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___11月30日(日)


【今日読んだ本】

ルチア クラシカルロマン (華宮 らら/ルルル文庫)amazon

画像は 公式で。

《あらすじ》
 ある夏の夜、ティエランカ王国の国王一家が乗る船上でクーデターが起きた。首謀者は、軍国主義を唱える政治家ミラーノ! 傷付きながらも一人逃れた王女クエルヴァは、首都がミラーノによって制圧され、自分にも追っ手がかけられていることを知る。ルチアと名を変え、囚われた家族と王国を救うため立ち上がるクエルヴァ。様々な人の助けを借りて、クーデターの真相に迫るが…!? クラシカルロマン開幕!


 12月刊のルルルの新人さん、20世紀初頭のヨーロッパ風世界の小国を舞台にした、王女の成長と活躍の物語。
 大体あらすじから想像した通りの、ベタ王道なお話でした。世間をよく知らない王女様が、クーデターを機に民の姿を知って頑張って〜、という流れ。こういう物語の常として「ちょっと上手くいきすぎじゃない?」と思ってしまうご都合主義なところはあって、主人公が頭良すぎるだけに余計そういうところはありました。それでも、素直に一生懸命頑張る女の子に悪感情を抱くわけはなく、お話自体は楽しかったです。数年前に起こったらしい戦争が第一次世界大戦と露骨にかぶってるおかげで、世界観も分かりやすかったですし(ちょっとずるい気もしましたけど)。
 でも、恋愛面がとてもいただけないです。言うならば「各キャラとフラグだけたてて総スルーしてノーマルエンド」状態で、どのキャラとも中途半端。文章中で主人公への好意を表明してるキャラもいて恋愛を捨ててるわけではないのに、誰とも何もなしで終わるのが気に食いませんでした。続き物なら誰と今後くっつくのか想像する楽しみがあるんですが、これは物語的に続きそうにないし続いて欲しくないですし。
 そんなわけでちょっと不満が残るお話でした。次回作では恋愛ちゃんと書いてくれるといいな。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 ルチア クラシカルロマン (華宮 らら/ルルル文庫)
 青空チェリー (豊島 ミホ/新潮文庫)
 ヘルメ・ハイネの水晶の塔(上) (井辻 朱美/講談社X文庫ホワイトハート)
 リスメイヤ 邪姫流離編 (高瀬 美恵/小学館キャンバス文庫)
 リスメイヤ 外道戦記編 (高瀬 美恵/小学館キャンバス文庫)
 女神の誓い (マーセデス・ラッキー/創元推理文庫)
 運命の剣(上) (マーセデス・ラッキー/創元推理文庫)
 運命の剣(下) (マーセデス・ラッキー/創元推理文庫)
 きみのことすきなんだ (谷川 史子/りぼんコミックス)
 君と僕の街で (谷川 史子/りぼんコミックス)
 君とひみつの花園2 (林 みかせ/花とゆめコミックス)

 古本中心。谷川史子やらマーセデス・ラッキーやらを初体験です。



___11月27日(木)


【今日読んだ本】

海のさいはて、天国の扉 ワケあり海賊と奴隷な幻獣姫の大冒険 (相羽 鈴/コバルト文庫)amazon

画像は 公式で。

《あらすじ》
 ストリートでたくましく育った少女ランは、ある日、奴隷として競売にかけられる。胸の様子を検分されて買われた先は、水もしたたる海賊の船長! ランは「海の乙女」として重要な任務につくことに!?


