トップに戻る



___3月28日(金)


【今日読んだ本】

薔薇の剣 (ゆうき りん/コバルト文庫)amazon


《あらすじ》
 騎士の最高の名誉である「薔薇の紋章」。その紋を剣に刻むために、剣術の鍛練に励むクラウスとスターリング。大会に勝ち進んだふたりは決勝で戦うことになるのだが!? 美少年剣士の愛の物語。


 教えていただいた男装ライトノベルをいくつか買ったのでさっそく着手、ゆうきりんさんが10年以上前に描いた友情と愛と政争と色々混ざったファンタジー。
 おー、これは男装云々抜きにして普通に面白かったです。大貴族の息子スターリングと金で爵位を買った金貸しの息子クラウスの2人が「薔薇の剣士」として活躍したり苦悩したりする物語(なのかな?)の序章といったところ、見事に陽と陰で対照的で親友でもある2人が、障害をのりこえ薔薇の剣の座を勝ち取り前途洋洋に見える一方で、2人それぞれ問題をかかえ、その上に王家が腐りかけていたり奴隷問題を扱っていたりときな臭いことがてんこもりで、この先どうなるのか非常に気になる作りになっています。
 そして購入のきっかけになった男装少女は、主役の2人ではありませんでしたが結構重要そうなキャラ、かわいい上に耽美的でそそられます。この子に引きずられて彼が堕ちていく展開になるのかな、正体バレはしちゃいましたが、男装物としてもまだまだ楽しめそう。
 色々と気になるので、このシリーズは最終巻まで読みます多分。とりあえず予想、ロザリオンとエナのどっちかは死亡する。それくらい鬱展開が待っていそうな気がします。


評価 ☆☆☆★(7)



グランドマスター! 道連れは王子さま (樹川 さとみ/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 指令を無視して諸国漫遊の旅を続ける〈黎明の使者団〉。本部の追っ手から逃げるように姫総長シーカと団長ハルセイデス一行が乗り込んだ船には、シーカの元婚約者のジェダール王子が乗っていて!?


 樹川さんがおくる破天荒世直し&ちょこっとラブ風味ファンタジー「グランドマスター!」シリーズ第3巻。
 なんだこのカオスは……。今回は船上が舞台だったわけですが、登場人物多すぎ&あちこちで色々起こりすぎでちょっとついていけませんでした。ただでさえ団員多いのに、こんだけ船客出すのはさすがにやりすぎじゃないかなあ。追われてる人とか船主さんとか、もっとたっぷり描かれていれば面白そうなんですが消化不良気味でした。まあ、もうちょっとシーカ×ハルさん進んでくれれば、それだけでいうことないんですが。
 最近の傾向からするとそろそろ打ち切りが怖いんですが、ちゃんと続きますように。


評価 ☆☆☆(6)



アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭 (須賀 しのぶ/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 東京の沖合に佇む神流島。誰にも嫌われないよう振る舞う毎日に息苦しさを感じる中2の陽菜は、安らぎを求めて森の奥に「マリア」に会いに行っていたのだが!? エンジェリック・ミステリー始動!


 女神伝にエンドマークをうった須賀さんの新シリーズは、うってかわって現代が舞台のファンタジー。
 ああ、カリエは凄い主人公だったんだなあ。うじうじ悩んでいる陽菜を見ていてそういう思いが真っ先に浮かびました、いや、陽菜が普通でカリエが異常なんですが。 途中まではアンゲルゼの設定にあまり惹かれなくて微妙だったんですが、女子の怖さの生々しさや、ガツンと突き落として吹っ切らせるあたりにはさすが須賀さんだなあと思わされました。
 とりあえず、いつかやってきそうな覚野×陽菜がとても楽しみ。もちろん陽菜を待ち受けているだろうハードな展開も楽しみ。
 


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 薔薇の剣 (ゆうき りん/コバルト文庫)
 帰る日まで (藤原 眞莉/コバルト文庫)
 癒しの手のアルス 嘘つきたちが駆けていく (渡瀬 桂子/コバルト文庫)
 レィティアの涙 (高遠 砂夜/コバルト文庫)
 桜咲くまで勝負です! (榎木 洋子/コバルト文庫)
 ヴィシュバ・ノール変異譚 (水杜 明珠/コバルト文庫)
 マスケティア・ルージュ 深紅の銃士 (志麻 友紀/角川ビーンズ文庫)
 百年の満月4 (たかもり 諌也/ウィングス文庫)

