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___6月28日(木)

 まだまだ縮小更新中、でもこれの感想は印象が薄れないうちに書かないと。


【今日読んだ本】

エパタイ・ユカラ 〜愚者の闇〜 (高丘 しずる/B's-LOG文庫)amazon



《あらすじ》
 海面の上昇と地震による国土崩壊によって、上流階級のほとんどが大陸に移り住んだ近未来の荒廃した日本。テロの横行する西倭国総督府で再会した弟・明は、レジスタンス「紅い月」の一部過激派のリーダーとなっていた。テロへの協力を求められた黎良は女学校の友人からの情報収集を命じられ、明への情報提供を始めるのだが……?


(カバー裏の「コンセプトは乙女ゲーです」記述を見て) はっ、あんな1巻の引きで乙女ゲーだなんて、冗談も程々にしてもらいたいですね!
 ↓
うーあーうーあーうーあー、でもいい(*゚∀゚)!
 ↓
あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば 


 というわけで、「風」の名を持つ少女の激しい生き様を描いた「エパタイ・ユカラ」第2巻ですが、これはきいた。1巻の引き見た時点でこの巻がハードな展開になるのは分かってたんですけれど、どんどんと黎良は破滅方向に進んでいって、読むのに非常に精神力を消耗しました。甘い要素があるのが唯一の救いで、なんというか、乙女ゲーでバッドルートに向けて間違った選択肢を選びつづけているような気分。進めるの辛いけど先が見たい、みたいな。途中途中で挟まれる回想シーンに1巻以上に不安をかきたてられ、でも先はどんどん気になっていって。そしてやってくる 一 刀 両 断。
 破壊力がそれはもう凄まじかったです。というか、直視するのが怖すぎて初読時は思わずほとんど読み飛ばしてしまいました。これほど容赦なさすぎるエグさはそうそうお目にかかれませんよ。結構黎良の気持ちにたって読んでいたので、これはほんときつかった。でもほんと面白い。色々と意味深な回想も増えてきて、これからの黎良がどんな世界を駆け抜けるのか、3巻が待ち遠しくてなりません。2巻が出たんだから3巻もちゃんと出ますよね?
 乙女な話が好きな人はもちろん、姉弟スキーも鬱スキーも女の子友情スキーも内戦スキーも皆さん是非是非。


評価 ☆☆☆☆★(9)


【最近購入したもの】
 姫宮さんの中の人 (月見 草平/MF文庫J)



___6月21日(木)

 来週一杯くらいまでろくに更新できないかもしれません。

 封仙新刊を読了したはいいものの、龍衣の鏡閃と通常鏡閃の動向をろくに思い出せなかったので、感想は既刊読み返してから。前巻読む時も一通り再読したはずなのに、何で忘れるかなあ……。


【今日読んだ本】

百年の満月2 (たかもり 諌也/ウィングス文庫)amazon

画像は 公式で。

《あらすじ》
 ヴィクトルの庇護のもと、新しい生活を始めたリュシアンは、従兄弟・マクシムの事故死の記事を見せられる。マクシムこそは、リュシアンの悪夢の元凶、忌まわしい記憶そのものだった。『オマエガ悪インダ/腕ヲ折ッテヤル』。恐怖心を煽る言葉と苦痛。執拗に繰り返された行為。その死は、解放を意味するのか? だが、その葬式の場で、マクシムが突然息を吹き返した……!! 母の死後、彼に苛まれ続けた過去を、ヴィクトルに知られたくないリュシアンは……。書き下ろしシリーズ、第二弾!!


 近世が舞台の音楽&ミステリ&怪異小説(ジャンル分け難しい……)「百年の満月」第2巻。
 やっぱり女の子が出てくると華やかさが違いますね! 1巻でほんのちょこっとだけ出てきたマリエットの出番が大幅にアップ、主人公のリュシアンなどのせいで物語の雰囲気がかなり暗いので、よく笑いよく落ち込む直情的な彼女はとても輝いて見えました。彼女の恋がどう見ても報われなさそうなのが何とも残念。
 暗い雰囲気の主要因のリュシアンですが、この2巻では一人とんでもなく外道なキャラがいたのもあって、イライラさせられることはほとんどありませんでした。こんな自虐的な性格になった原因がはっきりと示されたし、ヴィクトルに頼ってはいても前向きに音楽を楽しめるようになってきているのは好印象。でも、後半の無警戒っぷりには「やっぱりリュシアンか……」と思わされましたが。ただでさえ怪しい上に警告まで入ってるのに能天気すぎる! まあリュシアンはいいんですよ、今回イメージダウンしたのはヴィクトルの方。なんだ、ヴィクトルがヘタレてなければリュシアンこんなことにならなかったんですね。いまだに引きずっているようだし、下手に歳食ってる分成長の余地もなさそうだし。一見頼り甲斐がありそうなのが始末悪いなあ。
 ラストは露骨に伏線はっていましたが、奴があの人の体になって戻ってきたってことでしょうかね。これは3巻ではヴィクトルのヘタレっぷりが大々的に見れそうな予感。リュシアンとマリエットの頑張りに期待しますか。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 キスとDO-JIN! 〜お兄様はタックスフリー!?〜 (小林 来夏/もえぎ文庫ピュアリー)
 封仙娘娘追宝録 10 天を決する大団円 (上) (ろくご まるに/富士見ファンタジア文庫)



