6月11日(金) |
メルフォレス。 >王理高校読んだ方 おお、面白かったなら何よりです。「Web小説だからおもしろい」というのには結構同感。山の作り方なんかWeb小説ならではですよね。瞬発的な面白さというか、1節読み終わったときに次もつい読んじゃいたくなる引力が王理高校は強いなと思いました。 お勧めいただいたキミギミック、もう読んじゃってました。元々「片思い四角関係」に釣られてキミギミック目当てに行き着いて、そこで王理高校が目に止まって先に読んだのでした。キミギミックもお勧めです、わけあって偽装カップルを一緒にやっている外道に惚れてしまった主人公の千代子さんがかわいいのです。 【今日読んだ本】 ◆ 金星特急2 (嬉野 君/ウィングス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 金星特急には途中乗車も下車もできない。強行すれば樹に姿を変えられる。次々と困難に襲われる中、錆丸は砂鉄とユースタスに助けられてばかりの己を腑甲斐なく思い始める。強くなりたい、せめて自分を守れるくらいに――。金星特急の次の停車地は密林のど真ん中。金星の所望する《王の火》なるものを手に入れるため、密林の奥深くに分け入った錆丸達だが……!? 三人の関係も次第に動き出す、人気シリーズ第二弾!! 現代とは少し違う世界を舞台に、でこぼこ3人組の冒険を描いたSFファンタジー「金星特急」第2巻。 相変わらず無茶苦茶面白いです。東京から出発した電車は進んで、今巻は未開の地が舞台の中心。現実と少しずれた世界観で何が出てくるか分からないのはやっぱりワクワクしますし、意外と聡いところもある錆丸、大食いボケのユースタス、なんだかんだで最後には甘い砂鉄、の3人組が噛み合っていて楽しい旅路でした。こう書くとユースタスひどい……。 本編は本誌で既読なのでこの辺で置いといて、書き下ろしですよ書き下ろし。とてもときめきました、裏でこの2人こんな進んでただなんて! 冷静に振り返ると餌付けしてるだけなのに甘いこと甘いこと、無意識なユースタスかわいいなあ。最後の氷砂糖にゾクゾクっときました。 今のところ本誌ではすぐ続きの5話まで進行中。5話も凄いです。凄いです。待ちきれない人は今出ているウィングスの春号を買うと5話がすぐ読めます。どうですか?(ウィングスの回し者) 評価 ☆☆☆☆★(9) |
6月9日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ マルタ・サギーは探偵ですか?7 マイラブ (野梨原 花南/富士見ミステリー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 念願のバーチとのデートを果たしたマルタ。いい雰囲気だと思っていた矢先、バーチの正体である女性実業家・マリアンナと宝石王ランの結婚が発表される。一体どうして? バーチの本心に秘められた謎を解く、最終巻!! 「マルタ・サギー」完結編。 面白くて惜しい最終巻でした。デアスミスの策略との対決の話でしたが、対決自体よりもその中で恋するマルタとバーチのかわいらしさに目がいきました。マルタにからかわれるバーチモードのバーチが最高。前半のバーチのベタ惚れっぷりにもゴロゴロしました、空気読まずに怒られるデアスミスがいい気味。恋して悩んだ末の、そうこなくっちゃっと思える爽快で美しい終わり方が好きです。 総じて活躍したサブキャラの中では、ジョゼフ犬が目立っていたのが嬉しかったです、そんな強かったんですねジョゼフ犬。「男の子って〜」の台詞がやけに頭に残りました。この台詞からの連想で、エンド後のマルタ家+バーチの力関係を想像してみたんですが、そう簡単に並べられるものじゃなさそう。でも素敵な日々だろうってことだけは分かります。あ、きっと最強はバーチ家のメイドさんたち。 これでエピソードがもういくつかあればなあ、と思わせるのがとても惜しい点。リッツとジョゼフ犬の顛末などは想像できるのでまあ我慢するとして、バーチがマルタに惚れたきっかけの短編は存在するらしいし読みたかったなあ。富士ミス死亡ですし、言っても詮無いんですけど。 あと、野梨原さん作品って敵キャラがいつの間にか敵っぽくなくなっていることが多くて、このマルタでもそういうところあるんですが、この最終巻ではその変化がしっくり来ず。