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___5月30日(金)

 プリンセスナイトメアPS2版、ルート追加でお値段据え置き、好評発売中!



 何度か名前を挙げたことありますが、PS2版が出たので改めてプッシュ。
 主人公=自分ではなくてライトノベル感覚で楽しめる乙女ゲー。小悪魔なヴァンパイアのリトルをはじめとしてキャラクターの個性が素晴らしくて、やりとりがとにかく楽しい作品。完璧執事な人造人間、ツンデレ人狼、怖そうでお茶目なお父様などなどいいキャラ多すぎ。突き抜けたギャグあり、もちろん甘いシーンもあり、一部シナリオで結構矛盾が目立ったりはするんですが、それ抜きにしてもお勧めできる作品です。
 既プレイの人でも、チェシャ好きやフラン好きなら買う価値あり。逆にプリンス好きはやめておいたほうが無難。なんでプリンスだけこんな駄シナリオに……。


【今日読んだ本】

帝冠の恋 (須賀 しのぶ/コバルト文庫)amazon

画像はありません。

《あらすじ》
 19世紀、ウィーン。ハプスブルク家の大公に嫁いだ美しく聡明なバイエルンの王女ゾフィー。彼女の前に、ナポレオンの血をひく美青年フランツが現れる。「甥」であるフランツとゾフィーは惹かれあい!?


 先月発売のコバルト、女神伝の須賀さんがおくる19世紀ヨーロッパが舞台の燃え上がる王宮恋愛ストーリー。
 途中いまいち興がのらなくてしばらく積んでたんですが、いざ再開したら一気に読み終えました。興がのらなかったのはおそらくこの時代の知識がろくにないのが原因、ハプスブルク家周りはさっぱり知らないんで現実と全く結び付けられませんでした、何せゾフィーが誰なのかすら分かりませんから。
 それでも、一度フランツを振った後のゾフィーの諦めきれない想いは強烈でしたね、国家を支えようと奮闘する中、フランツが目に入る度にときめき、それを押さえつけるゾフィーの姿が素敵でした。最後は自分に正直になってくれてよかったなあ、最後まで結ばれなかったら悲しすぎますしこれ。あと、歳取った後のゾフィーの感傷がかなり印象的でした。普通の作品なら頭固いただの悪役で終わりそうなメッテルニヒがいい味出してたなと思います。
 そんなわけで、女神伝ほどではないもののそこそこ楽しめました。この時代知らなくてなんだか損した気分ですが。


評価 ☆☆☆(6)



___5月29日(木)


【今日読んだ本】

帰る日まで (藤原 眞利/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 斎藤道三の娘・帰蝶は実は男。だが、政略のために織田信長のもとに嫁ぎ、彼を殺害してこいと命じられる。短刀を胸に初夜を迎えるが、相手の信長にも驚くべき秘密が…。奇想天外歴史ロマン!!


 コバルトのベテラン作家藤原さんのデビュー作は、信長が実は女で濃姫が実は男だった、という奇抜な設定の歴史ラブロマンス。
 これは掘り出し物でした。元々は男装少女を楽しむために手を出したんですが、男装物としてよりも歴史恋愛小説としてよかったです。まず、信長が女で〜、という設定だけでアイデア勝ちだと思うんですが、それだけでなく他にも色々捻ってある点があって、戦国時代はちょっとは知ってる、くらいの自分には展開がかなり楽しめました。そして何より、設定を最大限に活かして描かれた、死ぬまで捨てられないくらい狂おしい恋情が素晴らしい。ネタバレになるんで詳しくは書けないんですが、よく知られている信長の気性にぴたりとはまる激しく切ない想いにやられました。
 デビュー作だけあって文章が多少読みづらかったり、時系列が年単位でポンポン飛んだり(最後は本能寺までいきます)と欠点もあるんですが、そんな欠点を吹き飛ばすほどの魅力があって、一気に読み終えてしまいました。20世紀のコバルトは全然チェックできてないんで(特に単発作品)、男装物として教えていただなかったら手を出してなかったと思います、ありがとうございました。
 しかし藤原さん、18歳でデビューして約12年で66冊ってことは、年平均で5冊以上出してるんですよね、すごいペース……。来月の新シリーズは歴史物みたいなんで買ってみます。