 12月刊のコバルトの新人さんの作品、じゃじゃ馬な女の子が「海の乙女」として海賊に買われる、海洋ラブロマンス。
 面白かったー、けどなんですかこの変化球は! 変化球といっても、奴隷として買われたランがたくましく海賊船で過ごしていくうちに、徐々にお互い情が移っていって、でも海賊はある秘密を抱えていて……といった感じのお話で、途中までは結構普通。でも、じゃじゃ馬だけれど家族思いで乙女心もちゃんと持っているランは文句なしにかわいいし、タイプの違うヒーロー2人で萌えどころもおさえていて三角関係もあったりと、なかなか楽しく読めました。
 で、終盤どう盛り上げるのかな、と思ったら、前述したように変化球が飛んできてびっくり。もっとシリアスな方向に盛り上がるものだとばかり思ってましたよええ。でも、普通にシリアスやられるよりもずっと面白かったです、話が一瞬まとまりかかった後にぶち壊すランがとても素敵。キスシーンが実にこの主人公らしかったり、痴話喧嘩なバカップル描写があったりと、ラブ面でもお腹一杯でした。ラスレは、あー、うん頑張れ。
 あと気がついた点として、あんまり世界を知らない少女の一人称なのに「和洋折衷」という言葉を使っていたり、時代的に怪しい表現や設定がちらほらと見られました。こういうのがダメな人は注意、自分はあんまり気にしないので普通に流しましたが。
 これだけ綺麗に終わっているとさすがに続きはなさそうです。次回作で何が飛び出してくるのか楽しみ、1話完結の新人さんって消えることが多い気がするので頑張って欲しいですね。


評価 ☆☆☆★(7)



アルカトラズの聖夜 妄想少女と無口な少佐 (彩本 和希/コバルト文庫)amazon

画像は 公式で。

《あらすじ》
 ここは、海に浮かぶ小島が丸ごと敷地という奇妙な学校。美形フェチの漫研部員・宮子と、高校生らしからぬ風貌を持つ多聞は、風変わりな友情を築いていた。そんな二人に舞い降りた、聖夜のハプニングとは…☆(表題作) 多聞の元に、謎の超絶美少女が訪ねてきた! 意味深な二人の様子が、宮古は気になって仕方がなくって…?(妄想少女と美しき来訪者) ノベル大賞読者大賞受賞作家デビュー!


 続いてもう一つのコバルトの新人さん作品、小島にある高校が舞台の「お約束満載の楽しい学園もの」(あとがきより引用)。
 確かに楽しかったですが、……お約束満載? 確かにお約束なところもあるものの、美形な男女を勝手にカップリングしてスケッチしている主人公でお約束満載はダウト、変てこキャラが多めのコメディでした。
 2篇収録されているうち、タイトルにもなっている聖夜が舞台のラブコメははじめの数十ページのみ、これが読者大賞とった雑誌掲載分なんでしょうか。ハプニングは大したことなく極普通のお話でしたが、空気がとことん読めなかったり女っぽくなかったりカプ厨だったりといった宮古のキャラが気に入ったので楽しめました。しかし、こんな女の子に引っかかってしまった多聞は不憫だなあ、多聞はちょっと怖くて趣味が変わっているだけで普通にかっこいいのに。本人は幸せっぽいからいいのかもしれませんが。
 で、その後の中編は、新キャラを加えての学校探索話。新キャラのカオルが「才色兼備だけれど非常識」を地で行くお約束キャラで、ありえない行動を何度もとって笑わせてくれました。ただ、探索の方に力割きすぎていてラブコメ的にはいまいち。探索自体はあんまり面白くないので、もうちょっと誤解やら行き違いがあるとよかったなと思いました(誤解させる部分はあっても、読者的にはバレバレでしたし)。しかし宮古はひどいな!(褒めてます)
 そんなわけで新人は2作とも外れじゃありませんでした、よかったです。これは続くかどうか微妙なとこですが、どちらにしろ次回作も買いで。


評価 ☆☆☆(6)



___11月26日(水)


【今日読んだ本】

〈本の姫〉は謳う4 (多崎 礼/C★NOVELSファンタジア)amazon

 

《あらすじ》
 文字(スペル)による世界の崩壊は止まらない。そして、アンガスと〈俺〉という語り手によって紡がれたもう一つの「物語」が交錯する時、世界は……。多崎礼の紡ぐ物語これにて終幕!


