1月31日(日) |
【今日読んだ本】 ◆ ココロコネクト ヒトランダム (庵田 定夏/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 文研部に所属する八重樫太一・永瀬伊織・稲葉姫子・桐山唯・青木義文は、奇妙な現象に直面していた。前触れもなく青木と唯に起こった"人格入れ替わり"。それは次々と部員全員へ襲いかかり、彼らを異常な日常に放り込む。戸惑いつつも、どこかその状況を楽しむ太一たちだったが、心の連鎖は彼らの秘めた心の傷をも浮かび上がらせ……。平穏が崩れたその時、5人の関係は形を変える! 第11回えんため大賞特別賞受賞作品、愛と青春の五角形【ペンタゴン】コメディ登場!! 入れ替わりメインという情報を聞いて、情報をシャットアウトして楽しみにしていた、今月のファミ通の新人さん作品。 くどいところもありましたが、よい入れ替わりでした。同じ部活に所属する男女5人が、ある日突然、時間場所問わずに入れ替わるようになるお話。入れ替わってはじめて見えてくる友人たちの秘密、それを解決しながら同時に救われていく主人公、といった感じの青春ストーリーがメインなんですが、自分的には最初の数十ページだけで満足だったりします。 はじめて入れ替わったときの動揺や、その後の対策の話し合い、入れ替わり生活でのトラブルや悪乗りなどなどが、高校生らしいリアルさでしっかり描かれていて、入れ替わり好きとして堪能させてもらいました。唯のうろたえ方とか好き。ここまで真面目に入れ替わりを描いたことにちょっと感動です。4人じゃなく5人なのが、単純に2:2とかに分かれずにいいバランスだったなと思います、青木がいいポジションでした。 青春なメイン部分に入れ替わりがうまく活きてたのもよかったです、永瀬の演技みたいなお約束もあったし、終盤に突きつけられた重さも入れ替わりならではでしたし。最後のあっさりさが賛否両論みたいですが、入れ替わりの原因は超常現象でも神様でもいいと思っているので気になりませんでした。 ただ引っかかったのが、冒頭でも書いたように全体的にくどい文章。主人公の性格のせいもあるのか、俯瞰的で説明的な上に傍点も多用していて、くどさが肌に合いませんでした。悩みに立ち向かっていくときの熱さにも同様のくどさがあって、入れ替わりじゃないただの青春物だったら多分気に入ってないですこの作品。属性パワーって大きい。 次回作も入れ替わりだったら嬉しいんですが、きっとそんなことはないのであらすじ待ち。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 横柄巫女と宰相陛下 ノト、王宮へ行く! (鮎川 はぎの/ルルル文庫) 【amazon】 《あらすじ》 聖地の地下神殿での試練を乗り越え、宰相だったカノンは王に、巫女〈見習〉だったノトは王巫女となった。シリウス王国に戻った二人は華やかな儀式や舞踏会で迎えられるが、カノンが王となったことに不満を持つ大貴族もいて……。一方ノトは立派な王巫女になろうと頑張るが、相変わらずの不器用ぶりから横柄だと誤解されいじめられてしまう。そんな中、王を狙う陰謀にノトが巻き込まれ……!! カノン、ノトを守れるか!? 先日に引き続き、不器用巫女のノトが主役のファンタジー「横柄巫女」シリーズ第2巻。 んー、1巻に比べると少しトーンダウンな印象を受けました。王宮にきてノトとカノンが会う機会が減った上、2人のやりとりが1巻とあまり変わらなくて、恋愛面がやや物足りなかったのが原因。周囲の人どころか敵の心まで動かしていくノトの頑張りには心和んだんですが、このシリーズのメインは恋愛だと思うのでやっぱり進展は欲しかったです。 そんな中、リリィの活躍は目立ちました。なんというか、ただのネタキャラから、物語に関わる面白くて愛すべきネタキャラに昇格した感じ。リリィだけ台詞がお嬢様ボイスつきで脳内で再生されてました。なんだかんだでノトのこっちでの一番の友達になっていくんでしょうか。 「3巻がいいよ!」と聞いたので、続きもすぐに読むと思います。 評価 ☆☆☆(6) |
1月29日(金) |
