トップに戻る



___7月15日(日)

 忘れないうちにラノサイ杯……トラックバックなんて送れません。あるかどうか分かりませんが、いつものページ待ちで。



【今日読んだ本】

◆◆ バッカーノ!1705 The Ironic Light Orchestra (成田 良悟/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 1705年、イタリア地方都市。15歳の誕生日を迎えたヒューイ・ラフォレットは人生に退屈し、同時に絶望もしていた。全てに無関心で世界の破壊のみを考え続ける少年が住むこの街では、奇妙な連続殺人事件が起こっていた。噂されるのは白い仮面を纏った『仮面職人』という怪人の存在。目撃者は次の被害者になるという。街が不穏な空気に包まれていく中、ヒューイの身辺に新たな異分子が入り込む。錬金術を教える学舎の同窓であり、ヒューイに恋心を抱くモニカ。『仮面職人』を目撃して殺されることを諦観しているニキ。そして、全ての人の幸せばかりを願うエルマー。彼らと連続殺人事件が絡み合う時、ヒューイの「世界」が変わるのか──。


 アニメもそろそろはじまる、錬金術師と不死者とギャングと馬鹿どもたちが繰り広げる物語「バッカーノ」の最新刊は、ヒューイやエルマーの過去を描いた番外編。
 あれ、ミステリーだ。中二病気味のヒューイが主人公でいつもの馬鹿騒ぎにはできないこともあってか、今までのバッカーノの中でも一番ミステリー仕立てなお話でした。なので、いつもの収束時のワクワクする気持ちは得られませんでしたが、謎の散りばめ方や伏線回収はさすが上手かったですね。仮面職人の正体をはじめ、真相には全然気づきませんでしたよ。まあ、自分がミステリーで真相気づくなんて滅多にないんですが……。エルマーやルネ先生がこの頃からぶっ壊れている一方で、ヒューイはまだまだひねくれた普通の人間といった感じ。今後1710でヒューイが何故変わっていくのか(やっぱりモニカが影響かな?)が楽しみです。


評価 ☆☆☆★(7)



___7月13日(金)


【今日読んだ本】

◆◆ THE DAY Waltz 1 (前田 栄/ウィングス文庫)amazon



《あらすじ》
 パウロがある日、書庫で埃まみれの古書を開いたとたん。 「おめでとうございます、あなたはこの本のマスターに選ばれました!」 と突如として現れた『それ』は叫んだ。彼??フィラレテスは『悪魔の書』に囚われて、<幽霊のようなもの>となった、四百年前のプラハに生まれた錬金術師だ。フィラレテスはパウロに言う。選ばれたマスターは本に書かれた錬金術を使うことができる、と。だが、満月の晩ごとに十七世紀プラハの「THE DAY(その日)」へと連行され、時の流れから完全に切り離された街で失われたページを取り戻すミッションに強制参加させられるオマケ付き。しかも、それがタイムリミット有り、命がけのミッションだったから?…………どうなるパウロ!?


 ウィングスの安定作家である前田さんの新シリーズは、幽霊もどきの錬金術師と共に過去のプラハの1日を繰り返し冒険するファンタジー。
 んー、面白くはあるけれど今までの前田さんの作品と比べるとやや劣るかなあ。まだ齢11歳ながら生まれ育ちのせいで、したたかでオレサマな性格になってしまったパウロと、ジャパニメーション好きでとぼけた性格の錬金術師フィラレテスのコンビは、「結晶物語」の黄龍と凍雨を90度くらいずらしたような感じ。パウロの大人びた(こんな11歳いるわけがない)オレサマっぷりがかわいくて2人のやりとりは楽しいんですが、メインキャラがほとんどこの2人だけっていうのが問題。舞台がプラハの決まった1日と非常に狭いのもあって、物足りなさを感じてしまいました。1人でも脇固めるサブキャラがいると大分違うと思うんですが……。2巻ではホムンクルスの子が出来損ないでガンガン喋ってくれたりしないかなあ。
 そういった意味で、パウロの住む屋敷の使用人たちが出てくる書きおろしの短編はよかったですね。パウロにつきまとうフィラレテスの存在だけは認識しているものの、まさか本の幽霊とは思わないわけで、その解釈の仕方がどれも突飛で面白かったです。あと、一部の人からはちゃんとパウロが愛されてるんだと分かって一安心(偏った愛され方な気もしますが)。個人的には、ショタ好き(?)メイドさんの今後の暴走っぷりに期待したいところです。


