7月31日(土) |
8月購入予定。コバルト先倒しの影響で少なめ。過去に例のないビーンズ率の高さです。 アリアではじまる聖譚曲 略奪者は聖女をうばう (西本 紘奈/角川ビーンズ文庫) シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と青の公爵 (三川 みり/角川ビーンズ文庫) 花は桜よりも華のごとく (河合 ゆうみ/角川ビーンズ文庫) 白と黒のバイレ 踊れ、終演のカンテと共に (瑞山 いつき/角川ビーンズ文庫) 薔薇のマリア 14. さまよい恋する欠片の断章 (十文字 青/角川スニーカー文庫) クロノ×セクス×コンプレックス2 (壁井 ユカコ/電撃文庫) 姫君返上! 〜聖者の花嫁となる者〜 (和泉 統子/ウィングス文庫) キッドナップ・ブルース (高畑 京一郎/メディアワークス文庫) ダイヤモンド・スカイ 烏龍の姫 (本宮 ことは/ルルル文庫) 【今日読んだ本】 ◆ 風の島の竜使い (片倉 一/C★NOVELSファンタジア) 【amazon】 《あらすじ》 幼馴染に嫁いだ竜使いの少女レラシウは、新婚初夜に「飛ぶのをやめろ」と言われてしまう。思い悩む彼女に「街」の令嬢から竜による荷運びの依頼が舞い込んだ。第6回C★NOVELS大賞特別賞受賞作。 もう1人のC★NOVELSの新人さん、竜使いの少女(新婚さん)が主役のファンタジー。 主人公に半端なくやきもきさせられました。竜使いの少女レラシウが主役で、近代化してきた世界の竜使いを描いたお話。このレラシウが家族に竜使いを続けることを反対されているんですが、理由も聞かずに拒否しつづけていて、こりゃまずいことになるんではと読み手的にとても心配でした。レラシウもやましさをたっぷり感じているし、時代的に斜陽な竜使いの寂しさみたいなものもあって、前半は全体的にもどかしい雰囲気。 でも、そのモヤモヤを吹き飛ばす街の少女シャーロットが素敵でした。お転婆で素直で、どんどん前に進むのでモヤモヤ感じる暇がありません。竜使いと街の人間の色々な違いに驚く姿がかわいらしいし、彼女の明るさのおかげか、後半は竜使いの本来の姿が見れました。シノカントとレタッチリ(竜)の絆の強さやそれに対するレラシウの反応などを見て、竜使いっていいな、と思わされました。 何気に後半の夫婦が胸キュンだったのも、個人的にはポイント高かったです。険悪だった状態から歩み寄るぎこちなさがいいのですよ、不器用な口調のシノカントにニヤニヤ。最後の仲睦まじい姿はとてもごちそうさまでした。 これは続きなさそうですが、次作品もこういう作風だと嬉しいです。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ バンダル・アード=ケナード 運命は剣を差し出す1 (駒崎 優/C★NOVELSファンタジア) 【amazon】 《あらすじ》 偶然の出会いから行動を共にする医師のヴァルベイドと若き傭兵隊長ジア・シャリース。双方追われる身である彼らは行く先々で騒動を巻き起こし……駒崎優の新シリーズ、ここに開幕! いい評判やお勧め記事を見て、以前から気になっていた駒崎さんのシリーズ。 そこで切りますか!!!! 導入チックな1巻でここまでひどい切り方は久々に見た気がしますよ。絶体絶命さあどうなる、っていう続き読まなきゃ凄くモヤモヤする状況でぶった切るのはずるいと思います。いや続き読みますけどね。 それはさておきストーリーは、まだまだキャラ紹介段階。なのにやたらと敵が先客万来なのが印象的、狙われすぎですこの人たち。敵も味方もそこそこ頭は働くけれど切れるってほどじゃなくて、いい塩梅に主人公たちが危険に陥ってました。 ディアンはいかにもな青臭いガキでしたが、彼の運命は予想外。てっきり傭兵の下っ端ポジションになるものかと。でも後から「おっさんだらけの話」だと聞いていたことを思い出して納得、ディアンいたらおっさんだらけじゃなくなっちゃいますもんね。とはいえディアンに見せるおっさんの年の功は、なんだかんだでノリノリだし趣もありました。 他の隊員もきっと濃いでしょうし、彼らの登場が楽しみです。 評価 ☆☆☆(6) |
