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___2月28日(木)

 最近多めのメルフォレスー。

>ところで主人公が喋らないのはマイナスですか? 
>金色のコルダをプレイしたことはありませんか、あれは本当に全く主人公側のセリフないけれど、
>それ自体はマイナス要素にはならないように思います。
>この場合どういった意味でマイナスだったんでしょうか。参考までに教えてください。

 あー、これはこちらの書き方が悪かった気がします。セリフなしじゃなくてボイスなしのことを書いてました。コルダはプレイしたことがない(SLG系の作業が嫌いなので)ので分かりませんが、多分勘違いされてますね、すいません。
 それでボイスがあったほうがいい理由ですが、自分が乙女ゲーの類やるときは、主人公に感情移入するわけでなく引いた視点で楽しんでいるので(ついでに言うと主人公のかわいさも楽しみたいので)、主人公のボイスは基本的にあった方が好み。特にユアの場合、キャラ萌えよりも読ませるタイプの作品なので、余計にあってほしかったなあと。ボイスなかったのには演出上の理由もあるみたいですが、寂しかったです。


【今日読んだ本】

執事喫茶クローバーへようこそ (大月 はじめ/もえぎ文庫ピュアリー)amazon



《あらすじ》
 母を亡くし途方に暮れる高一の少女・鈴原琴音のもとへ、母方の祖父で日本有数の富豪・久須美源三郎が現れ、琴音を孫娘として迎え入れたいと申し出る。しかしそれには「フィアンセ探しテスト」に臨まなければならなくて!? さらにそのテスト内容は、「執事喫茶クローバー」で男装して勤務し、そこで働く“フィアンセ”の御曹司を見つけ出すというものだった…!! 美形執事ハーレムでの、ドキワクの恋の試練やいかに


 たまには人柱になってみよう、というわけで今月のもえぎ文庫ピュアリーの新刊である、執事喫茶が舞台の逆ハー物語。
 あれだ、人柱になるときはせめて1、2ページくらい中身を確認してから買うべきです。ページを開いた先には、とにかく大量の「……」の乱舞、しかも「…」と「……」、さらには「………」の入り乱れ。この時点で人柱になったことを後悔しました。微妙に使い分けているようにも見えますがよく分かりません、読みづらいだけです。3点リーダを多用するくらいだから主人公は気弱キャラなのかと思ったら、逆に気が強いタイプですし、うーん。
 逆ハー対象である男性たちのキャラ立ても、近藤・土方・沖田と新撰組からパクってきて何だか単純。沖田のキャラが子供っぽくて、藤堂あたり混じっている気がしますし。あと、主人公がせっかく男装しているのに正体バレがないのがもったいないです。せめてバレそうなイベントがもっと欲しかった。そもそも、キャラが新撰組で、一人だけが主人公が女性だって知ってて、他キャラは主人公の男姿に惚れるって、それなんて風光る?
 他にも仕事関連とか恋模様のまとめ方とか色々文句はあるんですが、何が悔しいかって、こんなにも気に食わない点が多いのに、そこそこは楽しめてしまったこと。気が強めで男性関係は初心な少女を主人公に据えて、かっこいい男どもとの妄想イベントを詰めこめば、つまらなくなるはずないんですが、あー悔しい。そんなわけで、細かいことが気にならない人にはお勧め。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 執事喫茶クローバーへようこそ (大月 はじめ/もえぎ文庫ピュアリー)



___2月27日(水)

 ちまちま遊んでいた「ユア・メモリーズオフ〜Girl's Style〜」をコンプ。シナリオライターが清水マリコということで、ラノベ読みで気になっている人がいるかもしれないので、箇条書きで雑感書いてみます。

