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___11月12日(月)


【今日読んだ本】

バッカーノ!2002 【B side】 blood sabbath (成田 良悟/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 双子の豪華客船は未曾有の危機に瀕していた。シージャックされていくチェスの乗る『エントランス』。だが、そこに衝突しようと迫るもう一方の『イグジット』は、不死者を狙う輩により壊滅的状況に。その船上に存在したモノとは──!? 惨劇のフィーロの新婚旅行の行方は──!? そして、物語は核心へと近づいていく──!!


   不死者がわんさか大騒ぎシリーズ「バッカーノ」の最新刊、双子の豪華客船シージャック激突編の後編。
 おー、ちゃんと終わった。Aside読んだ時は絶対Csideまで行くと思ってたんですが、綺麗に事件終わっちゃいました。後半「あれっ?」ってくらいにあっさり解決しちゃったのが少し物足りなくはありましたが、関わりない複数勢力がまとまる様はなかなかよかったです(それぞれの勢力の描写も癖あって面白かったですし。特にエイジングのイカレっぷりが気に入りました、成田さんノリノリで描いてるのが伺えます。)。それに、SAMPLE気持ち悪くてこれ以上見たくありませんでしたしね。
 まあ他にも多くの方が言っているように、今回のメインはエピローグ以後なわけですが。いやー、「なんじゃそりゃあああああああ」と叫びたい気分になりました、1931に伏線なんてありましたっけ? 忘れてるのか気づいてなかったのか、これは読み返さないと(って貸し出し中だった……)。ちょっと大きなスケールになりすぎておいおいこれ畳めるのか、それよりついていけなくなってきましたよ、など疑問や不安がたくさん浮かんできましたが、すごく先が気になるのは確かなので頑張ってついていきます。


評価 ☆☆☆★(7)



___11月9日(金)


【今日読んだ本】

輪環の魔導師 闇語りのアルカイン (渡瀬 草一郎/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 神々はその世界に祝福を残し、そして去っていった―― 辺境の地、ミストハウンドに暮らす見習い薬師のセロ。優秀な魔導具職人を祖父にもちながら、その孫たる彼は何故か魔導具を造ることも使うこともできない。祖父の亡き後は主のオルドバに仕えつつ、薬師としての修業に日々を費やしていた。そんなセロのもとに、ある日、王立魔導騎士団のハルムバックと名乗る青年が現れる。彼は“祖父の遺品”の魔導具に興味を示すが―― 『空ノ鐘の響く惑星で』の著者・渡瀬草一郎が贈る待望の新シリーズは、“見習い薬師”と“黒猫”が織り成す冒険ファンタジー!


   渡瀬さんの新シリーズは、とある秘密を持っている薬師見習いの少年が主人公の魔道具ファンタジー。
 なんてこった、カボチャが黒猫のドラえもんになっちまった! この一行でこの巻の感想は半分くらい終わったようなものです、いやほんとに。まず人外ということでカボチャとかぶるし、ポジション的にも似ているのでどうしても連想してしまいます。でも、さすがにカボチャよりは常識猫だし、こちらはメインキャラの一人として過去が掘り下げられていきそうなので楽しみ。で、あとの半分は、ライバル登場で恐怖で地獄の三角関係マダー? これだけフィノが独占欲高いんだから、当然敵も出てこなくちゃ話がはじまりませんよね(フィノ単独でもセロとのやりとりは十分かわいいんですが)。生半可な性格じゃフィノに押しつぶされそうなだけに、どんな子が出てくるか非常に気になります。
 もちろん、今後どんな魔導具が出てきて世界とどう関わるのか、セロたちはどんな事態に巻き込まれていくか、なども気になるんですが、現段階ではあくまでそれはおまけ。とりあえずは、きっと次巻で出てくるライバルに注目です。


評価 ☆☆☆★(7)



特捜司法官S-A2 (麻城 ゆう/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 秋津秀は、お茶の間の超人気テレビドラマ「特捜司法官S-A」で主役のS-Aを演じる俳優だ。他の誰にもその役を演じることはできない……なぜなら、特捜司法局のバックアップのもと、秋津の目にはまるで特捜司法官そのもののような銀色の人工眼球がはめ込まれているのだ。多くの秘密を抱え、謎に満ちた俳優。そんな彼のもとに、一人のゴーストライターが近づいてきた。綾村亜矢と名乗るその女と共に、秋津は再び事件に巻き込まれていく??!! 大人気シリーズ、文庫化第二弾!!


