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___2月14日(木)

 何時の間にか30万ヒット超えてました。思えば遠くにきたもんです。記念に何をするわけでもないですが、今後ともよろしくお願いします。


【今日読んだ本】

狼と香辛料6 (支倉 凍砂/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 ホロが口にした、旅の終わり――。ロレンスはそれを説き伏せ、ホロの故郷ヨイツまで共に旅を続けることを決める。 そんな二人の次なる目的地は、海に面した港町ケルーベだ。二人はエーブを追いかけてレノスの港から船で川を下る。旅の途中、ロレンスたちの乗った船が立ち寄った関所では、厄介ごとに巻き込まれている様子の少年の姿があった。ロレンスは、図らずもその少年・コルを助けることになる。薄汚れた風貌のコルだが、意外にしっかりとした面を持っており、ロレンスもホロも彼に興味を持ち始める。そして、コルの故郷の話や、船乗りたちの噂話を聞く内に、二人はヨイツに関する重要な言葉を耳にしてしまい――。絶好調の新感覚ファンタジー、シリーズ初の、船での旅の物語。狼神ホロ、水を怖がる!?


 先日に引き続き、ホロかわいいよ経済ファンタジー「狼と香辛料」第6巻。
 うーん、引き延ばし? エーブを追いかけて急展開するものと思っていたので、ここで停滞してしまうのは予想外。コルの投入が引き延ばし戦略に見えてしまいました、コル自体は素直で賢くて応援したくなる子なんですが。5巻からそのまま終盤に突入するのが物語として綺麗というか好みというか、旅が楽しいのはとても分かるんですが、こういう新章突入みたいな雰囲気で続いちゃうのはなんか受け入れがたかったです。5巻の商人としてのやりとりがよかった分、今巻でロレンスの舌鋒が鳴りを潜めたのも不満でした。決してつまらないわけじゃないんですが……。
 7巻は短編集のようなのでひとまず見送り、8巻発売を待とうと思います。


評価 ☆☆☆(6)



MIND SCREEN5 (結城 惺/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 俊一たち「サイオン」のもとに届いた「モノクローム」閉店の知らせ。かつて「サイオン」の函館時代、彼らの出発点となったライブハウスの終焉は、俊一にショックを与える。俊一の発案で「サイオン」のメンバーは函館へ――。思い出の場所で、なつかしい友人たちを呼び、「モノクローム」最後のライブを演るために――。「あの空を忘れない」のほか、「サイオン」のボーカル・孝允の俊一への報われぬ片恋を描いた「加速された景色」を大幅改稿して収録。


 停滞していたウィングスCOMPもそろそろ再開、まずは途中まで読み進めていた青春音楽+BLなシリーズを最後まで読むことに。
 このシリーズはBL要素があまりない話とBLっぽい話が入り混じっているんですが、この巻は後者な話ばかりでした。というわけで、個人的になかなか読み進めるのがしんどかったです。このシリーズの感想で何度も書いているように、主人公の俊一がここまで全員に好かれる理由が理解できないんですよね。逆ハー物に突っ込むのは野暮なのかもしれないけれど、現代でBLだとどうしても理由が欲しくなってしまいます。
 それでも、久志さえ出てこなければ結構普通の音楽青春物で、実際、原点の街に立ち返って演奏する「あの空を忘れない」は暖かくていい話。でも、久志が絡むとBLモード全開になってしまって、それがどうにも受けつけません。今回は孝允までBLモードだったので一層辛かったです。俊一が好かれるのが分からないので、孝允の感情や行動にも納得がいきませんから……。やっぱり現代BLは合っていないと再確認しました。


評価 ☆☆(4)



MIND SCREEN6 (結城 惺/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 ライブに追われる俊一を置いて、単身仕事でアメリカに向かう久志。だがアメリカでは、俊一の存在を快く思わない祖父が、ある出会いを用意していた。さらに、日本びいきの久志の祖父は、ジャパン・バッシングに揺れるアメリカでテロリストに狙われていた。庇って銃弾に倒れた久志。その知らせは、ライブのさなかの俊一のもとに届く……!! 書き下ろし「to Heart」も収録。


