トップに戻る

日記一覧に戻る



 
 4月30日(金)


【今日読んだ本】

ソフィアの宝石 乙女は、謡う (渡海 奈穂/B's-LOG文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
ソフィアでは、国をあげて建国を祝う祭の季節になった。リディアはといえば、シュバルク公爵家での生活にようやく慣れてはきたものの、スレイドルらとの関係はいまだにギクシャクしたまま。そんななか、フィーリス女学院で催される感謝祭の合唱に加わることになり、練習のため歌を披露したリディアは、その声の素晴らしさに生徒たちの称賛を浴びる。けれど、それを良く思わない者もいて……。舞台の上で、少女に受け継がれた「古き力」が真の姿をあらわすとき、人々の目に映った「奇跡」とは?


渡海さんの過去作の学園ファンタジー「ソフィアの宝石」第2巻。

スレイひどいな! リディアに対するスレイの態度がなかなかにひどかったです。気遣いは言葉足らずにも程があるし、そもそも女の子に対する態度がなってなさすぎですし。これはさすがにリディアが不憫。
でもこれだけひどいからこそ、心開いたときの反動も大きいわけで。途中からの、惹かれてきているのに素直じゃない姿はかわいくてニヤニヤでした。これで完全に心開いたらどうなっちゃうのか楽しみ。

ストーリーは貴族の特権の是非を真っ向から扱う展開。言葉が通じない貴族こわい。凝り固まった考え方の人物が多い中で、リディアの染まっていない真っ直ぐな考え方が気持ち良かったです。
貴族の中ではまともなジルの想いは切ないですね。ユリノが心を開いてくれる展開が想像つかないんですがどうなるんでしょうか、こちらも気になります。

で、問題は次の巻で打ち切りらしいことなんですが……。ひどいところで切れませんように。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 4月28日(水)


【今日読んだ本】

灰かぶり猫と半月の騎士 ふたり、手をつないで (汐月 遥/コバルト文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
《魔王》神依姫候補として聖堂で暮らすキーリア。ロトリックに対する気持ちが恋だと気づくが、自分のそばにいて、彼は幸せなのだろうかと悩んでいた。そんな時、また不審火が続き…。感動の完結編!


灰かぶりだった女の子と護衛の青年の絆を描く「灰かぶり猫と半月の騎士」3巻にして完結編。

2人の恋愛が初々しくて胸キュンでした! キーリアもロトリックも気持ちを自覚するかの微妙なラインで、気持ちに振り回されてイライラしたり、普段とは違う姿に照れあったりと、恋愛しはじめな2人がかわいらしいのなんの。前巻の感想では「恋愛にいっちゃって少し残念」みたいなこと書きましたが前言撤回、この初々しい恋も2人にはお似合いでした。
このシリーズ、キーリアが最後までたくましい性格のままなのが好みでした。「げしげしと蹴りつける」みたいな表現をされるヒロインって素敵です。いや、ちゃんとかわいいんですよ?

あとこの巻でポイント高かったのがミスルー。高飛車な女の子のデレは大好物です、おまけに女の子同士のトークがたっぷりついてきて楽しくないわけがないです。ファスール卿が側にいるおかげでかわいさ2倍でした、ごちそうさまでした。

最後、別れのシーンが爽やかでとても好き。ファスール卿いいところ持っていきすぎですほんと。2人手をとりあって楽しく生きていくんだろうなと思えるいいラストでした、次回作も楽しみ。


評価 ☆☆☆☆(8)



 
 4月26日(月)


【今日読んだ本】

白と黒のバイレ 黒き、呪いの舞台にて (瑞山 いつき/角川ビーンズ文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
《魔王》マルディシオンに“一目惚れ”され、若返りの呪いをかけられたブランカ姫は、解呪の方法を求め、護衛騎士のセロたちと旅を続ける日々。そこに、妹レオノーラ姫が病に倒れたとの報が入る。それは、婚約者のブランカを取り戻そうとする王太子ロベルトの策略で…!? 一方、密かに想い合いながらも主従の枠を越えられないブランカとセロにも変化が…!? 「なあ、あの時どうして口づけの相手に俺を選んだ?」運命と踊るシリーズ第2弾!