 男装ライトノベルとかある意味マゾいものとか色々。



___3月25日(火)

 男装ライトノベルに1件追加しました。風の大陸って初期は男装だったんだ……。


【今日読んだ本】

悪魔のミカタ666 5 モンストラムレッド (うえお 久光/電撃文庫)amazon


《あらすじ》
 『ノットB』の誕生により、日奈復活に必要なエネルギーの半分を奪われてしまった堂島コウ。 己の無力さを思い知ったコウは、自分を支えてくれた舞原イハナに告白し、二人は付き合うことになった。そこで問題になってくるのが、コウの「公式の恋人」であるイハナの姉・サクラの存在。現在海外に出かけていた彼女が、文化祭を前についに帰ってくることに! イハナのため、自分にけじめをつけるため、コウはサクラに別れを告げようとするが……。一方、町では奇妙な体験をする人が増えていた。シリーズ新章第5弾!


 今月の新刊のつもりで読んだら先月の新刊だった、カオスな現代ファンタジー「悪魔のミカタ」666編の第5巻。
 面白いんだけれど、もうさっぱり分からない。ここにきてさらに謎が増えて、新キャラも増えて、無玄がついに表舞台に出てきて、サクラが久々にコウと絡み始めて、もう何がどう転ぶかさっぱり分かりません。まだMLNやら何やら控えてるんですよね、こんだけ伏線張って回収できるんでしょうか、きっと回収してくるんでしょうけど。とりあえず次巻が出ないことには色々分からなすぎるので、続き待ち。


評価 ☆☆☆★(7)



うそつき 嘘をつくたびに眺めたくなる月 (日日日/新風舎文庫)amazon



《あらすじ》
 好きってなに? 愛してるってどういう意味?――竹宮輝夜(たけみやかぐや)、16歳。あたしにはそんな感情わからない。家族も友人も恋人(?)も誰も教えてくれない。教科書に載っていないくせに世界中に溢れてる、誰もがいまいち確信のないまま平気で口にする、そんな言葉の代わりにあたしの口から吐きだされるのは「下らない」という最凶のアイノコトバ。気がつけばそんなあたしを、仮面をかぶった誰かさんが見つめている。じっと。無言で――。 『ちーちゃんは悠久の向こう』を始めとする受賞作品群を経て、全く新しい日日日がついに姿を現す。衝撃、ふたたびっ!!


 唐突に年度末積み本消化第一弾、発売当時に買って2年以上放置していた日日日の初期作品。日日日は大ブレイクするか消えるかのどちらかだと思っていたんですが、なんだか普通に馴染んじゃってますね。
 で、この「うそつき」の感想ですが、ひねくれ方が普通すぎてちょっと物足りなかったです。恋愛に関して斜に構えた女の子が人を愛するようになるまでの物語で、多人数と同時に付き合ったり男を弄んだり「ビッチ」と呼ばれてもおかしくない行動をとる主人公が独特。冷め切った内面を描いた一人称は読みやすいしなかなかよかったんですが、その裏の本音が見え見えで、話の着地点も何となく見えちゃっているせいで、壊れているんじゃなくただのひねくれであることが丸分かりなのが残念でした。
 積み本消化第二弾があるかどうかは未定。


評価 ☆☆★(5)



___3月23日(日)

 男装少女小説に1件追加。一緒に教えていただいた十二国記は、少し違う気がするし全編なわけじゃないので除外しました。

 先日紹介したwonder wonderfulが面白かった報告がいくつもきています、うちのサイトでは異例の事態。異世界ファンタジーやラブストーリーが少しでも好きな人は絶対読むべし、とりあえず1章だけでも読むべし。あれからいくつか読みましたが、やっぱりこれは別格。


【今日読んだ本】

月光界秘譚2 太陽の城 (麻城 ゆう/ウィングス文庫)amazon
月光界秘譚3 滅びの道標 (麻城 ゆう/ウィングス文庫)amazon
月光界秘譚4 いにしえの残照 (麻城 ゆう/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 「ジョーロウは滅びる」――。滅亡の予言の中、真牙、緑魔、スフィンクス、そしてショッキング・ブルーは動いた。ジョーロウの闇の巫女姫ネオと月の神祇官ルーシャもまた。妖魔の企みを阻止し、太陽光に支配されたジョーロウを、再び月光の支配下におかんとして。だが、妖魔の長・暗黒丸も、ジョーロウの外の世界に太陽を召喚する呪器をついに完成させようとしていた。緑魔の額が輝く時、破滅のファンファーレが響く!! ――果たして、生き残るのは誰か。衝撃の「月光界秘譚」完結篇!!