  • 乙女ゲーとシリアスな青春ドラマを足して2で割った感じ

  • 主人公は癖があまりない普通の女の子で好印象

  • メインルートのいくつかは各キャラ(主人公含む)のトラウマをえぐる展開で結構鬱展開

  • バッドエンドのいくつかがかなりダーク、退廃的というか乙女ゲーらしからぬ黒さ。そんな中、ワーストエンドが目を背けた結果の停滞なのが面白い

  • ちゃんとグッドエンドはハッピーです

  • 乙女分はシナリオによって濃かったり薄かったり。個人的にはもっと濃くてもよかったけれど、男性もターゲットにしてるならこれでいいのかも

  • 電波な女の子キャラが怖いです、ゾクっときます

  • でも主人公の姉がもっと怖いです。彩色兼備の優等生タイプで、主人公と表面的には仲いいけど実際は嫌っている感じが声や台詞からがんがん伝わってきて素晴らしすぎ

  • 上の2人をはじめ、女性キャラが皆よかったです

  • クリア後に攻略キャラ視点での話あり、分量は少なめ。こちらは期待すると肩透かしかも

  • 主人公視点では主人公のボイスがありません、ちょっとマイナス(2/28修正)


 結論としては、怖い姉スキーやダークスキーやトラウマスキーなら買い、乙女分期待するなら微妙、ってところでしょうか。実は清水マリコ作品は「嘘つきは妹にしておく」しか読んだことないので比較はできないのですが、ファンならやってみても良さそうです。



___2月26日(火)

>群青の空を越えて読んでみました。……何か図書館戦争っぽいのりですね。

 メルフォレス。なるほど、未プレイの人にはそういう風に見えるんですね……。荒唐無稽に見える設定や若年世代の恋愛など、確かに共通項あるものなあ。楽しめたならいいのですが……。


【今日読んだ本】

生徒会の一存 (葵 せきな/富士見ファンタジア文庫)amazon



《あらすじ》
 私立碧陽学園生徒会室――そこは、選ばれし者だけが入室を許される聖域にして楽園。生徒会メンバー中、唯一の男性である副会長・杉崎健は、今日も生徒会室の中心で愛を叫ぶ。「俺は美少女ハーレムを作る!」と(ただし、扱いは空気以下)。そして、お子サマ生徒会長・桜野くりむは、今日も生徒会室の中心で身勝手に叫ぶ。「ただの人間には興味あ(自主規制)」日々くり広げられる、ゆるすぎる会話。日々費やされる、青すぎる青春。いざ行かん少年少女よ、妄想という名の大海原を! これは、ユカイツーカイついでにちょっぴり秘密アリな碧陽学園生徒会メンバーたちの、愛すべき日常をつづった記録の一端である。


 あちこちで評判がよかったので買ってみた先月の富士見の新刊、生徒会メンバーが生徒会室でダベるだけの物語。
 なるほど、本当にダベっているだけなのになかなか面白かったです。あらすじ読む限りはただのハーレムで、実際ハーレム。男一人と女四人、会長のズレと主人公のボケを中心としたゆるいやり取りが楽しかったです、ヒロインみんな程よくかわいいですし。その一方で、ハーレムのアンチテーゼというか変わった側面もあって、主人公がハーレム宣言してて、ギャルゲ極めてて、いかにもギャルゲ的な過去を告白して、とやりたい放題。これで嫌味をあまり感じさせないのはすごいなあ、出来すぎな人間に見えそうなところをバカな行動でうまく緩和してます。ただ、終わり付近に特に多かったメタ的な面は個人的にはちょっとやりすぎに感じました、そこまでしなくても面白いのに。
 そんなわけで楽しかったですが続きを買うかは微妙、引きにあった変な部分がどうも気にいらないので。最後に一言、ポーカーで素でそんなことする人がいてたまるか!!


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 七本腕のジェシカ (木村 航/MF文庫J)

 マギも死神姫も一向にamazonで即配達になりません……。



___2月23日(土)

 メルフォレスー。

>群青の空を越えてを探しに言ったらどこにも置いてませんでした (涙
>一迅社ってどこにもおいてないですね。

 新書版の18禁ゲーノベライズは置いているところ少ないですね……(群青ノベライズはエロなしですが)。amazonに頼るのが確実で楽だと思います。あと、いまさらながら、未プレイの人が読んでついていけるか不安に。PC版公式のプロローグ見て、ひくようなら駄目かもしれません。製品紹介の真ん中あたりにあるあらすじも参照。



【今日読んだ本】

BLACK BLOOD BROTHERS (S)5 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)amazon



《あらすじ》
 邪悪なクイーンM事件が落ち着き、フリーの調停屋活動を始めたミミコ。しかし吸血鬼のお客が思うようにつかまらず、このままではクイーンM復活の危機!? もちろん書きおろし『CHRONICLE』も、たっぷり収録!