 そして引き続き最終巻。
 久志は馬に蹴られちゃえばいいのに。婚約候補のお嬢さんのパティに、優しくして完全に惚れさせてその気にしてから捨てるって、なんですかこの外道は。いくらお爺さんのためとはいえ、無茶苦茶気立てのいい女の子に対してのこの仕打ちは、万死に値する行為だと思います。今まで久志は好きでも嫌いでもなかったんですが、今回で一気に好感度下がりました。
 こんな風に久志の評価がガタ落ちしたため、その先が全然楽しめませんでした。撃たれても別にどうでもいいというか、パティをひどい振り方した天罰だろ、って思ってしまいましたし。他の短編も、いまさら久住をピックアップされてもなあ、これよりもパティ主役の話が読みたいです。
 そしてここで打ち切られた模様。時々いい話はあったものの、メインがBLだったり、時系列が適当に入り乱れたりで、好きにはなれないシリーズでした。


評価 ☆☆(4)



___2月11日(月)


【今日読んだ本】

ダナーク魔法村はしあわせ日和 〜ただしい幻獣の飼い方〜 (響野 夏菜/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 暮れの大掃除で、魔法の図書館の担当になった突撃魔女・ビー。ところが魔物を封じ込めた禁断の書を蹴倒して、村中に大量の魔物が逃げ出した! そして魔女と警察署長の恋に進展は!? 読み切り作品集。


 打ち切りにあってしまったほのぼの魔法ファンタジー「ダナーク村はしあわせ日和」、最終巻はイズーやビーたちの日常を描いた短編集。
 なんでこの名作が打ち切りなんだ、こんちくしょおおおお! こう叫びたくなるくらい出来のいい最終巻でした。どの短編も、村に何かトラブルが起こって、ビーがそれを掻き回して、イズーが掻き回されて、概ねのところはただそれだけ。でもどの短編もヒネってあって真相分かった時は「なるほど」と思わされましたし、天真爛漫で必殺の「えへっ」を身につけているビー、次第に育まれてきるビーへの恋心に翻弄されつつも堅物さも失わないイズー、このメイン2人がかわいくてかわいくて。4巻後の中編である「ただしい幻獣の飼い方」で顔赤くする2人とかたまりません。
 2人以外の村の人々も、サボり魔に虫博士に幽霊に変わり者ばかりの署員、厳しいくせに二人の仲はからかってくる村長のアガード、温和に見えて恐怖の側面を持っているビー母のフランなどをはじめとして揃いも揃って個性豊かで魅力的。裕龍さんの絵もキャラの特徴とらえていてかわいいし、重ね重ね打ち切りが悔やまれます。
 まあ打ち切りは仕方ないので他シリーズに期待といきたいところなんですが、響野さんのシリアスファンタジーはほのぼの路線に比べるといまいち合わないんですよね。そもそも響野さんはシリーズによる当たり外れが大きい人なので……(余談ですが、響野さんは著者で作品切っちゃいけないと教えてくれた方です。S黄尾で著者切りしていたら、「振り返れば〜」にも「ダナーク」にも出会えませんでした)。


評価 ☆☆☆☆(8)



狼と香辛料5 (支倉 凍砂/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 テレオの村を後にしたロレンスとホロは、ホロの伝承が直接残るという町レノスを訪れる。ホロはのんびりとヨイツの手がかりを探したがるが、ロレンスは商売への好奇心を拭えないでいた。そんな中、ロレンスは宿屋で会った商人から大きな儲け話を持ちかけられる。それにはホロの協力が不可欠だった。しかし、その商売の方法がとんでもないもので――。毛皮と材木の町レノスを舞台に、2人の関係に大きな転機が訪れる!? アニメ化&コミック化も決定! ますます絶好調のエポックファンタジー、第12回電撃小説大賞<銀賞>受賞作第5弾登場!!


