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 5月16日(日)


【今日読んだ本】

ミストボーン―霧の落とし子―3 白き海の踊り手 (ブランドン・サンダースン/ハヤカワ文庫FT)amazon

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《あらすじ》
七千人のスカー反乱軍は、大半が失われた。一度は潰えたかに見えたケルシャーらの計画だが、いまや帝都ルサデルの警備兵たちは街を離れ、相次ぐ暗殺事件によって貴族家間の緊張は高まった。帝都ルサデルの崩壊の準備は整いつつあるのだ。だが、十一番目の金属は本当に支配王を殺せるのか? ヴィンの貴族青年エレンドへの想いは? そしてケルシャーの本当の計画とは? すべての読者の心をふるわす衝撃と感動の完結篇!


女の子が合金術バトルをしたり貴族社会に潜入したりと駆け回る「ミストボーン」第1部完結編。まずはお馬鹿な予想を一つご覧ください。

支配王の影に攻撃ができない → 12番目の金属を飲んでこっちも影になって攻撃するんだな!

はい全然違いました。こんな感じで、こちらの浅い読みを自然に裏切り続ける展開で、息もつけずに読みきりました、面白かった! マーシュのあれとかケルシャーのあれとか、盛り上がるところの驚きが半端ない。鋭い人なら色々見通せるんでしょうけど、気づかないおかげで著者の術中にはまれるので、鈍い読み手でよかったです。

特に裏をかかれたのがエレンド。絶対ヘタレルート一直線だと思ってましたごめんなさい。戻ってきたエレンドはかっこよかったです、ヴィンの喜ぶ姿がとても印象的、よかったねヴィン。でも結構考えをコロコロと変えてるところを見るとまだ完全には信用できません。裏切るなよ! 絶対ヴィン裏切るなよ!(フラグ)

そして、一区切りついたのに謎は増えているという。各章冒頭を読み返したくなります。暴徒化の伏線あたりを見ると、続きではスカーと人間の違いが中心になるんでしょうか。支配王が抑えていたのはスカー? あと、リーンの影響力がこれで終わるとは思えないので、何らかの形で再登場あるかもと考えていたり。これ以上書くとまた予想大外れで恥ずかしいのでやめときます。ミストスピリットも積んであるので早めに。


評価 ☆☆☆☆(8)



 
 5月14日(金)


【今日読んだ本】

銀の海 金の大地6 (氷室 冴子/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
波美王によってさらわれた真秀。依頼主の目的は、佐保彦を息長から立ち去らせることらしいのだが…。一方、真秀はわずかな隙をついて、自力で脱出を試みる。はたして、佐保彦はどう決断を!?


氷室さんの鬼っぷりが冴え渡ってきた古代ファンタジー「銀の海 金の大地」第6巻。

真秀が別人のようにたくましくなってびっくりでした。犬を殺すほどの行動力に金の砂と呼ばれるほどのかっこよさ、1人きりになってこんなに一気に成長するとは。まだ激しやすい面もあるけど視野が広くもなっているし、芯が1本通っていて真秀にようやく好感持てました。家族の存在がそんなに枷だったのか、それとも自分の真秀に対する見方が穿ちすぎだったのか。その辺はいつかする再読で確認してみます。

真秀と同じくらい驚かされたのが須久泥王。虚無的で道化としてかきまわす脇役なのかなと思っていたら、そういう役回りですか! 幼い時の無力さと諦観の末の裏切り、そうせざるを得なかった苦しい心が痛くて痛くて。歌凝姫の悲しい想いと合わせて切なすぎました。
美知主は恐ろしかったけど、真秀に対する反応などを見てるとやっぱり憎めません。でもこの後は須久泥の独白が現実になるんでしょうね。氷室さん鬼だほんと。

こんな鬼な展開なので、小由流に勾玉が渡された時に「これ死亡フラグ!?」と疑ったのも自然ですよね? つけてたから山賊に狙われてとか、真秀との繋がりを狙われてとか、色々考えられますし。その後の展開見るとすぐ死ぬことはなくなったみたいで何よりですが、だからといって今後怖いのは変わりなし、いい子なのでこれ以上ひどい目に会いませんように。真澄亡き後の真秀の支えになってくれるといいです。

さて、次あたり真澄が……でしょうか。まさかの予想裏切りがくるといいんですが。


評価 ☆☆☆☆(8)