 色々あって読み損ねていた、2つの物語がついに交わる「〈本の姫〉は謳う」完結編。1〜3巻読み返して、準備万端で望みました。
 くーー、伏線理解力が足りないのがもどかしい! もどかしいといっても、バラバラだった2つの物語が収束していく美しさはちゃんと理解できて、特に過去編はよくもこう綺麗にまとめ上げたものだと感心、これ以上ない終わり方に感動しました。一方現代編は、姫がとてもよいヒロインでした。姫に目がいって、セラの口調がこの巻では全然気になりませんでしたし(慣れもあるんでしょうけど)。アンガス関連は、打ちのめされていくあたりの描写はとても真に迫っていて読み応えありました。ただ、そこから立ち上がるところの心理だけはよく分からなかったです、12のシーンを観測したからなのかな。その他、終章のメッセージも本編の想いが引き継がれていて感じ入るものがありました。
 と物語を味わった反面、作者が伝えたかったものを完全には受け止めていないという感覚がついてまわったのも事実。自分の理解力が足りていないのも確かなんですが、こういった収束形式の物語で4巻はちょっと長かった気もします。登場人物の数など含めて情報量が多すぎて、1巻の伏線などほとんど頭に残らないんですよね。でも長かったおかげで希望と絶望に説得力があったのも事実だし、うーん難しい。
 結局「煌夜祭」クラスとはいきませんでしたが、それでも素晴らしい物語ではありました。次回作にも当然期待。


評価 ☆☆☆☆(8)


【今日購入したもの】
 ハローサマー、グッドバイ (マイクル・コーニイ/河出文庫)
 王女修業、ごろうじろ。 (高丘 しずる/B's-LOG文庫)
 ミラクルチロル44キロ Aパート・チロルアレンジ (木村 航/メガミ文庫)
 天女と狼男 (倉世 春/コバルト文庫)
 アルカトラズの聖夜 妄想少女と無口な少佐 (彩本 和希/コバルト文庫)
 海のさいはて、天国の扉 ワケあり海賊と奴隷な幻獣姫の大冒険 (相羽 鈴/コバルト文庫)
 ライフル少女 (タアモ/フラワーコミックス)
 黒薔薇アリス1 (水城 せとな/プリンセスコミックス)

 bk1って凄いんですね!(とてもいまさら)



___11月25日(火)

>なぎさボーイと多恵子ガール、まだ手にはいるんですねー。
>あと北里マドンナが必要ですね。

 あ、あれ、3部作だったんですか……2部作だと勘違いしてました。来月は買う新刊多いので、その間にでも入手することにします。古いの扱っているブックオフだと、氷室さんとか80年代の作品も意外と置いてあってありがたいです。値段気にしなければamazon中古が一番楽なんですが。


【今日読んだ本】

暁と黄昏の狭間1 竜魚の書 (西魚 リツコ/トクマ・ノベルズEdge)amazon

 

《あらすじ》
 村の全員の顔も名前も性格も知っている。それなのに解りあえる人は、ほとんどいなかった…。鍛冶職の村に育った少女セフルは、いつの日か職人として村を出ることを夢見ていた。しかし彼女を迎えに来たのは、何者かの呪いを受けた王子メヒトルドを救うため、城の魔術師が遣わした水神フーレの化身だった。近衛騎士ギルダン・レイに護られて、魔術大国オラへ旅立つセフルと王子の前に、ヘン=ジャックと呼ばれる謎の旅団が立ちはだかる!


 某所などで(少女小説的に)評判よいのでいつか読もうと思っていた、鍛冶屋の娘が主人公の本格ファンタジー。
 本格ファンタジーということで文章についていけるかが一番かつ唯一の懸念だったんですが、なんとかついていくことができました、面白かった! C★NOVELSよりは大分堅め、翻訳物よりやや柔らかいくらいの読み口で、慣れるまでは何度もつっかえましたし、その後読むのにも時間かかりましたが、物語がよくできていて苦にならなかったのが大きかったです。
 村で行き場がなかった女の子が、ある日やってきた使者をきっかけに様々な運命に巻き込まれていく――というのが大筋で、神様も出てきて「流血女神伝」と結構かぶる点があったりしますが、こちらはシリアス一辺倒、魔術が前面に出ていたりと本質的には別物。 みそっかすだったセフルを次々と襲う過酷な出来事にドキドキ、ひどい行動を取ったりしつつも反省し成長していくセフルの姿には好感が持てましたし、魔術や神様関連の世界観も読み応えがあって、文句なしに面白い物語でした。
 あと、ヒーローであろうレイ卿が評判通り大層かっこいいです、ときめきます。気に満ち溢れていて優しさもしっかり兼ね備えている理想的な騎士を体現していて、出会いの時点で「これは萌える」と確信しましたよ。この巻ではまだ淡い恋心レベルですが、少しだけ目に入った最新刊の評判を見るとワクワクが止まりません。
 セフルにこの先どんな運命が待ち受けているのか、この先評価が落ちることはきっとないだろうし、2巻以降もぼちぼちと読んでいこうと思います。以下余談。ギルダン・レイとエイダン・グレイ(女王陛下の薔薇のヒーロー)って似てません?(主に語感的に) 似てないですよねそうですよね。