 アニメも大人気の経済ファンタジー「狼と香辛料」第5巻。だんだん面白さが落ちているので読むのやめようかと思ったんですが、「5巻は読め!」って波動が飛んできたので読んでみました。
 で、結果から言うと買ってよかったです。まず、だらだら気味に続いてきたロレンスとホロの関係に明確な転機が訪れたおかげで、2人のやりとりが大きく変わったのが○。ホロが抱える不安は今までの旅を振り返ってみて凄く納得いくもので、でもそれまでの楽しさからして旅を続けたいという気持ちも当然で、その葛藤が両者から伝わってきて面白かったです。
 ホロのかわいさと並んでこのシリーズの柱である商人としてのやりとりも、エーブというやり手のおかげで今までよりキレがあって楽しかったですね。賢くて口が上手い酒場のお姉さんとの会話もなかなか、このお姉さんは今までの登場キャラで一番好き、ゲストキャラなのが惜しいです。
 先がとても気になる終わり方だったので6巻も買ってきました。流行物なのですぐに読む予定。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 生徒会の一存 (葵 せきな/富士見ファンタジア文庫)
 狼と香辛料6 (支倉 凍砂/電撃文庫)



___2月9日(土)


【今日読んだ本】

Romeo×Juliet 白き永遠の誓い (雨宮 ひとみ/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 素性をあかさぬまま、互いの想いを通い合わせたロミオとジュリエット。だがジュリエットは、ロミオへの恋情と、キャピュレット家再興の使命とのあいだで揺れ動いていた。武力での解決に疑問を感じつつも、ついに仇敵モンタギューの襲撃を決意するジュリエット。だがその戦場で見たものは、なんとモンタギューの息子――愛しいロミオの姿だった!仇同士であることを知ってしまった二人に、待ち受けていた運命とは――!?


 シェイクスピアの超有名古典を原作として作られたアニメ「Romeo×Juliet」のノベライズの完結編。

超展開 ああ超展開 超展開 (詠み人知らず)

 おお、もう……。なんでこんな料理の仕方をしやがりますかアニメスタッフは。いやもしかしたらアニメ版ではちゃんと伏線張ってあって納得できる展開になっていたのかもしれませんが、少なくともこのノベライズ版ではまごうことなき超展開。終盤にエスカラスが表に出てきてからさっぱり物語についていけませんでした。仮死になる場面なんか強引に古典と合わせたようにしか見えなかったし、これで感動しろと言われても無理です。
 これで凡作だったら超展開でも仕方ないなで終わるんですが、1巻〜この巻の中盤までは素晴らしかったので、口惜しい気持ちで一杯。特に中盤、ジュリエットとロミオ2人きりの逃避行における蜜月は最高の一言。ずっと離れていてついに一緒にいられるようになった2人は本当に幸せそうで、何度も繰り返される情熱的なやりとりがツボにはまりました。これで普通にロミオ父を倒して終わりでよかったのに、超展開だったのが本当に本当に残念。超展開のせいでロミオ父の腐れ外道っぷりもパワーアップしてて、自分的には踏んだり蹴ったりでした。
 そんなわけで、終盤をなかったことにできるのであればお勧め。


評価 ☆☆☆★(7)



幻獣降臨譚 渡れ、月照らす砂の海 (本宮 ことは/講談社X文庫ホワイトハート)amazon



《あらすじ》
 仲間たちと別れ、光焔(こうえん)と二人で砂漠のど真ん中に放り出されたアリアは、生き延び故国へ帰るための過酷(かこく)な旅を始める。逞(たくま)しく成長していくアリアが途中で出会った遊牧民は、母の一族の友族であった。一方、アリアを失ったシェナンたち一行は失意のうちにアランダム騎士団へと戻る。変わりつつある騎士団で、アリアのためにできることはなにかと、それぞれが動きだしたなか、とんでもない報(しら)せが――。