ダブル・エンゲージ 偽りの姫は騎士と踊る (渡海 奈穂/一迅社文庫アイリス)amazon

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《あらすじ》
父王を家臣に殺され、ヴィスターン王国を追われたディアナ姫。彼女を支えたのは、幼い頃から忠誠を尽くした女騎士・エフィだった。彼女へ想いを募らせるディアナだが、秘めた気持ちを伝えられない理由があって…? 恋心を抑えたまま、故国を取り戻すため旅に出るディアナと、付き従うエフィ。しかしヴィスターンに向かう途中、ディアナは娼館に囚われてしまい――!? 素直になれない姫と誠実な女騎士がはぐくむ百合ファンタジー開演!


渡海さんの2冊同時刊行のもう1冊、姫様と騎士の百合ファンタジー。

何故か心動かされないお話でした。やや幼くて勝気な亡国の姫ディアナと姫様に全てを捧げている騎士のエフィが祖国を目指して旅をして――、というストーリー。主人公が勝気な姫っていうのは好みな設定ですし、どうみても端から両想いなのに勘違いでじれったいところとかうまいなあと思うんですが、何かが足りないのかときめかず。特にエフィに全然惹かれませんでした。百合自体は全然苦手じゃないんですが、こういう誠実なタイプは駄目なのかも。もう少し途中で内面の狂おしい描写があればよかったかもしれません。

2冊同時刊行ときいて想像していたよりは話の繋がりは薄めでしたが、カバー裏の遊びとかは本編をうまく活かしてて好きです。こっちのカバー裏のジェイラスがよい不憫でした、振り回され×2のカップルとか素敵です。

渡海さんはウィングス本誌でもぼちぼちと作品出し始めたので、そちらもそのうち文庫化されないかなーと期待。夏号ではおがきさんとのコンビ、どんな話なのか楽しみです。


評価 ☆☆★(5)



 
 5月12日(水)

今日もメルフォレス。

>ヤフオク情報くれた方

情報ありがとうございますー、見ると大抵4桁円なのにタイムリーですね。終了までこの価格なのを祈りつつ監視してみます。


【今日読んだ本】

マルタ・サギーは探偵ですか?2 冬のダンス (野梨原 花南/富士見ミステリー文庫)amazon

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《あらすじ》
舞台は異世界、霧の街・オスタス。スレイリー・ドラゴン誘拐事件で一躍その名をあげたはずのマルタだったが相変わらず貧乏だった。そんな折、オスタス市民に愛される、怪盗ドクトル・バーチが突如消息を絶った……。


野梨原さんがおくる探偵でカードバトルなファンタジー「マルタ・サギーは探偵ですか?」第2巻。

ああ、これはいい話でした。男主人公で恋愛描写薄めな分、いつもの野梨原さん作品よりも優しさ成分が5割増し。主人公で探偵のマルタと助手のリッツに、怪盗バーチを交えて描かれる暖かさが凄く胸に染みました。苦しみも感謝も、感情がストレートな野梨原節大好きです。時々脱線しながら進むのも好き、この辺は信者ですねもう。

短編集ではバーチのかわいさに惹かれてましたが、2巻でリッツ派に鞍替えすることにしました。アウレカへの嫉妬がかわいすぎ、嫉妬するくらいマルタのことを好きになったんだなあと思うと胸がホカホカ。デアスミスの仕掛けが怖いですが、この2人なら負けることはないと信じたい。
初々しい恋(?)もかわいらしくていいものでした。なんとなくジョゼフ犬は最後までマルタにはバレなそう、それで関係進むのかが気になります。

そんなリッツに転んだ巻でしたが、この巻で一番きたのはジャックさんの名台詞。バーチを一言で救ったのはかっこよかったです、部下の皆さん共々素敵。

カードバトルはチートカード多すぎてルールが意味ないのが悲しいですが、今後まともなバトルあるのかな? その辺も含めて続きが楽しみ。


評価 ☆☆☆☆(8)



銀の海 金の大地5 (氷室 冴子/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
真澄との激しい闘いに敗れ、佐保彦の腹心・燿目が死んだ。その衝撃はあまりにも深く、影の病となって真秀の心を苦しめる。そんな真秀が、波美王に誘拐された! 何者かに依頼を受けたらしいが。


古代大河ファンタジー「銀金」第5巻。

引きが鬼だ! なんて不吉で先が気になるところで切るんですかこの氷室さんは。最後に出てきた予言、真秀のせいで力が封印されたことによる間接的な要因ならいいんですが、直接的だとすると容赦なさすぎ。一体どういう展開でそんなことになるのか、恋か操りあたり? あるいは佐保彦をかばって?