 本編が終盤に差し掛かってきた吸血鬼と人間の物語「BBB」の短編集第5巻。
 よかった、いつものノリに戻った。クイーンM編は受けつけなかったので、ミミコがいつもの真面目なキャラに戻ってくれてよかったです。その分コタロウが悪ノリしていましたが、ミミコに比べればかわいいものでしたし。ただ、5巻にもなると多少慣れてきて、以前ほどの楽しさはなくなったかな。ミミコと周さんの舌戦なんかも、展開がテンプレすぎて凄く楽しいとはいきませんでした。
 一方で、書き下ろしの『CHRONICLE』は今回も読みごたえ抜群。第2次大戦後から90年代半ばまでの各所の動きを吸血鬼の視点から描いたお話で、人間界の動きに翻弄されたり適応したりする吸血鬼たちの姿が面白かったです。イワンの退場の理由とか、淡々と描かれて無情だなあ。描かれる時代が転々とするだけあって色んなキャラが出てきて、本編の登場人物の意外な一面が色々とわかったのもよかったですね。初登場の中ではペンテウス卿がお気に入り、まあもう出てこないんでしょうけど……。
 次は本編かな、ほぼ傑作確定済なので当然楽しみ。


評価 ☆☆☆★(7)



___2月22日(金)


【今日読んだ本】

数学ガール (結城 浩/ソフトバンククリエイティブ)amazon



《あらすじ》
 数学は好きだけれど、人付き合いはちょっと苦手な「僕」は、高校に入学した初日に、数学が得意な才媛・ミルカさんに出会う。「僕」とミルカさんは放課後の図書室で、数学の問題に取り組む。ミルカさんは、エレガントな解法で「僕」を圧倒する。 一年後、「僕」を追うようにして後輩の元気少女・テトラちゃんがその輪に加わる。数学がなんとなく《わかってない感じ》がするテトラちゃんは、先輩の「僕」に勉強の仕方を尋ね、次第に数学のおもしろさを理解していく。 村木先生が出題する数学の問題に、三人がそれぞれの持ち味でチャレンジ。そのうちに三人の関係は不思議な展開を見せ始め…。 放課後の図書室といえば、やっぱり数学だよね!


 どこかの感想で見かけて買って積んでおいた、高校生が数学を楽しく学習する姿を描いた小説。
 あー、これは物語というよりは半分読み物ですね。面白い物語を書くのではなく、杓子定規じゃない面白い数学の見方を物語を使って伝えよう、というのが主目的な感じです。美人タイプの同級生とかわいくて元気な後輩のツートップを据えて、萌え入れて読みやすくしようとはしているものの、数学嫌いの人はどう見てもお断り(ていうか恋愛方面、そのまとめ方はずるいですよ。テトラちゃんはかわいく描かれているんですが……)。
 で、数学の読み物としては、相加相乗くらいの基本的な内容から、微分やテイラー展開などを駆使して分割数の上界を求める、といった高校レベルを超えた内容まで、幅広い問題を根っこの部分から分かりやすく説明していてなかなか面白かったです。1つの問題を複数の側面から見たりしていて、色々発見もできましたし。しかし、下降階乗冪大好きだなあこの著者さんは。こういう表記知らなかったけど確かに便利ですね。
 そんなわけで、数学が嫌いじゃなくて少し勉強してみたいかな、という人にはドンピシャにお勧めの本。嫌いな人はうっかりamazonでポチっとすると泣くと思います。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 BLACK BLOOD BROTHERS (S)5 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)
 黄昏色の詠使い V 全ての歌を夢見る子供たち (細音 啓/富士見ファンタジア文庫)



___2月20日(水)


【今日読んだ本】

竜宮奇恋譚 ―サンゴ畑でつかまえて― (綾部 いちい/B's-LOG文庫)amazon



《あらすじ》
 漁師の父と海女の母の元で育ったサワラは、素もぐりは名人級だが魚料理が大嫌い。自分の名前がコンプレックスの高校二年生。 ある日、漁船から突き落とされたサワラは、海がめに乗った美少年に助けられ、海底の巨大なアコヤ貝の上に築かれた都市「リュウグウ」に連れて行かれる。そこで告げられたのは、サワラが「第九十三代乙姫」の候補者だということで……?