 ウィングス・ノベルスやスニーカーなどあちこちから出ているファンタジー「月光界」シリーズのうちの1つ、月光界秘譚の残りを一気読み。
 うーん、面白いんだけど厨臭いというかなんというか。何が厨臭いって、出てくるキャラクターの大半が、大魔道士な戦士だったり何度死んでも蘇ったり知識の宝庫だったり最強の半妖だったり魂だけの存在だったりと、特殊能力の持ち主ばかり(ついでに美形多め)、一般人なんて全く出てきません。そんなキャラ達が、ある滅びかかった国を救うために画策したり戦ったりするお話なんですが、各キャラの能力説明やそれが繰り広げられる様は、厨臭くて大味でも多種多様で面白かったです。でも、重要そうに見えるキャラを使い捨てのようにさくさく殺していくのがちょっとなあ。容赦がない展開を描いたのではなく、殺せば悲劇的だろという狙いのように映りました。ストーリーも4冊もかけた割にはスケール小さくてしょんぼり。月を中心とした世界観は魅力的なんですが。
 まあ、キャラ描写だけで十分楽しめはしたのでよしとします。月光界シリーズは残り3冊。


評価 ☆☆☆(6)



この手の中の儚きもの 幻獣降臨譚短編集 (本宮 ことは/講談社X文庫ホワイトハート)amazon



《あらすじ》
 春陽家での豪奢だが退屈な日々に、オレリーが思いついた暇つぶしとは?(『アリアのお料理教室』)騎士団の仲間にとんでもないことを頼まれ、頭を抱えたライルは……。(『王立騎士のひそかな楽しみ』)陶工ゲイドが春陽家の大貴族に連れていかれたのは王都いちばんの『聖女の館』だった。(『この手の中の儚きもの』)――他6編収録。本編とは違うエピソードがぎゅっと詰まった短編集。


 実はとてつもなく筆がはやい本宮さんが描くファンタジー「幻獣降臨譚」初の短編集。
 うわー、アリアの父母の馴れ初めが素晴らしいなあ。ゲイドもイリアもものすごくゴーイングマイウェイで、変な噛み合い方をしたまま全然意識せずに愛を育んでいく姿が面白おかしかったです。馬鹿真面目に愛を語る場面とか不意打ちとかもう最高。2人を微笑ましく見守るフィオラもいいポジションにいました、フィオナがいないと絶対この2人が結びつくことなどなかったわけだし、いいお姉さん的存在だなあと思います(年下なのに)。
 他の短編はどれも尺短めで少し物足りなかったですが、シェナンに対抗心燃やすライルがよかったです。シェナンも応援してますが、一番は現状だとライルかな。
 そんなわけで、次の本編も楽しみです。


評価 ☆☆☆(6)



___3月22日(土)


【今日読んだ本】

対なる者のさだめ (狼谷 辰之/ウィングス文庫)amazon
対なる者の誓い (狼谷 辰之/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 シンたちは港市ヴァレンに逃れてきた。そこで寿命が尽きようとしているイアを、帝国の医師だったティン・ナジアスの力を借りてなんとか助けようとする。だが追っ手イラーとガトは、すでに彼らの居所を掴んでいた。ラランジャは変容期を迎えこんこんと眠っている。最大の危機をシンは乗り越えられるのか!? シリーズ完結!!


 ネット小説にかまけているとウィングスCOMPが終わらない、というわけでそろそろ本腰いれて残りにとりかかることに。まずは「禍者」とその「対」という存在を描いたBL風ファンタジー。
 引っかかるところもいくつかありましたが、それなりに面白かったです。よかったのは、「対」の劣化版である「花」である少年イアの描写。「対」も「花」も「禍者」に香気を与えるパートナー的な存在なんですが、「花」は「対」と違って数年で死ぬ運命。そんな「花」で死にかけているイアが、「対」であるシンと出会い、友達として接しつつも悔しさとか劣等感とかに苛まれる姿がなかなか切なかったです。シンにああいう行動とっちゃったのも納得、できれば幸せになってほしかったんですが……。一方、その「対」のシンがあまりにも自分の身を省みない行動をとりすぎるのにいらっときたり、1巻で番外編までとった割には敵側の描写が中途半端だったり、マイナスかなと思える点も結構ありました。イアに比べてシンは遥かに恵まれた環境にあるので、甘えたこと言ってるんじゃないと思ってしまいましたね。
 さて残り40冊弱、そろそろラストスパート。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 銃姫9 〜It is Not to be "Now"〜 (高殿 円/MF文庫J)

