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 9月30日(水)


【今日読んだ本】

天冥の標1 メニー・メニー・シープ (上) (小川 一水/ハヤカワ文庫)amazon

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《あらすじ》
 西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えつつあった。そんな状況下、セナーセー市の医師カドムは、《海の一統》のアクリラから緊急の要請を受ける。街に謎の疫病が蔓延しているというのだが……小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕篇。


小川さんがおくる長編SF「天冥の標」第1巻。

小川さんはちょっとカップル候補作りすぎだと思います。いや、自分も大概な恋愛脳で、イサラ初登場時に「これはきっと女性で人外ラブくる!」と思ったら、数ページ先でほんとに女性で歓喜したほどです。でも小川さんはさらにその上をいってました、1巻だけでさらに2組カップル候補出してくるとは(1組の片方は死んじゃったように見えますが、この世界何が起こるかまだわかりませんし)。こういうの大歓迎です、彼らがどういう進展を見せるか楽しみです。

恋愛脳はこれくらいにしてストーリー。一言でいうと、一部の特権階級が支配する植民地の星での弾圧と反抗、そして星や過去の秘密を描く物語、の序章になるんでしょうか。これまで読んだ小川作品に比べて、暗部を随分しっかり描いてるなという印象を受けました、ザリーチェの狂気や石工の虐げられる様子など、読むのがなかなかしんどかったです。でも、リリーの芽生える自我などを見るにここからの逆襲が期待できそうだし、何よりこの星には何重もの秘密が隠れていそうで、ワクワクするいい序章でした。羊飼いの人たちが地味に全てをひっくり返すような大仕事するのに期待。

下巻も買ってあるのですぐに読みます。


評価 ☆☆☆★(7)



ヘブンリー 君に恋してる (野梨原 花南/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
 島国エリスンのデュガー魔法院に転校してきた少女フォルミカ。転校早々、教師から役所までお使いを頼まれる。途中、同じくデュガー魔法院で学ぶ美少年ジャスラスと出会うのだが…!?


久々に野梨原さんの積み崩し、2年ほど前に出た学園魔法ファンタジー。

相変わらず野梨原さんらしい作品でした。文章はいつもの短文に時折印象的なものが混じってる形式ですし、主人公のフォルミカはやっぱりたくましくて変な女の子です。でもダイヤやポムグラやマダーよりは大分常識的かも、せいぜいパンツ見られても全く動揺しないくらいですし。

むしろこの作品、女の子よりも男の子の方が目立ってました、ヒーローのリクトがかわいい。初恋の女の子(フォルミカ)がやってくると知って、アタックしようとするもののなかなか踏み出せない奥手っぷりがよかったです。ジャスラスがフォルミカ狙いだったら絶対掻っ攫われてましたよこれ、そんな展開も少しだけ見たかったかも。

ただ、ストーリーはあまりパッとせず。急進派に学園が占拠されて、それに反抗しようというのが本筋なんですが、緊張感がないんです。それが野梨原さん作品のいいところでもあるし、反抗策なんかは面白くもあったんですが、全体的に雰囲気がふらふらしていて山もなくて、もうちょっと芯が通っていてほしかったです。それに、登場人物が多くてサブキャラに魅力がなかったのも残念でした、ちょーシリーズやよか魔女はサブキャラたちあってのシリーズだったので。

さて、全2巻なわけですがどうなるんでしょうか。超急展開と聞いておののいているんですが。


評価 ☆☆☆(6)



 
 9月29日(火)


【今日読んだ本】

創世の契約5 新天地〈ノイエヴェルト〉 (花田 一三六/C★NOVELSファンタジア)amazon

 
《あらすじ》
 三族に己の翼と牙と爪を分け与えたはずの龍族は、一体「何族」に一番近しいのか? ついに四族の代表と聖典に表記されない存在が支配者の元に辿り着く。この先に真実が----「世界」の謎が待ち受ける!