評価 ☆☆☆★(7)



___11月24日(月)

 昨日はボードゲームオフにお邪魔してきました。やったゲームについて簡単に感想。

POISON
 マイナス押し付け合い系カードゲーム。手前の永山さんがマイナスをことごとく持っていく流れだったおかげで勝てました。

SWEET×SWEEP aWAY
 メイドさんカードゲーム。分かりやすい割に色んな戦略があって、色物かと思いきやまともなカードゲームだったんですが、5人だと少しバランス悪かったのが残念、4人で遊んでみたいです。

トランスヨーロッパ
 線路を延ばして都市を結ぶゲーム。1ラウンドだけだったので運ゲー気味でした。特殊線路の使いどころを把握する前に終わっちゃったので、もう1回やってみたいかな。

ヴィネータ
 神様になって島と住人を沈めていくひどいゲーム。設定面白くて楽しかったですが、複数回やるには少し長いかも。

マンマミーア
 ピザ作成カードゲーム。今日の中で唯一やったことのあるゲームでした。圧勝したら、「ピザ充」の称号をゲット。とてもいりません。

ファンタジービジネス
 ファンタジー世界で武器防具を売るゲーム。安い値段をつけた人だけが売れるけれど、高い値段で売った方がお得というところがポイント。きっとしっぺ返し戦略が強いんだろうなと思いつつ、動かないと面白くないよねということで最初に安値をつけたら、その後ボロボロになりましたとさ。さらに「裏切り者」の称号をゲット。踏んだり蹴ったり。


 いらない称号を2つも手に入れましたが、ボードゲームは楽しいものだと再確認。またそのうち参加しようっと。



【今日読んだ本】

とらドラ2! (竹宮 ゆゆこ/電撃文庫)amazon

 

《あらすじ》
 ドタバタ学園ライフを送る逢坂大河と高須竜児の前に、スタイル抜群の転校生・川嶋亜美が現れた。しかも、亜美は大河が片思いしている男子の幼なじみ。強力なライバル登場――!? 内心、穏やかではない大河だったが、なぜか亜美は竜児に接近してきて……。


 このラノの結果を受けて、もう少しメジャーなところを押さえることを決意。というわけで、まずは1巻読んで止まっていた「とらドラ!」第2巻。
 あれ、なんか面白いんですけど! 新登場の腹黒ぶりっ子な亜美は決して好きなタイプではないし、強い思い入れがあるキャラができたわけでもないのに、1巻よりも全体的に楽しかったのが不思議。亜美が入ってきて竜児と大河の関係が変わってきたおかげかなあ、共闘関係もいいんですが、そこから動いたほうがやっぱり好み。嫉妬してるかどうか微妙な大河は、もう少しはっきりしてほしいと思う部分もあるものの、かわいいのも確かですし。でも現状一番好きなのは実乃梨かな。
 この調子でぐらぐらと揺れて変化していくのかな、9巻までさくさく読んでいくことにしあます。


評価 ☆☆☆★(7)



さよならピアノソナタ (杉井 光/電撃文庫)amazon

 

《あらすじ》
 「……六月になったら、わたしは消えるから」転校生にしてピアノの天才少女・真冬はそう言い放った。彼女は人を寄せつけず、なぜかピアノも弾かずに、空き教室にこもりエレキギターの超速弾きばかりするようになる。そんな真冬に憤慨する男子が一人。 その教室を大音量でCDを聴くために無断使用していたナオは、真冬の占拠からの奪還を期しベースで真冬を “ぶっとばす” ことをめざす。民俗音楽研究部なる部活の立ち上げをもくろむ自称革命家の先輩・神楽坂響子と、ナオの幼なじみ・千晶も絡みつつ、ナオと真冬の関係は接近していくが、真冬には隠された秘密があって……。