評価 ☆☆☆(6)



___7月11日(水)


【今日読んだ本】

◆◆ 悪魔のミカタ666 2 スコルピオン・レッドアイ (うえお 久光/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 “死んだ恋人・冬月日奈を生き返らせる”――堂島コウの願いが叶うかどうかは、皮肉なことに『イブ』と呼ばれる異性の存在にかかっていた! 悪魔ベルゼバブからその事実を聞かされた小鳥遊恕宇、真嶋綾、舞原イハナ――『イブ』候補の資格を持つ三人の少女たちは、それぞれの決意のもと、三日間、順番に、コウにアプローチをかけることになったのだが……。一方、全ての事実をナイショにされた堂島コウ。己の身体の異常に加え、『イブ』候補たちの“本気”のアプローチと、かつてない危機に陥った『悪魔のミカタ』。とうとう我慢の限界か――!? 人気シリーズ、新章第2弾!


 学園ファンタジー(?)悪魔のミカタの新章突入第2巻。
 裏切られた! 珍しくいい意味で裏切られた!
 いやー、あらすじ見て「まだまだエロゲ展開かよ」と思ってしょんぼりしていたら、まさかそんな荒業を見せてくれるとは。明かされるまで全然気づかなかったしべらぼうに驚きました、何かおかしいのは分かっていたのに悔しいなあ。この先彼女はどう動くことになるんだろう、うわー先が凄く楽しみになってきた。それ以外も、3人それぞれの行動と決意に加え菜々那や洋平も色々動きを見せて、盛りだくさんで面白かったです。菜々那は素直にかっこいいと言えるキャラですね、今の主だった面子の中では一番お気に入り。
 短編の方はたまたま買ったhpで読んでいたんですが、本筋とどう絡めてくるんでしょうこれ。というか、不確定要素が多すぎて一寸先すら何が起こるのか分かりません。一体何を見せてくれるのか、期待に胸を膨らませて待つことにします。


評価 ☆☆☆☆(8)



◆◆ 封仙娘娘追宝録 10 天を決する大団円 (上) (ろくご まるに/富士見ファンタジア文庫)amazon



《あらすじ》
 赤土だけの大地と掠れた黄色い空の下、漆黒の鎧兜に身を包んだ冥府の獄卒が歩いていた。獄卒が目指す先には――。「久しぶりだな和穂」兜の下の優しい笑顔と和穂の目が合う。「……えぇと……誰でしたっけ?」和穂は居心地が悪そうに答えた……。というやり取りがあったかどうかはさておき、鏡閃の復讐が始まった。理渦記が造り上げた擬似宝貝の能力は、仙人の魂魄を一人分だけ集めるもの。だが和穂の復活は、鏡閃の罠だった――。一方、轟武と殷雷たちが闘った地に梨乱たちが到着する。そこには和穂の亡骸と宝貝の残骸が散っていた。悲しむ梨乱は殷雷刀の打ち直しを決意するが……。緊張高まる異色の中華風異世界ファンタジー・シリーズ、完結編の上巻!!


 寡作の長寿シリーズ中華ファンタジー「封仙娘娘追宝録」もいよいよ最終巻目前。
 いやはや、さっぱり分からん。近刊数冊読み返して鏡閃やら静嵐やらについて思い出したはいいものの、龍華が何を考えてるのかまるで見当つきませんよ。まあ龍華が封仙娘娘だってことにすら気づかなかった自分が分かるわけないんですが。とはいえ読み返したことで、長編だけでなく短編にも色々と伏線張られてたことに気づいて感心。色々計算されてて上手いなあ。ということは龍華や護玄の行動についてもヒントがあるはず……でも分かりません、参った。あと1巻で完結するとは到底思えないんですが、きっと大団円で締めてくれるんでしょう。無事発売されますように。ああ、あとこれは言っておかないと。理渦ぷぎゃー! 


