___10月30日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ キスとDO-JIN! 〜コピーキャットにご用心!?〜 (小林 来夏/もえぎ文庫ピュアリー) 【amazon】 公式で。 《あらすじ》 自分のお小遣いでつつましく同人活動中のお嬢様腐女子・鈴木七海。そんな七海に、「パクラー」として悪名高いホスト系大手作家・響 冷夜が急接近! 開設したばかりの七海のサイトを見て、その作風に目をつけたらしい。その一方で、人気原画家で七海の友人の高橋も、ついに七海をめぐる恋の争奪戦に名乗りを上げて……!? 同人界の真実を暴く人気シリーズ最新刊! 今度は同人界の「パクリ問題」に鋭く迫る!? 同人業界の色々をテーマにしたラブコメ風味小説「キスとDO-JIN!」第4巻、今回のテーマは絵のトレース問題。 相変わらずさくさく読めて楽しいんですが、今回は同人問題の方に結構重きが置かれていて、ピックアップされたテーマにあんまり興味なかったので少し物足りなくもありました。自分としては、トレース完璧にできて売れる話が描ければそれも才能だと思うんですよね(トレースでもまともな絵が描ける気がしないド下手の意見)。イラストのみの場合は、どこまでトレースかも難しいしどうしようもないような。イラストだけの同人誌に高値がつくのがよく分からない身なので、問題の本質が理解できてないのかも。 あと、高橋さん以外の男性があんまり出てこなかったのがとてもよろしくないです。ダークなお兄ちゃんにはあまり萌えないのです。西南北分も執事さん分も全然足りません。高橋さんルートノーウェルカム。あとがき見ると、くっつく相手は意外性がありそうなんで、このままルートに入ることはないと思うんですが。 まだまだ続きは出そうなんで、次は他キャラがメイン張りますように。最後に一言。冒頭の執事さんの行動は外道すぎると思います! 七海ぶちぎれていいよあれは……。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 キスとDO-JIN! 〜コピーキャットにご用心!?〜 (小林 来夏/もえぎ文庫ピュアリー) |
___10月29日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ 夏休みは、銀河!(上)(下) (岩本 隆雄/朝日ノベルズ) 【amazon】 《あらすじ》 1学期の終業式の日に、小学校の校庭にある国旗掲揚台の旗竿に記された謎のメッセージを読んでしまった5年生の少女・内田一希は、6年生の保、同級生の翔太朗、3年生の風花、そして謎多き女子大生・亜子とともに、銀河系全体の存亡に関わる大事件に巻き込まれてしまう――!? 著者6年振りとなる、新作書き下ろし長編ファンタジー! 「星虫」「ミドリノツキ」の岩本さんの6年ぶり(待ちくたびれました……)の新刊、小学生の少年少女たちによる冒険ジュブナイル。 面白くはあるんだけれど、何だかもどかしい物語でした。些細な出来事からどんどんスケールが広がっていく、物語の大まかな枠自体はワクワクして夢中になれるくらい素晴らしいんです。色んなネタをよく詰めこんだなあと感心しました。風花の正体とかいいなあ。 が、問題なのが主人公の一希。引っ込み思案で自分に自信がないやや臆病な子で、序盤からおずおずしっぱなし。序盤は「そういう子なんだな」と思って問題なく読めたんですが、終盤になってもあまり改善されないのに若干辟易しました。終盤のあの行動(多分読んだ人なら分かる)が自分的にアウトすぎ。ここまでみんなで冒険してきて、その行動はとってほしくなかった……。序盤が冗長だったりでページ数が相当多いだけに、「これだけ分量あるんだからもうちょっと頑張ってよ」という気持ちが強くて、モヤモヤしたものが残ったまま読み終えることになりました。 