡なのんびりとした高校生だったが双子の少女、時を喰らう神だという「時置師」の眞名・眞依と出会い、自分が眞名の「対」であることを知る。神によって選ばれし「対」として眞名と共に生きようとする


 今月の富士ミス新刊、とある業を背負わされた「時置師」の人々とその対たちがおりなすタイプスリップミステリー「トキオカシ」第2巻。

 まーた幼女小説か。

 冒頭からいきなりツンツンデレ女子小学生が出てきたんで、別人が書いてるのかと思いましたよ。萩原さんがこんな売れ線ロリキャラ書けるとは予想外でした。しかも対が36歳で年の差24歳のカップル、普段はマセてるのに時々見える拗ねや恥じらいがかわいくて、こりゃ萌えざるをえない。まあサブキャラで冒頭以外はあんま出番多くないんですけどね。
 一方メインの2人はどうかというと、作者があとがきで公言するように1巻よりラブ度アップしてました。対で運命づけられてはいるけど実際の気持ちはどうなの、という不安感を乗り越えてのキスシーンはなかなかドキドキしましたね、誠一が天然タラシで眞名の気持ちに共感できるだけに。王子様が囚われのお姫様を救出、というベタベタ設定の過去の時置師カップルもよかったし、ラブはいいものです。
 1巻では伏せられていた時置師の設定も今回は大盤振る舞いで明かされました。古代の日本の歴史をフルに使っていて面白い与太設定でしたが、こんな一気に明かしちゃうのはもったいないなあ。
 で、読み終わった後に富士ミススレをのぞいてはじめて完結編だと気づいたわけですが……。えーえーえーえーえーそりゃないよ! あとがきで全キャラ設定ネタばらししてたのはそういうことだったのか(気づけ)。眞依の方のカップルが全然活躍してないし、欄月の秘密も分からずじまいだし、同人でもいいからどこかで続き発表してくださいお願いします。このままじゃ生殺しですよ、富士ミス編集部のばっきゃろー! あれだ、やっぱ絵の目がこわいせ(ry


評価 ☆☆☆★(7)



___5月10日(木)


【読んだ本】

一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ (佐藤 多佳子/講談社)amazon
一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ (佐藤 多佳子/講談社)amazon
一瞬の風になれ 第三部 ドン (佐藤 多佳子/講談社)amazon



《あらすじ》
 「速くなる」 ――ただそれだけを目指して走る。白い広い何もない、虚空に向かって……。 春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した2人のスプリンター。ひたすらに走る、そのことが次第に2人を変え、そして、部を変える――。「おまえらがマジで競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説、誕生。


 今年の本屋大賞受賞作、「黄色い目の魚」etcの佐藤多佳子がおくる陸上青春小説。
 まいった。ここまで物語に没頭したのはいつ以来だろう、煌夜祭の時もこれほどではなかったような。とにかく第三部の盛り上がりと感動は尋常じゃなかった。
 主人公は中学時代はサッカー部で高校ではじめて陸上をやることにした男の子。はじめてといっても100mですぐに11秒台出せるほどの実力の持ち主で、彼が走る世界は50mで8秒そこそこだった自分は全然味わったことのないもの。でも、走ることの楽しさや難しさは文章から如実に伝わってきたし、緊張、怪我、チームワーク、友情、応援といった事柄はどんな世界でも変わらないわけで、その喜びや悲しみや辛さがとても息づいて感じられた。「黄色い目の魚」の時も書いたけれど、佐藤さんは感情描写がほんと分かりやすくてうまいんだよなあ。
 どの種目も緊張感と迫力を兼ね備えていてドラマがあって、なかでもリレーはやばい、というかおかしい。なんだこれ、こんな熱い競技がこの世の中にあったのか? というくらいのレベル。一体感ってすごい。
 恋愛要素はあったけれど、あくまで青春の一面といった感じで結構控えめ。1巻の時には「今後恋愛も盛り上がるのかな」と期待していたけれど、2巻3巻と進むにつれややトーンダウン。でも、それでがっかりするどころか、逆に盛り上がらなくてよかったと思ったくらい。なぜって、恋愛よりもとにかく1ページでも多く陸上部の活動を読みたかったから。この作品の恋愛もなかなかいいものだったし、恋愛展開大歓迎な普段の自分からは考えられないこと、それほど陸上の描写は素晴らしかった。
 読み終わって、陸上部に入っていなかったことを残念に思った。いや、実際こんな部に入ったら練習に速攻音をあげるんだろうけれど、それでも彼らには憧れる。その気持ちが高まって無性に走りたくなって、読了の翌日に走ったら、500mも行かずに下半身がガタガタになった。なんという運動不足(昔は長距離は人並み以上には速かったのに)。でも、走るのは苦しいけど楽しいなぁ、あーもう新二も連もみんなかっこよすぎる。