2月の購入予定リスト。なんといってもwonder wonderful番外編です。その他では、小説ウィングスの冬号も楽しみ、金星特急とパシュルーナが読めるのです。 つぼみの魔女*アナベル 弟子の種の見つけ方 (朝戸 麻央/角川ビーンズ文庫) 進め、骸横たわる荒野 幻獣降臨譚 (本宮 ことは/講談社X文庫ホワイトハート) V.T.R. (辻村 深月/講談社ノベルス) 姫君返上! 運命を試す者 (和泉 統子/ウィングス文庫) 幕末魔法士 ―Mage Revolution― (田名部 宗司/電撃文庫) 竜と勇者と可愛げのない私 (志村 一矢/電撃文庫) 子守り魔王と姫騎士団長 (夕鷺 かのう/B's-LOG文庫) SH@PPLE ―しゃっぷる―8 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫) 聖鐘の乙女 獅子の城と銀の泉 (本宮 ことは/一迅社文庫アイリス) 石霊と氷姫 上 (西魚 リツコ/幻狼ファンタジアノベルス) wonder wonderful 君がくれた世界 (河上 朔/レガロシリーズ) グラスハート (若木 未生/バーズノベルス) 【今日読んだ本】 ◆ 横柄巫女と宰相陛下 (鮎川 はぎの/ルルル文庫) 【amazon】 《あらすじ》 計算が得意な巫女見習いのノトは、神殿の会計係を目指し修行中。しかし不器用な性格が災いし、仲間の巫女たちから横柄だと誤解され目の敵にされていた。そんなある夜、戴冠の儀式参列のために神殿を訪れた宰相カノンと二人、王家の陰謀に巻き込まれてしまう! 気が付くと不思議な地下神殿にいて……!? 宰相“陛下”と呼ばれるほど優秀で冷静なカノンと不器用なノトは、地上に戻ろうと助け合ううち……!? 甘くてゴロゴロできるという声が聞こえてきたので手を出した、去年のルルルの新人さん作品。 突っ込みどころが多かったものの面白かったです。人付き合いが苦手な巫女のノトが暮らす神殿に、王子一行がやってくるところからはじまる物語。読み始めてまず目に止まるのがノトのキャラの突飛さ、発する言葉ほとんどが誤解されるという設定は、インパクトあるもののさすがにやりすぎ感が。また、悪役も負けず劣らずの突飛さ、というより間抜けさ、行動がまるでギャグ漫画。リリィはこれでいいけどエリオはちょっと。この王子を王に認めようとするカノンがどうみても元凶でした。 などなど色々引っかかる点はあったんですが、ノトの不器用なかわいさだけで満足。つたない喋りで何とか伝えようとするひたむきさはとても好感持てましたし、カノンに惹かれて動揺するお約束な描写もいいものでした。普段の思考は表に出ないのに、その手の感情ではうろたえてしまう光景を想像するとニヤニヤできます。あと、友人のサナとの信頼関係もよかったです、サナみたいにツーカーで友達思いな友人キャラって大好きなので、これ以降出番少なくなりそうなのが残念。 甘さの本番は3巻以降とのことなので、そこまでは読んでみるつもり。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 蒼海ガールズ! (白鳥 士郎/GA文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「きみはこれから女になる」「え? え……えええぇ?」 国を追われて海を漂流していた皇子シューフェンは、アラミス王国の軍艦ビシャスホースに拾われる。だが、少女ばかりの乗組員で構成されたこの船には、厳正なルールがあった。すなわち「男子禁制」。男とバレたら死刑になってしまう状況で、艦長から提案されたのは、持ち前の可愛さを生かして女のフリをすることだった! 少女たちから可愛がられたりセクハラされたりしつつ、果たしてシューフェンは自らの秘密を守りきれるのか!? 評判を見て読んでみたくなった、GA文庫の女装&海洋ファンタジー。 正体バレがはやすぎる! 亡国の皇子が女性専用船に救助されて、正体を隠して女装して暮らして……、という話なんです。「正体隠した異性装だったら、男装、女装どっちもいいものだな!」と思いながら読んでたんです。そしたら比較的あっさり全員にバレちゃいました……。 正体隠したまま百合な恋愛に発展したり、正体を唯一知ってる人間と恋が生まれたり、そんな展開を期待していたのにしょんぼりです。このあらすじで守りきれないとか! そんなわけで、途中からは女装というアクセントが加わったハーレム物に。それでも主役のシューフェンは愛でられているだけじゃなく、終盤にはかっこいい姿も見せてくれていい主人公でしたが、女性陣がいまいち。特に正ヒロインっぽいファムにさっぱり心動かされなかったのが痛かったです、恋心にピンときませんでした。みんなキャラはたっていたんですが、うーん。こういうハーレムは苦手なのかも。 海にロマンを感じない人間なので、船や海戦の描写にもときめけなかったし、続きは様子見。同著者のらじかるエレメンツは積んでるのでそのうち読みます。 評価 ☆☆★(5) |
1月26日(火) |