1冊強くらいでまとめてくれていたら、そんな思いを抱くこともなく最後まで楽しめたかも。期待値が高かっただけに少し残念でした。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 哀しみキメラ4 (来楽 零/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 二人きりになってしまった矢代純と早瀬綾佳のもとに、京都で不穏な動きがあるという知らせが届く。そこには、以前純たちをつけ狙った男の気配もあった。迷いながらも京都行きを決めた純と綾佳の前に、決別した仲間の影がちらつく。不安定な体を抱えながらも、自分にできることはしたいと望む純。その純の思うようにしてやりたいと願い、自分の体に起き始めた不調を隠して動く綾佳。そして、変わってしまった水藤深矢。行き止まりに入り込んだキメラたちの行き着く場所は──。 第12回 電撃小説大賞<金賞>受賞作シリーズ、感動の完結編! 不幸な事故で人からキメラになってしまった4人の行末を描いた「哀しみキメラ」完結編。 まずは突っ込ませていただきたい。この表紙はネタバレすぎやしないかと。少しでも勘がいい人なら、この表紙見て、気になる1つである「4人は最終的にどうなるか」が予想ついてしまいます。鈍い自分が気づいちゃったんだから間違いない。3巻までの流れからして意外な展開ではないし、先が見えたからって面白さがそんなに減じる類の話ではないのでまあいいんですが、「純生き残ってくれないかなー」と期待したりもしていたので少し残念でした。 でも物語は今までで一番よかったです。3巻では期待より影薄かった戸塚さんと水藤の顛末、再登場した真里がキメラ達を思う台詞の数々、変調をきたしながらも何とか生きようとする純と綾佳、どれもこれも胸にきました。特に戸塚さんの最後の姿が切なすぎてやばいです。正カップルより目立ってます。でも、水藤を最後まで水藤として繋ぎとめた彼女はヒロインと言っていいでしょう。物悲しくも前向きなエピローグも素敵でした、最後にそこに戻るのがとても綺麗。 最後まで読んでよかったと思えるシリーズで満足。「Xトーク」はホラー苦手で回避しましたが、次作も楽しみです。 評価 ☆☆☆☆(8) 【今日購入したもの】 イロドリミドリ (羽柴 麻央/マーガレットコミックス) |
___10月26日(日) |
最近、良質なTS(入れ替わり、性転換etc)18禁ゲーが奇跡的に2本立て続けに出たので、今日はその感想を。男性向けなので、苦手な人は退避推奨で。 【最近遊んだゲーム】 ◆ 夢恋転生 (TinkerBell某組) 【amazon】 まず1作目は、女顔の男子大学生が不思議な夢を見て女の子になっちゃう性転換ゲー。 これが凄かったんで、ゲーム感想を久々に書こうと思い立ったんです。何がすごいかって、男性向けエロゲーなのに、あるルートで乙女ゲーよりも胸キュンなお話が繰り広げられるんですよ! プレイしてて仰天しました。 このルート、すごく簡単にいうと、前世(夢)で好きだった人にそっくりの男の人に一目惚れする、というストーリー。これだけなら普通の女の子主人公の物語でもありそうですが、このゲームの場合は主人公が女の子なりたてで初心者なために、「どうやって話しかけよう」、「あの人のためにかわいくなりたい」、「あの人の好きなものを理解したい」といった気持ちが純度100%で描かれるんです。会える日には浮き足たって他のことに何も手がつかないし、話しかけて少し笑いかけられたり、ちょっと会話がうまくいっただけで、心の中がもの凄い喜びに溢れかえって、あまりのこっ恥ずかしさに何度も読み進める手を止めてしまったくらい。もうこれでもかというくらいの乙女っぷりです。こういうの好きな身には最高。 さらに、男の時の恋人(女の子)という、普通の恋愛ストーリーでは存在しようのないキャラが絡んでくるのが高ポイント。