評価 ☆☆☆★(7)



___5月28日(水)

 先日の記事にメルフォでいただいた情報(古本市場関係)を少し追加しました。古本市場って意外と安いんだなあ。


【今日読んだ本】

ゆらゆらと揺れる海の彼方1〜2 (近藤 信義/電撃文庫)amazon

画像はありません。

《あらすじ》
 記憶を失った少女が見たのは、英雄誕生の瞬間――。軍事に天才的な能力を持つ少年――ジュラ。だが、彼は頬の痣のせいで実母に疎まれ、その才能のせいで、父親に嫉妬され家を放逐される。そんな彼にもたった一人、理解者がいて……。様々な特殊能力を持つ海獣と、戦術、新兵器が歴史を紡ぐ!


 前々からいつか読もうと思っていた電撃の仮想戦記「ゆらゆらと揺れる海の彼方」シリーズ、ウィングスCOMPも終わって積みも減ってきた(当社比)ので手を出してみました。
 で、2巻まで読んだ段階では普通に面白いなあといったところ。キャラ見せがようやく終わってメインはこれからっぽいですが、肝である戦闘部分は久々に読む戦記なこともあって策をめぐらせた攻防を楽しめましたし、キャラクターも英雄、地味、愚鈍と各種揃っていていい感じ。英雄の2人のカリスマ性はもちろん目を引きますが、それよりも地味な人の方が自分的には好み、オスターデの奮闘っぷりなんか好きです。ただ、ちょっと愚鈍な人にイラっとくるときがあったのがマイナス。これはこの作品に限ったことじゃないので仕方ないんですが、総督はもうちょっと何とかならなかったのかなあと。頭固いけどそれなりに能力ある重要キャラだと思ったらただの雑魚だなんて……。
 帝国とローズウェイク両方のキャラが出揃って、これからの戦いが楽しみなんで続きも多分買います。英雄以外とくっつきそうな女キャラが出てきてくれると嬉しいんですが。


評価 ☆☆☆(6)



___5月26日(月)


【今日読んだ本】

死神ナッツと絶交デイズ (早矢塚 かつや/MF文庫J)amazon



《あらすじ》
 小石川幌右は妹衣沙と二人暮らしの平凡な高校生。ホローは毎夜、無人の学校に忍び込み、教室に現れる少女・死神ウォルナッツと無駄話をして楽しんでいる。そんなホローの身の回りは、最近やけに騒がしい。“未来を夢見る”クラスメイトの嘉島詩夏、詩夏のだいしんゆーである通称“絶交少女”星澄夜空。できたばかりの仲良しグループで過ごすそれなりに楽しい毎日、変わることのない日常。平凡で平均で平穏な、17歳の夏を迎えるはずだった。それがまさか、こんなことが起こるなんて――。詩夏と夜空、二人のちょっと変わった女の子のうち、どちらを選ぶ? これはそんなオイシイ話なんかじゃない、二人の命がかかってるんだ!


 「悠久展望台のカイ」の著者さんの久々の新刊は、2人の女の子のうちどちらかの死を突きつけられた少年が主人公の現代ラブファンタジー。
 カイの青臭さが好きだったので迷わず買ったんですが、一味違う(気がする)青臭さでこれも面白かったです。「2人の少女のどちらかを選ぶ」というテーマ設定の時点で結構自分のツボついているんですが、少年の葛藤や頑張りだけてなく、女の子側の戦いも書いてあったのが気に入りました。つまり世の中のギャルゲーは実は乙女ゲーでもあるってことですね(なんか違う)。単純に人物描写が好きっていうのもあるかも、みんな優しくてでも醜い部分もあって悩んで、それでも頑張っていて応援したくなります。途中から少し方向性が変わって、最後は空中大回転をした末に足元に着地して「あれっ?」って感じでしたが、着地自体は綺麗に決まっていて読後感がよかったので満足でした。
 あと、話以外の部分では、1ページ丸々白紙を挿絵として使った演出などにも、おおっ、と思わされました。この設定ならあって当然ともいえますが、インパクトあってうまいなあと。
 ナッツの謎は残ったままだし続くのかな? 続け方がちょっと不安ですが、まあこの人の話なら大丈夫でしょう、ってことで今後も楽しみ。