デアスミスの目的の動機やリッツへの気持ちが、自分の中でうまくまとまってくれませんでした。これもページ数あれば違ったかも。 これでここ数年の野梨原さん作品は大体コンプ。「天使から百年」を読んだ後はもう少し古いのにも手をつけるつもりです。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ ブランデージの魔法の城 魔王子さまの最強の敵 (橘香 いくの/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ケンカはするものの相思相愛のドナティアン・シャルルとアドリエンヌ。結婚の話を進めようとするドナティアンに対し、アドリエンヌは身分差を感じ尻込みしていた。そんなある日、宮廷から使者が…!? 自称凡人少女と魔法使いな王子様のラブファンタジー「ブランデージの魔法の城」第3巻。 お師匠様が楽しそうでした。なかなか素直になれない2人、それを年の功で見守るポジションが楽しくないわけがないですよね。笑ったりアドバイスを送ったり、露骨に表には出さなくても、不肖の弟子の成長を喜んでいるのが分かって、いいリスライフをおくってるなと思いました。 アドリエンヌの奇行が今までよりも少なくて、コミカル成分が物足りなかったのは残念。このシリーズで一番楽しみにしているのはコメディなので(一番好きなのは1巻の2話)。でもその分甘さが増量していたのはよかったです。アドリエンヌへの想いを自覚してきた王子が弱くなっていくのにどうなることかとハラハラしたり、最後の浮いた台詞にうわーとなったり、楽しめました。 次は王宮編? 王妃サイドはどうせどうにでもなるとして、パットの動向が気がかり。王子がまた身を引く方向に誘導されないといいんですが。 評価 ☆☆☆(6) |
6月7日(月) |
メルフォレスー。 ・以前に銀金薦めてくださった方 おお、薦められてから相当時間たってしまったのに、見てくださってありがとうございます、楽しんでいただけたなら幸いです。古代物苦手補正がかかっても、銀金は十分楽しめました。 「ヤマトタケル」で佐保姫、佐保彦についての記述が少しあり、ですか。史実はろくに覚えてないので史実通りでも問題ないですし、気になるので探してみます。 ・銀金イラスト集について教えてくれた方々 情報ありがとうございます! 短編も載ってるよ的な話はどこかで耳にしていたんですが、歌凝姫と須久泥王の話だったんですね。少なくともamazonでは入手できそうですし、これは手に入れて読むしか。 【今日読んだ本】 ◆ マルタ・サギーは探偵ですか?6 オスタスの守護者 (野梨原 花南/富士見ミステリー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 オスタスに戻ったマルタは、バーチをデートに誘う。しかしバーチの正体であるマリアンナは、宝石王・ランから求婚されていた。マリアンナは「怪盗バーチが貴方の宝石を盗めなかったら、結婚します」と言うのだが!? オスタス帰還後のマルタ・サギー第6巻。 マルタかっこよかった! ずっと気がかりだったバーチの複製事件がついに運命として襲い掛かってくる展開。バーチに教えないで全てをかけてそれを食い止めようとするマルタがとても男前でした。マリアンナさんへの直球の「守ります」にはバーチじゃなくても胸キュンだし、バーチを見て嬉しそうなマルタはかわいいし、いいなあこのマルタ。蓑崎での日々が息づいているのが感じられてたまに苦かったりもしましたが、ジャックさんと真向かうだけの胆力もついたし、7年間の成長が活きてるのは何より。 でもマルタが一気に成長したってことは残された人とのギャップがあるわけで。追いてかれた感たっぷりのリッツを見るのは胸が苦しかったです。まさかの再登場のケインが地味にいい仕事。そんな中でも「幸せになれよ」とマルタに言えるリッツが素敵でした。この手の台詞には弱いです。 デアスミスの企みが勢い増しているけど、あんなラストを見せられたら、あとはハッピーエンドに向かって突き進むのみ。リッツとジョゼフ犬の関係もちゃんと描かれるといいな。 評価 ☆☆☆☆(8) |
6月5日(土) |