___6月19日(火)


【今日読んだ本】

戦塵外史 三 大陸の嵐 (花田 一三六/GA文庫)amazon



《あらすじ》
 ゼニツア王国の密偵・ディーク。かたや大陸一の美貌を誇る、遊女・セシリア。二人が出会ったのは湖上に浮かぶ冷たい月の許であった。その邂逅が彼らの数奇なる運命の序章になるとも知らずに……。時はまさに戦乱。大帝国カルディアはついに北への侵攻を始め、大陸中で血と鉄と肉が軋みあうような壮絶な戦が繰り広げられていた。三国同盟を締結し、カルディアに対抗しようとするゼニツア、ルマイラ、ジェラルスタンであったが、それは容易ならざる一大事業であった……。


 大昔の角川スニーカーの復刊作品、いぶし銀の架空歴史小説「戦塵外史」シリーズ第3巻は、北方諸国と帝国との戦争が舞台。
 なんだこの萌え小説は! いやメインとなっているのは、帝国に対抗するための三国同盟成立までのあまり表舞台には出てこないやりとりで、既刊と同様に渋い物語なんですけれど、他の何よりも今巻は暴走リディスのインパクトが強くて。フーシェとの奇妙な距離感に、気持ちに踏み込まれた時のかわいらしい反応。2巻の短編の時から気にいっていましたが、さらに好きになりました。そうか、花田さんは萌えも書ける人だったんだなあ。
 あたかも著者がその世界に生きているかのような筆致は、映画監督云々のくだりなんかは行き過ぎに感じてちょっと冷めてしまいました。こういうのは程ほどなのが好み。でも地図の逸話はよかったですね、すっかり忘れていた頃に出てきて、うまいなあと唸らされました。あと三冊刊行が予定されているようで、次はどこの誰がピックアップされるのか楽しみです。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 しゃにむにGO26 (羅川 真里茂/花とゆめコミックス)
 スキップ・ビート!16 (仲村 佳樹/花とゆめコミックス)
 戦塵外史 三 大陸の嵐 (花田 一三六/GA文庫)

 しゃにむとスキビはいつも同時発売ですね。ラノベだとコバルトが刊行ペース一定な印象があります、一時期ミミとマリ見てがいつもセット発売でしたし。



___6月17日(日)


【今日読んだ本】

ビジュアル7 (辺見 えむ/B's-LOG文庫)amazon



《あらすじ》
 おばの口車に乗せられた千晶が編入してきたのは、選ばれしセレブの多く通う進学校・鴛舞(えんぶ)学園。編入したその日に知ったのは、自分が学園で三人目の女子生徒だったこと、そして、この学園内を跋扈する、理解不能の眉目秀麗変人集団「ビジュアル7」の存在だった。うつくしさも行動様式も、常識をはるかに超えたビジュアルたちに翻弄されて、千晶の学園生活はメチャクチャに!? 前代未聞のあびきょーかんノベル登場!


