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 10月28日(木)

そういえば、更新休止中用に書いておいたオンライン小説感想があったのでした。ちょうど時期的にぴったり。

お菓子をくださいあるひの森の中

ハロウィンの日にお菓子を求めてきた女の子と大学生を描いた日常短編集。
すぐに甘くなりそうな設定だし、そうなってもおかしくないのに全然恋愛にいかないのが面白いお話。有馬と魔女子さんの、食い意地と腐れ縁と親愛がいい具合に混ざり合ってる関係がいいなと思いました。気の置けない会話が軽快で楽しいし、魔女子さんかわいいです。女の子がかわいいのは大事なポイントです。
喫茶店の皆さんの勘違いもいいですね、傍から見ると恋人、確かにそう思わせてくれる2人。あと読むとケーキが食べたくなるので危険。




 
 10月23日(土)

3週間もあいてしまいました。いや、週1冊程度は更新できるはずで、実際オンライン小説がなければできてました。全部no-seen flowerさんのお話が面白いのが悪い。嘘ですごめんなさい、自分が悪いです。

そんなわけで、ここしばらくの読書はオンライン小説でした。「Unnamed Memory」の後に読んだ「Babel」もとてもよかったです。知っている世界が舞台の異世界物は違った味わいがありましたし、鈍感で芯が強くてかわいい主人公に、言語が鍵となる興味深いストーリー。特にAct.3で姫様が登場したあたりからが面白かったです、何度かガツンとやられました。気位高い姫様好きにもお勧め。
そしてBabel読んだ後に短編が200も300もあるのに気づき。本編気に入った後の大量短編とかご馳走ですよね。不憫の王様ニケをはじめ、色々おいしくいただいてます。不憫キャラ大好きです、この不憫はリアルタイムで付き合いたかった……! BabelはNewvel登録されてたから、連載当時から目に入ってたはずなんですよね。「異世界迷い込みはしばらくいいや」とスルーした記憶がおぼろげにあります。そういうスルーは駄目絶対、覚えた。すぐ忘れるんですが。

通常モード再開は多分11月の頭には。



【以前読んだ本】

女神の娘の恋歌 一瞬の光、永遠の輝き (響野 夏菜/B's-LOG文庫)amazon

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《あらすじ》
“花の春祝祭”の準備をするミーナの元に、フィーンが帰還する。身体を共有する伯爵兄弟を“わける”方法を調べに行った、彼女の答えは――「不可能」!! 愕然とするミーナをよそに、それを聞いた2人の反応はむしろ冷静で……。すると翌日、朝の礼拝にナリスフレイの姿が! 妖魔と決別し、ミーナを守る決意をしたからだ。そんな兄に気づいたレイヴェンもまた、自らの存在をかけて動き出すが!? 《光》と《闇》に分かれた兄弟の間で、ミーナが導き出す未来とは――? 涙と衝撃の結末がここに!


響野さんがおくる三角関係ファンタジーの完結編。

ミーナが最後までミーナらしかったので満足でした。
焦点だった三角関係の結末は、まあ妥当なラインなのかなという印象。レイヴェンは前巻がアレすぎたので、それに比べると多少は見直して、結末も納得。もう片方のナリスフレイはもう少し見せ場ほしかったです、総合的に見るとレイヴェンよりやっぱり影が薄かった。2人とも、三角関係にワクワクした1巻の期待値からするとやや物足りないところはありました。個人的にはギールートが一番よかったですが、それはありえないですしね。

そんな三角関係の顛末よりも、1巻から終わりまで、徹頭徹尾あきらめない姿勢を貫いたミーナが凄く印象的でした。ここまでぶれない主人公ってなかなかいないよなあと。かっこよくもあったけれど、それよりも美しいと思えた主人公。レイヴェンのおかげ(?)でより際立ってましたし、彼女が主役だっただけで読んでよかったです。


評価 ☆☆☆★(7)



花は桜よりも華のごとく (河合 ゆうみ/角川ビーンズ文庫)amazon

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《あらすじ》
時は戦国の世の狭間。京の都に美しい能の舞い人、白火(はくび)が現れる。その噂を知った名門一座の次期太夫、蒼馬(そうま)は白火を自分の座に引き抜こうとするが、手ひどく断られる。実は白火は女の子。性別を偽り、女人禁制の舞台に立っていたのだ。しかし、蒼馬は白火が女であることを知らずに、彼女に惹かれていってしまい――!?桜降る能舞台で、男装の舞姫の伝説が始まる。第8回ビーンズ小説大賞読者賞受賞の能楽恋絵巻、開演!


今年のビーンズ新人さん作品。男装は大好き、能みたいな和風物は苦手、なので迷いつつも読んでみました。

男装物としてはそこそこよかったです。女性であることを隠して能を舞う少女が主役の物語。主役の白火は真っ直ぐだしバレないように頑張ってるしでかわいらしい主人公。これで恋して葛藤みたいなものがあれば最高だったんですが、憧れ+α程度止まりだったのが残念。むしろそういう意味ではヒーローの蒼馬の方がおいしかったです、男に惹かれて悩んだり手出せなかったり、白火が客商売していると思って不機嫌になったりと、ニヤニヤポイント多めでした。

ただ男装部分以外はいまいち。蛇紋の呪いをはじめとして主役2人以外がなんだか中途半端な印象でしたし、後半はかなりの禁忌だったものが割と受け入れられちゃうのがどうにも腑に落ちず。能の描写が誉められてる感想を結構見かけたので、そこを気に入ってたら納得できたのかもしれません。伝統芸能系に興味ないせいかピンときませんでした。


評価 ☆☆☆(6)