【今日読んだ本】 ◆ 銀の海 金の大地11 (氷室 冴子/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 “滅びの子”の真実を知った真秀は、真澄と佐保を離れて2人で静かに暮らそうと決意する。だが、真澄は真秀とのかなわぬ恋の果てに、炎の中にその身を投じようとしていた! <真秀の章>完結。 銀金最終巻。 あとがき……! 氷室さんが亡くなられた時に銀金の続きが読めないことを嘆く声をたくさん見かけましたが、とても納得。こんな面白そうな佐保彦の章が読めないなんて。なまじ予告されているだけに残念でなりません、歌凝姫と須久泥王のその後は見たかった。 通して読んできて、真秀の家族への気持ちが揺らがなかったのが強く印象に残っています。心の拠り所であったとはいっても、相当な負担だったのは間違いないのに、世界が広がっても愛情が変わらなかったのが凄い。亡くなった御影に対する悲しみの深さに胸うたれました。 もう1人の真秀の家族である真澄。真澄はなあ、真秀の幸せを願う道はなかったんでしょうか。これからの真秀を待っている運命を思うと、そう呟きたくなります。神々の寵児ながら意志持ちという厳しい生い立ちは、運命の一番の被害者と言っていいとは思うんですが、うーん。これなら途中でアクションを起こすタイミングはなかったのかな。真秀への愛が依存と区別しづらいし出番も後半少なくて、最後までイメージがうまく掴めない人でした。 真澄の転生先は、タイミング的には日触? 佐保の血は引いてないけれど、同父でしかも憎むべき相手、という容赦なさすぎる運命は待ち受けていても不思議じゃないような。違うかな、でも正解が分かることはないんですね。 佐保姫の目が覆い隠されてしまったり残念なこともあったけれど、美知主だけでも希望を抱いたラストを迎えられたのはよかったです。先日も書いたようになるべく近いうちに再読したいです、読み落としもありそうですし、真秀をはじめ、受ける印象が全然変わりそうですし。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 叫べ、涙溢るるこの心 幻獣降臨譚 (本宮 ことは/講談社X文庫ホワイトハート) 【amazon】 《あらすじ》 光焔(こうえん)の力でシュータン軍の幻獣部隊を壊滅させたアリアは、捕虜とした敵国の少女や兵士との交流を通じて、かの国の有りようやリダル神の信仰について知っていくことになる。そして、『涙なきイティス』との対戦は、すぐそこに迫ってきた!その頃、アランダム騎士団では、鍛冶司のパジャンが暗黒教団『虚無の果て』と手を組み、裏切って島の乗っ取りを画策していたが……。 主人公が向かうところ敵なしのファンタジー「幻獣降臨譚」第17巻。 進む進む詐欺に疲れてきました。今回も怪獣大戦争なしとか、もうあとがき予告が信じられません。本宮さんは1冊で話まとめる筆力もあるはずなのにこのペース、どんどん引き延ばしに思えてきます……。ハーレム状態のアリアの動揺かわいいな、とかそこそこ楽しめはするんですけど、それよりもディクスとシェナンと結末が見たいんですよ!!!! 短編で燃料補給しなくてももう十分エピソード積み重なってると思うので、一気に進んでください。 そんなこの巻、一番インパクトあったのは第3章のタイトル(マルチェのあれ)。シリアスとは全くそぐわないド直球っぷりに思わず笑っちゃいました。 ここまで伸びるとあと10冊くらい続きそうな、いやまさか。さすがに次は怪獣出ますよね? 評価 ☆☆☆(6) |
6月3日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ 銀の海 金の大地10 (氷室 冴子/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 真秀がやってきてからというもの、災い続きの佐保。速穂児は佐保のために、真秀を抹殺しようと考える。そして、佐保の霊威“那智”と真秀の壮絶な超能力合戦がくりひろげられようとしていた…。 あああ、そういうことだったのか! 激動の第10巻で、驚かされっぱなしでした。これだけ伏線があったんだから注意深く読んでいれば絶対もっと早く気づけたはずで、過去の感想を振り返ったりするととても情けなかったり悔しかったり。 でもそんなことよりも、突きつけられた真実の過酷さに打ちのめされました。1つの恋から歯車が狂っていった御影たち姉妹の人生も悲しかったけれど、まさか佐保彦と佐保姫にこんなにきつい運命が待ち受けているなんて。母親の思いが分かったときにはもう……、というのがやりきれない。