元恋人の子の「男にはとられたくない」気持ちもとても理解できて、主人公の方もやましさがあるわけで、この微妙な三角関係がいい味出してるんです。元恋人の子もいい子なんで、振る時に胸が痛むんですよね……。主人公の成長もしっかり描かれていて、このルートはほんと面白かったです。 ただ、基本的には主人公は流されやすい上に淫乱体質なので、他ルートでは普通の男性向けエロゲ並かそれ以上にエロエロだったり。おまけに精神的にかなりきついシーンがあるわ、流されているうちに主人公の思考が変な方向に吹っ飛ぶわで、ノーマルな嗜好の人にはあまりお勧めできません。嫌々な陵辱とかが少ないのが救いでしょうか。「混ぜるな危険」って言葉を知らなかったんでしょうかスタッフは……。 まとめると、 ・TSが好き ・乙女心キュンキュンな展開は大歓迎 ・エロエロなのもOK という人にはとてもお勧めなゲームです。……なんて間口が狭いんだ。 評価 A ◆ X Change Alternative2 ―キミノヒトミニウツルキミ― (CROWD) 【amazon】 で、こちらは性転換ではなくて入れ替わり、学園が舞台の青春ラブコメ。 こちらは上のように一部が乙女向けだったりすることはなくて、入れ替わった女の子のことを知って、葛藤したり恋をしたりHをしたりといった王道的な内容が主。といっても4人ヒロインがいるので、王道一辺倒ではなく色んな展開が楽しめます。中でもよかったのが小百合ルート、入れ替わりにおいて今まで見たことのない設定(入れ替わった相手に告白しようと思ったら百合だった)を巧みに使っている良い青春物語でした。 この作品が地味に凄いのは、声優さんが入れ替わった後の声色・口調を見事に使い分けている点。特に主人公は4人と入れ替わっていて、5人分の口調を演じているのには感服。入れ替わった後の楽しさが5割は増しているんじゃないかと、声の力を思い知らされました。 あと、大きなポイントなのが、親友の男とくっつくルートがあること(ネタバレなんで一応伏せ)。結構珍しいんですよねこういうの。相手があまりにもいい奴すぎるので、惹かれちゃいけない相手に惹かれてしまう葛藤がこの上なく理解できるのがとてもよいです。分量も申し分なく、むしろこちらがメインルートかと思えたくらい。 惜しむらくは、ルートによる出来不出来がやや激しいこと。一部ルートでは入れ替わりがほとんど活かされていないのがもったいなかったです。超超展開(あそこから触手が生えてた!)だけでちゃんと1ルート構成してるのはある意味凄くて感心しちゃいましたが。 TSが好きじゃなくても、男女入れ替わりに抵抗がなければ楽しめる良質コメディでした。H中心のルートもあるし、あくまで男性向けではありますが、TSゲーを何か一本と言われたらこれをお勧めします。 評価 A |
___10月25日(土) |
【今日読んだ本】 ◆ ロードムービー (辻村 深月/講談社) 【amazon】 《あらすじ》 誰もが不安を抱えて歩き続ける、未来への“道”。子どもが感じる無力感、青春の生きにくさ、幼さゆえの不器用…。それぞれの物語を優しく包み込んで真正面から描く。「冷たい校舎の時は止まる」から生まれた珠玉の3編を収録。 辻村さんのハードカバーな最新刊は、デビュー作の「冷たい校舎の時は止まる」と関連した中編集。 うーん、よくも悪くもいつもの辻村さん作品だなあ。「名前探しの放課後」でのクロスオーバーに味をしめたのか、今回は3篇全作クロスオーバー。「冷たい〜」は大好きなのでクロスオーバー自体は歓迎なんですけれど、終盤の山場にクロスオーバーのネタばらしを持ってくるのはちょっと……。短編単品での面白さを殺いでいる気がしますし、毎回このパターンをとられるとちょっと興醒めです。クロスオーバーはひょこっと出てきてニヤリと思えるくらいがいいなあ。 3篇目なんかはクロスオーバーというより、もう「冷たい〜」の前日譚そのものですが。完全に既読者向けで、ここまでくるといっそ清々しいというか。