評価 ☆☆☆☆(8)



___5月23日(金)

 最近結構利用機会があったので、新古書店3つのライトノベル事情を自分が知る範囲でまとめてみる。「新刊しか買わないし、ましてや売るなんてとんでもない!」って人は読み飛ばしてください。あと、一応都民向けです(買取は通信もありますが)。

ブックオフ
・所在地:全国あちこち
・販売価格:定価の6割ぐらい or 100円
・一律価格なこともあり、100円以外の商品はちょっと高い
・でも運よく新刊や人気商品に出会えるとお買い得
・買取価格:安い

まんだらけ
・所在地:中野、渋谷、秋葉原
・販売価格:新しいものは結構高い(350円オーバー)、古め・売れ線でないものは200円程度
・買取価格:最低50(?)円。近年の少年系は結構買取値よし
・少女系は少年系より値落ちが早い、新書サイズは買い叩かれ気味
・買取価格はデータベースに登録されているので安心感あり

K-BOOKS
・所在地:池袋、秋葉原
・販売価格:最近1〜2ヶ月のものは高い、それ以外は売れ線じゃないものは最近のものでも安め(例:つきこい200円、SH@PPLE1巻300円)
・買取価格:最低30円。最近1〜2ヶ月のものと強化買取以外のものは安め
・安めなのは店員による査定のためかも(細かい判断ができない、奥付の日付で一律っぽいです)
・査定時は本の状態に厳しい
・新書サイズ(特にC★NOVELS)の買取価格がやたら高い
・一般文庫も有名所は普通に買取

古本市場(5月28日追加)
・所在地:あちこち
・販売価格:基本的に600円未満220円、600円以上320円。人気商品の場合例外あり


 まとめると、文庫売るならまんだらけ、文庫買うか、新書を売るならK-BOOKSがお勧め。100円コーナーを楽しむならブックオフでしょうか。古本市場などはよく分かりません。


【今日読んだ本】

零と羊飼い (西川 真音/一迅社文庫)amazon



《あらすじ》
 「あなたたちの中から、一人以上を隕石に向かって打ち出さなければならないわ。 猶予はこの数日間……誰をシャトルに乗せるかは、あなたたちが決めて」地球へ巨大な隕石が刻々と迫っていた。 政府の打つべき手は尽き、唯一残った最後の手段は、<<受けた力を同じだけの力で跳ね返す能力を持つ>> 能力者を生身で隕石に向かって打ち出すという惨い計画だった…。 対象者として選ばれた少年たちは秘密裏に研究施設に集められ、静かな死のゲームへの参加を余儀なくされ――。少年少女の葛藤と苦悩に満ちた予測不可能な物語。


 一迅社文庫の創刊ラインナップの1冊、傑作「シンフォニック=レイン」を世に送り出した西川さんがおくるSFファンタジー。
 むー、これは駄目だと思います。原作となっている「羊の箱舟」はプレイ済なんですが、原作では3本あったルートを1冊にまとめたせいで、ルートあたりの描写量が不足してしまっているのがまず問題。ウォルシュはまだしも、アロイスの部分はひどいです。で、それ以上に気になったのが原作にはなかった最後の部分。なんというか、原作ぶち壊しに思えましたこれ。オリジナル作品なら面白い作りだなあと思うんですが、完成されている原作つきでこれは正直やってほしくなかったです。最後についている「公式見解を示すものではありません」が言い訳がましすぎ、前半部分ほぼ全く同じでその言い草はちょっと……。
 そんなわけで非常に残念でした。とはいえ「シンフォニック=レイン」は5指には間違いなく入る傑作だし(積んでる人がいたら今すぐやるべきだと思います)、実力あるのは間違いないので次はオリジナル作品が読みたいですね。


評価 ☆☆(4)