 今月のB's-LOG文庫の新シリーズ、浦島太郎をベースにした現代ラブコメ、の皮をかぶったバカ小説。
 ええ、バカ小説です。ラブコメとしてこの作品を見た場合、ヒーロー役のメバルの気持ちが分かりづらい、というか途中までメバルがサワラを好いているようにはあまり見えなくて微妙。でも、これはバカ小説なので問題ありません。まず、あらすじの「ある日、漁船から突き落とされたサワラは」の時点で普通とは一線を画してます。実際読みはじめの唐突さには結構びっくりしました。その後も、乙姫を選抜する真面目な勝負のはずなのに、ナマコとウミウシの投げ合いが行われたり、リュウグウノツカイの大食いが行われたり。盗撮変態美形や言葉責めされて悶える男なんかも出てきます。大体、ゲシュタルト崩壊を「夏至タルト総会」と勘違いする子が主人公でバカ小説にならないわけがないです。ノリよく、ほどよくお馬鹿で天然で楽しい主人公でした。
 いくらでも続けそうな終わり方でしたが2巻は出るのかな? 正体明かしたシラウオあたりがいい感じに絡んできてくれそうなので、続いてほしいなあ。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 スキップ・ビート!18 (仲村 佳樹/花とゆめコミックス)
 しゃにむにGO28 (羅川 真里茂/花とゆめコミックス)
 竜宮奇恋譚 ―サンゴ畑でつかまえて― (綾部 いちい/B's-LOG文庫)

おいこら! しゃにむいいところで切れすぎだろ! この状態で4ヶ月待ちなんて……。でも、4ヶ月後にはまた同じことを言っている気がします。



___2月18日(月)

 ツッコミを受けたので画像一件修正、ありがとうございます。UP確認はちゃんとしないとなあと思いつつも面倒でサボってしまいます、気をつけないと。
 メルフォでお勧めいただいた死神姫はamazonでも近所でも売り切れなので捜索中。先月買い忘れていたのが痛い……。


【今日読んだ本】

群青の空を越えて Gefrorenes Ideal (早狩 武志/一迅社)amazon



《あらすじ》
 硬派に「戦争」を描き、話題作となった『群青の空を越えて』。作中に登場する戦闘機や車両、地名なども実名が使われており、戦闘や人間模様の描写とともにリアリティに溢れる名作として、今でもファンから高い評価を受けている名作ゲームソフトです。 この作品のシナリオライター・早狩武志氏自らが書き下ろすノベル版が登場! リアリティある戦闘シーンなどはゲームそのままに、ゲームのプレイヤーなら気になる過去の話を完全書き下ろし。ゲームではわからなかった数々の謎が明らかになるストーリーが展開されます。また、イラストはゲーム本編の原画を担当した黒鷲氏が担当。もちろんこちらも描きおろしとなる豪華さです。原作ゲームのスタッフ自らの手による、新たな『群青』ワールド。原作ゲームのファンはもちろんのこと、架空戦記ファンの読者にもオススメの一冊です!


 東西に分割した日本を舞台に架空戦記+青春恋愛を描いたPCゲーム「群青の空を超えて」の前日譚。僕夏の頃から早狩さん信者なので迷わず購入。
 うわー、やるせなさすぎる……。戦争の前日譚というわけで開戦に至るまでの経緯が描かれているんですが、主要登場人物の誰も戦争を望んでいないのに、事態がどんどん悪化していくのが悲しくてたまらないです。交渉で必死に食い止めようとするものの無力感を噛み締める大人世代の人たちの姿もなかなか胸をうちますが、それよりもきついのが若い世代。不安な世情下で青春を謳歌する姿はとても眩しくて、こっ恥ずかしい恋愛描写などは最高。その一方で戦争を憂い、止めようと真剣に訓練もしていて、幸せになってほしいなあと思うわけです。そんな彼らの行動が原因で戦争に突入していくのは無情としか言いようがありませんでした。
 プレイした人が買いなのはもちろんとして、未プレイの人も青春やラブや戦争が好きならお勧めです。(※追記 未プレイの人は、PC版公式ページで世界設定見てから判断したほうがいいかも、色々と設定特殊なので、知っておかないと分からないこと多そうです。)