猫、犬、鳥、人族が暮らす世界に君臨する龍族と世界の謎がついに明かされる「創世の契約」最終巻。

引っかかる点もあったものの面白かったです。人族の街にはじまり、これまでレスティは色んな場所をまわり色んな人に出会ってきたわけですが、この最終巻ではその人たちが再登場したりと、ほとんど全てが伏線としてきいてるんですよね。その絡ませ方の上手さに感心する一方で、ここまで色々繋がるのはさすがに出来すぎじゃないかなという引っかかりもありました。あと、間があいたせいで、最初の頃の話忘れてるのも痛かったです。レスティが出てくるまで彼女たちが1巻の人たちだってことに気づかなかったのは、きっと自分だけじゃない。

でも、繋がり云々に関わらず、後半の怒涛の種明かしは読み応えありました。ファンタジーかと思ったら実は……、という根幹の設定自体には斬新さはなくても、ここまでするかと思わされる舞台のひっくり返し方や、種明かしに対する登場人物たちの揺れる心理描写がうまいです。心の底から出たんだろうトーニの独白が印象的でした。

ですが、この巻で一番面白かったのは、種明かしじゃなくて「鋼の風」の戦争パートだったりします。窮地と思える戦闘をライゲンベックがいかにして乗り切るのか、派手さはなくても静かに熱い戦いは燃えました。このライゲンベック、読みが半端なさすぎる。最後のくだりを見るに、ライゲンベックは裏主人公だったんでしょうね。最後までレスティを食うくらいにかっこいい人でした。

ところで、あとがき読むと戦塵外史の続きが出るかどうか不安になってきたんですが……続きマダー?


評価 ☆☆☆★(7)



 
 9月26日(土)

10月の購入予定。注目はなんといっても迷宮街の最終巻です。ティアラのノベライズはどうしようかなあ。

平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 姫盗賊と黄金の七人 (後編) (松田 志乃ぶ/コバルト文庫)
太陽神の姫巫女 (斎王 ことり/ティアラ文庫)
執事ときどき彼氏 (春河 ミライ/ティアラ文庫)
プリティ☆ウィッチ☆アカデミー! 魔法使いと契約の夜 (青龍 つかさ/ティアラ文庫)
ロウきゅーぶ!3 (蒼山 サグ/電撃文庫)
世界の中心、針山さん3 (成田 良悟/電撃文庫)
見習い女神と仮面の騎士 〜恋の絆に永遠を〜 (菊地 悠美/B's-LOG文庫)
女神の娘の恋歌 暁は伯爵、黄昏は魔王 (響野 夏菜/B's-LOG文庫)
迷宮街クロニクル3 夜明け前に闇深く (林 亮介/GA文庫)
聖鐘の乙女 夏の王と秋の女神 (本宮 ことは/一迅社文庫アイリス)


【今日読んだ本】

天啓のパルティア 黄昏の王が舞い降りる (真朱 那奈/B's-LOG文庫)amazon

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《あらすじ》
 成人の儀を終え、正当な皇位継承権を得たハルバート。蛇毒が癒えきらぬ皇帝の代理で多忙を極め、なかなか会えない婚約者に、月の姫巫女パルティアは心配しつつもちょっぴりご機嫌斜めだ。そんな時、宮殿のお嬢様達のお茶会に、ガイエン大公の許婚だという少女が乱入してきた。彼女にいきなり”決闘”を申し込まれたパルティアは――!? ハルバートの秘密、セリオンの使命、パルティアの記憶……ガイエンの策謀により明かされていく真実を前に、恋人たちの絆は揺らいで!? 風雲急を告げるシリーズ第四弾!