 銃姫はやっぱり完結するする詐欺でした。



___3月20日(木)

 男装小説に1件追加しました。


【今日読んだ本】

SH@PPLE ―しゃっぷる― 1 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 双子の雪国(♂)と舞姫(♀)はフツーの中学三年。雪国は名門女子校の美少女に一目惚れ。接近のチャンスなどない……はずだが、女子校の生徒会長である舞姫に大胆にも「入れ替え」を提案されバラ色の生活を目指す!


 コバルトから流れ流れて富士見に辿り着いた竹岡さんの新シリーズは、双子の姉弟が入れ替わって学校に通う入れ替わりラブコメディ。
 楽しかったー! 双子の男女の入れ替わり物ですが、弟サイドの話が中心で、男装物としての面白さはさほどなし。一方、女装物としては、女性に囲まれた環境でのドキドキや正体明かせない苦悩など、見所たくさんでよかったです。でも、この作品の一番の魅力はラブコメ部分、ヒロインの蜜がかわいすぎ。お嬢様学校におけるB級グルメラブ設定は反則級だということが分かりました、ツンツンで守ってあげたい属性と組み合わさって破壊力がとんでもなかったです。
 姉の方は出番が少ないこともありラブはなし、でも会議での啖呵切りが痛快だったりかっこよかったですね(姉弟の入れ替わりだと、どうしても「かっこいい」系になっちゃうんですかね、他の双子入れ替わり物でもそうでしたし)。幕間がどうみても浮いていたり、ラストの誤解に無理があったりと気になった点はあったものの、それを補って余りある楽しさでした。
 それに、誤解のおかげで続きが楽しみになりましたしね。姉の方にも恋愛発生させてほしいですが、富士見ファンタジアだから無理かなあ。


評価 ☆☆☆☆(8)



___3月19日(水)


【今日読んだ本】

王女修業、はじめます。 (高丘 しずる/B's-LOG文庫)amazon



《あらすじ》
 貌の女王が治めるリドホルム王国。百人並みの容姿なうえ口数も少なく、笑ったことがないことから『ドクロの君』と渾名される一人娘の王女、エリーザベトはある日とんでもない事件を起こし、城を追い出されてしまった! 辺境の町に下ったエリーザベトが出会ったのは「富と栄誉をもたらす」運命の女を探す傭兵のセットと、国家転覆を狙う(?) 密猟集団<賢者の森>の天才少年、アル。なぜだか三人で王都を目指し旅することになったのだが──。次期女王失格の烙印を捺されたエルサの起死回生、王女修業が今はじまる! 


 「エパタイ・ユカラ」の高丘さんの新シリーズは、変人2人と普通の傭兵1人による珍道中ファンタジー。
 エパタイとは150度くらいノリが違う話でしたが、こちらもなかなか面白かったです。3人組の珍道中というと「オペラ」シリーズをはじめ色々と思い浮かびますが、これはコメディ色と変人度が強め。
 まず、3人組の1人である王女のぶっ飛び具合がなかなか半端ないです、常識は皆無、口を開けば食べ物のこと、超絶に言葉足らずで人をいらだたせることにかけては天下一品。こんなのの面倒を推しつけられていたレンナルトには心から同情します。普通に祖父母がいてこんな性格に育った過程にはちょっと疑問が残るものの、見ていて面白いのでよし。一方、もう1人の変人は、相手によって態度がえらく変わる饒舌な天才という、結構ありがちなタイプ。この変人2人だけだと物語が進みませんが、ここに面倒見のいい傭兵が加わることで、凸凹な掛け合いがとても楽しいものになってます。こういう作品読むたびに書いている気がしますが、「迷惑かけられまくっているけど、どうしても目が離せない」タイプのお人好しキャラは大好き。
 物語的には今回はキャラ紹介で、王女修行の旅はまだまだこれからといったところ。王女と傭兵の間に恋愛が成立するような展開になったら歓喜するんですが(ていうかこの王女の恋する姿が想像つかない)、どうなることやら、続きが楽しみです。


評価 ☆☆☆★(7)



虹色万華鏡 ふたしえの秘密 (三條 星亜/B's-LOG文庫)amazon



《あらすじ》
 高校一年の終業式の日、羽田野和弥(はたのわみ)に届けられた一通の手紙……。そこには『遺産相続の協議にきてほしい』との文面が。相続の権限があるのは、男子。良家のお嬢様だった母方の実家に(駆け落ちの末に和弥を産んだ母親と、実家は断絶状態)、男装して乗り込むことにした和弥。目的はひとつ。母親が家を出るときに落としてしまった懐中時計を手に入れること! 意気揚々と乗り込んだ豪邸の実家には、ひとクセふたクセありそうな“いとこ”ばかり、そしてあろうことか、大好きだった先輩がいて──!?