7月29日(木) |
サークル一覧をポツポツと更新。前回や前々回出ていた方を今頃見つけると、チェックの甘さに少しへこみます。 【今日読んだ本】 ◆ 四界物語1 金翅のファティオータ (黒川 裕子/C★NOVELSファンタジア) 【amazon】 《あらすじ》 トゲウオ退治を任とする波頭馬の騎士シルッカ。第一皇子の相棒に指名されるが、その生まれを蔑まれていた。初陣の夜、トゲウオの幼生を拾い......。第6回C★NOVELS大賞受賞作。 今年のC★NOVELSの新人さん、まずは大賞受賞作品から。 独特な世界観が面白かったです。トゲウオに住んでいる水上集落を滅ぼされ、今は軍に入っている少年が主人公の物語。まず、人間とトゲウオが争っているという変わった設定が目を引いて、その争いの描写をはじめ、1つの大陸とたくさんの島で成り立っている世界がディテールまでしっかりと描かれているのが魅力的。波頭馬を使ったトゲウオとの戦闘などは躍動感もあって惹きつけられました。 少年が世界を知っていくストーリーは王道チックで壮大。本筋はまだまだこれからなのでおいといて、とりあえず女王様気質のチビトゲウオが生意気でかわいいです。気位の高い皇子様は、初登場時の姿見て狂人キャラだろうと思いきや、意外にまともな側面があってびっくり。主人公と少し打ち解けた後も皇子様らしいままなのが良かったです。ただ、皇子の言動には少し引っかかるところも。激しやすく不安定な人物であることを考慮しても、時々腑に落ちない口調があったりしました。 あからさまに「つづく」で終わっているし次も読む予定。今見えているボスはとても小物臭がするので、裏か黒幕がいるといいです。 評価 ☆☆☆(6) |
7月27日(火) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コミケシーズンの定期調査。 ライトノベル作品別サークル数変動チェック(C78版)
※1 超電磁砲も禁書目録扱い ※2 C77まではアニメ(その他)エリア 太字は注目箇所です。データ詳細版はこちら。 まずはアニメ化作品について。案の定デュラララが爆発しています。冬はもっと増えるんでしょうね。バカテス、迷い猫といったその他の作品も上昇。本編完結済&劇場版だけの文学少女も伸びているのが、アニメ化効果の強さを感じさせます。 俺妹は相変わらずの伸び。ついにアニメ化が発表されて、次回どれくらい伸びるかが気になるところ。 その他で目を引いたのが禁書目録の変化の仕方。男性向が減っているのに対してFC(小説)は増えています。あまり過去に例がないパターンですが、こうなった理由としては、2つのジャンルにおける反応の速さの違いが考えられます。 C77申し込み時点では、超電磁砲アニメ版は「発表済・未放映」でした。ここから察するに、男性向は先物買い、FC(小説)はアニメを見てから、という傾向があるのではないでしょうか。よく見ると、C75〜C76のとらドラ!、禁書目録についても似た傾向があります。ただ、C76〜C77の化物語は放映後に男性向がブレイクしているので、一概にこうなる、とは言えなそう。 とはいえ、4月放映、10月放映のアニメに起こりやすいパターンではありそうです。とするとC79では、男性向での俺妹、えむえむっ!、FC(小説)での迷い猫、あたりが増加するかもしれません。 |
7月25日(日) |
ライトノベル作家サークル一覧C78版、できました。伏見つかささん、新城カズマさん、土屋つかささんなど (26日 初参加のソースがなかったので修正) 【今日読んだ本】 ◆ 東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 東京を中心に霊的災害“霊災”が多発するようになった現代。名門・土御門家の血を引きながらも霊的才能に見放された春虎の前に土御門家次代当主であり幼なじみの夏目がやってきて!? あざの流陰陽ファンタジー開幕!! 5月に出たあざのさんの新作、現代陰陽師ファンタジー。 陰陽師アレルギーが出まくりでした。土御門家の血筋を引いているけれど、陰陽師的には落ちこぼれの春虎が、陰陽師の事件に巻き込まれていくお話。