___5月22日(木)


【今日読んだ本】

ANGEL+DIVE 1. STARFAKE (十文字 青/一迅社文庫)amazon



《あらすじ》
 「このオレが、真鳥依慧様が、もったいなくも下手に出てやってる間におとなしく立ち去ってりゃよかったってな。でも、もう遅え。てめえらはオレと織慧の貴重な昼休みをクソ生意気にも何分か無駄に消費させやがった。まったく胸糞が悪いぜ。どうしてくれるんだ? ヨリィィィィィギャラクティカ★ストラァァァイクッ……!」目の前で、とても力持ちとは思えないスレンダーな少女が、軽々と不良たちを屠っている。耳に入るのは罵倒(by少女)……そして、阿鼻叫喚(by不良)。――それが、夏彦と噂の真鳥姉妹、依慧と織慧との初めての出会いだった。依慧(ドS)と織慧(不思議系?)に気に入られた夏彦は、彼女らを巻き込みある少女を捜すことになるのだが……!?


 一迅社文庫の創刊ラインナップの1冊、薔薇マリの十文字さんによる少年少女の不思議な青春物語。
 ああ十文字さん作品だなあ、と思わされる主人公の悩みっぷりでした。こちらの主人公はマリアローズと違ってかなり我が弱いんですが、そんな彼がある女性との出会いを転機に色々考るようになる様子がびっしり書きこまれていて、今後どう変わっていくのかが楽しみな感じです。ただ、ハーレム風で現代田舎が舞台という設定があまり好みではなく、各種揃っている女の子たちもあまりピンとこなくて、薔薇マリと比べると自分の中じゃ2、3枚落ちますね。
 そういうわけで続きはパスかなあと思っていたら、引きがものすごい強烈なんですが。うわーどうしよう。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 死神ナッツと絶交デイズ (早矢塚 かつや/MF文庫J)
 ゆらゆらと揺れる海の彼方1 (近藤 信義/電撃文庫)
 ゆらゆらと揺れる海の彼方2 (近藤 信義/電撃文庫)
 つきこい (山科 千晶/電撃文庫)

 MFの新刊と、気になっていたものをいくつか。



___5月20日(火)


【今日読んだ本】

BITTER×SWEET BLOOD (周防 ツカサ/電撃文庫)amazon



《あらすじ》
 私は、闇夜で首筋を噛まれた。 プツッという音が響き、朱い玉が肌を伝った。それが、彼との関係の始まり。 彼は、私の心を激しくかき乱す。 彼に会う度に、言葉を交わす度に、見つめられる度に、ドキドキとゾクゾクがやってくる。彼の身体の一部に触れただけで立っていられない。 ……そう、彼は、私にとって 『特別』 な存在。―― 私の血を吸った “ひと” ―― 『闇の眷属』 たちが現代を舞台に妖しく踊る……。 血の契約を結んだ少年と少女の物語。


 恋愛要素が少女向けらしいので買ってみた、1年くらい前の電撃の吸血鬼物。
 うーん、期待してたほど恋愛部分で転がれませんでした。クラスメイトの吸血鬼に噛まれて〜、という設定はいいんですが、その肝心の吸血鬼が、思いっきり冷たいかと思えば急に優しくなったり、ダークさが中途半端であんまり好きになれなかったのが痛かったです。それと、クラスメイトのほのかな恋心だったり、主人公の姉の心の闇だったりといった他の描写にページが割かれすぎていて、恋愛があんまり濃くありませんでしたし。他の描写が悪くないというか、エピローグ近くの姉の心理なんかはむしろ結構気に入ったのが、なんとも言いがたかったです。もうちょっと絞ってくれればなあ。
 2巻までしか出てないみたいだし、続きは様子見で。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 悩殺ジャンキー13 (福山 リョウコ/花とゆめコミックス)
 愛のもとに集え1 (サカモト ミク/花とゆめコミックス)
 マルチナと50人目の家庭教師 (卯崎 ひとみ/ウィングスコミックス)
 ANGEL+DIVE 1. STARFAKE (十文字 青/一迅社文庫)
 零と羊飼い (西川 真音/一迅社文庫)

 ほのぼの貧乏長屋でほんのりラブな「愛のもとに集え」が当たりでした、こういうの好きです。悩殺は苺がかわいい反面、ウミナカはどうでもよくなってきたかも。
 一迅社は手に入らないかと思っていたら、地元で普通に平積みでした。とりあえずアンパイだけ購入。



___5月18日(日)


【今日読んだ本】

天啓のパルティア 月の姫巫女が予言する (真朱 那奈/B's-LOG文庫)amazon



《あらすじ》
 満月の夜に受けた天啓を、次の新月の夜に予言として王家に伝える月の姫巫女・パルティア。聖女に似合わぬ破天荒な性格の彼女に、婚約者のハルバートは頭痛が絶えない。そんな中、新たに巡ってきた天啓の夜に下されたのは、王家断絶すら暗示する、この上なく不吉な予言で――!? 第10回えんため大賞・佳作受賞作!