   22世紀の未来の地球が舞台、特捜司法官という存在を中心にしたサスペンスドラマ「特捜司法官S-A」第2巻。
 うーん、やっぱり世界が変な気がします。大抵の太陽系惑星には人が住むようになって地球連邦なんてものが成立している時代の割に、生活や犯罪のレベルがたいしたことなくてアンバランスなんですよね。おまけにニュー・トーキョー・スポーツだし。こういうパロネタ向きの作品じゃないような……。事件の起承転結なんかは1巻よりもうまくなっている気がしたし、女性の新キャラが登場して華やかさも増しているんですが、22世紀の話には見えません。もう世界はこういうものだと受け入れて読もう。


評価 ☆☆★(5)



___11月8日(木)


【今日読んだ本】

放課後あやかし姫 ―夢の中でも危機一髪!?― (足塚 鰯/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 妖相手の何でも屋と高校生の二重生活を送る日名子は、部活の夏合宿中、悪夢に襲われていた。一方、日名子が不在の間、何でも屋の仕事を任されていた友人ツムギたちの元に日名子の兄という妖が現れて!?


   妖怪たちの頼みをついつい引き受けてしまい「佐伯様」とまで呼ばれるようになったお人よしの女子高生が主人公のラブ薄コメディ「放課後あやかし姫」第2巻。
 ありえない、ありえない、あーりーえーなーいー。とりあえずこの引用を見てください。

「仮に縁談が来たとしても大丈夫だよ。私にはツムギがいるんだから。」
「ほ、本当に、そう思ってくれるんですか?」
勿論そんなつもりで言ったのではなく、”困ったことがあっても仲間がいれば乗り越えられる”という意味だったのだが、

 うんうん、よくある言葉のかけ違いですね。ハタから見たら大好きと言ってるようなものですからね。

伊の国の後ろ盾を期待していると受け取られてもおかしくはない台詞だ。

 お前は何を言っているんだ。なんだその思考回路は、それでも乙女か! まあ普通の人間じゃなくて半妖なんですが、それでもありえないですよ。これじゃラブ方面には永遠に行かないじゃないですか全く。これで一気に萎えました。
 露骨なまでにツンデレなお兄ちゃんが出てきたり、日名子が疎遠気味だった人間方面と仲良くなったりと話はそこそこ面白かったんですが、今後にあまり期待が持てないのがなあ、そもそもツムギあんまりかっこよくないですし。続きは様子見で。
 


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 バッカーノ!2002 【B side】 blood sabbath (成田 良悟/電撃文庫)
 輪環の魔導師 闇語りのアルカイン (渡瀬 草一郎/電撃文庫)




___11月6日(火)


【今日読んだ本】

響け、世界を統べる唄 幻獣降臨譚 (本宮 ことは/講談社X文庫ホワイトハート)amazon



《あらすじ》
 なんとか王都へたどり着いたアリアたちは、幻獣である光焔(こうえん)を御する方法を得るため、リスタル王国の守護獣グリフォンを使役する巫女姫・シエネスティータに会おうとする。だが、厳重な警護のため、隙を見つけることが出来ずにいた。困ったアリアは、幼なじみのライルに相談を持ちかけようとするのだが……。王家の思惑、他国の策略、そして、女神信仰を否定する一派――様々な陰謀が絡み合う、シリーズ第6弾!


   前巻で黒化する人物が急増してきな臭くなってきた逆ハーファンタジー「幻獣降臨譚」第6巻、新刊が出たのでそろそろ読むことにしました。
 なんというラブ寄せ……。前巻のきな臭さが嘘かと思えるほど明るい恋愛模様が展開されて楽しかったです。というのも、アリアに初恋をして何かと突っかかりまくるシェナンと、久しぶりに会った幼なじみの変化に動揺するライル、この2人が掛け値なしにかわいいんですよ。再会直後にライルがクラっとする場面とかたまらない。皆に好かれるだけあってアリアもそれなりに可愛いんですけれど、この2人の前では霞みますね。2人とも陰謀に巻き込まれそうな立ち位置にいるだけに、今後アリアとどう接していくのか楽しみです(特にシェナンが恋を自覚したらどうなるのか)。
 まあその一方でサフィアをはじめとしたきな臭さも継続中なんですが。姫様の動きが今巻はなかったので、そちらがとても気になるところ。それにしてもディクスは迷走してますね、数巻後に「こんなことになるなんて……」とか言ってそうです。ポジション的にはアリア争奪戦で応援したいんですが、うーん。
 10巻では到底おわらなそうですがどれくらい続くんでしょうかこれ、とりあえず新刊もとっとと買ってきます(近場では売り切れてた)。
 