 先日の記事でも紹介した、少女が男装して母親の実家に乗り込む現代男装小説。著者さんは1年ちょっと前にホワイトハートでデビューした方ですね、デビュー作はダーク気味なファンタジーでしたが、全く毛色が違う作品に。
 あーもう、こんなおいしい設定なのにもったいないもったいないもったいない。男装して出向いた先には憧れの先輩が、でも正体は明かせないし冷たくされるし……、といった感じのはじまりで、男装物としてすごく心がときめきそうな設定なんですよ。なのに、どうして逆ハーにいっちゃうかなあ。他の男性もかっこいいことはかっこいいんですが、それでメインの先輩との恋愛描写がおざなりになっちゃ本末転倒ですよ。他にも、サブキャラの執事さんとお嬢様の身分違いの恋愛や、母親が住んでいた頃の屋敷の面影なども描かれていて、手を広げすぎてどれも中途半端になってしまったように見えました。せめて正体バレくらいは書いてほしかったなあ……。
 ああほんとにもったいない。終わり方の中途半端さに腹立つんですが、二人の先行きは気になるし、主人公は普通にかわいいし、続きが出たら多分買っちゃいます。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 王女修行、はじめます! (高丘 しずる/B's-LOG文庫)
 虹色万華鏡 ふたしえの秘密 (三條 星亜/B's-LOG文庫)
 SH@PPLE ―しゃっぷる― 1 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫)
 学園アリス 15 (樋口 橘/花とゆめコミックス)



___3月17日(月)

 まいじゃーさんのTS記事を見て思い立ったので、男装少女なライトノベルを挙げてみる。ただの男装だと数が多すぎるので、主役格のキャラクターが女であることを隠しているもの限定で。どうしても似通った話が多くなっちゃうんですが、きっと需要はあるはず!


amazon
身代わり伯爵シリーズ
男装少女といったらこれが思い浮かぶ人も多いだろう、兄の身代わりで伯爵として王宮に乗り込む少女のお話。
正体ばれかかったり事件に巻き込まれたりとベタを地でいくのが非常に楽しいです。護衛役との王道ラブもあり。

amazon
Romeo×Juliet
シェイクスピアの同名の作品を元にしたアニメのノベライズ。
正体が発覚した後の、若き2人の燃え上がるようなロマンス描写が最高。惜しむらくは後半の超展開、後1冊あれば……。

amazon
ヤヌスの城
王子として育てられてきた少女が敵方の王子に恋するお話。
性別は比較的あっさりバレちゃいますが、女である悔しさをきちんと描いているのが好印象。恋心が深まった後にくる身分バレが楽しみなのです。打ち切りっぽいんですけどね……。

amazon
執事喫茶クローバーへようこそ
つい最近出た、タイトル通りの執事喫茶物。
乙女の妄想を詰め込んだ展開は結構楽しいんですが、正体バレの楽しみがない上、男装姿に惚れられるので、そういうの苦手な人は注意。

amazon
珠華繚乱
男勝りの王女が嫁入りではなく婿入りする中華物。
男装だけでなく、幼なじみとのすれ違いも楽しめる一品。

amazon
幻の将軍
少年レーベルにおける数少ない男装少女主人公作品、性別隠して将軍になる少女の物語。
読んだの相当昔であんまり覚えてないんですが、自分の感想を見るに、大っぴらにできない恋愛模様がたまらなかった模様。久々に再読して後で書き足します。
4/12追記。改めて読み返すと後半の超展開がなかなかひどい。ストーリーはあんまり期待しないほうがいいかもしれません。恋の書き方もワンパターン気味、萌えはするんですが。

amazon
時の竜と水の指環
「楽園の魔女たち」が有名な樹川さんの初期の作品。
上下を見ると勝気な少女が男装する話が多いですが、これは心優しいタイプの少女が主人公。意に添わぬ男装を強いられ、恋心を伝えられない展開は切なさ炸裂。

