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 11月13日(土)

メルフォレス。

>「魔女の結婚」お勧めしてくれた方

お勧めありがとうございます、後半化けるんですか! 谷さんのお話は魔女婚、伯妖(これは本誌の短編だけ)どちらも確かメインカップルがあまり好きになれず、自分には合わないのかなと諦めていたんですが、ちょっと気になってきました。魔女婚読んだのは遥か前なので、今読むと違う感想になりそうですし。冊数の多さ&積みの多さの都合上すぐには無理そうですが、まずははじめの方を集めなおしてみます。



【今日読んだ本】

カラクリ荘の異人たち3 〜帰り花と忘れ音の時〜 (霜島 ケイ/GA文庫)amazon

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《あらすじ》
捜し物を見つけて欲しいと頼みにくるものや、身体が溶けてしまった雪女。あい変わらず、色々なことが巻き起こるカラクリ荘だったが、太一には別に悩みがあった。それは、正月休みに自宅へ帰るべきかどうか――である。自宅には、義母・鈴子がいて、会えばまたギクシャクすると思うと、どうも乗り気になれない。カラクリ荘の面々がそのまま過ごすと知った太一は、それならば自分も――と考えた。しかし意外にもレンからの反発にあってしまうのだった。珍しく大きく動揺し、怒りをレンにぶつけた太一だったが……。ご町内妖怪奇譚第3巻登場!


現代妖怪ファンタジー「カラクリ荘の異人たち」第3巻。

1、2巻以上にいい話で素晴らしかったです。これまでで少しずつ変化してきた太一が、現実の問題と向かい合うのが中心の3巻。レンとはじめての喧嘩をしてしまったりと一筋縄ではいかないんですが、これまでのカラクリ荘での姿や暖かい住人たちを見てるときっとうまくいくだろうと思えて。実際少しずつ心を溶かしていく様子を見ていると、読んでるこちらも暖かく優しい気持ちになれました。

個別のお話では、雪女の六花が太一に取り憑いちゃうお話がとても好き。感情豊かで小生意気な六花はかわいいし、中にいるから太一も彼女とはよく喋ることになって、感情を揺さぶられたりもして。彼女の想いに応えようと帰り花と忘れ音を見るシーンが、寂しさと暖かさが入り混じっていて美しかったです。
さらに、この話は采菜もたっぷり登場。六花に指摘される太一の朴念仁っぷりには笑いましたし、采菜のおかげで人に想われることに気づく太一の心の動きも素敵。前述の喧嘩もあったりと、色々なものが詰まった珠玉の一話でした。

また、3話では鈴子さんにたまげました、まさかそんなぶっ飛んだ人だとは。鈴子さんの勘違い具合は愉快で、でもこれだけぶっ飛んでても作品の優しい雰囲気は損なわれてないんですよね。父と子の不器用な会話にじんわり。

さて残り1冊。もう采菜の惚れたきっかけは描かれなくてもいいやという気分、夏から冬までの変遷で十分です。太一があやかし方面と切れちゃうのは寂しいので、できれば繋がりが残る終わりでありますよう。


評価 ☆☆☆☆★(9)



海が愛したボニー・ブランシェ (緑川 愛彩/B's-LOG文庫)amazon

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《あらすじ》
海に嫁いだ乙女の伝説が生きる国・ガルトリア。開港祭の喧騒の中、天涯孤独の修道女ボニーは両親の仇である青年海賊ファド・ディアスと出会う。潔白を主張する彼の姿に、真実を求めるボニーはあえてファドに「さらわれる」ことを選択! 修道院へ連れ戻そうと迫る騎士団から逃れ、”危険すぎる”海賊船・マディラ号に乗り込むが……!? 恋を禁じられた修道女と、華麗で紳士な海の悪党――息もつかせぬときめきと冒険! 第12回えんため大賞<優秀賞>、ガールズノベルズ部門史上最高評価の快作が登場 !!


今年のビズログ新人さん作品、修道女と海賊の海洋冒険ストーリー。

展開速くて置いてけぼり気味でした。ワケありの女の子が海賊船になることになって、一緒にいるうちに……という王道な物語。ボニーの正統派な芯の強いところは好みで、はじめの海賊に自らついていくあたりのくだりにはワクワクしました。ですが、そこから主役2人が惹かれあうのが速すぎに思えて置いてかれてしまいました。海洋物好きというわけでもないので、王道なお話でメインの恋愛部分が楽しめないのは痛かったです。そういえば海洋物は結構読んでるのに、いまだに船のマストなどの描写で頭に絵が浮かびません。あれ、これって海洋物苦手?(今更)