 各勢力の争いに恋の行方に色々と盛り上がってきた、逆ハー魔法ファンタジー「幻獣降臨譚」第8巻。
 ディクス……。バカだバカだとは思っていましたが、ここまでバカ方向に突き進んじゃいますか。女神の力殺いで武器作って、アリアがどう考えるかくらい分かるだろうに。純真さにつけこまれて、パジャンにいいように操られているっぽくて見ていられないです。これはもう完全にアリア争奪戦からは脱落だなあ……。
 そのディクスに比べてアリアは着実に成長していますね。1人で異国の地を訪れているのにへこたれる姿を見せないし、人の命についてもしっかり考えるようになったし、1巻のアリアも嫌いじゃないけれど、かっこいい女の子になってきているなあ。今回の悲劇を経てさらに成長しそうですし(というか敵対した仲間の殺害フラグ? ディクスか、ディクスが危ないのかー!)。
 幻獣の謎がようやく見えてきて、続きも引き続き楽しみ。収拾がほんとにつくのかが少しだけ心配ですが。クルサードもまだまだ再登場してくれませんし。上の本みたいに超展開だけは勘弁してください。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 THE DAY Waltz2 (前田 栄/ウィングス文庫)



___2月7日(木)


【今日読んだ本】

薔薇のマリアIX. さよならの行き着く場所 (十文字 青/角川スニーカー文庫)amazon



《あらすじ》
 エルデンで再会を果たしたマリアとアジアンに迫る危機。今再びエルデンは新たな戦いの舞台となる!? クランを超えた結束、距離を縮める者、キケンな勝負……「薔薇のマリア」新章第2弾、早くも登場!


   ついにアジマリ編がスタートした薔薇のマリア最新刊。
 うーんうーん。ついにマリアローズがデレてくれて、アジマリが本格的にはじまったのには歓喜なんですよ。照れるマリアがかわいいし、ついに振り向いてもらえそうなアジアンには喜びの言葉をおくりたいですし。ただ、「こんなにデレちゃうのはマリアじゃない!」とか「どうせこの著者のことだからどん底に突き落とすんだろ、けっ」とかいった考えも浮かぶんですよね。特に後者、一応覚悟はしているんですが、酷いことにはなりませんように。
 そのアジマリ以外にも、サフィトマにフェイユリに嫉妬するベティに、恋愛模様が色々と繰り広げられてお腹一杯な今巻でしたが、その一方でランチタイムはかなり深刻なことに。なんか次巻で数人は死にそうな雰囲気で戦々恐々ですよ。デニス・サンライズの「えっ?」っていう死の例があるから、もう何がきても驚きません。とりあえず引きがえぐすぎるので、とっとと続きをー。
 しかし、コロナは何しに出てきたんだろう……。


評価 ☆☆☆☆(8)



千の剣の舞う空に (岡本 タクヤ/ファミ通文庫)amazon



《あらすじ》
 高校1年生の速水真一は、一対一で戦い勝率ランクを競うオンラインゲーム『サウザンド・ソード』に没頭していた。事故で諦めたかつての夢――格闘技世界最強――を仮初めの世界に求める真一。そして、そんな真一が出会った白い剣士・アスミ。彼女は上位ランカーの前に現れるという最強のプレイヤー『闇』に会うため己の技を磨き上げていた。世界最強を目指す真一と、世界最強のプレイヤーを捜すアスミ。二人は自然と行動を共にするようになり、打ち解けあう。そんなある日、真一はアスミを操るプレイヤーが同じクラスの真山明日美だと気づくのだが・・・・・・。ON(虚構)/OFF(現実)の境界を超えたボーイミーツガールを爽やに描き切る優秀賞受賞作!!