よくない天啓を解釈しなおそうと行動する前向きな姫巫女が主人公のファンタジー「天啓のパルティア」、久々の第4巻。

ラグー分が足りない。いや、前巻で去ったんだから出てこないことは分かってはいたんですが、ハルバートとガイエン大公だけだとかっこいい男が足りないのです。ハルバートはどうも堅苦しさが抜けなくてあまりときめけないし、ガイエン大公は理不尽にこちらの上手を行きまくるので、かっこいい云々以前に腹立ちますし。やっぱりヒーローはラグーですよ。

それはさておき、今回のストーリーはパルティアに共感できませんでした。これまでの積み重ねで、ハルバートとの信頼関係は確固たるものだと思っていたんです。なので、前半の取り乱し様にはがっかりでしたし、その後も逃げ出さずに相談してほしかったなあと。上手くいってる時には気にならない短絡的な行動も、こういう展開になると引っかかっちゃいます。

ただ後半の展開は、シリーズの核心に迫っていてなかなか面白かったです、なるほどそういう世界背景だったんですね。セリオンは想いが一貫していて良いヒーローでした、ああいうことになったのは、少し理不尽に思えたし残念でしたが、エピローグ後見ると結構楽しそうなので救われてよかったです。

ラグーがまた再登場しそうなのは嬉しいものの、続き読むかは未定。


評価 ☆☆★(5)



 
 9月24日(木)


【今日読んだ本】

花は後宮にあり! (高丘 しずる/B's-LOG文庫)amazon

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《あらすじ》
 初恋の少年が後宮内で死んでいた──!? 借金返済のため宮女見習いとして後宮入りした露露。彼女の野望は都で初恋の少年 "楊寒月"を探すこと!……だったが、入宮早々に聞かされた不可思議な事実──"楊寒月"とは宮内で死んだ女性の名前で口にするのは禁忌──に衝撃を受ける。見失った初恋の行方、相次ぐ仕事の失敗に落ち込みながらも露露は類稀なる嗅覚を発揮、次期国王の窮地を救って昇格! だが、ようやく傷心も癒えた頃、昔の面影を残した"楊寒月"が現れて──!?  謎めく後宮ファンタジーが花開く!!


「エパタイ・ユカラ」の高丘さんの新シリーズ、初恋の男の子を探しに都へ行き、宮女として後宮入りする女の子が主人公の中華ファンタジー。

主人公の特技がなかなか面白いお話でした。「ものすごく嗅覚が強い」という特技なんですが、登場人物一人一人が匂いで特徴づけられていたり、人の体調を匂いで判断したりと、とても前面に押し出されてます。物珍しさもありましたし、ミステリ的なストーリーに上手く生かされていたと思います。

ただ、それ以外にも色んな要素を詰め込みすぎで、全体的に調和がとれてないという印象を受けました。後宮の仕組み、事件の裏の悲しい背景、逆ハー気味な友情、幼馴染の秘密と恋、などなど。明らかに1冊に入れる量じゃないです。特に恋愛面は中途半端、この巻に限っていえば、星辰はただの女装でも全然問題なかったですし。中性体は好みの設定なだけに残念でした。

同室の虎嬌と仲良くなる様子などはなかなかよかったので、彼女(?)を交えた恋の争奪戦がはじまりそうな続きも評判次第で手を出してみます。

以下余談。最初にあとがき読んだら、絵師あとがきで結構なネタバレ食らいました。警戒できない分、著者あとがきよりも恐ろしいです。


評価 ☆☆★(5)



 
 9月20日(日)


【今日読んだ本】

アンゲルゼ 永遠の君に誓う (須賀 しのぶ/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
 激化する対アンゲルゼ戦に、陽菜たちは容赦なく送り込まれていく。才能を開花させたぶん、元の生活に戻れなくなっていく陽菜。次々に明かされる衝撃の事実、免れない別れ…陽菜の選んだ道は!?