【今日読んだ本】 ◆ アリアではじまる聖譚曲 征服者は聖女を誘う (西本 紘奈/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 学校帰り、高級リムジンに乗せられ、見知らぬ異世界テルミナに連れてこられた昼ドラ好きの少女・高坂アリア。そこで出会った騎士のユースは、アリアを二千年前に殺された聖女の生まれ変わりだと言いだす。そのうえテルミナの統一を企む神聖王国のクラウディオを退けてくれと頼んで(ムチャぶりして)きて――!? このままムリヤリ聖女にされちゃうの!? 抱腹絶倒の新シリーズ、登場! 他のビーンズ作品と毛色が違うので気になっていた、異世界召喚ファンタジー。 主人公がとても愉快なファンタジーでした。凡人な女の子のアリアが聖女として異世界に召喚されるストーリーなんですが、このアリアが見ていて楽しい子。「凡人の私が聖女なんかになれると思ってるの!」みたいな後ろ向きに開き直った啖呵や変わった発想が面白いし、そんな後ろ向きでも真っ向に立ち向かう姿勢が素敵でした。かっこいいというよりは気持ちのいいタイプ、この主人公はかなり好き。しっかり(?)鈍感属性も備わっているので、恋愛方面でも楽しませてくれそうです。 その恋愛面は今のところ完全に逆ハー、でも主人公が主人公なのであんまり逆ハーっぽく感じませんでした。今後は過去の亡霊がキーとなってきそう、ユースが彼なのは確定として、もう1人はジュリアス? いずれにせよ、人数が増えて過去とは違った展開になりそうです。でも、100%目がないエミリオは泣いていい。寝てる時にだけ優しい言葉かけたり、よいテンプレツンデレ少年なんですが。 今のところは僅差でサドなジュリアス派。今後俺様なクラウディオに揺らぐかも(ロリコン呼ばわりはちょっとかわいそうなので応援したい)。 最後におっと思わせる伏線もあったし、続きも楽しみです。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ トゥインクルスター☆シューティングスター (吉川 トリコ/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 願いが叶うなら、星に何を祈る? アメリカ人に憧れる茶子、魔女になりたいルル、女の子の自分に違和感を覚えるあきら、クラスの女王様なエリカ。彼女たちの前に、流れ星と共に天使と悪魔が現れて…!? 「女の子がかわいい」という評判に釣られて買ってみた、先月のコバルト新刊の現代ファンタジー。 評判通りのかわいらしいお話でした。悩みを抱えていたり自分を押し隠していたりする女の子たちのもとに天使が訪れる連作短編。はじめ、ギャル風の茶子が全開だったときは「合わないかも」と思ったものの、全体通してみれば前に一歩を踏み出す女の子たちが眩しくていい話でした。 一番気に入ったのは魔女のルルのお話。トトと出会ったことで臆病な心を溶かしていくルルがかわいらしかったし、別れの場面が設定をうまく使っていて切なさたっぷりでよかったです。 どの話も、天使が女の子とうまく噛み合った性格をしているのも面白かったです。ルルとトトはもちろんのこと、あきらと聖子のコンビなども、聖子が振り回しているようであきらを導いていて噛み合ってるなと思いました。著者さんは文学畑の人らしいので、ここから文学色が強くなるようだと敬遠したいですが、またこういうお話なら読んでみたいですね。 以下らくがき。感想書きながら変な妄想が頭に浮かんだので、せっかくだし載せときます。あきらと幼馴染の男の子とエリカの三角関係が勃発して、うっかりあきらがエリカとくっついちゃってショックを受けるベティの姿が見えた! エリカに釣られる子とくっつくよりは、普通にこっちの方が見てみたいかも。 評価 ☆☆☆(6) |
1月23日(土) |
【今日読んだ本】 ◆ 銃姫9 (高殿 円/MF文庫J) 【amazon】 《あらすじ》 流星軍とスラファト軍との最終決戦のまっただ中、瀕死の重傷を負ったセドリックは、エルを見失った心の痛みも癒えぬうちに、ミトと別れることになる。「誰だ、貴様は」 それは、最悪の瞬間に目覚めた、彼の真の敵との出会いでもあった。重傷を負ったまま、竜王と対峙するセドリック。一方、最果ての地で会おうと約束し、別れたアンブローシアの身にも、新たな事実がもたらされていた。「なぜ、竜王はガリアンルードだけを執拗に滅ぼそうとしたと思いますか?」 銃と魔法が世界を律する壮大な異世界ファンタジー、ついに終局への引金が引かれる!! 完結するまで長いこと積んでいた、高殿さんのファンタジー「銃姫」第9巻。 