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___9月28日(日)

 色々再読モードだったりネット小説づいていたり等々の理由でしばらく更新ゆっくりペースになります。


【今日読んだ本】

ハーフボイルド・ワンダーガール (早狩 武志/一迅社文庫)amazon

 

《あらすじ》
 身に覚えのない嫌疑に戸惑う湯佐俊紀の前に現れた助っ人は、ミステリー研究会の会長・佐倉井綾であった。推理に行動に何かと大胆な綾と、沈着冷静でちょっぴりヘタレな俊紀。そんな迷(!?)コンビで調査を開始するのだけど……。 PCゲーム『群青の空を超えて』『僕と、僕らの夏』などのシナリオを手掛けた、早狩武志が贈る青春ミステリードラマが一迅社文庫に登場!! はたして、俊紀の潔白は証明できるのか?


 群青や僕夏などの名作をPCで出している早狩さんの初オリジナルライトノベル作品。
 同タイトルの同人誌を読んでいる信者レアな身として、まずは同人版との比較を列挙してみます。

・美佳の妹が増えた
・極一部のシーンの順番が変わった
・全体的に文章に肉付けがされた
・改行が増えた

こんなところ。妹が増えた以外は、話の細部までほとんど変わりありませんでした。妹は……増やさなくてもよかったような。
 で、感想。悪くはないんですけど早狩さんに求める期待値は下回ってました。でっち上げをせざるを得なかった幼馴染の想いやタイミングのずれゆえの悲哀といった青春要素は早狩さんらしくてよかったんですが、俊紀の複雑そうで単純な思春期少年心の方は、生生しく描かれてはいるものの、今までの早狩主人公と激昂の仕方がかぶってしまっていてややマイナス。それと、結構重ための話が展開されるなかで、綾のテンションや色恋で動揺する気持ちが浮いて見えてしまいました。行動力自体は好きなんですけど。そして、同人版を知っていることもあって、1冊の文庫として読むと若干話に小粒感が(同人版は2段組で90ページ)。
 これを書籍化するなら、異世界家族ファンタジーの「マリパパ」「エーテル」あたりを書籍化してほしかったなあ。あれは今読んでもそこまで古臭くない気がするんですが。でも、早狩さんがこうして小説方面にも出てきたのは歓迎です。


評価 ☆☆☆(6)



オトナリサンライク (竹岡 葉月/ファミ通文庫)amazon

 

《あらすじ》
 海辺の街サスクノックは妖精が“善き隣人【グッド・ネイバーズ】”と呼ばれ人間と共に生きる街――。何も知らず“奉仕活動”をやるハメになった少年キーチは、その内容が「妖精にまつわるトラブル解決」だと知って仰天! 古い家に棲みついて食糧を盗んだり、若い女を口説くのが生き甲斐だったりと妖精達はクセモノ揃い。さらにキーチと一緒に働くセンターの相談員達(※多分人間、性別♀)も予想外に強烈で!? ハプニング上等、お隣さんとの日々を描くハートフルテイル!!


 感想を書くまでずっと「オトナリサンストライク」だと思いこんでいて、「訳分からないタイトルだなあ」と馬鹿な感想を抱いていた、先々月の竹岡さんの新刊。
 荒んだ少年が癒され成長していく真っ当なハートフル物で、なかなかよかったです。世の中に成長物は多々あれど、非行をして裏切られてとっ捕まって世界不信に陥っていた状態から、癖あるメンバーの優しさ(?)に触れたり、仕事に喜びを感じたりで変わっていく様は、変化が大きくてはっきり見てとれるしコメディ的な味つけもよく(2話とか)、読んでて気持ちよかったですね。最後に意趣返しがあるのも爽快。
 でも、一番よかったのはハートフルな部分ではなくて、メアリのかわいさだったり。SH@FFLEといいこれといい、竹岡さんはかわいい女の子書くのがうまいですね。感情を出すのが苦手で最初はキーチのことを嫌っていて、でも次第に認めるようになって、と典型的な寡黙ツンデレと言えなくもないのに、普通よりもかわいく映るのはなぜなんでしょう。このタイプに弱かった記憶はあんまりないのに……。
 1冊でまとまってはいるものの、メアリともっと進展するところが見たいし、他のセンターメンバーの秘密もまだまだありそうだし、2巻も出るといいなあ。


評価 ☆☆☆(6)