 とネタバレ極力控えて普段とは違う感じで書きましたが、要は傑作だからみんな読め! ってことです。陸上か青春どちらかでも興味ある人は是非是非是非。


評価 ☆☆☆☆☆(10)


【今日購入したもの】
 カタリ・カタリ トキオカシ2 (萩原 麻里/富士見ミステリー文庫)
 小説Wings春 No.55 (新書館)



___5月9日(水)


【読んだ本】

オペラ・ラビリント 光と滅びの迷宮 (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 俺が望みたいことを望んでやる―薬師にして剣士のカナギと、魔導師のミリアンたちは、超絶美形詩人ソラを奪還するため、帝都へと向かう。だが彼らを待ち受けていたのは、過酷な運命だった!! 詩人の正体を知ったカナギ。ソラ奪還作戦に加わった意外な人物とは!? 帝都を舞台に、願いと裏切りが交錯する。迷宮よ、かくして第五の幕が上がる! 栗原ちひろ×THORES柴本による、宿命のロード・ノベル!!


 というわけでついに帝都にやってきたオペラ5巻です。1日遅れたのはアレ読んでたせいです、まあアレについてはまた明日。
 うわー、カナギいい奴すぎるよ。いや今までの行動からも分かっていたことだけれど、言葉の形で出てそれを一層実感しました。バシュラールにソラについて語る言葉、そして東方民と話して罵られた後の感想。ジーンとくるなあ、そりゃリュリュも惚れますよ。女たらしならぬ「人たらし」って言葉がぴったり。メイン3人の中でも今はカナギが一番好きです。
 もちろんラブもありました。転がりたくなる場面がいくつかあって、GWに家で一気読みしてよかったです。ミリアンの純真な言葉はいきなりグサっとくるので、電車の中で読んでたらやばかった。この巻一番の名場面は寝ているカナギに触るミリアンかな、24ページの凍らせる一言も大好きなんですが。
 なかなか明かされず気になっていたシュラルの「亡霊」の正体もついに明かされましたね、それは予想してませんでした。ラストのバシュラールとシュラルは見るだけでも辛くて、この2人にも最後には幸せになってほしいと切に思いますね。
 そういやウーチェレットはどうなったんだろう。普通に考えれば退場確定なんですが、去り方がいかにも今後再登場ありえそうな形だったので気になりました。ただ再登場するときの形がちょっと想像つかないし、とりあえず退場したものと見とくことにします。
 なんだかキャラについてばかり語ってますが物語もいよいよ核心に入ってきて面白くなってます。皇帝がどこまで狂気でどこまで理性が残っているのかよく分からないですが、事態を悪い方向に引っ張りそうなことだけは間違いないですね。光魔法は黙っていないだろうし、闇魔法も暗躍してるし、「書くのに体力がいる」らしい6巻が楽しみです。


評価 ☆☆☆☆(8)


【昨日購入したもの】
 一瞬の風になれ 第三部 ドン (佐藤 多佳子/講談社)



___5月7日(月)


【読んだ本】

オペラ・エリーゾ 暗き楽園の設計者 (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 わたしは、あなたに望まれたいのです―薬師にして剣士の青年カナギ、謎の詩人ソラ、魔導師の少女ミリアン。人間の殲滅を目論む組織『黒いゆりかご』との最終決戦を前に、それぞれの淡い思いが揺れる。絆と愛が試される中、新たな仲間との出会いと、宿敵バシュラールの心境にも変化が…? 楽園よ、かくして第四の幕が上がる! 栗原ちひろ×THORES柴本による、宿命のロード・ノベル!!