陰陽師物はとても苦手だけれど、あざのさん作品ならきっと大丈夫だろうと手をとったら甘かった。陰陽師関連のワードがそこかしこに飛びかい、戦闘は式神中心のガチバトル、ここまでコテコテの陰陽師物なのは辛かったです。どうしてこんなに心躍らないのかは自分でもよく分かりません、和風+アクションだから? でも、最後の方にググっと惹きつけられる場面がいくつかあったのはさすが。特に惹かれたのはフォントが変わるところ、片方の性別が気になりますとても気になります。もし性別があっちで、関係がそのまま素直に受け継がれてて、それが明るみに出てきた時のことを妄想するとときめきが一杯。 ええ、完全に趣味です。なんか関係は逆の気がするんですけどね。 最後の3人の様子を見るとこれから楽しくなりそうだし、続きを読むかどうか迷います。それにしてもバカ虎はほんとバカ虎ですね。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 三千世界の鴉を殺し15 (津守 時生/ウィングス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ルシファの心の中は、ニコルやグラディウスを傷つけたアル=ジャアファル教授への怒りが渦巻いていた。ルシファが大切に思う者を傷つけたい。ーー歪んだ闇を平然と抱える男。だが、“最低でも倍返し!” オスカーシュタイン家の家訓に従い、ルシファは反撃の時をうかがう!ワルターとメリッサ、互いに傷をかかえた、元夫婦の大人の恋の顛末を描いた書き下ろし「幸せはスミレの香り クマの形」122ページも収録!! 美形で超能力使いの大尉の活躍を描いている側面もあるSFコメディ「三千世界の鴉を殺し」第15巻。 カジャはかわいいなあ。いや、話が進まないことを今更言っても詮無いし、サラディンは好きじゃないし、となるとこんな感想しか出てきませんでした。超年上なのに、ルシファにからかわれたり頭撫でられたりすると、どうしてもカッとなっちゃうのがかわいいです。いやまあ、ミイラに例えられるのは普通怒りますけど。 サラディンもカジャと一緒にいるときは嫌いじゃないんですよね、ルシファードが引いちゃうくらいひどいこと話してる2人の息の合いっぷりは好き。2人の会話をはじめ、話は進まなくても今回も笑えました。 ワルターとメリッサを描いた書き下ろし中編は、普段の本編とはうってかわってシリアス一辺倒。心の傷と向かい合うための人間の弱さと強さが描かれていて、いい話、なんですけど……メリッサと会話した直後にふらっといきかけたワルターがどうしても引っかかってしまって。諸々の事情を考慮しても、あのシーンのワルターだけは許せませんでした。ここさえ気にならなければ、メリッサは本当に素敵だし、2人の復縁に素直に感動できたと思うんですが、まあ仕方ないです。 本誌あとがき見るとまだ絶不調のようで少し心配。次の巻ものんびり待つとします。 評価 ☆☆☆(6) |
7月22日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ ココロコネクト キズランダム (庵田 定夏/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 なんでもありの文研部に起こった異常な現象、“人格入れ替わり”を乗り越え、太一たちはおだやかな日常を取り戻していた。そんなある日の放課後、稲葉と唯がいつもと違う様子を見せはじめる。さらに太一と伊織に湧きあがった、“体が勝手に動く”という奇妙な感覚。何かがおかしい――かすかな違和感を覚えた矢先、太一は青木と唯が警察に補導されたと聞かされて……!? 再び訪れた<ふうせんかずら>と新たな試練。それは心の奥に隠れた本当の自分をさらけだし、五人の絆を打ち砕く――! 愛と青春の五角形コメディ、痛みと涙の第二弾!! 1巻が素晴らしい入れ替わり物だった「ココロコネクト」シリーズ第2巻。発売して結構すぐに読んだのに感想書き忘れてました。 今回も面白い題材でした。今回5人を襲う試練は「欲望開放」で、行動に移すことを望んでいないのに、勝手に体が欲望のままに動いてしまうようになるお話。