他の部分も、これから良くない方向に行きそうな雰囲気がどことなく感じられるのが気がかり(穿ちすぎ?)。美知主の平和な大和統一の野望とかきっと果たされないだろうなと思うと胸が苦しくなります。真若王が空気読まずにぶち壊しそう。須久泥の述懐を見ると、案外真若がなったりするのかも、それはとても嫌だ。

佐保方面では速穂児の激情が印象的。半身みたいな存在に裏切られて、敵も目の前にいて、こうして状況が落ち着くとしんどい状況がよく分かりました。暴走→破滅ルートに行きませんように。

あとがき読んで自分の感想振り返って、読み方アレだなあと思ったりしましたが、すぐに真秀の印象などが切り替わるわけでもないのでこのまま読み進めます。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 5月11日(火)

メルフォレスー。

>魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」というweb小説が超面白い
>らしいです。時間があるときに一つ読んでみてはいかがでしょうか?

お勧めありがとうございます! 最近大評判になっていることもあり、実は少し前から読み進めていたりします。今のところ巷の熱狂ほどハマれてはいませんが、先は気になるのでマイペースで読んでいきます。


【今日読んだ本】

ウィザーズ・ブレイン VIII 落日の都 〈上〉 (三枝 零一/電撃文庫)amazon

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《あらすじ》
北極衛星の事件から半年。世界中から魔法士の亡命を受け入れることでシティに匹敵する戦力を有するに至った賢人会議は、ついにシティ・シンガポールと正式な同盟を締結することになった。真昼とフェイを中心にして調印式の準備が進み、魔法士たちの暮らす島は活気に包まれる。だが、その動きに不信感を募らせるシンガポールの反対派議員たちは、秘かに謀略を巡らせていた。同盟締結を阻止せんと彼らが用意した、意外な『駒』。それが、世界の運命を変えることになる、大事件の引き金だった──。


寡作で傑作なSFファンタジー「ウィザーズ・ブレイン」最新刊。

まさかここで1巻ネタが出てくるとは思いませんでした! もう記憶の彼方だったため、再会シーンで「えっ!」と驚愕。読了後に1巻引っ張り出して、ようやく思い出しました。2巻3巻5巻あたりは結構再読してるんですが、1巻はかなりご無沙汰だったので懐かしかったです、もう9年前なんですね。
この子をはじめ今回登場の面々を見ると、きっと1巻の面子との直面があるんだなあと予想されて、今からどんな戦々恐々です。錬とフィア頑張れ頑張れ。

オールスター集結で事件の準備な展開の中、びっくりしたのは真昼が打ち明けちゃったこと。え、その秘密共有して大丈夫なの!? 人間と魔法士の緊張状態の中で漏れたら無茶苦茶やばいネタでしょうし……。とことん劇薬投入? いやまさか。

最後の展開は、まあそのうち落とし穴に落ちるだろうなとは思っていたので、ようやくきたかといった感じ。不確定要素多い割にあっさりうまくいったのが不思議な感じでした、これが本職軍人の底力ですか。あとがきで「石を投げられそう」という記述ありましたが、石投げるならファンメイいじめてた前巻とかその前で投げてますよ!(ファンメイ大好き)
それよりは冒頭詩の死亡フラグが気がかりです。メインキャラが固まってきてから、メインには死亡者出てないんですよね。そろそろ誰かしら出てもおかしくないですよね……。

4ヶ月先の続きは、まあ上出てからは大抵順調なので出るんじゃないでしょうか、うん。のんびり待ちます。


評価 ☆☆☆☆★(9)



 
 5月8日(土)


【今日読んだ本】

マルタ・サギーは探偵ですか? A collection of s.  (野梨原 花南/富士見ミステリー文庫)amazon

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《あらすじ》
異世界・オスタスで、名探偵事務所を営むマルタ・サギー。駆け落ち事件に怪盗騒ぎ――解けない謎はないマルタにないもの、それは生活能力だった。だから働き者の助手・リッツには、ゴハンの苦労をさせるし、好敵手関係のはずの怪盗ドクトル・バーチには、生活の心配されちゃうし……。それでもニコニコ暮らしているマルタを見ると、生きる気力がわきますよ〜! いやマジで!! DM増刊号に掲載された短編+書き下ろしが、文庫になって登場です!