   ファミ通の新人さんの作品、格闘オンラインゲームを題材にした青春物語。
 これはかなりの当たりでした。元々オンラインゲーム扱った作品って好きなんですが、その中でもこれは現実と虚構のバランスがよかったです。文化祭という最強の道具を使って現実を素晴らしいものとして描く一方で、ゲーム内も否定するわけではなく爽やか。ゲームの良い面と悪い面を両方描いて、主人公の成長としてきちんと昇華しているのがいいなあと思いました。個人的に苦手な格闘描写も、4章のラストバトルなどは青臭くて綺麗で楽しめましたね。
 さて、続きはまず出なそうな終わり方ですが、2作目は出るんでしょうか。過去の例から考えると……。あんまり期待せずに待ちます。


評価 ☆☆☆☆(8)


【今日購入したもの】
 群青の空を越えて Gefrorenes Ideal (早狩 武志/一迅社)
 幻獣降臨譚 渡れ、月照らす砂の海 (本宮 ことは/講談社X文庫ホワイトハート)
 プリンセスハーツ 両手の花には棘がある、の巻 (高殿 円/ルルル文庫)
 君のための物語 (水鏡 希人/電撃文庫)
 悪魔のミカタ666 5 モンストラムレッド (うえお 久光/電撃文庫)

 月始に買ったものが多かったので、電撃は控えめ。新人さんもあらすじ見て気になった1作だけ。



___2月5日(火)

 そろそろ通常更新ペースに戻ります。


【今日読んだ本】

オペラ・アウローラ 君が見る暁の火 (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 ついに『神の都』にたどり着いたカナギだったが、衝撃の真実を知り、ソラに関する記憶を失ってしまい…!? 世界を滅ぼそうとする『世界の王』と戦うため、カナギたちが取った行動とは!? いよいよ感動の最終巻!


   病弱薬師とボケ詩人と天然暗殺者の珍道中からはじまったロードファンタジー「オペラ」シリーズもついに最終巻。
 美しくて美しくて素敵な物語でした。容赦なく襲い掛かる世界の危機を前にして、世界を、そして大切な人を守ろうと懸命に戦う人々の姿がもうとてつもなく綺麗。カナギ、ミリアン、バシュラールといった主要人物はもちろん、光魔法教会の人たちまでいい味出しすぎ。とあるゲームのサブタイトルになっている「What a beautiful people」とフレーズがしっくりきました。
 今まで積み上げてきた恋愛要素も盛り上がっていたけれど、あくまで美しい人々の延長線といった感じ。いや、キスとかよかったですけどね。シュナルもお幸せに。危機の割に最終的にうまくいきすぎ、という考えも一瞬頭をよぎりましたが、ラストの光景見たら圧倒されるほかなかったです。
 1巻で一度中断した後、再度読み始めてよかったー。デビューシリーズがようやく終わって、次に栗原さんが何書くのかとても楽しみ。


評価 ☆☆☆☆★(9)



ブラック・ベルベット 緋の眼 (須賀 しのぶ/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 異端として迫害されるディートン教の若き主教ヴァルカーレ。美貌を活かし各地で信者を増やしていたが、潜入した都市ゼクタスで、恐るべき刺客と出会うことに…。疾風怒濤のアクション・ファンタジー!


   先月の感想の書き残し、打ち切りが決まったようなので内容忘れないうちに読むことにした、須賀さんがおくるアクションファンタジーの最新刊。

覚えていたこと:3人いて1人強くて1人死んだ

 手遅れでした。いやまあ、さすがにここまでひどくはないですが、ヴァルカ―レ? 敵の名前だけどどういう地位だっけ? くらいのレベルでした。ひどい記憶力です。でも、過去の外伝だけあって、この作品単体でも普通に楽しめました。感想としては、敵側にも色々あるんだなあと(当たり前)。ヴァルカ―レが何考えているかはよく分かりませんでしたが、サンティスは応援したくなりました。こういう苦労するポジションにいる人にはどうにも弱いです。あと、マリアはキリと関係あるんだろうなあ。細部さっぱり覚えてないので、どうつながっているかはさっぱりなんですが。
 まあ打ち切りなんで考えてもしょうがないですね……。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 私のシンデレラ (川瀬 夏菜/花とゆめコミックス)