こういう自分の意志に反して行動してしまう話って、怖くてドキドキして好きだったりします。子供の頃に狂犬病の存在を知ったときに、「段々精神が犬化していくなんて!」と恐怖したのが、多分好きになったきっかけ。 このお話も、大事な人を傷つけてしまうかもしれない恐れなどがまざまざと描かれていて怖楽しかったです(造語)。 で、題材云々を抜きにしてストーリーだけ見ると、1巻より2巻の方が好き。1巻の青臭さが主人公中心に回っていたのに対して、この2巻では稲葉んの葛藤も強く描かれていたのがよかったです。秘めた想いと欲望開放って題材マッチしすぎ、煽りたてるふうせんかずらの嫌らしさがえぐいことこの上ない。そして、稲葉んと向かい合った伊織は苛烈でかっこいいの一言、この5人いいなあ。 段々ネタが切れてきそうですが、次はどういう仕掛けでくるんでしょう。突発的幼児退行とか? いやどう考えても周りに隠せない。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 〈運び屋〉リアン&クリス 天国になんか行かない (清家 あきら/ウィングス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 新米〈運び屋〉のリアンが引き受けたのは、天才少年のクリスチャン・リー博士を国際学会に送り届ける仕事だった。ある事情でイキモノを運ぶのにはこりごりしていたリアンだが、高額の謝礼に目がくらんだのだ。世間知らずで情緒に乏しい博士との道中は、困ったことや腹の立つことの連続。しかも、やっと心が通い始めたと思ったとき、博士の頭脳を狙う敵に追われて逃げ込んだ山中で、とんでもないことが発覚して……?でこぼこコンビの、パートナーシップ・ストーリー♪ ウィングスの今年の新刊。買うか迷ってスルーしてたところ、まろんさんのお勧めがあったので買ってみました。 素直にいい話だなと思える物語でした。運び屋青年のリアンが少年博士クリスの護衛を引き受けたらその博士は実は×××で……というお話。ネタバレしちゃうとクリスはロボットで、旅をするうちにリアンもクリスに情が移っていって、クリスも人間らしくなっていって、とある意味お約束な展開。 でもお約束とはいっても、不器用な台詞の中に次第に感情が見えてくるクリスはかわいらしく、情を移すリアンにとても共感できて、クリスのために熱くなるリアンの姿や2人のずれた会話に心温まりました。2人が中心だった1話が一番好きですが、クリスと女の子の交流を描いた2話も、儚さを感じさせるロマンチックなところがあってよかったです。 読んでいて、他のレーベルならクリス女の子になってたのかなという考えが頭をよぎりましたが、クリスさらわれたり襲われたりすることが多かったし、もし女の子だったら変にえぐく生々しくなりそう。これは男性2人でよかったんでしょうね、全然BLじゃないですし爽やか。 本誌連載分は多分後2話残ってるので、2巻も出るのかも。残りは本誌で読んじゃう予定。博士とくっつく女の子が現れたりしないですかね?(恋愛脳) 評価 ☆☆☆(6) |
7月20日(火) |
【今日読んだ本】 ◆ つぎはぎ勇者の衣装係 (古戸 マチコ/レガロシリーズ) 【amazon】 《あらすじ》 勇者が空から降ってきた!? 破天荒な女の子とへたれな勇者が、子煩悩で几帳面な魔王と戦う、スーパー混沌(カオス)ハイテンションLOVE☆コメディ(ポロリもあるよ)登場!! 古戸さんが久々にレガロから出した新作。「やおろず」の笑いのセンスが大好きなので楽しみにしていました。 いやー笑った笑った、面白かった! 最序盤の方こそ「今回はあんまりノレないかも」と不安がよぎったものの、マユコのセンスが発揮されはじめたあたりからは古戸さんのセンス全開で、笑いにつぐ笑い。1回目の戦闘で死にかけて、2回目の戦闘でもう死にました。ケーキ半端ない! もうどこからこの発想出てくるんですか、凄い。イラストのないところでは想像力がフル稼動でした。 そして、これだけ笑えるのに、全体的に見ると芯が通ったストーリーが描かれているのがまた凄い。生き辛さがはっきりと伝わってくるし、信念のぶつかり合いなどもあって上手く組み込んであるなあと感心しきりでした。