前日譚としてはいい話ではあるけれど、鷹野と比べて深月がいい子すぎるのが少し鼻につく面もありました。 残りの2篇のうち、1篇目は小学校のいじめが絡んだお話。無力感の描写とか引っくり返しとかよくできてるなあと思うものの、いじめの話がかなり苦手なんで個人的にはややダメでした。中学生の行動が容赦なさすぎる……。あと、途中までクロスオーバーだと知らずに読んでいたんで、いきなり出てきてポカーンとなったり。その辺がクロスオーバーに対する反発になってるとこもあるかも。一方、2篇目は思春期の人付き合いの難しさや行き場のなさのお話、こっちは普通によかったですね、小悪魔チックな千晶がかわいいし、ラストの雨の場面が好き。クロスオーバーの出し方もこれならまあいいかなと思える範疇でしたし、結構好きなキャラなんで出てきて嬉しかったですね。 ただ全体的に見ると、完全オリジナルじゃないしハードカバーだと少し割高に感じました。次は著者デフォ買いやめて様子見るかも。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 鏡原れぼりょーしょん (林 直孝/一迅社文庫) 【amazon】 《あらすじ》 俺こと来摩久司(くるまひさし)は家も特に裕福ではないし、スポーツ万能で国体にとかそんな特技もない、ただの貧乳大好きな平凡な高校生。しかし、他人には言えない秘密を押し入れの中に抱えていた。 そんなある日、清楚で可憐、誰もが憧れる同級生の鏡原奈結と二人で、友人が所属するラクロス部の試合を観戦することになった帰り道、不気味な鼻歌とともに視界が暗転。 気がついた時には、俺と鏡原さん、ちょぅど近くにいた転校生の津吹あいらの三人の意識が入れ替わり、俺は鏡原さんの身体に、鏡原さんは津吹さんの身体に、津吹さんは俺の身体になっていた。 なんでも300年の歴史ある名家の鏡原家には、ある条件を満たすと長女の身にだけ起きる「八津当輪の呪い」というものが伝わり、これはその影響だという。呪いを解くには「人魂鳴動の蝕」のときに、心と身体が入れ替わった三人のうち二人がキスをすればいいらしいのだが、そもそも「人魂鳴動の蝕」って何だ? 鏡原家に伝わるヘンテコな呪いを解くための悪戦苦闘がここに始まる。 三つ巴の入れ替わりと聞いて買わずにはいられなかった、今月の一迅社文庫の新刊。 楽しいよ、楽しいんだけど、もうちょっとばれないようにみんな注意したらどうなんだ! 入れ替わった3人のうち、約1名全くばれない努力をしてない人物がいるのが個人的に非常に気に入らないです。他の2人も警戒感薄くて、これは怪しまれちゃうしやばいだろ! というボーダーラインを超えちゃっているのがちょっとアウト。奇矯な行動によるドタバタを楽しむっていう側面ももちろんありますけど、それにしても限度ってものがあると思うんですよ。入れ替わり直後の口裏合わせくらいはあってほしかったです。入れ替わった後の3者3様の生活描写はちゃんとあるし、「お風呂を我慢」や「女子更衣室で……」みたいなお約束っぽいものもきちんと入っていて、上に挙げた点を除けば入れ替わりの学園コメディとしていいものなんですけどね。 あと、後半の超展開は全然アリ。つい最近もっとひどい超展開を見たばかりなんで、このくらいなら気にしません。ただ、強引な小道具のせいで、超展開はじまった直後にその後の展開が読めちゃうのはもったいないですし、ラブコメ的にもこの展開はおいしくないんで、面白いかと問われると微妙かも。 なんだか不満多めになってますが、3人入れ替わりの時点で当たりなんで、普通に楽しめました。もっと入れ替わりや性転換の話が増えるといいですね。女装の1割くらい出るといいんですが。 評価 ☆☆☆(6) |