評価 ☆☆☆★(7)



特捜司法官S-A1 (麻城 ゆう/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 裁判官であり、検察官であり、死刑執行人である合成人間??特捜司法官。人間でありながら唯一人銀色の人工眼球を持つことを許され、TVドラマでS-Aを演じる秋津秀(あきつしゅう)が、本物のS-Aに出会い……!? 人気コミック「JOKER」の原作者による外伝第1弾、ついに文庫化!!


   麻城さんが原作を担当している「JOKER」という漫画の外伝作品、結構遠い未来を舞台に特捜司法官の活躍を描いた物語。こういう場合はノベライズとオリジナルのどっちなんだろう、まあどうでもいいですね。
 で、初出が1990年の未来物だけあって、非常に時代を感じさせる設定の物語でした。人工知能型ワープロですよ、パソコンじゃないんですよ。火星に人が普通に住んでいる時代にテレビドラマの視聴率が50%ですよ。というか一般人の暮らしの変化が現代と比較してなさすぎですよ。今の視点から見ると色々ありえない世界ですね、まあ当時はこんな設定が普通だったのかな? そう考えると興味深いです。でも、ドラゴンクエストセブンティセブンはさすがに悪ノリしすぎ、こんなので自ら世界観を貶めるのはもったいない。やっぱり当時にしてもありえない世界だったのかも。
 中身は一般人の俳優が特捜司法官が関わる事件に巻き込まれるサスペンスで、設定通りのテレビドラマっぽい話でしたが、司法官周りの設定はさすがにちゃんと練られていて、人工人間を扱った二篇目などはそこそこ面白かったです。ただ、タイトルにもなっている女キャラのJOKERが外伝ということで出てこないのが非常に残念。メインキャラ男ばっかりでかっこいい人いないのが少し辛いです。まあ後6冊もあるのでのんびり読んでいきますか。


評価 ☆☆★(5)



___11月3日(土)


【今日読んだ本】

グランドマスター! 呪われた女騎士? (樹川 さとみ/コバルト文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 港町で金髪の娘を狙う人さらいが横行している噂を聞き解決に向かった〈黎明の使者団〉。姫総長シーカがおとりになり人質は救出したものの、一人「自分は女性ではない」と言い張る女騎士がいて…!?


   樹川さんがおくる姫総長ご一行の珍道中コメディ「グランドマスター」シリーズ第2巻。
 男の人のお尻は女の子のおっぱいよりも素晴らしい! という話でした。……嘘じゃないですよ! シーカの逆セクハラが1巻よりもさらにパワーアップ、おっぱいもお尻も触りたがるシーカもとんでもないですが、自らお尻を犠牲として差し出すハルセイデスはもっと凄い。電車の中で読んでいて噴出しましたよ全く。樹川さんの笑いのセンスは自分に合っているなと再認識。
 旅の真の目的も少しずつ明かされてきました、シーカは実はかなり色々と知っていそうですね。でもセクハラはカモフラージュじゃなくて絶対地だと思う。本部で企んでいる人たちは次巻あたりで本格的に動くのかな、きっと今までにも増してハルさんがシーカに振り回されそう、楽しみです。
 そういや一応性転換がかなりメインにきている話だったのに、あんまりそういう雰囲気がなかったなあ。女状態のアスティルとバイガンとヒルダの3人でのやりとりがもっと見たかったです、特にバイガンは色々と戸惑ってくれそうだっただけに絡みが少なかったのが残念でした。


評価 ☆☆☆★(7)



Cotton2 (くりこ姫/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 伏(ふせ)に恋をして、少しずつ親兵(しんぺい)は成長していく。より強く、より男らしく。伏の七人の恋人たちにだって決して負けはしないのだ。だがしかし、そこに新たに登場したのは親兵パパ。どうやら何かいわくありげな二人。まさかパパが最強の恋敵になろうとは……!!恋するボーイズ・グローイングアップ・ストーリー!!