前巻からの佐保姫を巻き込む激流が容赦なさすぎです。 でも、一番辛いと思ったのは速穂児。全てをかなぐり捨てて王子と佐保のために動いた結末がこれだなんて。最終的には王子第一だろうけど、相当な葛藤はあったでしょうし、終盤の一言一言は重かった。長く辛い闘いは是非見たいんですけど、叶わないんでしょうね……。 そんな中で癒されたのは、美知主が無事野望を達成できそうなこと。苦い思いをするのがそっち方面で本当によかった。御影への想いをそんなにはっきり感じたことはなかったんですが、真秀にあれだけ執着したし、ずっと手元に置いてたわけだし、振り返れば納得でした。 残り1冊でどこまで描かれるのかさっぱり検討がつきませんが、皆が前に歩いていく終わり方であることを祈ります。読み終わったら再読したい。 評価 ☆☆☆☆(8) |
6月2日(水) |
【今日読んだ本】 ◆ 銀の海 金の大地9 (氷室 冴子/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 母・御影の死は近い…。その死を安らかに迎えさせるために、ついに佐保入りした真秀たち。だが予言が果たされるように、彼らが佐保にやってきてから、次々と禍々しい出来事が振りかかって…! 最終章突入の「銀の海 金の大地」第9巻。 嵐の前の小競り合いといった感じでした。水面下の争いの末に佐保に集結していく展開は緊張感があってドキドキ。佐保彦は一気に大人になってかっこよくなったなあ。美知主に肩入れして読んでる身としては、どんどん計画が崩されていくのが辛いんですが。もう敗北一直線しか見えない……。 ていうか氷葉州姫ですよ、そんな無計画に動いていたとは。彼女が犯人だろうなとは予想ついていて、もう少し深い考えがあるのかなと思ってました。8巻の感想でも書きましたが、家族間での捻れた想いゆえに崩れていくのは切ないです。 家族といえば真秀と佐保姫も。いきなり突きつけられた佐保姫だけじゃなくて、淡々と過去を語る真秀も辛そう。外からの視点で描かれると真秀の過去のきつさがよく分かります、1巻の頃の印象を上回ってました。佐保姫が真秀を切り捨てられるとは思えないんですが、佐保と天秤にかけることになる? あと、真秀関連ではなんといっても勾玉。ここで戻ってきちゃうんですか! 佐保彦との別離へのフラグ立てが着々と進んでいるのがもう。佐保彦追い返す真秀も悲しそうだし、せめて初寝の時(?)だけは素直に心通じ合う2人が見たいです。 真澄死亡が予言されてから長い間焦らされてますが、次でしょうか。人々が描かれている間に真澄はすっかり影が薄くなったような。今の真秀がどういう反応をするのか予想つきません。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ マルタ・サギーは探偵ですか?5 探偵の堕天 (野梨原 花南/富士見ミステリー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 丸太がオスタスから蓑崎に戻されてから、7年が経った。カード戦争に復帰する手がかりを求めて、探偵事務所でアルバイト続ける丸太。絶望にも似た日々を送る中、ある人探しの依頼が舞い込んで……!? 最初の一文でやられました。 前巻の最後が力技の急展開で、この巻次第だと思っていたらいきなりガツンと。一文に重みが凝縮されていてじわりときました、この時点でこちらの負け。 オスタスに戻りたいという強い気持ちはもちろん理解できて、でも7年間マルタが築いてきた生活での繋がりも大きくて。マルタの繊細な心に森川や早紀の優しさが物凄く響くんですよ。読者視点だといつか捨てることになると分かるだけに胸が苦しかったです。早紀は野梨原さん作品らしい感情があけすけな良いヒロインでした。告白後のパワフルさに「魔王」シリーズを少し思い出したりも。 失ったものは大きい上にリセットは頭になくて、マルタの悲しみに胸が一杯になったけれど(チーズ鱈!)、オスタスでのマルタの姿を見ると帰ってきてよかったと思います。最後の1ページのリッツとマルタの台詞が泣ける。 結果だけ見ると、ジャックに交際を認めさせるための長い長い旅路、と言えなくもないですね。前巻でのジャックの台詞の時点ではこんな展開はもちろん頭になかったですが。残り2冊、告白シーンが楽しみです。 評価 ☆☆☆☆(8) |