評価 ☆☆☆★(7)



___2月17日(日)


【今日読んだ本】

君のための物語 (水鏡 希人/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 華やかさとも成功とも無縁で、幸福や繁栄は手に入らない対岸のもののように感じられる、そんなひとりぼっちの冬の寒い夜。ひょんなことから死にそうな目に遭った私を救ったのは、奇妙で不思議、そして美しい「彼」……レーイだった。出会いと喪失をいちどきに運んだ不思議な力、老婦人の昔日の想いが込められた手鏡と櫛、天使をも魅了する声を持つ女帝とも称された歌姫、そして「彼」を追う魔術師――私は彼にまつわる不思議な事件に巻き込まれてゆき――? 「彼」と「私」をめぐる、数奇な運命を綴った物語。


 今月の電撃の新人さん、「私」と不思議な力を持つ「彼」を描いた連作短編形式の物語。
 あ、あれ、主人公が女性じゃない……。いや、あらすじを斜め読みして「よっしゃ女性主人公だ!」と思いこんだ自分が悪いんですけどね。あらすじはちゃんと読みましょう。
 まあそんな誤解はあったものの、「面白い」よりは「上手い」という言葉がしっくりくる物語でなかなかよかったです。なんとなく人生に行き詰まっていく「私」とほぼ不老不死で飄々としている姿の影に何かが隠れている「彼」、出会った2人が様々な出来事を通じて友情を築いていくお話で、キャラ造形や物語の大筋に目新しさはなし。でも、最初は謎めいていた「彼」のことが次第に分かっていく過程の描き方が上手いし、その過程の出来事がどれもしんみりしたいい話なのが○。一番気にいったのは一章かなあ、セリアが素敵な女性でしたし、主人公の悩む様もよかったです。それと、マーリー、ソフィーといった端役の女性キャラが出番の割に映えていたのも魅力ですね、萌えとかは皆無なんですが。
 そんなわけで地味良作でした。次作も多分買い。


評価 ☆☆☆(6)



美貌の魔都 月徳貴人(下) (松殿 理央/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 囚われた月夜叉を待っていたのは、厳しい「責め」。それもすべて、守魚が仕組んだことだった。牢に差し込む月明かりの中、静かにひそやかに、月夜叉は「月徳」として目覚めていく……。人々を救う「癒し」の光を内に湛えた……。一方、帝もまた守魚の計算どおり「日徳」として目覚めた。「月徳」「日徳」の力は、やがて「闇孔雀」たる季花を襲う!! すべてを見守る晴明は、ゆがんだ妄執を抱えた守魚を打ち破ることができるのか……!?


 とりあえず苦手なものを早めに片付けておこう、というわけで安部晴明が主人公の陰陽師小説の下巻。
 んー、いまいちだなあ。陰陽師の話が楽しめないのはいつものことなので、今回は神になろうとたくらんでいる守魚の小者っぷりを楽しもうかと思っていたんですが、晴明側の陣営の戦力が整いすぎていて、楽しむより哀れに見えてしまいました。あとがきに「晴明を政治的にヤバイ立場に置いたらどうなるか」って書いてありましたが、この相手の小者っぷりとこの戦力差じゃ負けようがなくて面白みに欠けました。政治描写は守魚にとって上手く行き過ぎて胡散臭かったですし。あと、相当ひどいことをしている守魚を、ラストでいい人っぽく扱っているのも安っぽくていだたけない。月夜叉が守魚と両思いとか知りませんよそんなの。
 そんなわけで、全体的にご都合主義な気がして楽しめませんでした。あと1冊がまた分厚いんだよなあ……まあ近いうちに読みます。


評価 ☆☆(4)