amazon
レヴァンデインの誓約
えーと、さっぱり覚えていないので紹介は割愛します、すいません……。

amazon
終わりのクロニクル
正体バレする前に読むのやめちゃったんですが、ヒロインが男装少女(のはず)。
他のラインナップとは毛色が違う、濃くて「まロい」話です。

amazon
ホーンテッド!
男装モノとしての面白さはない気がしますが、まごうことなき男装少女は出てくるので一応。

amazon
虹色万華鏡
今月発売に2件もあったので追加。母親の時計を取り戻すため、男として母方の家に乗り込んだら、そこには憧れの先輩が……、というお話。なんというか、すごくもったいない作品です、設定は最高なのに。

amazon
SH@PPLE
これも今月発売。双子入れ替わりと聞いちゃ買わずにはいられません。
男装物としては微妙ですが、入れ替わりラブコメとしては非常に楽しいです。


なんか色々忘れているものがある気がする……。他にあれば教えてくださると嬉しいです。

以下、教えていただいたものを追加、皆さんありがとうございます。順次増やしていきます。


amazon
流血女神伝 帝国の娘
そういや男装少女だ……。その後色々ありすぎてすっかり忘れていました。
一応説明しておくと、猟師の娘が皇子の代役として王宮に乗りこみます。男装している間はラブなしだし、容赦のない展開の連続だし、上の方のあれこれとはえらい違い。

amazon
ざ・ちぇんじ
「とりかえばや物語」を元にした、平安時代が舞台の名作。これも読んだのに忘れていました。
タイトル通り、入れ替わって育てられた兄妹(姉弟だったかも)が引き起こす騒動を描いたコメディ。コバルトですが男性でも全く抵抗なく読めますし(後にハードカバー化)、古典が苦手でも問題なく楽しめます。
ただ、いかんせん古い作品なのが問題、amazonだと微妙に高値ついてますね……。

amazon
マスケティア・ルージュ
これは未読。かっこいい女の子が男装して活躍する陰謀&ラブファンタジー、でいいのかな?
ローゼンクロイツ未読で躊躇していたんですが、これを機に1冊読んでみます。

amazon
平安盗賊恋▽絵巻
これも未読。主人公の女の子が男装怪盗として活躍したり若君に扮したり姫君の姿になったりと大忙しの平安時代物のようです。

amazon
薔薇の剣
同じく未読。色んなレーベルで見かけるゆうきりんさんの初期の作品です。あらすじや著者の傾向から察するに、きっと鬱展開が待ち受けているファンタジーではないかと。
タイトルは前々から知っていましたが、男装物だとははじめて耳にしました、読まなきゃ。

amazon
帰る日まで
コバルトのベテラン藤原さんのデビュー作、信長が女で濃姫が男で……という歴史物らしいです。
この設定の時点で読むしかない、というわけで捕獲対象行き。

amazon
夢の宮 薔薇の名の王
マリみてで有名な今野さんが描く歴史恋愛シリーズ「夢の宮」の1冊。あらすじ読む限り、ヒロインが男装なのかな?

amazon
風の大陸
完結した富士見の長期シリーズ。序盤限定で男装キャラがいるようです。


2010年5月にいくつか追加。


amazon
白銀の民
ネタバレしちゃうと、主役の子が男装少女です。
年上の海兵隊長(もちろん朴念仁)との恋愛未満な関係にニヤニヤ。恋愛までいってくれれば絶賛だったんですが、2巻で打ち切り(?)なのが惜しいです。

amazon
偽りのドラグーン
祖国の復讐のために竜騎士養成学院へ入る少年が主役のファンタジー。主役格の1人が男装で学校に通ってます。
1巻で読むの止めてるんですが、男装の子が乙女モードになると聞いて気になってきてます。

amazon
石霊と氷姫
少しの才覚とありあまる度胸で一人旅をする男装少女が主役の1人。正体はあっさりばれますが、前向きでがんがん進む性格が魅力的です。

amazon
聖鐘の乙女
男子オンリーの音楽学校に訳あって潜入入学する女の子が主役。つまり直球の男装物です。主役のアティのアホかわいさや、唯一正体を知る相手とのロマンスなど盛りだくさんでお勧め。話の進みが遅いのは仕様です。

amazon
飛天のごとく
平安時代の史実をアレンジした物語で、藤原家の女の子が主人公。男の姿の自分と女性としての自分の間での葛藤が切なくて、素晴らしい男装物。