 昨日に引き続きオペラの感想、第4巻は闇魔法教会からの脱出編。
 きたきたきたーきたーきたー! ついに恋愛感情が本格化! ミリアンは「恋」という気持ちを知らないので自覚はしていないですが、会いたい気持ち、心配する気持ち、怖がる気持ち、これは家族の好きじゃなくて異性の好き。カナギの心理もいいですね、あのカナギが嫉妬ですよ嫉妬! 価値観の違いから険悪になった後に再び近づいたラストの2人は、ソラのセリフの通り「喩えようもなく美し」かったです。
   と恋愛方面が素晴らしかった一方、クオーリアが何か腹に秘めてるのは3巻の途中から分かっていたし、展開そのものにはあまり驚きはなかったですね、帝国が目立った動き見せませんでしたし。それよりもバシュラールとソラの会話が印象的でした。ソラとカナギの笑えて時々ぐさっとくるやりとりも、ソラとミリアンの真っ直ぐなやりとりも大好きだし、3人が互いに影響しあうこのトリオは素晴らしいなあ。
 そうそう、新キャラは前巻に引き続きまたもや変態でした。なんですかこの美しいもの命の女装キャラは。ただの変態なら他にもいそうだけれど、シリアス時とのギャップが激しくてインパクトあります。でも嫌いじゃないです、リュリュのおかげでミリアンがより一層綺麗に見えますし、意外なかっこよさも見せてくれましたし。
 いよいよ死にかけてきたカナギは大丈夫なのか、色んな恋の行方は、詩人は一体どうなるのか、色々気になる5巻の感想はまた明日。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ (佐藤 多佳子/講談社)
 一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ (佐藤 多佳子/講談社)

 あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『今朝第一部を買ったのに、気づいたら第二部を読み終えていた』
 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが

 以下略。第三部も買っておけばよかった。電車の中で読むのはきっとやばいので、家でじっくり読むことにします。



___5月6日(日)

 風邪引いてるのに夜中にオペラを読み出したら、危うく止まらなくなるところでした。でも、何とか途中で寝たのに風邪治ってないんですが。夜中の読書には気をつけましょう。


【今日読んだ本】

オペラ・フィオーレ 花よ荒野に咲け (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 この世のすべてより、あなたが欲しい―薬師にして剣士の青年カナギ、謎の詩人ソラ、魔導師の少女ミリアン。仲間として互いを意識し、心の距離が近づいた彼らの前に、次なる運命が用意された。それはミリアンとの別れ、謎の組織に捕らわれたカナギ、そして苛烈なる闇と光の闘争…。花よ、かくして第三の幕が上がる! 栗原ちひろ×THORES柴本による、宿命のロード・ノベル!!


 というわけでオペラ一気読み完了したので、のんびり感想書いていこうと思います。第3巻は闇魔法教会編。
 面白くなってきたー。1巻はカナギ、2巻はソラがメインの話でしたが、3巻はミリアンが中心の話でした。1巻の時と比べるとみんな大分変わりましたが、その中でもミリアンが一番成長している気がします。少しずつ人間的な感情が身についてきて、でもそれはとても純粋なもので、その分一つ一つが胸を打ちやすいんですよね。ソラやカナギを特別な存在だと自覚して、穏やかな幸せよりも2人と一緒に行くことを選ぶ、ありがちな展開ですが、そのくだりの感情表現が好きだし、その後の行動もかっこいい。そして恋愛感情っぽい気持ちも見え隠れしてきましたよ、ひゃっほう。洋服の場面とか自覚なしに意識してるんだなぁ。ミリアン以外も、ある気持ちを取り戻してきたカナギ、人間味を帯びてきたソラ、この2人も変わっているし、3人とも愛しくなってきました。
 新キャラのラングレーは、また偉い馬鹿キャラが出てきたなといった印象。お笑いとシリアスが同居とか、どこの高殿キャラですか。でも帝国が本格的に暗躍しだして、結構重要人物になりそうな雰囲気も感じました。それにしてもバシュラールはかっこいい敵役だなー、銭型みたいなキャラになるのかと思っていたら、いい意味で予想を覆されましたね。
 物語の行方も恋の行方も気になって、4巻にもついついすぐに手を出してしまいました。続きは明日。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 オペラ・ラビリント 光と滅びの迷宮 (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)
 オペラ・エリーゾ 暗き楽園の設計者 (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)
 オペラ・フィオーレ 花よ荒野に咲け (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)



___5月4日(金)


【今日読んだ本】

赤い靴の誘惑 <(株)魔法製作所> (シャンナ・スウェンドスン/創元推理文庫)amazon



《あらすじ》
 ケイティ・チャンドラー26歳。ニューヨークに出てきて1年あまり。やっと自分の能力をいかせる職場にめぐりあい、どうやら彼氏のいない生活からも卒業の気配。だが、人生そううまくはいかないもの。スパイ事件が発生し、魔法に免疫のあるケイティがスパイ事件の調査を任される羽目に。ただでさえ目が回るほど忙しいさなか、なんとテキサスからパパとママがやってくるという。どうする、ケイティ! 好評〈(株)魔法製作所〉第2弾。