___10月24日(金) |
【今日読んだ本】 ◆ 風の王国 星の宿る湖 (毛利 志生子/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 翠蘭はリュカとともにツァシューを出発しヤルルンに向かう。リジムの父で吐蕃の大王であるソンツェン・ガムポと、王国のこれからと王位について話し合うが、そこで翠蘭はある決断を…!? うっかり間違えて買ってしまった、「風の王国」第16巻。このまま売ろうかとも思ったのですが、コバルトその他が通し番号を振ってない理由の一つに「途中から読んでも大丈夫だから」というのがあった気がするので、読んでみることにしました(一応1巻だけは読んだことありますし)。 うん、無理。 ちゃんと頭にキャラ紹介がついているし、前巻までに何があったかも大まかは掴めるように描かれていて、話についていくことだけは一応できたんですよ。ディ・セルみたいに一部どんな人かよく分からない人もいましたけど、その辺はスルーしつつ読んでも問題ないですし。 でも、これまでの15巻分の積み重ねが理解できないのは、やっぱり致命的。すでに退場している肝心な人に対する翠蘭の思いをはじめとする様々な感情が表層しか掴めないので、を想う翠蘭の行動などに全然胸うたれないんですよね。決してつまらなくはないんですが……。 コメディで1巻1巻が結構独立してるならともかく、こういう連続したシリアスな作品を途中から読むのは無理がありました。仮に途中を読んでから最初から読むにしても、超絶ネタバレを食らっていては面白み半減しちゃいますし。大体、冒頭についてる地図に「12巻ではこの経路を通った」みたいな巻数表示があるのに、作品に巻数がついてないって色々間違ってる。いちいち読者に数えろっていうんですか(一応あとがきには何冊目って書いてありますけど……)。 そんなわけで、やっぱり巻数表示があるといいなと思った次第です。 評価 ☆☆★(5) ◆ BLACK BLOOD BROTHERS (S)6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 フリーの調停屋として忙しい日々を送るミミコのもとに新たな依頼人が訪れる。エリーゼと名乗る銀髪の美女はジローの古くからの知人だった。どこかアリス・イヴに似た面影を宿すエリーゼにミミコは気が気でなく!? 本編が佳境を迎えている現代吸血鬼ストーリー「BLACK BLOOD BROTHERS」の短編集最終巻。 うわあ、切ないなあこれは。連作短編形式で人と吸血鬼の愛の形などなどを綴った1話〜6話もよかったんですが、それよりも締めの第7話がー。本編が山場のこのタイミングでこの話持ってくるなんてズルすぎですよ! もう誰が書いてもダメにならなそうな気がするおいしすぎる場面で、それでもすごく綺麗に描いているのが、さすがあざのさんと感じましたね。人が増えていって歌うまでの一連の流れにジーンときました。 シリアスだった連載分の反動なのか、書き下ろしはいつもと違ってコミカルでびっくり。相変わらずこういうノリノリな話もうまいですねー、怒ったアリスが怖いこと怖いこと、びびってる男どもの涙目っぷりが楽しかったです。そして最後の一行がまた……。しかし、第7話といいこれといい、ジローの朴念仁っぷりはひどい。いや、軟派なジローなんてジローじゃないですけど。 さて残った本編、ヒロインとヒーローの活躍を楽しみに待ちます。 評価 ☆☆☆★(7) 【今日購入したもの】 鏡原れぼりょーしょん (林 直孝/一迅社文庫) ロードムービー (辻村 深月/講談社) おおきく振りかぶって11 (ひぐち アサ/アフタヌーンKC) |