 今月のB's-LOGの新人さん一人目、姫巫女として王家に嫁ぎにきた予言者の女の子が主人公の正統派ライトロマンファンタジー。
 これは結構な当たりでした。まずなんといっても、主人公のパルティアが気に入りました。本来はただ予言を伝えるだけの存在である姫巫女の立場をよしとせず、よくない予言を何とか解釈しなおして危機を防ごうとする姿勢がとても好き。決して頭がいい子ではなく、政治の話などは「よくわからない」で理解も諦めちゃうんですが、だからこそ自分が思いつく限りで頑張る姿が一層素敵に見えるというか。時々ボケボケな予想をしているのはご愛嬌。
 他のキャラクターはやっぱり男性キャラが多め、正ヒーローのハルバートは優しい理想の王子様を地でいっていて文句なしにかっこいいし、切れ者で怪しげな吟遊詩人ラグーが見せる切なげな表情はたまらないし、とキャラ的には言うことなし。自分はラグーにやられました。
 一方、物語は、一つの不吉な予言をパルティアが頑張って解き明かしてどうにかしようとするミステリー風味な内容。後半になると犯人とかはあっさり予想つきますが、それまでは普通に謎が気になる展開、最後のハルバートの一言がよかったし、ストーリーも満足です。
 明らかに続きを意識していて浮いた設定がありましたが、これの評価は続き次第かな。恋愛要素はまだ濃くなりそうだし、どう続けてくるか楽しみです。ワンパターンになったりしませんように。


評価 ☆☆☆★(7)



悪魔は世界の救世主 (神矢 陽/B's-LOG文庫)amazon



《あらすじ》
 乙女の一大イベント『告白』。天秤高校2年の彩川奏は今まさに片思いの男子・杉峰逸に思いを遂げようとしていた。そして──。『私とつきあってください!!』『第5の門より選ばれし杉峰逸。我と契約を』。奏の告白にかぶってきた低い男の声。見れば全身黒ずくめ、マントに包まれた中世風の格好、腰までありそうな漆黒の髪。どうやらそいつは“悪魔”──!? 悪魔曰く、「あと2回杉峰逸が私の契約を断れば、世界は滅びる」と素で恐ろしいことを言い出してきた。つまり、好きな人が世界を救う?? ……好奇心旺盛すぎる奏が選んだ結論は「杉峰君が救世主ってカッコイイ。てかヤバイ!!」──と、ノリノリで悪魔・セフィロトに協力することになったが、その道のりはイバラだらけ次から次へと困難続出で──!? 第10回えんため大賞ガールズ部門奨励賞受賞×第3回B's-LOG文庫新人賞受賞デビュー作!!


 今月のB's-LOGの新人作品もう一つは、変わり者が多い学園が舞台のハイテンション悪魔コメディ。
 こっちも面白かった! パルティアが正統派なのに比べて、こちらはキャラのアクがとても強い変化球。あらすじ見ただけで主人公のハイテンションっぷりは分かると思うんですが、全編にわたってこんな感じ。考えるより行動が先に出るタイプでとにかく前向きで結構おバカ、こういうキャラが嫌いじゃなければノリよくて楽しめると思います。
 告白して失恋するとこからはじまるのもあって、恋愛要素は1巻の段階では案外薄め。でも恋愛対象になりそうな男性キャラが、片想いの相手の無口男、スーパー部長、人間嫌いの悪魔、超美形プログラマ、と色々取り揃えてあって目移りします。ていうか部長が無茶苦茶萌えるんですが! 何でもできそうなカリスマ性あって、普段は厳しいけど後輩想いで特に主人公を気にかけている、と萌えろと言わんばかりの描かれ様、イラストつきのシーンの優しさに陥落しました。これは部長とくっついてほしいなあ……。
 上見ても分かるようにキャラ描写が売りな作品ですが、ストーリーも案外しっかりしてます。天使悪魔が出てくる作品らしく、善悪や心の闇がメイン、主張がはっきりしている割に説教くささがなく、普通にいい話に受け取れました。
 どのキャラもこれから変わっていきそうで、パルティアと同じく続きが楽しみ。逆ハーにするのか、恋愛はあくまで一途にするのかは分かりませんが、できれば逆ハーで、というより部長ルートで!