___9月24日(水)


【今日読んだ本】

ラノベ部 (平坂 読/MF文庫J)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 物部文香はごくごく普通の高校一年生。高校に入学して一週間、今まで通りさして特徴のないごくごく普通の毎日を送ってきた文香だが、ある時ふと気がつくと軽小説部、通称『ラノベ部』に所属することになっていた……! かといってたいそうな事件が起こることはなく、ライトノベルを読んだりちょっとだけ変わった友達と友情を育んだり、一風変わった先輩に絡まれたりと、楽しく日常を過ごしたり過ごさなかったりしていた。そんな、どこにでもありそうな、でもどこにもなさそうな日々が繰り広げられる新感覚ライトノベルのはじまりはじまり。


 あちこちで話題にあがって褒められているし、たまには流行り物にも手出すかな、というわけで買ってきた、軽小説部の日常を描く「ラノベ部」。
 なるほど、確かに結構面白かったです。ラノベ初心者の女の子がラノベを薦められてはまっていく様子や本を選ぶ楽しさといった普遍的な楽しみを知っていく様子が、現実にあってもおかしくない感じで微笑ましくて、かなり好き。「こういう人が多いといいなあ」と思わされました。それに加え、腐女子とか猫耳とか変な語尾といった変なネタを振ったときの初心者と経験者の愉快なやりとりが時々クスりと笑えるのもいい点。
 ただ、後半はちょっと飽きかけたりも。キャラクターが濃い人と薄い人と両極端で、あくまで題材・ネタありきのキャラクターな感が強くて、キャラそのものに魅力が感じられなかったのが辛かったです。恋愛要素あるんですが、 終盤の暦は例外的にかわいかったものの、ちょっと狙いすぎに見えてしまって、好きになるまでには至りませんでした。
 最後に一言二言。女性向けのノベルゲー=BLゲーじゃない、そこは乙女ゲーも出すべきです! あと女性部員率高いんだから、百合とBL以外の少女小説をもっと出すべきです! MFに望むのは酷だろうと思いつつ、こうやって前者の等号のような誤解が増えていくのは悲しいので、叫んでおくことにします。


評価 ☆☆☆(6)



SH@PPLE ―しゃっぷる―3 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫)amazon

 

《あらすじ》
 『若光の君、男性だった!?』女子校新聞部にすっぱ抜かれた雪国♂。入れ替えは危険と悟り双子らは元の学校に。だが戻った先でも難題が。雪国には空舟生徒会長・鳥子が絡んできて、舞姫には雪国の思い人・蜜が急接近!?


 双子入れ替わり学園ラブコメ「SH@PPLE」第3巻。
 蜜かわいいよ蜜×3(大事なことなので3回言いました)。
 今回もこれだけで感想終わっちゃっていい気がするんですが、さすがにあれなんでもう少し。庶民的な性格とどんどん恋にはまってく姿と正体に全然気づかない天然勘違いが今までどおり可愛かったのに加えて、この3巻は遊園地イベントがとてもよかったです。雪国と舞姫の姉弟の絆を描きつつ、待ち続けた後に遊園地をまわる蜜の姿が無茶苦茶楽しそうで、かわいさ5割増しでした。雪国も頑張った。
 ただ、蜜以外の部分は結構微妙だったりも。1巻の頃から舞姫の性格がずっとしっくりこなくて、そのせいで雪国と絡むとき以外の舞姫関連がいまいち。芝目は嫌いじゃないんですけど。あと、蜜以外の女性キャラにあんまり興味持てないんですよね(鳥子は素直になれなさ全開でまだかわいいんですが、胡蝶の宮は……)。
 でも、蜜だけで全ての不満を補えるからいいんですけどね。反撃編の4巻も楽しみ。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 ラノベ部 (平坂 読/MF文庫J)
 SH@PPLE ―しゃっぷる―3 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫)



___9月21日(日)


【今日読んだ本】

ちょー葬送行進曲 (野梨原 花南/コバルト文庫)amazon

 

《あらすじ》
 先王崩御の報を聞き、ラボトロームに三つ子を残しトードリアに駆けつけたジオとダイヤ。しかしリブロは真相を語らず、さらにダイヤがさらわれて…!? コバーリム編突入前のふたりを描く。


 1巻と2巻の間の話を描いた、ちょーシリーズ番外編。
 うーん、よかったんですけど、終わった後にこの時期の話に1冊割くのがもったいない気がしなくもないです。矛盾のフォローなんて気づかなかった人間にとってはいらんのですよ! これだけ連続で読んで、そこかしこにあるらしい矛盾に全然気づいてない自分もどうかと思いますけれど、まあいつものことなので諦めます。
 それはそれとして話の方は、父王が死んだと勘違いしているジオをニヤニヤと眺めるのが楽しいお話でした。ちょっとこの仕打ちはかわいそうだろと思いつつも、ネタばらしシーンに笑えましたし、ジオはこんな役回りが似合ってるのでまあいいかという気分。でも、ダイヤとジルといるときのジオは珍しくふてぶてしかったような(ダイヤ真っ赤にさせるあたり)。こんなキャラだったかなー、でもダイヤと一緒のときはこんな感じだった気も。一緒のシーンが案外少ないせいで、情けなさばかり印象深いです、実は損しているのかも。あと、贔屓されすぎなタロットワークにちょっと嫉妬。アラン王子は酔っ払いに絡まれる役なのに。これもらしいっちゃらしいんですが。
 そして残るは企画本。ちなみに、ベルは今までは男の子だと思ってましたが、この巻でよく分からなくなりましたとさ。


