1月15日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ 魔王城 一限目 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 司令官に逆らい、ド田舎に左遷された軍人のエイゴ。彼を待ち受けていた任務は、何と魔王の申し子と呼ばれる歩く災厄――「魔人」たちの先生役だった! 異形の身体と、生まれた瞬間に村ひとつ消し飛ばす魔力を持つ魔人。事実そうしていくつもの村を消滅させ、命を奪った存在を相手に、この自分が先生役!?と動揺するエイゴ。けれど、彼らの姿を知る中で、エイゴはある決断をすることに――。残酷な世界に抗う青年と子供たちの、痛みと優しさの物語、開幕!! ラノサイ杯前に(中略)フェア第三弾、ガーゴイルシリーズの田口さんがおくる、人間と魔人の物語。 「シフト」しかり「抗いし者たちの系譜」しかり、魔王や勇者や英雄がどうのこうのというお話は好みなことが多くて、これもその例に漏れず気に入りました。「人間と魔人の交流物」とだけ書くととてもありきたりに見えますが、「人間離れした力を持っているけど心は普通の子供で少し傷ついている」魔人の子供たちの描き方がうまくて、「この子達のことを知りたい、幸せになってほしい」と思わされる物語になってます。子供たちと積極的に触れていく主役のエイゴはもちろん、偏見持つ人間代表のバズもよい味を出してました、憎まれ役いい仕事。 一方で、終盤の展開は少し軍隊が甘すぎるように思えました。バズや街の人を見る限り相当根深い偏見があるわけで、あれだけでああいう反応を彼らが示すようになるのは、うーんといった感じ。現場の重み、だけでは納得できなかったです。でも、メイが泣くシーンはよいですね、エイゴとメイの年の差カップルを半ば本気で期待してしまいます、きっとそういう話にはならないと分かっているのに。 今後はエイゴが色々戦略練っていく話になるんですかね、誰かを切り捨てる選択とかありそうな予感に戦々恐々としつつ、2巻も楽しみです。 評価 ☆☆☆★(7) |
1月14日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ 夜は短し歩けよ乙女 (森見 登美彦/角川文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回とは? 山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位の傑作、待望の文庫化! 齢云年、おともだちパンチがノーマルパンチだと思い込んで生きてきました。 いやだって、親指を外に出して握ると力のかけ方難しいじゃないですか、親指ギュッと握りこんだ方がずっと握りやすくて楽ですよ、じゃんけんのグーも大抵握りこんで出してますよ。でも今「じゃんけん グー」でぐぐったら、みんな外に出してました、なんてこったい……。 まあそんな個人的赤っ恥は置いといて、非常に面白かったです。「先輩が黒髪の乙女を求めて七転八倒する話」だと思いこんでいて単行本の頃はスルーしていたんですが、蓋を開けたら黒髪の乙女視点があるじゃないですか! この時点でもう自分内の評価うなぎのぼりなんですが、それに加え、どちらの視点も文体も内容も変てこなのに凄く軽快で、ストーリー抜きに文章だけでも楽しい楽しい。特に黒髪の乙女サイドは最高、変なものに全力で感動する姿と感性が素敵としかいいようがないです。なむなむ! とか緋鯉とか好きすぎ。ただ、第4章だけはファンタジーしすぎていて、他の3章と比べると見劣りしました。というよりは、古本市の2章と学園祭の3章が楽しすぎるといった方が正しいかも。 今までスルーしてたのが心からもったいないと思えましたし、四畳半その他にも近いうちに手を出します。 評価 ☆☆☆☆★(9) 【今日購入したもの】 3月のライオン2 (羽海野 チカ/ジェッツコミックス) |
1月12日(月) |