___10月22日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ 迷走×プラネット (神尾 アルミ/一迅社文庫アイリス) 【amazon】 画像は公式で。 《あらすじ》 「わたしの名前はルカルタ・ラカルタ。迎えが来るまで暇つぶしさせてくれ」 転校生は…異星人!? 地球調査団として日本に派遣された女団長ルカルタは、留学生のフリをして高校へ潜入。「キミは俺が必ず守る」と一方的に愛を捧げる部下のノモロをひきつれ、初めての学校生活を満喫&大暴走! しかしそこに忍び寄る黒い影…地球の未来はどうなるのか!? 破天荒な宇宙人が巻き起こす地球救出ハイテンション・コメディ登場★ 今月のアイリスの新人さんの作品、ハイテンションでハートフルなSFコメディ。 これは文句なしに面白かった! 常識知らずで思い込んだら一直線でトラブルメーカーな異星人のルカルタが主人公、そんな彼女が地球の田舎の高校に入学して――というお話。この説明だけでも想像つくように、とってもハイテンションで色んな出来事を経験していくんですが、その中で友達ができて仲良くなっていく描写が素晴らしかったです。かなりのページ数でじっくり描かれていて、今まで友達というものを知らなかった子が〜、というありがちながら心温まる展開に、強引なところもあるし地球の常識を全然知らないけど明るくて真っ直ぐで憎めないルカルタの魅力が加わって、読んでいて楽しい楽しい。地球の食べ物を本当においしそうに食べるルカルタがかわいいです。 そして、その後に起こる事件で、それまで培ってきた友情がはっきりとした形になって目の前に現れるのが、また最高。「はじめての友達」みたいなキーワードに反応する人には問答無用でお勧めです。SFな設定もそれほど濃くなくて楽しいものでした、終盤の解決の仕方とか強引だけど好き。 恋愛方面は、愛を囁くヒーロー的な存在はいるものの、ルカルタの方に全くその気がないし、ヒーローは蹴られて満足してるし、とかなり前途多難。とはいえ、まだルカルタを好きになった理由が明かされていないし、終わり際にはライバルも本格参戦してきて、次巻以降は恋愛面の進展もありそうです。 そんなわけで、続きが非常に楽しみ。でも、アイリスがちゃんと2巻以降を出してくれるレーベルなのか不安でなりません。元から原稿あったルクレリ以外、まだ2巻の発表がありませんし……。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ MA棋してる!1 (三浦 良/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 異界グノスから落ちてきたオカメインコ(実は魔法学院生ソフィー)と魔法の杖を拾った小学5年生・奏。なし崩し的にグノスの王位継承権争いに巻き込まれた彼女がとっさに発動した魔法、それは「将棋魔法」だった! 「抗いし者たちの系譜」の三浦さんがおくる久々の新作は、世にも珍しい将棋魔法が出てくる現代魔女っ娘ストーリー。 ほ、ほんとに将棋魔法だ……。「あなぐま囲いっ」って女の子が叫ぶ物語は金輪際お目にかかれないんじゃないでしょうか。ちゃんと将棋で魔法体系が構築されていて、将棋を工夫して指すことで戦っていて、将棋部分は読んでてとても楽しかったです。(ただ、居飛車穴熊で7八銀上がったらまずい気がするんですが……どう進んでも手損です。せっかくここまで作りこんでるのに、こういうミスはもったいないなあ。) でも、将棋魔法という点を除いたストーリー面は、前作に比べるといまいち。設定に力を入れた分仕方ないかもしれませんが、登場キャラがかなり少ない上(男キャラは0なので恋愛要素は絶望的)、敵役にあまり魅力を感じなかったので辛かったです。小悪党全開なときのソフィーは好きなんですが。そもそも、魔法少女モノが苦手なのが、ストーリーを楽しめない根本的な原因な気もします。燃えたり萌えたりしないんですよね……。 続きを読むかは、将棋魔法が広がりを見せてくれるか次第で。 評価 ☆☆☆(6) |
___10月21日(火) |
昨日の補足のメルフォレス。 >初期X文庫の作品ってことですかねこれ。 >私はコバルト派だったのでX文庫はあまり読んでいませんが、X文庫でよく覚えているのは、 >頁数の1/3〜1/2くらいあとがきで占められたりするものもあったなということですね。 