 メジャーどころ押さえフェア第2弾は、はじめての杉井光作品。ピアノソナタ単体には前々から興味あったんですが、他の作品のあらすじに惹かれなかったために今まで敬遠してました。
 なるほど、よくできて綺麗な青春小説でした。男の子がミステリアス気味な女の子を好きになる極普通の恋愛物語ながら、 出会って気になって打ち負かそうと頑張って惚れてという一連の流れがスムーズで、惹かれたのにすんなり納得。詳しくない(ギターはさっぱり)音楽部分も、激しかったり心に響いたりという雰囲気は伝わってきて、ある程度は味わえました。
 ただ、納得はできても真冬みたいな壁作るタイプのヒロインがあまり好きじゃないために、良作より上というわけにはいかず。真冬よりも先輩よりも断然千晶な身としては、こういう幼馴染置いてけぼり展開にはしょんぼり、バンドやるとはいっても結局真冬中心でしたし。
 とらドラもあるし、こちらは続きはひとまず様子見で。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 とらドラ3! (竹宮 ゆゆこ/電撃文庫)
 暁と黄昏の狭間1 (西魚 リツコ/トクマ・ノベルズEdge)



___11月22日(土)

 メルフォレス。

>栗原ちひろの悪魔のソネットは読まないのですか?

 ソネットは、発売日に別の作品と買い間違える→そんなにいい評判が聞こえてこない、で様子見状態です。買い間違えた時点で縁がなかった気もしますし、2巻以降が出たときに読むかどうか考える予定。


【今日読んだ本】

なにいろアスタリスク! (桜庭 わかな/一迅社文庫)amazon

画像は 公式で。

《あらすじ》
 常に自分に自信がなく人生の意義をやみくもに探し続ける十九歳の少女・チナ。料理教室、スポーツジム、生け花、少林寺拳法などに挑戦してきたチナが次に選んだものは、なんと「演劇」!? 挫折続きの彼女に待ち受ける試練とはいかに――!!


 今月の一迅社文庫の新刊、自分に自信が持てない女の子が主人公の現代物。実は著者買いだったりします、最近の活動は知りませんが、昔「もんかな企画」とか買ってたの思い出して懐かしくなったので。
 シーン単位では楽しいんですが、全体通してみると何だかまとまりがないように感じるお話でした。あらすじにもあるように、ダメダメだった女の子が演劇で頑張って成長する物語で、ビシバシとしごかれてヘコたれる姿や、そのどん底から気合いれて猛烈なテンションで立ち直る様などは、これぞ青春といった感じ。嫌がりながらも指導してくれる氷室さんがいいなあ、長文台詞での愚痴の勢いが好き。普通のお芝居ではなく、外郎売という地味な練習を通じて成長が描かれていくのも、斬新でよかったです。このあたりは実体験を元にしているんでしょうかね?
 こういった演劇青春小説としての側面はよかったんですが、一方で、恋愛や静乃との友情といったその他の要素が、あまり噛み合っていないように思えてしまったのがマイナス。 恋愛要素いらなかったんじゃ? と思ったくらいなので相当です。後半、静乃に関するチナの躁鬱の激しさについていけなかったせいかもしれません、絶望してたはずが知らないうちに立ち直っていて置いてけぼりでした。このせいで終わり方も中途半端に感じてしまい、残念でした。
 それでも青春物としては面白かったのでよし。過去話を描いた続きも出るらしいですが、こちらはあまり興味でないのでスルーで。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 さよならピアノソナタ (杉井 光/電撃文庫)
 とらドラ2! (竹宮 ゆゆこ/電撃文庫)
 おと×まほ (白瀬 修/GA文庫)
 なぎさボーイ (氷室 冴子/コバルト文庫)
 多恵子ガール (氷室 冴子/コバルト文庫)
 銀の海 金の大地1 (氷室 冴子/コバルト文庫)
 銀の海 金の大地2 (氷室 冴子/コバルト文庫)
 魔法使いの娘1 (那州 雪絵/ウィングスコミックス)
 メテオ・メトセラ1 (尾崎 かおり/ウィングスコミックス)
 お兄ちゃんと一緒1 (時計野 はり/花とゆめコミックス)
 水玉ファブリック (林 みかせ/花とゆめコミックス)