2回目のボドゲオフに参加してきました。とりあえず超簡易感想、人狼はいつかもっとまともなプレイでリベンジ。ドミニオンはカード実物使うのはじめて(オンラインでしかやってない)でしたが、鉄板の面白さでした。 【今日読んだ本】 ◆ プシュケの涙 (柴村 仁/電撃文庫) 【amazon】 画像は 公式で。 《あらすじ》 「こうして言葉にしてみると……すごく陳腐だ。おかしいよね。笑っていいよ」 「笑わないよ。笑っていいことじゃないだろう」 あなたがそう言ってくれたから、私はここにいる――あなたのそばは、呼吸がしやすい。ここにいれば、私は安らかだった。だから私は、あなたのために絵を描こう。 夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか? その謎を探る二人の少年。一人は、うまくいかないことばかりで鬱々としてる受験生。もう一人は、何を考えているかよく分からない“変人”。そんな二人が導き出した真実は……。 deltazuluさんの感想見て「切ない」というワードに反応して買ってきた、今月の電撃の新刊。 ぐあー、確かに切ないんですが、思いっきり苦手系でした……。2部構成になっていて、そのうちの後半が女の子視点の物語。孤独な心に入り込んでくる男の子と打ち解け心を通わせていく描写はなかなか感情を揺さぶってきましたし、前半を生かした切ないお話にはなっていたんです。でも、ろくでなし親父が思いっきり邪魔をしてきたり、クラスで疎外感を抱いていていじめられることもあったりといった部分が、自分はとても苦手、こういうの読むのしんどいです……。こればっかは出来云々じゃないのでどうしようもないとしか。あと、前半単体で見ると、分量の割に後味悪いだけの微妙な話に思えました。 後半の最後30ページくらいはかなり好きなので、そういう雰囲気の作品ならまた手を出すつもり。 評価 ☆☆★(5) 【最近購入したもの】 プシュケの涙 (柴村 仁/電撃文庫) 3月のライオン1 (羽海野 チカ/ジェッツコミックス) 町でうわさの天狗の子1 (岩本 ナオ/フラワーコミックス) 7SEED14 (田村 由美/フラワーコミックス) |
1月11日(日) |
【今日読んだ本】 ◆ “文学少女”と死にたがりの道化 (野村 美月/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 天野遠子・高3、文芸部部長。自称“文学少女”。彼女は、実は物語を食べる妖怪だ。水を飲みパンを食べる代わりに、本のページを引きちぎってむしゃむしゃ食べる。でもいちばんの好物は、肉筆で書かれた物語で、彼女の後輩・井上心葉は、彼女に振り回され、「おやつ」を書かされる毎日を送っていた。そんなある日、文芸部に持ち込まれた恋の相談が、思わぬ事件へと繋がって……。野村美月・新味、ビター&ミステリアス・学園コメディ、シリーズ第1弾! ラノサイ杯(略)コーナー第2弾は、いまさら語ることもない超話題作品の第1巻。 実は半年以上前に読了していて、でもその時は何だかまとまらなくて感想書かずにいました。で、今回改めて読んで分かったのが、上手いんだけどあんまり楽しめていないということ。モチーフである「人間失格」が物語の中に見事に組み込まれていて、「人間失格」に関連する人々の感情に、微妙に共感しつつとても納得。後半の上げた後にもう一段階盛り上げてくる見せ方も、綺麗に騙されたし上手さを感じました。 でも読んでて何故か興が乗らなかったんですよね。理由として思い当たるのが、心葉と遠子先輩のことが好きじゃない、くらいしか思いつかないんですが。このラノなどを見てると、遠子先輩好きじゃないと駄目なのかもしれません。怒涛の語り部分はいいなと思ったんですが、性格や普段の姿には惹かれませんでした。 とはいえ今後好感度上がるかもしれないし、2巻も多分読んでみます。 評価 ☆☆☆(6) |
1月10日(土) |
運命のタロット再読完了。通して再読するのは初めてだったんですが、第一部ラストや第二部ラストを中心に、時間物としても恋愛物としても名作だと再認識。数年ぶりだったので程よく忘れていて、部分的には初読の気分で楽しめましたし。そして、回収されていない伏線を読みたい気持ちが膨れ上がりました、いつまでも第三部を待ち続けます。 そんなわけで、通常更新再開。 【今日読んだ本】 ◆ 放課後の魔術師1 オーバーライト・ラヴ (土屋 つかさ/角川スニーカー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ある朝、播機遥は見慣れぬ少年・秋津安芸に出会う。転校生かと思い親切にするが、安芸が17歳で自分の担任教師になると知って、遥は愕然とする。一方、彼の出現と同時に学園で不可思議な現象が起き始める。安芸は万物の〈可能性〉を引き出して事象をねじまげる論理魔術師であり、学園に潜む天敵を倒すという隠れた目的があったのだ。安芸の不審な行動に気付いた遥は彼に接近するが、それは論理魔術師の世界に踏み込む行為だった――。 この時期恒例(?)の、ラノサイ杯に向けて気になる作品を押さえようコーナー。まずは、少年と少女の一人称が交互に入れ替わって話が進んでいく、下半期のスニーカー新人さんの作品。 積極的な少女と鈍感少年の恋愛物、兼お姉ちゃん奪われ物としてなかなか面白かったです。