野梨原さんが富士ミスで出していたシリーズの短編集第1巻で通算第2巻目。
このシリーズ、数年前に1巻に手を出していて、その時はボロボロな評価をしてます。で、野梨原さんのファンになった今、改めて1巻を読んでみたら普通に楽しめました。昔は野梨原さんのいい加減さ(いい意味で)が受け付けなかったみたいです。年月がたつと感性も変わるものですね。

それはさておき、この短編集の感想。乙女なバーチがかわいすぎる! 主人公のライバルのかっこいい怪盗のはずがどんどんイメージ崩壊していきました、主人公の前にいくと途端に駄目な乙女化するのがかわいいのなんの。どうしてここまでベタ惚れに至ったのかは是非とも読みたいところ。

全体的にほのぼのした雰囲気で他のキャラも全体的に好感度高め、中でも助手のリッツはお気に入り。苦労人ときどき年相応の少年、といった具合で、いい加減なマルタの性格とうまく噛み合ったいいコンビだと思います。
苦労人なだけじゃなくてちゃんと有能なのも高ポイント。この巻で一番好きなのはバーチの変装がリッツにあっさり看破されるシーンでした、バーチ間抜けだよかわいいよ。

今後しばらくはマルタ、銀金、新刊でローテーションしていく予定。


評価 ☆☆☆★(7)



企む王子は殺し屋と踊る ダブル・エンゲージ (渡海 奈穂/一迅社文庫アイリス)amazon

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《あらすじ》
貧乏傭兵隊を立て直すため、エステルが引き受けたのは、ヴィスターン王国のアルヴィン王子暗殺だった。王宮メードとして潜り込み、冷酷非道と悪名高いアルヴィンを殺そうとするエステル。だが、暗殺はうまくいかない上、強引にキスまでされてしまう。混乱し、城を抜け出したエステルを待っていたのは、王子を殺さないと解けない『死の呪い』に倒れた仲間達で…!? 傍若無人なオレサマ王子と純情殺し屋少女が踊るラブファンタジー開演!


渡海さんがおくる2冊同時刊行のファンタジー、こちらは暗殺者の少女がターゲットの王子を好きになるお話。

気持ち傾くの速!!! 敵同士の恋愛物は大好きなので、どんな風に恋心が生まれるのか楽しみにしていたら、出会って即陥落。アルヴィンの一目惚れはいいんですが、エステルはもう少し恋にいくまでの過程が読みたかったです。

でも、恋するエステルがかわいかったので、これはこれで問題なし。なんとか惹かれまいとするのに、アルヴィンに上をいかれてドツボにはまっていくのがかわいらしかったです。打てば必ず反応が返ってくる正直さが、からかい好きな俺様アルヴィンとお似合いでした。しかし、幽霊にも無茶苦茶動揺してるし、暗殺者に向いてないですよねエステル……。

少し不憫だったのが傭兵隊の面々。きっとエステルは隊の一人娘で大切な存在だったと思うんですよね、それが寝ている間に俺様王子に奪われて……。ファーン南無。ファーンにリベンジの機会があるといいし、隊の名前の伏線も気になるので、続きで旅路が読めると嬉しいです。


評価 ☆☆☆(6)



 
 5月6日(木)

そういや5月購入予定を書き忘れてました。少数精鋭な布陣、中でも古戸さんの新刊は楽しみ。

レッド・アドミラル 羅針盤は運命を示す (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)
ウィザーズ・ブレイン VIII 落日の都 〈上〉 (三枝 零一/電撃文庫)
〈運び屋〉リアン&クリス 天国になんか行かない (清家 あきら/ウィングス文庫)
はなひらく ―淵国五皇子伝― (古戸 マチコ/一迅社文庫アイリス)
SH@PPLE ―しゃっぷる― (9) (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫)
天使から百年 魔人と主人と廃棄物 (野梨原 花南/富士見ファンタジア文庫)
魔王様げ〜む!2 (渡島 健康/メガミ文庫)
ココロコネクト キズランダム (庵田 定夏/ファミ通文庫)


【今日読んだ本】

レッド・アドミラル 羅針盤は運命を示す (栗原 ちひろ/角川ビーンズ文庫)amazon

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《あらすじ》
「私が軍服を着ているのは戦うためだ」。軍服の麗人ロディアは容姿端麗頭脳明晰にも関わらず、転属願いを却下され続けていた。しかしランセ艦長に強さを見込まれ軍艦に配属されるが、乗組員は実力主義の曲者揃いで!?