昨日に続いてアンゲルゼ、第4巻にして最終巻。

最終巻らしい怒涛の展開があまりにも密度が濃くて凄かったです。そして、その怒涛の展開を乗り越えていく陽菜がほんと凄かったです。1巻から加速度的に待ち受ける運命がきつくなっているのに、陽菜も加速度的に成長してるんですよね。前半に連続して訪れる試練には、読み手がマリアのシーンで重たさに耐え切れなくて途中で休憩したっていうのに、陽菜は全部受け止めたんだから恐れ入ります。マリアのシーンは、無邪気で異質な残酷さ+過去の自分の愚かさ突きつけのダブルパンチがききました、理子の記憶がこう扱われるとは……やっぱり須賀さんは鬼女神。

でも、そのしんどい展開を乗り越えた後に待っていた結末は決して悲しいだけのものではなくて。決断した陽菜の思い・行動ひとつひとつにこれまでが詰まっていてジンときました。また、それを支える敷島たちの戦いも読み応え十分、甘美な誘惑をなぎ払う敷島がかっこよすぎです。
でも恋愛描写だけはちょっぴり不満、2人の酸いも甘いももう少し読みたかったです。別れのシーンは美しいんだけれど、3巻のキスシーンの方が自分の中では上でした。2冊分を1冊に押しこんだ煽りを一番食ったのがここなのかもしれません。

キャラについてもう少し。敷島はいつの間にか裏の主役になってました。やたらかっこいいし、やたらお茶目だし、須賀さんにとても愛されてますね(多分東も。中年キャラへの須賀さんの愛はきっと5割増し)。途中性格をつかみきれないこともありましたが、あの一言で救われて心からよかったと思えました。
有紗はもう少し見ていたかったキャラ、陽菜ともっと仲良しにほしかった。写真はやっぱりああいう風に使ってきたよこんちくしょう! お約束だけど切なすぎでずるいです。そりゃイラスト見たいシーンNo.1にもなります。

同人誌の補完本もすでに読了済。主要登場人物全員がカバーされていて、かゆいところにとても手が届く素晴らしい補完本でした。中でも陽菜のその後はどんな形でも読みたかったので読めてよかったです。そういう設定だったのか! などと驚きもしつつ、本編乗り越えた陽菜のたくましさに安心しました、これなら明るい未来が待っていると信じられます。

発売当初に読まなかったのは悔やまれますが、読んでよかったです。冬コミにはお祭本も出るかもしれないらしいので、そちらもとても楽しみ。


評価 ☆☆☆☆★(9)



 
 9月19日(土)


【今日読んだ本】

アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋 (須賀 しのぶ/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
 秋深まり、陽菜たちの訓練は休むことなく続けられていた。軍の施設で何が行なわれているのか訝る覚野に、敷島はある残酷な事実を提示する。絶望のなか覚野は陽菜のため、ある決心をして…!?


アンゲルゼとの戦争に巻き込まれる少年少女たちを描いた青春ストーリー「アンゲルゼ」第3巻。

ああ、もーちゃん! 目に入った感想からもーちゃんの巻だと知ってはいましたが、それでもこう言わずにはいられませんでした。目的に向かってひたむきに頑張る姿、届かない無力感、そして陽菜への不器用な想い。とても青いです青春です、敷島じゃなくても思春期っていいなあと思います。あのシーンは少し強引だったけどとても胸キュンでした、もーちゃんの想いの深さに圧倒されました。

陽菜は相変わらず酷い目にあってますね。前巻は死ぬ運命で今回は戦争に行くことになったと思ったらこれ、一体何度重たい運命を背負わされるんですか……。写真が切ないです。あとがきにあったように、陽菜はカリエたちよりも辛さを味わってると思います、ほんと凄い子です。

楓が巻き込まれないで済みそうなのは唯一の救い、気になる相手が妥当に西原君でよかった。研究会活動しはじめたときはどうなることかとハラハラしましたが、さすがにもう大丈夫ですよね。

大人世代もいいところでサポートしてくれてます、尾田先生が学校にいるよりもとても先生です。さて、残り1冊。いきなり数年飛んだりする可能性もありそうだなあこれ、どう締めるのか怖くて楽しみです。


評価 ☆☆☆☆(8)



 
 9月17日(木)


【今日読んだ本】

オオカミさんと七人の仲間たち (沖田 雅/電撃文庫)amazon

大きい画像しか見つからないので画像は省略。
 
《あらすじ》
 凛々しい目と魅惑的な犬歯を持つワイルド系の美女・大神涼子。腹黒いけど見た目は天使のようなチビッ娘・赤井林檎――。オオカミさんと赤頭巾ちゃんの異名を持つ女子校生と愉快な仲間たちが、やりたい放題すき放題! 世直しのために(?)戦う熱血人情ラブコメの登場♪