人類を滅ぼそうとする敵と論理魔術師との戦いに女の子が巻き込まれるというオーソドックスな設定で、設定周りやストーリー本筋で惹かれる部分はあまりなし。論理魔術は記号の使い分けとか喋る時どうしてるんだろうとか、どうでもいいことは気になったんですが、魔術自体は言葉そのまま並べてるだけな印象で嵌まれませんでした。 でも恋愛的には、遥が安芸のことを意識する乙女心や時折見せる大胆さにドキドキしたり、安芸の鈍感さに腹立ったりと、結構見所ありました。それぞれの一人称のおかげで各シーンの気持ちが非常に分かりやすかったのも○、ただ少し描写が淡白だったのが残念でした、もう少し安芸がうろたえるようになるといいんですが。 あと、お姉ちゃんのみが人生な仄香がかわいかったですね、露骨に嫉妬向けてるのに相手に理解されてないあたりが、これから奪われていく感たっぷりでよいです(酷い)。 姉好きな妹って、兄好きな妹よりも自分の中ではポイント高いです。あまりドロドロすることがないからなのかも。 続き読むかは、安芸のデレ方と妹の活躍次第で。 評価 ☆☆☆(6) 【最近購入したもの】 放課後の魔術師1 オーバーライト・ラヴ (土屋 つかさ/角川スニーカー文庫) バッカーノ!1931 臨時急行編 Another Junk Railroad (成田 良悟/電撃文庫) 七月の魔法使い (田中 メカ/花とゆめコミックス) 片恋トライアングル1 (天乃 忍/花とゆめコミックス) LaLaDX1月号 唆されて数年ぶりに漫画雑誌購入。分厚さにびっくり。 |
1月4日(日) |
運命のタロット再読モードに入ったため、新年早々に更新停滞モード。週半ばまでは続きそうです。 今月の購入予定リスト。先月末に前倒しがあったため少なめ。 バッカーノ!1931 臨時急行編 Another Junk Railroad (成田 良悟/電撃文庫) 見習い女神と仮面の騎士 〜恋のワルツで祝福を!〜 (菊地 悠美/B's-LOG文庫) 姫君達の晩餐 舞踏会の小前菜 (山咲 黒/B's-LOG文庫) いつか天魔の黒ウサギ2 《月》が昇る昼休み (鏡 貴也/富士見ファンタジア文庫) 蒼穹のカルマ1 (橘 公司/富士見ファンタジア文庫) メガネ恋。 (時海 結以/一迅社文庫アイリス) 砂漠の王子と風の精霊 (天堂 里砂/C★NOVELSファンタジア) かぐや魔王式!2 (月見 草平/MF文庫J) ミラクルチロル44キロ Bパート・ミラクルフレーバー (木村 航/メガミ文庫) ナナヲ チートイツ (森橋 ビンゴ/メガミ文庫) 【今日購入したもの】 夜は短し歩けよ乙女 (森見 登美彦/角川文庫) ゴールデン・ コリドール たまごの章 (結賀 さとる/あすかコミックスDX) |
1月1日(木) |
あけましておめでとうございます。今年は昨年以上にまったり更新になりそうですが、ボチボチ続けていくのでよろしくお願いします。 懲りずにいきます、「今年あったらいいな10選」コーナー。
【今日読んだ本】 ◆ 銀の海 金の大地1 (氷室 冴子/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 真秀は湖の国、淡海で育った。そこは息長族の国だが、真秀はその一族の者ではない。業病を患っている母のために、よく効く薬を手に入れるようと、不思議な力を持つ兄の真澄と丹波へ向かうが!? 年明け一発目は変わったものでいこう、というわけで名作と名高い氷室さんの古代ファンタジーに着手。 面白いけど読むのがしんどい、そんな序章でした。古代物が苦手ジャンルなせいで今まで手出してなくて、実際序盤数十ページは乗れなかったんですが、真秀たちの出生の秘密が絡んできてからは、真秀がどういう運命を辿るのかが気になって一気に読めました。思ったよりもじっくり腰を据えて描かれているのが好印象、激しく揺れる真秀の心理描写が上手いです。まだ話のキモらしい転生云々は触りしか出てきていないので、今後どう話が進んでいくのかが楽しみ。ちなみに、真秀争奪戦線(?)は真澄よりも断然美知主派。でも設定的には真澄なんでしょうか。真若王? カマセですよね? ただ、真秀が読者的におバカな行動を取りまくるので、読んでいてとても疲れました。どうして毎回トラブル起こす方向の受け答えをするんでしょうか……。育った環境を考えれば言動にとても納得はいくし、余裕ないのも分かるんですけど、でももう少し一呼吸おいて周りを見れば、と思ってしまいます。今後成長していけばいいんですが。 今のところ11巻まで読む予定です。でも未完確定なんですよねこれ……。 評価 ☆☆☆★(7) |