ですね、80年代後半のティーンズハート最盛期の作品です、ページの下半分がスカスカって揶揄されたりもする。後期の粗製乱造されたものはともかく、ブームを産み出した作品はどんなものか知ってみたくなってきたので、読んでみてるところです。しかし、まじですか……>あとがき 【今日読んだ本】 ◆ ワルプルギスの夜、黒猫とダンスを。 (古戸 マチコ/一迅社文庫アイリス) 【amazon】 画像は公式で。 《あらすじ》 買ったばかりの赤い靴をはいたら、魔女と体が入れ替わってしまった…!? 14歳のルナを突然襲った不幸、それは『赤い靴の呪い』だった! 魔女の森に放り出されたルナは、ワガママだけど顔はいい猫耳男と、ダンディなネズミと共に、元に戻るための魔法のダンスを探すことになるが…。大魔女の体を持った気弱少女と、自称使い魔の猫耳ヒーロー+最強のネズミ。1人と2匹が奏でる、マジック★ファンタジー開演!! 「やおろず」で商業デビューした古戸さんの少女小説進出作は、心が魔女の体に入ってしまった女の子が主人公のファンタジー。 シリアス気味な癖に、全体的にキャラがお馬鹿で楽しいお話でした。陰気気味だった女の子が、魔女の森で元の体に戻ろうとするうちに成長したり恋したりしていく、と大まかな構成自体はオーソドックスなのに、キャラがどこかずれているんですよ。美形でかっこいいのにただの馬鹿ネコなノーチェとか、ハードボイルドなネズミさんとか。中でも、機械嫌い帰れ帰れと言いながら、電動車椅子に乗ってDVD見てる長老さんが凄い好き。あとがきにもあったけれど、この人の人生楽しそうです。 馬鹿ネコとの恋愛も、一筋縄ではいかないヒネりがあって切なくてよかったですね、色々と予想外でした。でも、終章直前まで仕掛けに気づかなかったのが悔しいなあ。気づかないのはいつものことなんで諦めてるんですが。 ただ、古戸さんの作品は現代物の方が好みだったり。こっちよりも「やおろず」のが好きだし、web小説もカリアラシリーズだけは途中で止まってます。この人のシリアスはあまり合わないのかも。なので、やおろず2巻には超期待なのです。 これはこの1冊で完結っぽいので、次はコメディ寄りの作品だといいなあ。 評価 ☆☆☆★(7) 【今日購入したもの】 夏休みは、銀河!(上) (岩本 隆雄/朝日ノベルズ) 夏休みは、銀河!(下) (岩本 隆雄/朝日ノベルズ) |
___10月20日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ あたしのエイリアン 星からきたボーイフレンド (津原 やすみ/講談社X文庫ティーンズハート) 【amazon】 画像はパピレスで。 《あらすじ》 あたし、百武千晶。都立高校1年生。すべての不思議な出来事は、ある秋の夜、大きな流れ星を見たことから始まったんだ――。 クラブで遅くなって、近道の神社の境内を歩いてた時、ヘンな外人(?)少年に出会ったの。おびえたあたしは、走って逃げたんだけど、どうしたことか、少年が追いかけてきて……。やっと家に着くと、ママがいったんだ。「あら、星男くんも、おかえりなさい」って。星男くん! いったいあなたは、どこの誰!? 現在、ホラー作家として注目を集める著者の、少女小説におけるデビュー作! たまにはティーンズハートも読んでみよう、というわけで、往年の名作から一作チョイス。 なんというか、楽しむ以前にとまどうところが多くて慣れるのが大変でした。皆川ゆか作品以外のティーンズハートを読むのはほぼはじめてだったので、まず文体に面食らいまくり。当時のティーンズハートって短文+全改行だったんですね。読点も多いですし、80年代版ケータイ小説(正確にはケータイが)な印象が。ケータイ小説は全然読んでないし、比較記事とかもあまり見かけないので自信ないですが。先日のビズログ作品とは違って狙った短文なのは分かるものの、やっぱりテンポはちょっと苦手。