電撃で巻数を重ねている、おとぎ話をベースにした現代ラブコメ。2、3ヶ月前にお勧めされてようやく読みました、遅くてごめんなさい。

これはなかなか面白かったです。大神(オオカミ)さんが愉快な仲間たちと一緒に、貸し借りありの人助けを繰り広げるお話。まずなんといっても、オオカミさんがかわいいです。常に気丈に凶暴にふるまっていて、でも本当はとても乙女な女の子。告白されてうろたえたりラブホテル潜入するのにうろたえたりするのがいいです。男の子視点じゃなくて神視点で話が進むので、純粋にかわいさを楽しめました。

また、オオカミさんの仲間たちも、腹黒い赤ずきんや、恩返しが好きな鶴が谷さんなど童話モチーフのキャラが揃っていて、無茶苦茶やらかして問題解決していくのが楽しかったです。かかりさんの話が勢いあって一番好き、蹴りからはじまる恋とかアホだー(褒め言葉)。一方で、ヒーローの亮士くんはハードボイルドモードがピンとこなくてあまりときめけなかったので、今後の活躍に期待。

ただ、ところどころ雰囲気を壊してる要素があるのが残念でした。作者視点のツッコミは流れを止めててとても邪魔でしたし、乙姫はちょっとエッチすぎ。ドタバタで基本的にかわいらしいこの話にエロネタは合わないと思うのです。乙姫の一途っぷり自体はいいのですが。

最新刊のスピンオフがいいラブみたいですし、折を見て続きも読んでいきたいです。個人的には、この先りんごの恋話とか読んでみたいですね。


評価 ☆☆☆(6)



 
 9月16日(水)


【今日読んだ本】

アンゲルゼ 最後の夏 (須賀 しのぶ/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
 親友のリコがアンゲルゼに。しかも私の歌が彼女の孵化を助けた!? 衝撃の事実に戸惑う陽菜。その能力の検査と訓練のために軍の施設に通い始める。葛藤と新しい友情、壮絶な夏休みが始まった。


昨年大きな話題になった須賀さんの現代ファンタジー。1巻だけは発売当時に読んで先も気になってはいたものの、重たいの読む気分じゃなくて2巻をスルーして、読む機を逸していました。

で、1巻を再読した後に2巻を読んだんですが、初読の時よりも大分面白く感じました。陽菜の後ろ向きな姿勢を受け入れられるようになっていたのが大きい気がします、頑張ってる2巻の陽菜はもちろん、1巻のうじうじした姿も鬱陶しくなかったです。自分の中で何か変わったんでしょうか、うーん。少なくとも、苦しみながら進んでる今の陽菜は好き。

ストーリーは今後に向けての溜めに見えるんですが、溜めなのに色々と容赦ないのが恐ろしいです。自分の運命に他人の死に、この巻だけで陽菜どんだけ苦しんでるんですか……。潰れないでやっていけてるのが凄い。楓や湊のおかげですね。

その楓や湊との青春は美しくて切なくて、でもキラキラすぎて今後壊れることが丸分かりで、続きを読むのが本当に怖いです。「最後の夏」というキーワードがまた容赦ない。せめて理子の死を乗り越えてかっこよくかわいくなった楓には巻き込まれないでほしいです。あとマリアには一瞬でもいいから理子としての気持ちを取り戻してほしいです。欲張りでしょうか。楓のいいなと思う相手が死亡フラグだったりしませんよね? 怖い怖い怖い。でも続きも近いうちに読みます。

ところで、敷島さんは何でこんなにデバガメおじさんなんでしょうか。冷徹な姿とのギャップが激しすぎて、いまだに同人物だとは思えません。有紗と2人きりでいるときはどっちの姿なんだろう。


評価 ☆☆☆★(7)