評価 ☆☆☆★(7)



___5月17日(土)

 大分読んだので、ネット小説の感想をいくつか。

・男装騎譚@三日楼

身代わり伯爵もびっくりのベタベタ男装ファンタジー、男装物好きな人には間違いなくお勧め。完結しそうにないのを除けば完璧なんですが……。完結してないネット小説に手を出すときは注意が必要です。

・そして君は前を向く@砂漠に浮かぶ月

身代わり伯爵もびっくりの鈍感男装ファンタジー。天然タラシ鈍感なフィルがすごくかわいいんですが、あまりの鈍感ぷりに時々イラっとくることもあるので、鈍感嫌いの人は注意。

・恋の見出し方@砂漠に浮かぶ月

上のと同サイトにある王子と執務官の恋愛物、こっちの方がお気に入り。優秀で感情豊かな女の子が性悪王子に振り回される姿がいいです、エクレール@パレドゥレーヌみたいなキャラが好きな人は是非。

・魔王様と召使の君@かやのそと

 タイトル通り、魔王の召使いの女の子の話なんですが、性格のぶっとびっぷりが物凄い。この性格で一応恋愛物として成立しているのがすごすぎです、基本はコメディですが。ちなみに、同じサイトにある図書館戦争物も手塚柴原たっぷりで結構お勧め。

・恋人レッスン@レヴォリューションNo.11

似たような感じのものばかり挙げるのもあれなので、お勧めされた中から男主人公の現代学園物を一つ。地味な女の子に罰ゲームで告白したのが次第に〜、というどこかで見た設定ですが、好きになっていく過程がとても自然だし、何をしたらいいか分からなかった真美が女の子になっていく姿がかわいかったです。


 お勧めされたのも大体読みましたー。全然完結しそうにないものは途中で止めたりしてますが……。また数読んだらこんな風にまとめるつもりです、読んだ直後の一行感想はTwitterの方で。


【今日読んだ本】

お・り・が・み 天の門 (林 トモアキ/角川スニーカー文庫)amazon



《あらすじ》
 東京上空に突如出現した<ヘヴンズゲート>。その空の下、借金のカタに悪の組織「魔殺商会」に連行される少女鈴蘭がいた。艱難辛苦を乗り越えて立派な使いッ走りとなった鈴蘭だったが、神の使い<神殿教会>は彼女を狙い上空より重甲冑部隊を降下させた。彼らの目的は鈴蘭の持つ「魔人」の力。鈴蘭を巡って、神の使いVS神殺しの一族の壮絶な戦いが始まった!魔人、神、現代兵器に日本刀。全世界注目のフルバトルメイドアクション!!


 なんだか評判いいのでいつか1冊は読みたいなと思っていたシリーズ。まいじゃーさんとこで買った「お・り・が・み初心者読本」はどこかに遭難したようなので、予備知識0のスタートです。
 なので、アクション物だってことすら分かってませんでした。アクション……。まあ、コメディや設定が織り交ぜられていてアクションとしては読みやすい方だったし、魔王と聖女が裏返しで神や魔人も出てきて混沌としている設定がなかなかよさげでした。主人公が女の子なのも○、悪の結社の首領(?)の伊織との毒入り気味なやりとりが楽しかったです。バット持った幼女みたいなアク強すぎなキャラクターは、あんまり好みじゃなかったですが。
 これからどんどん化けていくらしいですが、続き読むかはとりあえず保留。アクション度が下がって伊織とのラブ度があがるならいいんですが。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 悪魔は世界の救世主 (神矢 陽/B's-LOG文庫)
 天啓のパルティア 月の姫巫女が予言する (真朱 那奈/B's-LOG文庫)