評価 ☆☆☆☆(8)



___7月10日(火)

 封仙見つかったああああああああああああ!


【今日読んだ本】

◆◆ パートタイム・ナニー (嬉野 君/ウィングス文庫)amazon

画像と試し読みは公式で。

《あらすじ》
 時給五千円につられ、外国人家庭の乳母のバイトに応募した剛。だが、肝心の坊ちゃま??バーソロミュー・ウェリントン、通称バブーは一つ年上の18歳。知能も運動能力も高いが、“悪魔のしっぽ付き”と称される、超トラブルメーカーだった!! 歴代乳母が手を焼いた坊ちゃまを腕力でねじふせるため、若くて腕っ節の強い剛が選ばれたのだ。その日から、平穏で堅実だった剛の毎日は激変し……!? 荒唐無稽な設定を、問答無用の説得力で描き切る!! 読み出したら止まらない☆ 嬉野君、衝撃のデビュー作!!


 今月のウィングス文庫はサマーフェア開催で3冊「も」発売。そのうちの1冊は新人さんの作品、超金持ちでトラブルメーカーの外人坊ちゃんと時給5000円で彼の乳母をつとめることになった主人公らが繰りひろげる破天荒コメディ。
 これは面白かった!! 基本的には平凡な青年のところにトラブルメーカーがやってきて、というよくありそうなタイプの話なんですが、このトラブルメーカーがいい意味で無茶苦茶。過去の乳母は5人逃げるわ、日本語を速攻でマスターしてしまうほどの天才だわ、でも常識は全く持ってないわ、トラブル体質は遺伝で父親は平気で戦争の1つ2つ引き起こしかねないわ。これでも一部を列挙しただけ、「リアルスト2大会ヨーロッパチャンピオン」などというふざけた設定などもあったりします、馬鹿だなあ(褒めてます)。
 ここまで無茶苦茶だとムカつくキャラになりそうなところですが、常識がないだけでわざとトラブル引き起こしているわけではないし、ちゃんと人情や反省する心も持っていて、主人公の家族には好かれるし、使用人たちにも全く見捨てられない、とムカつくどころかむしろ好感度高いです。でも、こんな人間の乳母はそれはもう大変なわけで。主人公の振り回されっぷりと対抗しての躾っぷりのせめぎ合いがとても楽しく、一気に読み終えてしまいました。
 主人公の家族やパーソロミューのダブル執事をはじめとしたサブキャラたちも個性豊かで楽しさを倍増させてくれましたね。弟の「いそふらぼんがいっぱい入ってます」とか好きです、いい子だなあ。
 まともな女キャラはおばちゃんしか出てこないしBLでもない、でも面白い。そんな作品を普通に出してくれるウィングスが大好きです。秋からは本誌で連載がはじまるそうで、無茶苦茶楽しみ。


評価 ☆☆☆☆(8)



◆◆ 少年は、二度太陽を殺す 幻惑の国の皇子 (和泉 朱希/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 帝国の軍人になったウェン&ヘイリス兄弟と共に、皇子としてアグラス王宮へ乗り込んだヤン。が、ヤンの力をただ一人抑えることのできるイウサールは記憶をなくしたままで、ヤンを拘束しようとする。さらにその身を案じていたアシーラ王女は、他国の皇子との結婚が決まっていた。ショックを受けるヤンに謎めいた男ナジムが語った王女の婚約者の真実の姿とは――!?ビーンズ大賞優秀賞受賞ヒロイック・アドベンチャー第2弾!