評価 ☆☆☆★(7)



ちょー企画本2 (野梨原 花南/コバルト文庫)amazon

 

《あらすじ》
 『ちょー魔王』以降のカバーイラスト、テレホンカード、カレンダーのイラスト、文庫未収録の小説「ちょー青いドレス」「ちょー舞踏への誘い」…等々「ちょー」シリーズの魅力満載のスペシャル文庫本!


 ちょーシリーズほんとにほんとのラスト。
 そうだ、パイロープ結局サリタと再会できずじまいじゃん! 子供たち編は宝珠の物語が中心で、人の数だけ物語はあるんだからここでは描きません、ってことなんでしょうか。グーナーさんあたりも後半全然出てきませんでしたし。この企画本でも後日譚は1個もありませんし。でも見たかったなあ。
 名言集は、確かにどれも名言なんですけど、切り取っちゃうのがもったいない気もしました。流れの中でこそ生きるものも多いので。サリタのだけは切り取っちゃっていいですけどね。
 イラストは現代風の服を着た宝珠がかわいかったです。イラストだけ見るとオニキスとも釣り合うんですよね。実際は、オニキスには宝珠はもったいないといまだに思うんですが。あと、フェアリー番長がいいヘタレでした。
 そういうわけで、ちょーシリーズ終了。巻を経るごとにキャラをどんどん好きになっていって楽しさが増していくシリーズでした。誰か1人あげるとすると……誰だろう、やっぱり宝珠かなあ。男キャラだとアラン王子。他の野梨原さんも適当に読んでいきます。


評価 ☆☆☆(6)



___9月20日(土)


【今日読んだ本】

ちょー英雄 (野梨原 花南/コバルト文庫)amazon

 

《あらすじ》
 暴走を始めた魔王サルドニュクス。宝珠、オニキス、サファイヤは、魔王をしずめようと奔走。一方、サリタは、エデア・タロットワークを正気に戻そうと孤軍奮闘していたが…。物語は佳境へ!


 久々のちょーシリーズ感想。実は1週間以上前に読了済なんですが、家にいなかったり他の感想優先したりで延び延びになってました。
 この巻はクライマックスに向けての最後の準備みたいな感じ(それでも面白いんですけど)。とりあえず、クラスターはようやく呪縛から開放されてよかったなあと。のびのびとしてるクラスターは好きです。他では、折れかかりながらも前に進むことをやめない宝珠はやっぱりかっこいい。オニキスも珍しく(?)仕事してました。でも、宝珠はクラスターとくっついてほしいですが。あと、スマートもやらかすことあるんですね、魔法関連は完璧かと思ってました、なんか安心。
 そして、10ページほどの番外編「ぜんぶもとどおり」。本編よりもこちらの方が色々と印象的だったり。全員が揃った過去があまりにも幸せそうだったり、それゆえにアラン王子の感傷が破壊力あったり、恋する乙女しているオパールに衝撃受けたり。オパールは3人の中では一番出番少ない割に気に入っているし、ちゃんとくっついた姿が見たいなあ。
 続いてもう1冊。


評価 ☆☆☆★(7)



ちょー薔薇色の人生 (野梨原 花南/コバルト文庫)amazon

 

《あらすじ》
 魔族の英雄の異名を持つ少女・宝珠はぼろぼろの身体をした魔王と対面する。予想外の魔王の言動に当惑する宝珠だが…。ジオとダイヤを救い出し、世界の破滅を止められるのか!? クライマックス!!