ラストの底抜けな明るさが気持ちよくて最高! キャラクターはみんな好き、中でも魔改造を受けまくる小太郎がお気に入り。マユコに拾われたばかりにひどいセンスに泣きそうになる不憫なところがいいし、なんだかんだでマユコのセンスに染められてノリノリなのもかわいいし笑えます。染められたというか洗脳された気がしないでもないですが、本人が楽しそうで幸せそうなのでいいんです。魔王の付き合いのよさや現代への馴染み方も好きなんですが、僅差で小太郎派でした。 でもラブコメ謳うのはちょっとダウトだと思います、ラブコメコメコメコメディくらいです。それがいいんですけどね。 次回作はアイリスかレガロか分かりませんが、コメディでもシリアスでも大期待。 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ 冥界伯爵と恋しない令嬢 (魚住 ユキコ/一迅社文庫アイリス) 【amazon】 《あらすじ》 馬車に轢かれても、建物の最上階から落ちても死なない、人より体が少し(?)丈夫な少女・ニナ。彼女の前に現れたのは、死の世界からやってきた冥界伯爵のロカだった! 本当ならば死んでいるはずのニナを迎えに来たというロカは、ひょんなことからニナの体質を「恋すると死ぬ」と勘違いしてしまい…!? あの手この手で殺そう=恋をさせようとする冥界伯爵と、恋に臆病な不死身少女が織り成すファンタジック・ラブコメディ開幕! 魚住さんの一般少女レーベルでは初のオリジナル作品。「黒椿姫」が好きだったので読んでみました。 「黒椿姫」とは全然別路線でしたが楽しかったです。魚住さん+このタイトル、これはシリアスで色っぽい話に違いない! と思っていたのに、蓋をあけたらコテコテのラブコメ。どんな事故にあっても死なない体質の持ち主のニナが、体質を正しにやってきた冥界の使者に「恋をしろ」と急かされるお話でした。ニナはこんな体質でも元気な子で、驚いたときなどのリアクションが少しお馬鹿っぽかったりするのがかわいかったです。 恋愛面では、婚約者のシモンが貴族なのに図太くてたくましいところもあって、かなりのいい男で、ヘタレツンデレなロカよりもずっと気に入りました。ロカはヘタレるんだったら某作品のゼルイークくらいちゃんとヘタレてください、数ページであっさり破られる術とか何の冗談ですか全く。 ロカの代わりに面白さを支えるのが、個性豊かな脇キャラ。分かりやすいお嬢様のミランダや自分勝手でもどこか憎めないおじさんなど、楽しいキャラが揃ってました。特にアレットのインパクトは主役たちよりもずっと鮮烈、無口でちょっと不思議系な女の子かと思いきや、あんな本性が眠っているとは。正体分かったときは噴き出しました。どういう育て方したんですか英雄の父親さん。 微妙に続きそうな終わり方ですが、この2人はもう両想いだしこの先はいいかな。次は一般で艶のある話を見てみたいです。 評価 ☆☆☆(6) |
7月17日(土) |
【今日読んだ本】 ◆ ローデンシュアの魔女 ハロウィンの夜に魔法のキスを (神尾 アルミ/一迅社文庫アイリス) 【amazon】 《あらすじ》 15歳の魔女・リジィが相続し、ひとり引っ越してきたのは、ローデンシュア六番地にある、荒れ果てたお屋敷。そこには、魔力と結界に囚われて出られない幽霊たちと、危険で不思議な魔導具の数々、さらには悪魔まで棲んでいて……!? 記憶を失くした少年の幽霊・フレッド、そして理想の男の子・アランとの出会いが、小さな魔女の恋と幽霊たちの運命を動かしていく――。神尾アルミが放つ、恋愛魔法ファンタジー! 「迷走×プラネット」の神尾さんの待ちに待った新刊。 期待通り面白かったです! 祖母が亡くなって一人になった魔女の女の子が、色んな幽霊が住んでいる屋敷に越してくるところからはじまる物語。と、出だしは幽霊との暮らしがメインで、気難しい幽霊たちと時々喧嘩しながらも仲良くなっていく様子が楽しかったです。 でも、それだけじゃ全然終わらないのがこの物語のポイント。切ないラブストーリーあり、人間たちとはじめて交わるドキドキの学校生活あり、悪魔との駆け引きあり。