 このラノ上位作品のうち読む気があったものに早速手をつけていくことに。あと氷室さんの古いのを色々捕獲。



___11月21日(金)

 案の定今週中に読み終わりましたとさ。名作でした。


 このラノ2009買ってきました。今回は協力者ではなく通常参加。まずは日記ログからおさらい。

>このラノ2008投票したものメモ。
>暴風ガールズファイト、流血女神伝、シフト、ウィザーズ・ブレイン、BLACK BLOOD BROTHERS
>今回は60位以内に入るだろうもののみにいれました。女神伝とシフトが入らなかったら
>色々と心折れますが、まあ大丈夫でしょう。女神伝は完結なわけですし。

2008じゃなくて2009だろ1ヶ月前の自分! これを踏まえて感想羅列いきます。(発売直後なので一応反転)

・シフト圏外……ミカタと食い合った?
・暴風19位、とても頑張った。75人いて一人あたりの得点4.5オーバーはお見事。
・少女系不遇な中で、女神伝の51位も頑張った、入ってよかった。完結が去年なのできついかなと思ってました。でも一人あたり5点近いって……。Webから投票したの10人くらいしかいなそう。
・一方で、少女系常連御三家(まるマ、彩雲国、少年陰陽師)が無惨なことに(まるマの60位が唯一のランクイン)。Web投票者が激増したせいで、女性率が21.7%になったんですね(前回は35%)、そりゃ消えるわけです。このラノは年々女性向けが不遇になっていくなあ……。
・20位以内で最新刊まで読んでるのが暴風だけなことに絶望する。どれか読もう。
・その他では、「本の姫〜」のランクインにびっくり。9月という発売時期がよかったんですかね? とっとと4巻読まないと。
・掲載を狙ったコメントは、いざ載ったときに恥ずかしくなるのでやめようと誓う。でも載らないと寂しくなって、数年後に同じことをきっと繰り返す。
・竹岡さんのインタビュー読んで、谷川史子作品を読もうと思っていたことを思い出した。丘ミキの頃から好きだったので、人気出て嬉しいです。
・アジマリどこー? く、カップル投票があれば……無理か。
・ウィザブレもミカタも、もうクラシックかあ。

 こんなところ。投票したものについては概ね満足でした。


【今日読んだ本】

いつか天魔の黒ウサギ1 900秒の放課後 (鏡 貴也/富士見ファンタジア文庫)amazon

 

《あらすじ》
 「私の毒をあなたに入れる。決して離れられなくなるように」−−かつて交わした大切な約束。忘れていたその記憶を取り戻した時、平凡な高校生・鉄大兎の、新しい“日常”が始まった。学園リバース・ファンタジー!!


 微妙にあらすじに惹かれた & 微妙に著者買い & たまにはこういうジャンルも読もう、という理由で手にとった今月の富士見の新刊の学園異能ファンタジー。
 キャッチーな設定にヒロイン複数とりそろえて、これは売れそうだなあと思わされる第1巻でした。といっても、あらすじから想像したよりも、バトルが多くなりそうな設定な上、主人公ペアの恋愛もいまいち(ヒメアがもうちょっと悪魔っぽくあってほしかった)と、自分には合わない点も多かったです。が、副主人公ペアの濃いキャラのおかげで十分楽しめました。美雷のおバカでハイテンションな小悪魔っぷりと、月光のツンツン無関心の噛み合わなさっぷりがお見事。スルーされて涙目な美雷がとてもかわいいですし、まれに優しくなる月光も素敵。今後、月光がデレてくれると素晴らしい男ツンデレキャラに成長すると思われます、楽しみです。
 ただ、最後の1ページの設定が非常に余分、完全な非日常よりも、帰るべき場所があった方が物語的に好みなので結構がっかりでした。
 あと、文章は昔に比べると読みやすくなってましたが、地の文のテンポや言葉遣いなどの本質的なところは変わってない気もしました。大兎視点はちょっと苦手。
 月光と美雷のペアをもうちょっと見ていたいので、続きも買うつもり。しかし、これから6ヶ月連続刊行らしいですね鏡さん、鬼だ。その中にエル・ウィンは当然ありませんでしたが……。最初のひどさと途中からの化けっぷりが印象深すぎて忘れられないんですよねエル・ウィン。いつか第2部が出ることを願っています。
 あ、積んでる伝勇伝どうしよう。