 ちょーシリーズも残り2冊、いよいよ佳境。
 と思って読み始めたら最終巻でしたとさ。いや、のっけから全員集合で「おー早くも最終巻っぽいなあ」とか思ってたんですよ。そしたらほんとに最終巻だったという。次巻のタイトルが「葬送行進曲」だったから、てっきり次が最後なもんだとばかり。思い込みは失敗するということをつくづく思い知らせてくれるシリーズです。
 それはそれとして、最終巻だけあって今までの中でトップクラスによかったです。登場人物一人一人が、出会ってきた色んな人たちと繋がって影響しあって、みんなが頑張って。台詞1つ1つに今まで積み重ねられたものがひしひしと感じられて、描写1つ1つが琴線を刺激してきて(付箋つけて読むべきでした)。そりゃめでたしめでたしじゃなきゃ嘘だろうと。感性で感じ取る部分が多すぎて感想書きづらいんですが、みんな大好きすぎという一言でまとめちゃいます。魔王も好きになりました。
 若干不満なのは、結局ムローってなんだったのかなあ、とか消化不良というか気になることがいくつか残っていること。単に自分の理解力が足りてないだけな気もするんですけどね。
 残り2冊、最後まで楽しもうと思います。


評価 ☆☆☆☆★(9)



___9月19日(金)

 ブクオフで買い込んだ漫画などなどを大体消化、せっかくなので面白かったものをいくつかピックアップ。


キラメキ☆銀河町商店街 (ふじもと ゆうき/花とゆめコミックス)
 
 同年代の少年少女6人組の友情と少しずつ変わりゆく関係を紡ぐ青春ストーリー。
 まろんさんのお勧め品だったんですが、これはよかった。あくまでも友情が主体で、恋へと移りゆく気持ちの変化をとても緩やかにじっくり描いているのが好み。天真爛漫なミケをはじめ、6人みんな好きです。

NGライフ (草凪 みずほ/花とゆめコミックス)
 
 前世の妻が男(美少年)に、前世の親友が女(かわいい)に、という複雑な三角関係を中心にした、コミカル時々シリアスな恋愛漫画。
 こんなにおいしい設定のお話をなんで今まで見逃していたのか。過去と現在(ついでに元妻が今は男に)で揺れ動く葛藤が楽しすぎてたまんないです。あと芹沢がすごくかわいい。これとキラメキは今年出会った漫画ベスト3入り。

紅色HERO (高梨 みつば/マーガレットコミックス)
 
 バレーボールを題材にしたスポ根+ラブストーリー。
 スポ根はたまに読むとすごく燃えますね。恋愛方面もベタながらいい三角関係が展開されそうでなかなか。まだ既刊の途中までしか読んでいないので、今後の恋模様が楽しみ。

初恋ロケット (タアモ/フラワーコミックス)
少女のメランコリー (タアモ/フラワーコミックス)
   

 フラワー系列にも何かないかなと探していて巡り合った本。
 マーガレットコミックスと間違えたかと思うくらいにコテコテで初々しく少女漫画らしい短編集でした。絵柄でピンときたなら安心してお勧め。


【今日読んだ本】

神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルと白銀の虎 (あざの 耕平/GA文庫)amazon

 

《あらすじ》
 新進気鋭の音楽家にして、神曲楽士のダン・サリエル。世間でその才能は高く評価されているものの、性格はといえば、傲岸不遜で傍若無人、唯我独尊な俺様――である。 そんな彼がある日、一柱の上級精霊コジと出会った。この精霊がいたく気にいったサリエルは、珍しく自ら契約を申し出たのだが、すげなく断られてしまうのだった。そこで意固地になったサリエルは、なんとか彼と契約を結ぼうと計略するのだが……。表題作のサリエルと、コジ、アマディアの出会いを描いた『ダン・サリエルと白銀の虎』ほか、全4作品を収録。サリエルの華麗な名演をご堪能ください!


 あざのさんなので買ってみた今月の新刊。「Takadono Others」などでポリフォニカに触れたことはあるものの、ちゃんと1冊通して読むのはこれがはじめて。
 初ポリフォニカということで多少不安はありましたが、さすがあざのさんだけあって普通に面白かったです。精霊、神曲関連の設定は序盤にさくっと説明してありましたし、そもそも短編ということであまり設定知らなくてもいい作りになっていて、問題なくついていくことができました。ついていくことさえできれば、あざのさんの短編が上手いことは「BBB」で証明済なわけで。お約束の繰り返しながらテンポのよさが気持ちいい第2話、「軽い音楽を弾いている」というコンプレックスを持つ主人公の音楽のあり方を問うシリアス気味な第3話、恋する精霊の女の子の1日を描いた第4話とバリエーション豊かでどれも外れなし。ひねくれサリエルと一途なモモの組み合わせが楽しゅうございました。(何故か第4話だけ左上に「第4話」表記がないのは番外編扱いなんでしょうか。どうでもいいことですが)
 他のポリフォニカも高殿さんあたり手を出してみようかなあ。読むものなくなったらの話ですが。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 フェル・ルトラウスの珠 赤竜と目覚めの王子 (夏目 瑛子/B's-LOG文庫)
 神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルと白銀の虎 (あざの 耕平/GA文庫)
 NGライフ6 (草凪 みずほ/花とゆめコミックス)

 もう1人の新人さん作品は手に入らず。