 今年のビーンズの新人さんがおくるループ(?)ファンタジー「少年は、二度太陽を殺す」第2巻。
 あれ、終わらなかった。いや1巻で「今度こそは!」ってムードがプンプン出ていたので、この巻で完結するものだと思いこんでいたら普通に続いて拍子抜け。まあチビルゥルゥがかわいかったり、ようやく諸悪の根源が姿を現して色々明らかになったりと面白かったんですが、ヤンの自分勝手なヘタレっぷりが相変わらずなのはどうにかならないのかなあ。イウサールが最初の頃と比べて男を見せるようになったのとは対照的(一人でも頑張ってるのはさすが王子)。主人公かつキーマンなんだし、3巻ではもう少し成長してかっこいいところを見せてほしいものです。
 あと、こういう物語主体の話は引き延ばさずに終わってほしいなあ。ビーンズだしちょっと心配。


評価 ☆☆☆(6)



___7月9日(月)

捜索願
我が家の「封仙娘娘追宝録 刃を砕く復讐者(下)」が行方不明です。見つけた方には金一円差し上げますのでご一報を。

 ……導果先生が登場するところまで自室で読んでいたのは確かなんですよ。で、どこにも持ち出していないはずなのに見当たらない。まさに密室トリック。導果先生助けて!


【今日読んだ本】

◆◆ 空ノ鐘の響く惑星で 外伝―tea party's story― (渡瀬 草一郎/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 あれから約十年――アルセイフの王宮で王弟フェリオの子供・アスティナとリグリスの教育係を任されているシアは、二人を捜して王都・セイラムを駆け回っていた。やんちゃな二人が城を抜け出すのはいつものことだが、今日は養父のムスカ司祭がフォルナム神殿から訪れる大切な日。王宮ではささやかなお茶会の準備も進められている。慌てるシアだが、そこで思いも寄らぬ人物と出会い――? 王宮騎士団の迷(?)コンビ・ライナスティとディアメルや、北方民族の美しき守人・シルヴァーナと、ラトロアの剣士・ハーミットのその後など、本編では語りきれなかった、あのキャラクターの“過去”や“未来”が明らかに――!


 先日完結した空鐘の外伝は、キャラ達の過去と未来を描いた短編集もどき。
 外伝らしくファンサービスたっぷりで面白かったです。サブキャラ達に焦点を当てた過去の短編は色んな人の新たな側面が見れて楽しかったし、ほとんどオールスターメンバーの10年後のお話はみんな幸せそうでよかったよかったの一言。サブキャラで印象に残ったのは、ライナスティのチートくささとソフィアのかわいさ。特にソフィアはメインのウルクとリセリナを食いかねないほど力入れて描かれていました。意外と腹黒でたくましいニナや何枚も上手のバロッサといった周りのキャラもいい味出してましたし、一番はこの短編ですね。
 もっともっとこのキャラ達を見ていても多分飽きないですが、大団円だししょうがないですね。新作がこれ以上に面白くなることを願ってます。


評価 ☆☆☆★(7)



◆◆ 旋風天戯 悪夢は秘かにやってくる (瀬川 貴次/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 神仙の血を引き妖魅に狙われる少女・芦笙。呪いをとくため、妖魅退治をもくろむ貴琅。一緒に旅することになった二人だが、訪れた町であやしい旅芸人の一座と出会い…。中華ロマンス・ファンタジー!


 神仙の血を引く少女と魔物の体になっている青年の中華ラブファンタジー「旋風天戯」第3巻。
 ラブ進展きたー! ついに貴琅→芦笙の方向にも感情が芽生えましたよ! お風呂でドッキリがあったり、前巻より色んな意味で濃厚なキスシーンもあったりとなかなかおいしい巻でした。その一方でお父さんは忠告はしたものの見てるだけ状態でしたが、そろそろ本気で動かないとまずいでしょう。というか多分もう手遅れですね、でも4巻では無駄なあがきを見せてくれるはず。
 ストーリーは「色々あってかなり強い妖魅っぽい奴らと旅することになりました」で説明ついちゃうくらい進んでませんが、その分4巻では色々起こりそう。貴琅もますます揺れるでしょうし楽しみです。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 パートタイム・ナニー (嬉野 君/ウィングス文庫)
 THE DAY Waltz 1 (前田 栄/ウィングス文庫)