若さがたりないんでしょうか。 で、中身の方もいまいち自分には合わず。千晶がホシオをどんな風に好きになっていったのかがあまりピンとこなかったし、ネーミングセンスのとぼけ方とかもいまいち。それと、大特徴である設定にワクワクしなかったのがダメだったのかも。後半の、短文と長文組み合わせた感情爆発シーンなんかはいいなあと思えたんですが。文章をハート型に切り取った後に愛の告白をするのも面白かったですし。 あと数冊買ってあるんですが、続き読むかは分かりません。次は当時のコテコテ恋愛モノを読んでみるかも。 評価 ☆☆★(5) 【今日購入したもの】 MA棋してる!1 (三浦 良/富士見ファンタジア文庫) BLACK BLOOD BROTHERS (S)6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫) 迷走×プラネット (神尾 アルミ/一迅社文庫アイリス) ワルプルギスの夜、黒猫とダンスを。 (古戸 マチコ/一迅社文庫アイリス) |
___10月17日(金) |
【今日読んだ本】 ◆ S.P.A.T.! ―スパット!― (鷹野 祐希/GA文庫) 【amazon】 《あらすじ》 五年前。後にGクライシスと名付けられたその時より、幽霊の存在があきらかとなり、誰の目にもその姿は見えるようになっていた――。警察学校を卒業し、念願の「町のお巡りさん」になれると思っていたひまりだったが、彼女に下された辞令は「警視庁・特務課――Gクライシス対策室」への勤務であった。誰もが幽霊を目にすることになった世の中、刑事事件に幽霊が絡むことも多々ある。特務課はそんな事件を専門に捜査するための部署であった。しかし、この配属はひまりにとって、大変重要な問題点があった。それは彼女が極度の幽霊恐怖症≠「うこと。どうなる!? ひまりのお巡りさんライフ! 「ご主人様」「秋津島」ときての鷹野さんの新シリーズは、霊感が強い幽霊恐怖症の新人警察官な女の子が、幽霊対策室へと入って失敗したり学んだりしていく、成長物語風味なコメディ。 設定がしっかり作りこまれている優等生的な作品でなかなか面白かったです。幽霊が一般人にも見えるようになったけれど、その度合は人によって違う、という世界が舞台で、幽霊に聞き込みを行うという設定がなかなか独特。その独特さを、幽霊は1年以内に消さなくちゃいけない、幽霊を消す「掃除屋」「消し屋」の存在、などの細かな設定や、幽霊に対する一般人の対応などを描くことで、自然に話に溶けこませているように感じました。 なので設定だけでも楽しめましたし、幽霊が苦手なひまりが、挫けそうになりつつも、幽霊にちゃんと向き合い少しずつ前向きに行動していく姿にはとても好感が持てました。三人称なので女の子主人公が苦手な人にも安心。 あと特筆すべきは、腹黒でブラコンな妹の存在。主人公が迷惑をかけまくっている冷たい先輩を兄に持つんですが、兄が妹に対してだけは天然デレデレなのに対して、妹の方は、兄に寄ってくる女はこっそり全排除という、裏表たっぷりの計算高さ。今のところはテンプレの域を脱しきれていませんが、これからひまりと先輩の距離が近づいたときにどういった手に出てくるかがとても見物です。 しかし、ひまりにトラウマ植えつけた婆ちゃんが全ての元凶な気がしなくもないですが、これには理由がありそうな気も。忘れてる記憶とかありそうですし。この辺は次巻以降に語られるのかな? そんなわけで続きが是非読みたいので、ちゃんと出てくれますように。 評価 ☆☆☆★(7) 【今日購入したもの】 スキップ・ビート!20 (仲村 佳樹/花とゆめコミックス) しゃにむにGO 30 (羅川 真里茂/花とゆめコミックス) ハートの国でお茶会(ティーパーティー) (古都 和子/花とゆめコミックス) 友嬢(ゆうじょう)サバイバル!2 (中村 世子/花とゆめコミックス) |