 今月のB's-LOGの新人さんの作品、普通の女の子が男ばかりの超金持ち学校に編入する逆ハーレムコメディ。なんだかノベライズっぽいタイトルですが、れっきとしたオリジナル作品です。
 これはいい乙女向け小説でした。平凡な女の子が超金持ち学校という異次元に放り込まれ、しかもその金持ちの中でも特別な「ビジュアル7」の面々になぜか目をつけられて好意を持たれる。少女漫画にはいくらでも転がっていそうな設定ですが、小説だと意外と思い当たりません。そもそも最近はティーンズハート消えて学園物自体少ないですし、こういう作品が出るのは嬉しいですね。いいぞB's-LOG、もっとやれ!(フォアとか青い鳥とかのやや児童向けだとあるんですかね? そっち方面は全然チェックしてないので分かりません。)
 で、このあらすじと設定から想像つくどおりの内容でしたが、勢いあって面白かったです。「ビジュアル7」の面々は、超売れっ子ホスト、日本国内で外車を300km/h超えで乗り回す車狂い、昼夜問わず相場と向かいあって稼ぎまくる好青年、本物の美少女に見える女装(一応ネタバレなので伏せ)、などなど変人揃いだけど皆かっこよく、代わる代わる現れる彼らに振り回される主人公の千晶はいかにも一般人の反応を見せてくれてかわいい(ちょっと洞察力が足りませんが)。かっこよくてかわいい逆ハーが楽しくないわけないです。今のところ彼らの向けてくる好意はラブではないですが、このキャラたちに奪い合いは似合わないので、むしろただのコメディでよかったかも。一番気にいったのはビジュアル4かな、バレバレでもミステリアスな感じがいいです。
 まだ登場していないビジュアル7が2人いるので続編が出るのは確定のようです、素直に楽しみ。


評価 ☆☆☆★(7)



___6月16日(土)


【今日読んだ本】

薔薇のマリア VII. SINBREAKER MAXPAIN (十文字 青/角川スニーカー文庫)amazon



《あらすじ》
 「カタリを生き返らせてやれるかもしれん」マリア、ユリカをはじめ、ZOOの面々が仲間の死に打ちひしがれていた時、トマトの発した一言が再びZOOに力を与える――いざ、洞窟を抜け神殿の奥底へ!今、マリアたちの決死の潜入作戦が決行される。迫るタイムリミット!行く手を阻む暗闇と謎の化物!!そしてトマトをも圧倒する存在!?果たしてマリアに笑顔は戻るのか、そして血塗られ聖堂騎士団との決着は!?ジェードリ編、完結!


 1歩進んで0.9歩戻ってを繰り返して成長していく、悩みまくり青春小説「薔薇のマリア」第7巻は、長かったジェードリ完結編。

 8巻でついにアジアンメインクル━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!

 いやー、ここ数巻アジアンがリクの回想とマリアの脳裏にしか出てこなくて欲求不満だったので、これは朗報です。5巻の死闘なんかも熱くていいものでしたが、やっぱり自分の中での薔薇マリはアジアン×マリア小説なんで、8巻が待ち遠しいですね。
 いやこの7巻も面白かったんですが、ジェードリ完結編だけあってある程度予定調和的に進んだのと、ちょっと焦点あてる登場人物の数が多すぎてZOO組以外が雑になってしまったのとで、5巻とかに比べると盛り上がりに欠けた感じ。リクあたりはもっとメインとして書かれると思っていたので残念。
 でもZOO組はよかったです。マリアが悩みまくるのはいつものこととして、他の面々が苦しんでいるのが印象的でした、トマトクンも人間なんですよね。あとユリカ黒くてかわいいよユリカ。
 神その他の色んな伏線はあまりついていけていないので半分読み流し。毎回断片的に情報が出てくるので忘れやすいんですよね。核心に踏み込んできたら一度過去作読み返さないと。


評価 ☆☆☆★(7)



百年の満月1 (たかもり 諌也/ウィングス文庫)amazon

画像は 公式で。

《あらすじ》
 時は十九世紀の終わり。初秋のパリ。カフェでピアノ弾きをしているリュシアンは、ある日、不思議な雰囲気をもった美しい青年と出会う。だが、その頃パリでは、異様な事件が頻発していた……!! オール書き下ろしでおくる、新シリーズが開幕!!


 ウィングス文庫としてはとてもレアな完全書きおろし作品、19世紀のパリが舞台のミステリー風味な怪異小説。
 女の子成分がたりない! 女の子が全く出てこないなら我慢できるんですが、ちょこっとだけ出てきてしかもそれがかわいいと、「もっと出せよ!!」と思ってしまいます。特にこの作品の場合、主人公のリュシアンを好きになれない状態が続いただけに余計その気持ちが強いですね。いくら成長物とはいっても、引きこもり気味に腐っていて、その上プライド高くて向けられた好意には反発、とボロボロなので読むのがしんどかったです。話自体は地味ながらも悲しい雰囲気がよく出ていただけに、主人公がもうちょっとよければなあ。まあ少しはマシになりましたし(まだまだヴィクトルにおんぶに抱っこですが)、あとがき見る限りは今後はヴィクトル視点もありそうなので、そちらに期待。


評価 ☆☆★(5)