何でこんな面白いの今まで積んでたのか! でもすぐに続き読めるから積んでてよかった! 既刊で一番面白かったです、英雄チャンドラースがかっこよすぎました。敗戦濃厚の中でのかつての恋人との智略戦に燃え、その過程で明かされていく真実に何度も驚かされ、そして人生を人間らしくまっとうした最期の姿に胸うたれ。ここ何冊かはチャンドラース編というにふさわしい物語でした。 冒頭のアガートエピソードも鮮烈。短いのに胸に染み入る話を書くから、敵を憎めなくなって困ります。多分まだ生きてるでしょうし、生きて欲しいとも思いますが、そのためには竜王が……うーん。 そしてメインの3人、これまでの秘密がかなり明かされてびっくりすっきり、でも状況は悪化の一方という。エルはきっと側にいるんでしょうがアンが詰んでます、今のセドリックじゃどうにもならないでしょうし。何か企んでいそうなプルート、後は鍵となるだろうオリヴァントに期待でしょうか。まあどうせ的外れでしょう、残り2巻楽しみです。 以下おまけ。自分の8巻の感想より引用。 『え、あと1巻で終わり?(中略)大人しく全11巻って言っておいた方がいいですよ。』 珍しく鋭い! この鋭さを推理方面に使えるようになりたい。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ アンシーズ2 〜刀侠戦姫血風録〜 (宮沢 周/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 自らの男を武器へと変換し戦う「アンシー」となったトモ。そのせいで彼の生活は一変する。その境遇を自ら打破するため、トモは「刀競大武会」と呼ばれるアンシーのバトルを勝ち抜くことを誓う。チーム戦である刀競大武会では仲間どうしの連帯感や信頼感が重要になる。ところが、リーダーであるヒカルは徹底した秘密主義。トモたちはそんなヒカルに疑念を抱き行動を起こすが、その結果、ちょっとしたトラブルになってしまう。その上、トラブルが解消されないまま迎えたバトルで、「机の角」というアンシーの攻撃を受けたヒカルが気絶してしまい……! 刀を手にとることで女性化する、性転換+学園バトルな「アンシーズ」第2巻。 うーん、1巻の方が好きでした。1巻で気に入ったのは、恒久女性化という設定であり、ミツウさんだったわけで、その面が弱くなるとバトル小説嫌いとしてはどうしても評価下がっちゃいます。調べ物してるミツウさんは男性時の記憶が絡んできそうで気になるものの、今のところは出番少ないですし。 新キャラの机の角はかわいらしいボクっ子でしたが、男性時の姿が隠されたままなのもあってTS的には微妙。それよりも主人公をはじめとする既存キャラがかわいく見えないのが引っかかりました。そのせいでヒカル関連にあまり興味持てないので、続きは様子見のつもり。 評価 ☆☆★(5) |
1月21日(木) |
サイト6周年&いつの間にか50万ヒット超えてました。読む数は今年も減りそうな感じなんですが、まったり続けていくつもりなので今後ともよろしくお願いします。 あと、いい加減そろそろ改装しようかなと考え中。何年も前から考えては消えてるんですけどね。 【今日読んだ本】 ◆ 嘘つきは姫君のはじまり ふたりの東宮妃 (松田 志乃ぶ/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 衝撃的な結末を迎えた百舌殿での事件。すべてが終わった今、大姫が九条家に戻ることを知る宮子。それはつまり、九条家の姫君がふたりになる事を意味していて…? 平安で甘々な嘘姫シリーズ最新刊、大姫復帰編。 甘い、甘すぎる! どうして次郎君はこんなに若々しさと色っぽさを兼ね備えた化け物なんですか。宮子が大分揺らいできているので、いつも以上に甘く感じました。ヤキモチ焼いて運命感じる場面はとてもキュンキュン。これで次郎君とくっつかなかったらガッカリしますが、でも真幸もうーん。いっそ、まさかの平安時代逆ハーエンドとか(ないです)。 有子は真幸ルート行っちゃいそうですねこれは。どうしようもない状況になって仕方なく真幸が歌を詠むとか容易に想像できて怖い。間違いなく茨の道なので避けてほしいんですが。 分からないのは有子に絡む斎の真意。現時点ではただ気に入っただけとしか思えないんですが、斎は入れ替わりの秘密握ってる可能性も十分あるんですよね。現段階では検討つかないので続き待ち。 ストーリーに関しては、「続きマダー?」の一言。大姫の裏には鬼人党がいて、宮子を守るためにこっそろ身を引かせようとしているとか、そんな筋ですかね? 大姫が真っ黒い人物とは思いたくないです。恋模様も気になるし、下巻がはやく出ますように。 以下おまけ。短編の菊餅がとてもおいしそうでした、栗ベースな上にブドウと柿って! 現代で再現すると値段が半端なさそうですが、似たお菓子あったら食べてみたいです。 評価 ☆☆☆★(7) |