___7月7日(土)

 通常営業再開。なんだか最近少女系感想サイトになってるので、今月は少年系を強化できる……といいなぁ。ついでに6月のまとめ。

 読了――13冊
 購入――7冊

 あれこんな買ってないはずが、多分何か記載漏れしてるはず。しかし今月はもうちょっと読まねば。

 キスとDO-JIN、amazonにありましたね、なんでamazonShで引っかからなかったんだろう……。ともあれ情報thxです。

【今日読んだ本】

◆◆ BURAIなやつら 〜流浪の王女〜 (あまね 翠/ルルル文庫)amazon



《あらすじ》
 シルディーヌ神王国は、『神の国』と呼ばれ絶対の不可侵のもと繁栄を築いてきた。しかし、突然の隣国の侵略により一夜にして王位を奪われる…。戦禍を逃れた第一王位継承者のルティアナは、男装し国を奪回するための旅に出た。旅の途中、孤立無援となった彼女の危機を救ったのは、凄腕の傭兵で…!? そして、この出会いが彼女の運命を大きく変えていく! 流浪の王女とBURAIな騎士(ナイト)たちが繰り広げる王道ファンタジーここに開幕!


 先月のもう一人のルルルの新人さんは、侵略された国の王女が主人公の男装ファンタジー。
 うーん、悪くはないけどちょっと物足りない。美形な男たちと一緒に街を巡りつつ逃亡の旅、というのはいかにもよくありそうな展開で、物語で「おおっ」と思わせるタイプの作品ではなし。「街の領主が私腹を肥やして〜」という凄まじいベタまで出てきますし。
 となると好きになったキャラがいたかどうかが問題になるんですが、お気に入りのキャラが見つけられず。主人公の世間知らずで性善説な性格はつい最近もどこかで見た気がするし、ひねくれ、軟派、マジメ(?)と取り揃えた男性陣も、嫌いな人はいないんですが好きにもなれませんでした、残念。
 あと、どうでもいいですがタイトルセンスが気にいらない。前半シリアスなのにBURAIは、うーん……。


評価 ☆☆★(5)



◆◆ 姫宮さんの中の人 (月見 草平/MF文庫J)amazon



《あらすじ》
 私立クレマチス高校に通う星野純は、最近ちょっとだれていた。運動はできないし、成績も鳴かず飛ばず。陸上部で輝かしい青春をおくっている幼馴染みの神楽結衣がなんだか眩しいくらいだ。これじゃあ、憧れの生徒会長、姫宮ちとせとお近づきになれる日なんて永遠にこない……ハズだった。そんな星野に一世一代のチャンス到来! 落し物をした姫宮を追って生徒会室を訪れた星野が、これを機に彼女と話せる、と思ったら! え、姫宮さん、今なんか、カラダ、フタ開きました? 「『中の人』など、いない!」「……ってぇぇぇ!」――星野とワケあり美少女姫宮ちとせのコンプレックス・ラブ・コメディ、始まります!


 「カルナ」「きらほ」の月見さんの新シリーズは、生徒会長には実は「中の人」が……、なラブコメディ。
 月見さんには女主人公の方が合っている気がするなあ。自分の好みの問題も多分にあるとは思うんですが、男主人公になって楽しさが大幅ダウン。というのもこの主人公、過去2作の2人に比べて好感度低すぎです。「外の人がいい」と中の人に言い放つのは人としてあまりにもひどいし、その後の感情の変遷にも納得いかなかったし、いい点があまり見つかりませんでした。アイデアはいいとは思うんですが……。どうせなら美形ツン眼鏡生徒会長の中にショタっ子が! だったら良かったのに。MFじゃ無理ですか。


評価 ☆☆(4)


【今日購入したもの】
 バッカーノ!1705 The Ironic Light Orchestra (成田 良悟/電撃文庫)
 悪魔のミカタ666 2 スコルピオン・レッドアイ (うえお 久光/電撃文庫)
 空ノ鐘の響く惑星で 外伝―tea party's story― (渡瀬 草一郎/電撃文庫)
 数学ガール (結城 浩/ソフトバンククリエイティブ)
 罪と罰3 (鈴木 有布子/ウィングスコミックス)