 現代ニューヨークが舞台の魔法会社ファンタジー、シリーズ第2巻は家族上京編。
 うーん、前半はとても面白かったです。親に目くらましきかないだろうっていうのはあらすじ見たときから予想できてましたが、魔法を見たときのお母さんの反応がいいですね。ケイティほどの適応力はないですが、肝っ玉はすわっているのがさすが母娘。イドリスの空回りっぷりにも笑えましたね、お母さんマジ大物だわー。
 が、後半が急に凄く居心地悪くなって楽しめず。免疫なくなって、魔法がきいてしまうようになって、という展開自体は面白いんだけれど、読みたいという気が全然なくなってしまいました。ケイティさっさ自分の状況伝えればいいのに、という不満もあるんですが、明らかにそれ以外にも原因あるはず。こういうじわじわくる不安感が苦手なのかなぁ、自分のことながらよく分かりません。まあ最後の20ページくらいは再び楽しめたので、3巻も買おうと思います。


評価 ☆☆☆(6)



___5月3日(木)


【今日読んだ本】

ヤヌスの城 ―罪深き恋のさすらいびと― (天堂 ハルヒ/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 自分の呪いを解くため、謎の騎士ユリウスと旅立ったカルデア国王女レオーネ。ユリウスに想いを打ち明けられたレオーネの気持ちは揺れ動くが、命を狙われて…。一方、国では反乱が起こっていた。


 「双子の女は呪われている」という言い伝えのために男として育てられた王女が主人公の逆ハーファンタジー「ヤヌスの城」第2巻は、呪いの解き手を求める旅編。
 やっぱり逆ハーはいいものですね。1巻の最後でレオーネがユリウスに告白されて揺れまくっていたので一気に転ぶかと思ったら、そうはならなかったのはちょっと残念。でもその分、この2巻では他の男たちが掘り下げられてました。従者の中ではステファノが好きかな、人を好きになれない孤独や唯一の理解者を失いかける動揺がよくかけてました(ただ人によってはBLっぽく感じるかも)。あとロレンツォもいいですね、悲恋確定キャラはどうも応援してやりたくなります。毒の犯人が消去法でばればれなのはちょっとアレでしたが、メインの人間関係には絡まないしあまり気にならず。
 呪いの真相はなんとなく予想できてましたが、国内が思ったよりはやく動いたなという印象。ユリウスが国に帰った後かなーと思ってました。まあ、正体がばれてこれから恋模様が面白くなりそう。「よこしまな愛」のレオナルドが何かやらかしそうな気もするし、アレクサンダーは絶対レオーネ害しに動くだろうし、3巻が楽しみです。


評価 ☆☆☆(6)



吉永さん家のガーゴイル12 (田口 仙年堂/ファミ通文庫)amazon



《あらすじ》
 もうすぐ卒業─菜々色高校三年生の進路も様々だ。和己は大学進学希望、同級生で林吾・桃兄妹の幼なじみの範太はアメリカで絵の修行をするという。勉強の合間、範太の壁画制作を手伝う和己だが、意識しあっていた桃と喧嘩してしまった挙句、範太と桃の急接近を目の当たりに。受験目前というのに立ち直れない──。一方、怪盗百色は昧礼寺で有名画家の奇妙な作品を目にし、興味をもったためガーくんに睨まれて!? 恋と謎とが交錯する大好評シリーズ第12弾。


 ご町内ドタバタあったかドラマ「ガーゴイル」の第12巻は、和己たちの卒業の話。
 初期の頃の雰囲気がする話で、この巻も楽しめました。和己と桃ちゃんとの関係はずっと気になっていて読みつづける理由の一つでもあったので、1巻かけてしっかり扱ってくれてよかったです。あれを目撃してはじめて自分の気持ちに気づいた和己のボロボロっぷりがとてもひどかった分、ちゃんと結ばれた時の喜びもひとしおでした。告白シーンの甘酸っぱさがいいなあ。あと地味にオシリスがいい仕事、サブキャラの中ではかなり好きですね。
 古科学関連の伏線もきて、いよいよ話をまとめにきてるなという印象を受けました。古科学は喜一郎以外どうでもいいんですが、ガー君の行く末をどういう形で締めるかが気になります。和己も卒業したし、そのままでは終わらない予感がするなぁ。