1月19日(火) |
【今日読んだ本】 ◆ グラスハート LOVE WAY (若木 未生/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 音楽ディレクター・佐伯は、バンドを組んでは潰してばかりいるボーカリスト、真崎桐哉と出会う。「俺の歌であんたを変えてやりたい」。カリスマユニット、オーヴァークロームの誕生と軌跡を描く短編集! 佳境のグラスハート第9巻、1冊まるまるオーヴァークローム編。 これまでのグラスハートの中でも最大級の分からなさでした。有栖川さん視点がこんなぶっ壊れたものだとは。なんというか、いつか何気なく人を刺しそうな、淡々としている中に狂気が混じっている内面描写で、理解はとても不可能。でも壊れているなりに、LOVEWAYのIとIIで変化は見て取れて、桐哉が有栖川を動かしたんだと分かるのがよかったです。 有栖川視点の桐哉もどこか狂っててあまり分からないんですが、こちらは根っこはおそらく純粋なんですよね。途中で目的意識はきっと変わっていても、どこまでも上を目指していて。最後のライブはありがちな光景なのかもしれないけど、桐哉たちがこれを作りだしたというのが、報われて救われた感じがしてとても美しい光景でした。 しかし、この2人をくっつけた佐伯さんはシリーズ通してMVPかも。 で、西条はちょっとしか出番ないのに、どうしてそうひどいことしてくれますか。素なのか無意識的回避なのかは分からないけど、あの台詞はない。 桐哉は最初に西条に出会った頃は、藤谷さんに対する感情とか天才に対する感情とか入り混じってたのかなあと思うんですが、今は純粋に西条のこと気に入ってるんですよね多分。それだけに西条の台詞には腹立ちました。桐哉ルート=きっとテン・ブランク崩壊なのでルートは無理にせよ、少しは動揺してもいいと思うんですよ、全くもう。 さて、後1巻で終わる気がしないんですが、どんなエンドマークが打たれるんでしょうか。ここから西条を好きになれたらいいけれど、きっと無理。 評価 ☆☆☆★(7) |
1月17日(日) |
【今日読んだ本】 ◆ 白と黒のバイレ 白き、時の流れにのせて (瑞山 いつき/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「待っていろ。時が満ちればそなたを迎えにいく」国一番の魔術の使い手・ブランカ姫は、魔王・マルディシオンとの戦いに敗れ。人の3倍の速度で若返る呪いをかけられる。それから1年半。ついに12歳の肉体となったブランカは、呪いを解く術を求め、不遜な凄腕の騎士・セロを連れ国を出た――「どこまでもついていく。俺がお前を守ってやるよ」呪われた美姫が騎士と共に挑むのは魔王か、宿命か!? 運命と踊るネオ・ゴシックファンタジー!! 「マギの魔法使い」の瑞山さんの新シリーズ、魔法使いの姫君が主役の魔法ファンタジー。 これからの三角関係が楽しみな冒頭でした。魔王に若返りの呪いをかけられたブランカ姫が、呪いの解除方法を探すために旅立つお話。まず、この魔王がなかなかいいキャラ。登場段階では何とも思わなかったんですが、感謝してもらえず拗ねたあたりからグンと好感度あがりました。この不器用な感情表現にほだされつつも、利用してうまく交渉をするブランカも素敵。この2人のこれからの変化(主に魔王側)は楽しみ。 そして、ブランカと一緒に旅するリリアナが、姫様第一で悪い虫をけちらすとてもよい侍女キャラ。ブランカのことを知り尽くした上での説得とか、なんだかんだでブランカに甘いところとか好きです。2巻ではブランカに近寄る魔王と様々な応酬を繰り広げてくれそうでワクワク。それ次第で三角関係のどっちに転ぶか決まりそうです。 え、セロ? 誰ですかそれ? いや、大人な幼馴染キャラは結構好きなんですが、セロには全然萌えなかったんですよ。ずっと側にいた&かなり年上の割に、余裕がなさすぎるのがとても引っかかってしまって。王子とちょっと側にいただけで不機嫌全開になるのは正直どうかと思うんです……。これなら同年代設定でよかったんじゃないかなあ。 そんな感じで、セロルートから抜けてくれることを祈りつつ次巻待ち。積んでるマギはいつ読もう、いつか読もう。 評価 ☆☆☆(6) |