 ふとコミックス売り場を覗いたら、川瀬さんの新刊売っていてラッキー。やっぱりこの人の書くファンタジーは好き。



___2月2日(土)

 少女小説人気アンケート調査の総合ランキングの結果が発表されてます。分散している票を集めると実質身代わり圧勝という、少し意外な結果に。トップは女神伝がとると思ったんですが、5票制がきいたのかな。その下の方は割と幅広く票が入っていて面白い結果。マギは近いうちに手を出してみないと。
 そして、そんな中で見事3位を獲得したのがダナーク。人気あるじゃん! 大阪屋でも500位圏外ってわけじゃないし、コバルト編集部のばーかばーか。

 しかし、男性3人は少ないなあ。もうちょっと敷居が低くなる時代は……こないか。


【今日読んだ本】

魔女の卵 (夏埜 イズミ/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 魔女は実は男女で「一対」。その「絶対的な恋人たち」が切り離されるとき、魔女たちは均衡を失って!? 無愛想な『壊』の青年ニルと、明るい天然少年アウラ、小さな魔女イシュが不思議世界を駆けめぐる!


   「眠れる島の王子様」の夏埜さんの2作目、人間世界の中でこっそりと生きる魔女たちのお話。
 うーん、普通には面白いんですが、「眠れる島の王子様」クラスには届かなくて残念。タイトルにもなっているように、必ず対となって生まれてくる魔女が中心の物語。対を失う悲しみとか、ひっそりと暮らす魔女に向けられる人間の悪意とか、それとは逆に魔女と人との暖かい交流とか、そういったものが描かれています。
 必ず対を持つという魔女の設定は結構好みで、冒頭の幸せそうな描写とその後の落差は結構きくし、生まれつき対を持たないイシュがどういう風に成長していくかはとても気になるところ。でも、続き物を意識してるせいか、この作品単体としてみた時のストーリーは結構あっさり目。ミステリー仕立てとしては謎が弱いし、キャラクターにそこまで魅力があるわけでもなし。メインキャラに恋愛模様が見られないのも個人的にはマイナスでした。アウラもイシュも和ませてはくれるんですが、それだけだと物足りないです。
 続きはイシュに恋が芽生えるような展開になってくれるといいな。卵と人の間で揺れたりしてくれると歓喜なんですが。


評価 ☆☆☆(6)



オペラ・メモーリア 祝祭の思い出 (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 薬師にして凄腕の剣士カナギを先頭に、美貌の詩人ソラと、魔道師の少女ミリアンの旅は続く――。ソラとバシュラールの因縁の過去を描いた三部作「オペラ・メモーリア」、カナギの意外な「弱点」を描いた「オペラ・スピラーレ」、「普通の人」を目指すカナギと詩人の壮絶な舌戦が炸裂する「オペラ・スィーミレ」他、書き下ろし三作を含む豪華七作品収録!「オペラ」の世界がさらに深まる、ファン必携スペシャル短編集登場!!


   2週間前に読んで感想書き忘れていた、オペラシリーズの短編集。
 全体的にアホなやりとりが多くて楽しかったです。短編7編のうち特に気にいったのは「リトゥラット」と「スィーミレ」、どちらもミリアンの天然なかわいさが素晴らしいです。ミリアンの天然を見事に引き出したエリックは敢闘賞、ちょっとかわいそうでしたが。あとがきで少女漫画風を目指したとありますが、それよりギャグ漫画っぽかったです。
 それとは別にバシュラールの過去を描いた3篇は結構印象に残りました、これはソラのこと敵にしてもしょうがないわ。ラングレーも見事なまでに被害者だなあ、ルナリア身請けして幸せに暮らせたかもしれないのに……。この人たちには最終巻で不幸になってほしくないです。
 さて、あちこちで最終巻の感想があがりはじめているので、ネタバレうっかり踏まないうちに読まないと。


評価 ☆☆☆(6)