評価 ☆☆☆(6)



___5月1日(火)

 4月のまとめ。

 読了――21冊
 購入――16冊

 この調子で購入数抑えたいですね。


【今日読んだ本】

世界で一番不思議なあの子 (森山 侑紀/講談社X文庫ホワイトハート)amazon



《あらすじ》
 「真澄くんは和也くんの婚約者だよ」清く正しい男子高校生として、水野和也は父親とふたり慎ましい生活を送っていた。ところがある日、突然、意識を失い倒れてしまう。そして、目覚めたとき、男のはずの身体はとびきりの美少女になっていて、おまけに婚約者まで現れたから、さあ大変!! 男の子? それとも女の子? 美少女と美少年をいったりきたりの世界で一番不思議な物語、登場!


 今月分のホワイトハートの新刊、普通に暮らしていた美形の男の子が突然女に変わってしまう性転換小説。

 騙された! 性転換小説だと思って買ったら妖怪小説だった!

 最近この書き出しが多い気がしますが、今日のは心からの叫びです。性転換は大好きなジャンルの一つで、あらすじを見て無茶苦茶期待が高まっていただけに、いざ読んでみてのショックは大きかったですね。このあらすじ見て妖怪小説だなんて予想つきませんよ……。転校した先が超金持ち学校でジャガーがペットだったりピラミッドなどのレプリカが敷地内にあったり、おまけにクラスメイトは妖怪ばっかで婚約者は雪女。コミカルに書かれていてそれなりには楽しいんですが、それに食われて肝心の性転換部分が薄かったのがなぁ。性転換ネタ1本で話作るのは難しいんでしょうか。女としての主人公と男としての主人公を取り合う争いなど、おいしいイベントもあったんですが、主人公の気持ちが頑なに一方向を向いていることもあってあまり萌えませんでした。
 ああそうだ、凄く引っかかったのが女化した時の口癖の「だっちゃ」。いや今時だっちゃはないですよだっちゃは……。


評価 ☆☆★(5)



学校の階段5 (櫂末 高彰/ファミ通文庫)amazon



《あらすじ》
 天栗浜高校では学園祭の準備まっさかり。学校全体がお祭りムードに染まりゆく中──井筒研は苦悩していた! 全面的に彼の自業自得ではあるが、日々悪化するその状況に幸宏もささやかな同情を禁じえない。なし崩し的に実現した三島プロデュースのダブルデートでも凪原の井筒への誤解は解けないまま……。そんな中、なぜか井筒を敵視する山上桔梗院の生徒も現われて学園祭も波乱の予感!? ビバ青春の無駄足! 大好評青春グラフィティ第5弾!!


 階段レース小説のフリをした青春小説「学校の階段」もついに第5巻、今回の舞台は文化祭。
 うーん、面白いけど引っかかる。この巻のメインの井筒と凪原の話は文句なしによかったです。普通に生きているのに協調性がないと叩かれる井筒と周りと合わせすぎて生きてきた凪原、対照的な2人がそれぞれ悩みつつも中途半端な関係にケリをつける過程は、悩みが普遍的なだけに等身大の青春っぽさがよく出ていて楽しめました。特に凪原サイドが好きかな。愛の描写はちょっとやりすぎな気もしたけれど(いくらなんでも過剰反応だと思う)、仲直りする場面は微笑ましかったですし、最後の行動なんかは予想通りでしたが、それでもとても気持ちのいいものでした。強い女の子は大好きです。
 と楽しめたは楽しめたんですが、今回凄く引っかかったのが、他校の生徒を交えて階段レースを行ったこと。普段階段部の活動を見ていない連中に、文化祭前日準備の真っ只中を走らせるのは、自分的には100%アウト。今までのものは全然許容できましたが、今回のは危険度のレベルが違うと思います。
 あと、山上の新キャラといずみの過去云々の話は微妙だなあ。一人あからさまにむかつくキャラがいていけ好かないし、強引に伏線作った感が強いのが気になりました。神庭の恋愛や生徒会の陰謀、刈谷周りの恋愛(これは書く気あるんだろうか?)など、書くネタそれなりにはあるのに。引き延ばしなんでしょうね、レースにも大分飽きがきたし次巻は様子見するかも。


評価 ☆☆☆(6)