評価 ☆☆☆(6)


【最近購入したもの】
 なにいろアスタリスク! (桜庭 わかな/一迅社文庫)
 いつか天魔の黒ウサギ1 900秒の放課後 (鏡 貴也/富士見ファンタジア文庫)
 いっしょにねようよ1 (高尾 滋/花とゆめコミックス)
 キラメキ☆銀河町商店街7 (ふじもと ゆうき/花とゆめコミックス)
 このライトノベルがすごい!2009 (宝島社)




___11月17日(月)


【今日読んだ本】

迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (林 亮介/GA文庫)amazon

 

《あらすじ》
 京都、迷宮街。ここでは、人は簡単に死ぬらしい。一昨年、突然京都を襲った大地震。それをきっかけに口を開いた大迷宮からは怪物たちがあふれ出し、当初自衛隊に掃討させようとした政府はそれが有効でないと悟るや、一般人の志願者に迷宮の探索を委ねた。 怪物を倒し、その身体の一部を換金することで莫大な利益を得る現代のゴールドラッシュ。そのリスクは死亡率14%といった数字になって、志願者のもとに返ってくる。京都・迷宮街。今日もここで様々なドラマが幕を開ける。命を預けるメンバーは、たとえば恐ろしく綺麗な双子の少女。人は様々な思いを持ち、今日も迷宮に降りる――。
 Webで好評を博した群像劇に大幅な加筆修正を施し、ついに書籍化。


 結構前に話題になっていたネット小説「和風Wizardry純情派」の書籍化版。当時から面白いという評判が聞こえてきてはいたんですが、その頃はネットで小説を読む行為に慣れておらず、「和風」という文字も引っかかったため、ページを開くことはありませんでした。商業化して改めて好評なのを聞いて、ようやく手を出してみることに。

 なんで当時読まなかったんだこのバカ!

 恋愛小説だなんて知りませんでしたよ、当時ページを開いてさえいたら間違いなく読んでましたよ、ああもう……。そんなわけで、べらぼうに面白かったです。ベニー松山のウィズ小説はウィズやったことなくても大好きだし、「世界樹の迷宮」のためにDS購入を決意したしと、元々こういうジャンルは好みなわけで、そこに群像劇+恋愛ときてはツボに入らないわけがないのです。ほんと敬遠してた自分が恨めしい。
 そして評判になっていただけあって、ジャンル云々抜きにしても素晴らしい完成度。死が身近にある迷宮に潜る探索者たちやその周囲だけでなく、戦利品を買い取る商社の人間まで描く幅広さ、その色々な立場にある人間の心理描写の書きこみっぷり、そこから生まれる街全体の雰囲気、メイン級のキャラをあっさりと殺す容赦のなさ、などなど何をとっても素晴らしいです。全体的に字がびっしりで密度がとても濃く、ライトノベルレーベルで夢中になって読んで300ページに2時間半もかかったのは最近の記憶にありません。
 15(20かも)以上の視点によって描かれいるだけあって、恋人を外に残して来ている人、潜る人間を好きになる人、身近な幼馴染などなど、恋愛模様も多種多様。そのどの想いもが魅力的で、みんな幸せになってほしいと願いたくなります(きっと無理なんですけど)。今後誰がどう変化していくのか、そもそも彼らは生き延びることができるのか、続きが気になって気になってたまらないです。
 次巻発売まで何ヶ月あるか分かりませんが、到底我慢できそうにないのでWeb版を漁りにいってきます。今週中には読み終わっているでしょうきっと。


評価 ☆☆☆☆★(9)


【今日購入したもの】
 迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (林 亮介/GA文庫)




___11月16日(日)

 メルフォレス。

>本の姫〜 の最終巻は、まだ読まれてないでしょうか?