どの要素も面白くて、描きたいものを目一杯詰め込んだんだなあと思えました。 中でもよかったのはラブストーリーの部分。デートで浮かれる気持ちや喧嘩してモヤモヤする気持ちなど恋の楽しさや苦しさが活き活きと描かれているし、終盤の展開がとても切なくてロマンチック。リジィの決断と恋心が素敵な最後の何ページかが大好きです。 このロマンチック描写のうまさを見て、迷走が順調に進んで恋が描かれてたら、と改めて残念な気持ちになったりもしました。 他では、幽霊たち皆と一緒に戦う場面が、家族みたいになったんだなあと実感できてお気に入り。ちびっこのエリオットや唯一の女性のスーザンみたいな、役にたたなそうな面々も活躍見せてくれたのがよかったです。 一応綺麗にまとまってはいるんですが、悪魔関連や主人公の力の謎など気になるところは色々残ってるし、恋の続きもできることなら見たいし、続きが読みたい! アイリスさん今度こそお願いします。ついでに迷走や「キス魔法」もお願いします。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 天狗と姫君 〜丑の刻の恋結び〜 (菊地 悠美/B's-LOG文庫) 【amazon】 《あらすじ》 没落貴族の一人娘・橘琴子は、物の怪好きのじゃじゃ馬娘。その美しさから縁談は数多とあるのに「好きでもない人との結婚なんて嫌!!」と、ことごとく壊していく。ついにたまりかねた父親が、琴子に内緒で女好きで有名な武士・平貞久との縁談をまとめてしまった! 貞久の熱烈で強引な求婚に耐え切れなくなった琴子はある晩、藁人形と五寸釘を握りしめ「丑の刻参り」を敢行! そこへ現れたのは「天狗の面」をかぶった奇妙な男で――? 丑三つ時は恋を招く!? えんため大賞受賞作家が送る、期待の新作いよいよ登場!! 「見習い女神」シリーズで良い恋心を描いていた菊地さんの新作の平安物。 貞久かわいそうです……。じゃじゃ馬で妖怪好きで結婚相手も見つからない女の子が優しい天狗と出会って恋をするお話なんですが、主人公に結構自分勝手なところがあって、とても周りの人の肩を持ちたくなりました。 特に肩入れしたくなったのが、主人公の縁談相手の貞久。好きで好きで度々通っているのに、誤解でひどい仕打ちを受け続けるわ、いつの間にか他の相手を好きになられてるわ。それでいて恨み言の1つも言わないとか、何ですかこの聖人君子は。丑の刻参りが発動していたらどうなってたか……。現代ならともかく、この時代設定を考えると琴子は我侭にしか見えなかったです。 琴子が好きになれなかったので恋愛面もいまいち、刀矢に対する琴子の最初の頃の所業はうっかり消されても文句言えないと思います。風音の裏の顔や加代さんのおばちゃんくささなど、脇キャラは結構面白かったので、また次回作には期待で。 評価 ☆☆★(5) ◆ 魔王様げ〜む!2 (渡島 健康/メガミ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 人間界からはるばる魔王ディンゴの討伐にやってきたものの、魔法で超美少女に性転換させられ魔王専属メイドとして働くレモンに強力なライバル出現!? 男の娘同士のプライドが火花を散らすこんどの戦い、目指すはディンゴの花嫁って、ホント? 魔王によって性転換&メイドにさせられた勇者が主人公のコメディ「魔王様げ〜む!」第2巻。 うーん、せっかくの性転換物なのに、2巻はあまり楽しめませんでした。理由ははっきりしていて、1つはアクション分が多すぎなこと。アクション好きじゃない自分にとっては、こういう緩いコメディで戦闘がっつりと描かれるのはちょっと辛いです。 もう1つは、レモンの反応が少しお約束化しているように感じられたこと。ディンゴにちょっかいだされて、文句や反撃をしつつも無意識に惹かれるパターンが多くて、1巻ほどのニヤニヤがありませんでした。 あと、今思うとラミーレスが鬱陶しくしか思えなかったのが大きいかも、登場シーンで笑えた記憶があんまりない。エルビラやチェコが出てるところはよかったんですが。チェコさんのオチ担当での奮闘が2巻で一番印象に残ってますし。その辺含めて2巻は合わなかったです、残念。 評価 ☆☆★(5) |