男装主人公と聞いて即購入を決めた、栗原さんのビーンズでの新シリーズ。

カロルかわいいよカロル。何かポイントずれてる感想ですが気にしない。
有能だけど女ゆえに冷遇されている女軍人が、艦長をはじめ癖ある乗組員揃いの軍船に乗ることになるお話。この乗組員の1人であるカロルが気に入りました。こういう途中から好き好きオーラを出すツンデレ少年は大好き。カロルの場合、艦長のことも好きなのでツンデレのおいしさが倍でした。

カロル以外も変わり者が揃っていて、ロディアが驚いたり振り回されたりしながら、打ち解けて船の一員になっていく様は楽しかったです。今後アルデアと仲良くなって最強タッグ作ったりするとますます楽しそう。
ロディアとランセの関係にはあまりときめけず。ロディアが男前すぎてそういうシーンに色気感じませんでした。気持ちのいい信頼関係でいいコンビだとは思うんですが残念。

個人的に「えー」と思ってしまったのはファンタジー的な能力関連。「どれもこれも反転って、基準どうなってるの」と叫びたくなりました。1人ならともかく、こんな大ざっぱな神様たち嫌です。

船の面々の活躍はもっと見たいので、続きも購入予定。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 5月4日(火)


【今日読んだ本】

銀の海 金の大地 2〜4 (氷室 冴子/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
真秀は息長の邑で母と兄の三人で暮らしているが、息長族ではないため強いヨソ者意識を持ち、母の故郷・佐保に憧れている。母の病に効く薬を貰うための丹波への旅から帰った真秀に、息長の若首長・真若王は微妙な関心を寄せ、鮒彦も何かと親切にしてくれる。その真秀は初月立を迎え、月の忌屋にもう十日も篭っている。ようやく忌明けが告げられたが、真若王の命を受けた使いが待っていた。


昨年頭に1巻を読んで以来ごぶさただった名作「銀の海 金の大地」。欠け巻も揃えたしいい加減手をつけよう、ということでがんがん読むことにしました。まずは2巻から4巻まで。

引っかかるところもあるんですが、ストーリーはどんどん面白くなってきました。近い血筋ばかりでねじれあった人間模様のやるせなさに加えて、3巻あたりからは部族間の策謀が描かれたりと倭全体に目を向けた壮大さも出てきたのがいい感じ。対策を練る美知主視点が読み応えありました。心を冷たく保つ中で時折感情を覗かせる美知主は寂しくてちょっと切なくなります。真秀に提案突っぱねられてなければもう少し違ったんでしょうか。

切ないといえば佐保彦。血筋の業の深さのせいで板ばさみになるのが見ていて苦しかったです。少年らしい頑なな姿から大人になっていくのが格好良くて、佐保彦が登場人物の中では今のところお気に入り。2巻のあとがきで「真若王が意外に人気あって、佐保彦はボコボコに言われてる」とあってびっくり、個人的には2巻の時点でどう考えても逆だったんですが……。

引っかかってるのは、1巻に引き続き真秀。どうしてこの子は読み手がそっち行くなと思う方向に行きたがるんでしょうか……。人の話も聞かずに幼い感情をぶつける姿は、イライラを飛び越えて痛々しく見えてきました。確かに苦しい環境だけど、もうちょっと落ち着いてくれてれば色々変わりそうなのにとやっぱり思ってしまいます。もう共感とかは諦めて、真秀はこういう子なんだと割り切ることに。

この先も楽しみですが、一つ気になってきたこと。これ、真秀の章で終わるんですよね? 章タイトル的にも、このペースだともしかして転生までいかないんじゃ? 


評価 ☆☆☆★(7)