発売日付近に近所の書店で手に入らず
  ↓
bk1で合わせて買うのに手頃な本がなくて入手がさらに遅れる
  ↓
伏線色々忘れてるだろうし、どうせなら過去の読み返してから読もうかな←今ここ!

 こんな状況です。遅らせれば遅らせるほど忘れるので、今月中には読みたいですね。


【今日読んだ本】

MAMA (紅玉 いづき/電撃文庫)amazon

 

《あらすじ》
 海沿いの王国ガーダルシア。トトと呼ばれる少女は、確かな魔力を持つ魔術師の血筋サルバドールに生まれた。しかし、生まれつき魔術の才には恵まれなかった。ある日トトは、神殿の書庫の奥に迷い込んだ。扉の奥から呼ばれているような、そんな気がしたから。果たしてそこには、数百年前に封印されたという<人喰い>の魔物が眠っていた。
 トトは魔物の誘いにのった。魔物はその封印から解き放たれ、トトは耳を失った。そして、強い強い魔力を手に入れた―――。
 これは、孤独な<人喰い>の魔物と、彼のママになろうとした少女の、儚くも愛しい歪んだ愛の物語。


 昨年大賞をとった紅玉さんの受賞後第一作、受賞作同様の人と魔物のファンタジー。受賞作に苦手なところがあったのと、紅玉さんが出してる同人誌がそこまで好きじゃなかったのとで発売当時は買わなかったものの、評判見て気になったために今頃読むことに。
 評判通りの、すごく綺麗な物語でした。本編前半の、「2人だけで他には何もいらない」っていう排他的な雰囲気が、この上なく綺麗でよかった。こういう2人だけの世界って結構好きだったりします。特にホーイチの異質な純粋さがいいですね。あと、番外編の擬似兄妹の関係も本編の2人程ではないですが気に入りました、一風違った馴れ初めやミレイニアの選ぶ道が面白かったです。
 ただ、面白い物語だと声を大にしていうには、本編の後半がかなり物足りなかったりも。これから盛り上がりかなと思った頃にあっさり終わってしまい、「あれ、それで終わり?」と拍子抜けした気分にさせられました。最後の2人は美しかったですが、その過程がいまいちなんですよね、封じこめるあたりとか。その辺が納得できれば文句なしの良作だったんですが。
 でも雰囲気はよかったので、次の作品も多分買うと思います。


評価 ☆☆☆★(7)



彩雲国物語 花は紫宮に咲く (雪乃 紗衣/角川ビーンズ文庫)amazon

 

《あらすじ》
 長年の夢を叶え、晴れて彩雲国初の女性官吏となった紅秀麗。突然の大出世に驚いた街の人々からはちょっと敬遠され気味で、ショックを受けたりもしたけれど、ぐっとこらえて新しい環境に乗り込む決意をする。…が、バリバリ男性社会の外朝は秀麗に冷たくて、正式配属前の新人研修もなんだか前途多難。相変わらずな王様のすっとぼけた求愛をかわしつつ、ついに秀麗の戦いの幕が上がる!?大人気極彩色ファンタジー第3弾。


 脇役達が素敵な逆ハー中華風ファンタジー「彩雲国物語」第3巻。
 うん、やっぱり脇役が素敵ですこのシリーズ。前巻出てきた黄奇人は今回一番おいしいところを持っていって笑わせてくれましたし、魯官吏のたじたじっぷりや、物語と全然関係ないところで色々やってる爺たちなどなど、いい味だしてる人たちが多くて楽しいです。 特に黄奇人のアレ、一番肝心のところがそんなギャグなのはどうかと思わなくもないですが、面白かったので許せてしまいました、最強すぎるよこの人。
 で、秀麗がいまいち好きになれないのも前巻と同様。周りの冷ややかな反応に耐えて頑張る姿は確かに好感は持てて、前巻より多少は上向いたんですが、周りの見守る人助ける人が増えている上に、超有能なのは分かっているので、やっぱり緊張感に欠けているように思えてしまいます。周りの助けが多い割に微妙に間一髪な目にあってるのも何だかなあという気がしました。
 まあ楽しめてはいるのでいいんですが、次巻以降脇役の出番が減りそうなのが心配です。影月君にトキめければいいんですが……。


評価 ☆☆☆(6)