   ウィングス文庫の初期作品、我がまま坊ちゃんと謎の美青年のBL完結編。
 駄目だやっぱりついていけない、親兵と伏どちらの良さも分かりません。親兵は伏しか見えてなくて視野狭いのに都合のいい時だけ活躍しているように見えて違和感がぬぐえなかったし、伏は途中までは完璧キャラで何考えてるかつかめませんし。おまけに親兵の親父帰ってきてからの後半は怒涛の超展開で置いてけぼり。婚約者の玉子以外いいと思えるキャラがいませんでしたとさ。


評価 ☆☆(4)



___11月2日(金)

 10月のまとめ。

読了――34冊
購入――16

 30冊オーバーは久々、10月は面白い本たっぷりでした。


【今日読んだ本】

愛玩王子 〜瑠璃色の卵〜 (片瀬 由良/ルルル文庫)amazon



《あらすじ》
 魔界での大騒動のあと、王子は大好きな比奈を追って人間界へやってきた。そして比奈の部屋に居候してしまう。そんな王子にどう接したらいいのかわからなくて、比奈はオロオロ。そんなある日、王子の幼なじみのアルが、“瑠璃色の卵”を捜すために魔界からこっちに現れた。比奈と王子は猫たちの力を借りて、彼の捜し物を手伝うことになったのだけれど……!? 恋と冒険の物語がまたまた始まる!


   ルルル文庫の新人さんの受賞作の続編、一見普通な少女と魔界の王子がくりひろげるラブコメディ。
 うーん、1巻よりパワーダウン。1巻で気にいったのは、チビッ子王子のかわいらしさとひょうきんなお父様、それに普通とはかなりずれた感性を持つ比奈といったところだったんですが、この2巻では王子は大半がでかい姿での登場だし、お父様はほとんど出てこず終い。比奈もへんてこさが薄れちゃったのがなあ、恋愛中心になっちゃうと恋を知らない奥手な女の子の域を出ていないんですよね。ラブコメとしてはドキドキイベント豊富でそれなりに楽しめたものの、新キャラも1巻のキャラに比べると好きになれないし、3巻は様子見かな。


評価 ☆☆★(5)

廻想庭園4 (真瀬 もと/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 「ローズマリーの肖像画」が見つかった。絵はアガサの自画像「追想」の下に描かれていたのだ。上書きされた絵を洗浄するまでの猶予期間がもうけられ、サヴァンの妄執と闘いながらも、絵筆をとりキャンバスに向かう時弥。この世にアンディを引きとめたローズマリーを、その特別な色を、その特別な線を思い描いて??。アンディが望んだ絵、望んだ願いを時弥は描き出せるのか、そして喪われたブルーダイヤモンドを手にする者は……!? 時計じかけのホーンテッド・アフェクション、ついに感動の完結!!


   絵描きの少年と彼にとりついた幽霊との心暖まる交流の物語(大嘘)「廻想庭園」最終巻。
 なるほど、この作品で伝えたかったのは「天才肌の芸術家や芸術家を好きになるような人は常識外れです」ということだったですね! そう思ってしまうくらいラストの書きおろし短編が強烈でした。結婚式当日に花嫁を奪いに行く、までならありふれた展開ですが、そこでの時弥の言い草が凄い。「結婚してもいい。けど、旦那になる男よりも、家庭よりも、俺のことを一番好きでいてほしい。今そういう気持ちじゃないなら、この結婚を延期してほしい。」なんという自分勝手さ。本編の時弥見ると、こういう性格でちょっと不器用なだけでそう身勝手でもないと納得行くんですが、それでもこの台詞は衝撃的でした。これで結婚放り投げちゃうドリスもドリスなんですけどね(当然時弥に平手打ち食らわすくらいのことはしてますが) 1巻始まった時は到底恋愛なんてできないだろうと思っていた時弥が、こうしてドリスを愛せるようになったのはよかったなあ。変てこだけれど感情が真っ直ぐに伝わってくる時弥の内面描写から、彼女と一緒にいたいという気持ちがひしひしと伝わってきました。
 番外編についてばかり書いてますが本編も綺麗にまとまっていました、アンディ救われてよかったなあ。心理の変遷はアンディだけでなく皆複雑すぎてあんまりついていけてないんですけどね。読んでて人間って難しいなあとつくづく感じたシリーズでした。
 ウィングスの真瀬さんは後1シリーズ。「帝都」で「事件簿」と自分の好みから外れていそうですが、はてさて。


評価 ☆☆☆★(7)