___7月4日(水)


【今日読んだ本】

◆◆ 愛玩王子 (片瀬 由良/ルルル文庫)amazon



《あらすじ》
 飼い犬のハリーがくわえてきた指輪と小さな王子様は、普通の少女だったはずの比奈が非日常の世界に踏みだす合図だった! 抜けなくなってしまった指輪を外すために王子と一緒にやってきた魔界で、比奈はなんとなく王子と良い関係に。そんな中、二人はとんでもない大事件に巻き込まれてしまう。比奈が大ピンチになったその時、彼女を救ったのは――。恋と冒険がたっぷりつまった物語がはじまる。


 ルルル文庫の「ルルル賞」受賞作、普通の少女がチビっ子王子と魔界で繰りひろげるコミカルラブファンタジー。

なんという普通の少女・・・
自宅の目の前に現れたドラゴンに一瞬で順応してしまった
この女子高生は間違いなく超人(^o^)

 と古くさいコピペを思わず使ってしまうほど主人公は普通じゃなかったですが、文句なしに面白かったです。この作品一番の魅力は、なんといっても主人公とチビっ子王子の掛け合い。王子はチビでツンで大人びた子供、主人公は色んなことを受け流す軽い性格、となると必然的に怒りまくるかわいらしい王子が見れるわけで。単体でも十分かわいいのに、カップリングでかわいらしさが倍増、王子かわい〜! その脇を固めるキャラも、魔王パパと世話役の人のお茶目な愉快さがいい味だしてました。
 話は逸れますが、この魔王パパが気にいった人はお茶目キャラ繋がりでプリンセスナイトメアのお父様も気にいりそう。このプリンセスナイトメア、ラブはもちろんとして、バトルあり、笑える学園日常ありでかなり面白い乙女ゲーです。主人公が小悪魔でかわいいしフルボイスなので、乙女ゲーはちょっと……という男性でも大丈夫。少女レーベルに手を出している人なら外れってことはないはず、お勧め。
 ……大分逸れましたが、勢いある展開と主人公の軽いけど動じない一人称が噛み合って最後まで楽しめました。これは次回作も楽しみ。


評価 ☆☆☆★(7)


【最近購入したもの】
 旋風天戯 悪夢は秘かにやってくる (瀬川 貴次/コバルト文庫)



___7月2日(月)

 もう少しで通常更新に戻ります。


【今日読んだ本】

◆◆ キスとDO-JIN! 〜お兄様はタックスフリー!?〜 (小林 来夏/もえぎ文庫ピュアリー)amazon



《あらすじ》
 同人界の洗礼(?)を乗り越えサークル活動を開始させた七海。だが今度は同人脱税問題に巻き込まれて……!? ワイルド系脱税大手に美貌のマルサの男など新キャラも登場☆ 同人界の真実に鋭く切り込む、腐女子のシンデレラ・ストーリー第2弾!!


 主人公は腐女子だけど立派な乙女、ラブありドタバタシンデレラストーリーの「キスとDO-JIN!」第2巻は同人誌の税金問題がテーマ。
 うー、相変わらず面白いけど……。腐女子な新キャラも新しく登場して、カップリング妄想などはパワーアップしていて楽しかったです、なまもの萌え恐るべし。でも、「同人誌と税金」のはずなのに、普通の税金問題を扱っているのが気になりました。こういう現実社会問題をモロにいれてるライトノベルって少ないんで、反体制的な扱い方云々は抜きにして面白いとは思うんですが、このシリーズでこういうのはやってほしくないなあ。だって、税金よりラブがもっと読みたいんですよ! シナナナでもタカナナでもシツシナでもいいんで! ……なんか変なものが入りましたが、とにかくラブ分が1巻に比べて不足していたのが残念でした。3巻ではもっとラブ増やしてほしいものです。


評価 ☆☆☆(6)