幼馴染に何故か萌えないゴシックファンタジー「白と黒のバイレ」第2巻。

え、王子様そんなにあっさり? ラスボスだと思っていた人が全然違ったりと、色々と意外な展開が多い巻でした。いや確かに小物っぽさはありましたけど、ここまでだとは驚きました。代わりに新登場した彼が次のボスなんでしょうか(多分この人もラスボスじゃない気がする)。レオノーラははじめは好きじゃなかったですが、矛盾した想いに葛藤する姿を見てると、できることなら幸せを掴んでほしいなと思います。

気になる恋愛方面は、魔王様ルートへの道が早くも閉ざされていっているような……。出番は多いのに、恋愛的に影が凄い薄いんですが! リリアナはこんなにアピールしてるっていうのに。魔王様圧倒する姿が最強すぎます。やっぱりセロには全然心動かされないので、ここはリリアナルート(というよりリリアナによるブランカ攻略ルート)に期待する方向で。


評価 ☆☆☆(6)



魔王さんちの勇者さま3 (はむばね/徳間デュアル文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
ある日澄人が起きるとそこは見慣れた自分の部屋。異世界に行っていたのは夢だったのではないかと思ったが、魔王の姫サフラがそばで眠っていた。フォートランとの戦いで父の夕焼が現実世界へ避難させたのだ。異世界へ戻る手がかりとして、身近な人間が鍵となっているらしいが、ヒントはなかなか見つからない。そんなとき幼なじみの壱生と撫子も一緒に遊ぶことになり楽しいひとときを過ごす。澄人はこのままでもいいのではないかと、気持ちが揺らぎはじめ、サフラの心も揺らぎ始めていた。本当に守りたいものはなんだろう…?


ちょっと変わった勇者と魔王のファンタジー「魔王さんちの勇者さま」第3巻。

うーん、少し設定ありきに偏りすぎてて、この3巻は楽しめなかったです。初出の説明が多い割に淡々と進んでいって、ネタばらしに全然ワクワクしませんでした。壱生のシリアスじゃない説明あたりは狙ってやってるんでしょうけど、壱生が好きになれなかったのでどうにも。壱生の幼馴染設定は薄すぎると思うんです。

姫様を想う澄人の姿などにははむばねさんらしい真っ直ぐさがあって、そういう面はやっぱり好き。姫様も成長したのがよく分かって素敵。これで設定が今の半分くらいならよかったんですが。続きも設定に偏りそうな気がするので、読むかどうかは様子見。


評価 ☆☆★(5)



 
 4月24日(土)

「やおろず」を書いてる古戸マチコさんのオンライン小説「人喰い魚が人になる」にいまさらながら大ハマリしてました。
「やおろず」の1巻が出た頃に一度読んで、その時はあまり引き込まれなくて第2話で読むの停止。で、最近きっかけがあって再度読み始めてみたら、これが面白いのなんの。積み本そっちのけでtxtファイルを携帯に放り込んで読みふけってました。

どんな話かというと、タイトル通り、ピラニアが人間になっていくお話。面白さを一言で表すと「みんな大好き!!」になるんですが、それだとアレなのでもう少し冷静に面白さを書いてみます。

まず魅力的なのは主人公のカリアラのキャラクター。お魚出身だけあって頭はあまり良くなくて、お馬鹿な発言や行動には笑えるものがいっぱい。それだけじゃなく、本能で生きるカリアラの真っ直ぐさは時折ハッとさせられるくらい眩しくてかっこよくて、でもやっぱりお馬鹿なのが大好き。少しずつ少しずつ人間らしくなっていく様子を見守るのがほんと楽しかったです。

そして、カリアラを囲む登場人物たちがまた素晴らしいんです。カリアラの体の作成者であり保護者でもあるサフィギシル、カリアラと共に暮らしていた人魚のシラをはじめ、みんな笑って悩んで懸命に生きているのが伝わってきて、どんどん好きになっていきました。カリアラとの間だけじゃなく、相関図書いたら埋まりそうなくらい色んな繋がりがあるのがいいなと思います。皆の人となりがよく理解できた途中からは、切なさや微笑ましさで胸一杯になる面が多すぎて大変でした。あえて好きなキャラ1人挙げるならお人よしなペシフさんかな、家族といるときの姿にはどうしても口元が笑ってしまいます。

世界観も面白いです、魔術の設定などよくできているし、一件の家から段々と世界が広がっていくのにはワクワク。広がっても広がっても底知れないのもまた魅力。キャラについてもそうなんですが、情報を小出しにしていくのが上手くて、「おっ」と思う箇所がたくさんあります。

忘れちゃいけないのが古戸さんのギャグセンス、カリアラを中心としたボケラッシュが凄い。『子分』には噴き出しました(パブリックスペースで)。外で読むのはいろんな意味であまりお勧めしません。

長期連載なのに完結していないのが少しだけ難点。ひどいところで途切れてるわけではないし、更新が再開される見込みもあるんですが、これから描かれる部分がとてつもなく面白そうで、おまけに相当長そうなので、ちゃんと完結までいくのかが不安です。完結したら自分の中で「wonder wonderful」超えそう(現時点で同等くらい)なので、完結してくれますように。
ちょっと掴みが弱めで加速度的に面白くなっていくので、もしこれから読む人は最低でも3話4話あたりまでは読むのをお勧めします。