メイン以外では、脇役のボニーのお爺ちゃんが、海賊王としての厳しさと孫思いの祖父としての優しさの両面持ってていいキャラでした。交換航海日誌はこの物語一番の衝撃、それは新しすぎる。女の子の描写自体は好きなので、別シリーズが出たらまた手を出すかも。


評価 ☆☆★(5)




 
 11月10日(水)


【今日読んだ本】

クロノ×セクス×コンプレックス3 (壁井 ユカコ/電撃文庫)amazon

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《あらすじ》
念願の現代日本に帰ったミムラ。だが幼なじみの小町は存在ごと消え、故郷の姿は変わり果てていた。意気消沈して学園に戻ったミムラのためにオリンピアが使った時間魔法で、学園に起こる大パニック。そしてミムラは、時間の改変がもたらす恐ろしい結果、そして「小町を忘れるな」という司書の言葉の意味を知ることになる。司書の正体とは──!


入れ替わりで時間物な俺得ファンタジー「クロノ×セクス×コンプレックス」第3巻。

自分×自分ごちそうさまでした! 入れ替わった自分の体とのご対面、しかも押し倒しのカラー絵つき、堪能させていただきました。ミムラ(主人公)があれこれ動揺してくれるのが楽しいかわいい。ミムラ(偽)のツッコミどころも面白かったです、そうかそこが気になるのか。これは三ミとミ三のどちらで呼ぶべきだろうとか考えた自分は腐り気味です。
しかしミムラは押しに弱いですね。小町云々を抜きにすれば、バーニーが押せたら落ちるんじゃないでしょうか。押せたら。

それにしてもミムラ(偽)の目的にはガッカリ。もう少し深い考えがあるのかと思ったらそんな自己本位ですかそうですか。イラストが小物感を増してます。こいつ絶対痛い目にあう間違いない。

学園側ではオリンピアが輝いてました。ここまで強さを見せるとは正直予想外、かっこよかった! こんな姿を見せられてはオリンピア派にならざるをえません。分は悪いだろうけど頑張れ。
今回はバーニー家関連は放置でしたが、小町の謎と繋がってきたりするんでしょうか。バーニーの活躍にも期待。


評価 ☆☆☆★(7)



戦塵外史 五 戦士の法 (花田 一三六/GA文庫)amazon

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《あらすじ》
男の武骨な斬撃が、追っ手の生命を頭蓋ごと押し潰す。次々と。なんの躊躇いもなく。男の桁外れの強さに、まだ10歳の少女は息を呑んだ。少女は男を「大男」と呼び、男は少女を「小娘」と呼んだ。お互いの素性も、名前すらも判らない。いや、むしろそれは邪魔になるだけだ。用心棒と、その雇い主。その関係だけがあればいい。男は喋らない。頑強な筋肉で覆われた巨躯が、ただ分厚い足音をシャールの後ろで響かせるばかりだ。この男とならもしや。そう、シャールが考えた時、一目で手練れと判る、細身の双剣使いが彼らの行く手をゆらりと阻んだ……。


架空の戦国時代の人々の生き様を歴史書風に綴る「戦塵外史」第5巻。

構成の妙に唸らされました。
ワケあって追われている10歳の少女が、無骨な大男を雇って旅をするお話。このメインの旅の部分は、簡潔な筆致で淡々と進んでいくのがやや物足りず。少女と護衛の組み合わせってあまりツボじゃないことに最近気づきました。父親の行動の真相など驚かされる場面もあって、最後の方はいい盛り上がりでしたが、道中の物足りなさを拭うまでには至りませんでした。

その物足りなさを吹き飛ばしたのが、最後の解説。歴史書形式をとっているので、その歴史書を書いた人の解説が作品の中に含まれているのです。この解説でのネタばらしが見事の一言。最初の一文の意味には「やられた!」と叫びましたし、後年の出来事を解説として読むのは凄くしっくりきました。小説にはこういう魅せ方もあるんだなと感心。残り1冊も楽しみです。


評価 ☆☆☆(6)




 
 11月7日(日)


【今日読んだ本】

鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王 (響野 夏菜/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
アレクセルの誕生祝いの日が近づく中、ある出来事から、ゼルイークは魔力を封じられてしまう。そして王女エルレインは250年の時を遡ってしまう。目の前にいるのは、若き日のゼルイークその人で──!?


呪われた姫君とヘタレイヤミ魔法使いが主役の「鳥籠」シリーズ最新刊。

ゼルイーク変わったなあと色んな意味で実感した巻でした。無事結ばれたのは理解していても、実際にレーン馬鹿になっているゼルイークを見ると、1巻からの変貌にしみじみ。犬に大人気なく怒り向けるとか怖いですよこの人! いざラブラブになってみると意外にときめかなくて、甘さがあんまり似合わない2人だなと思いつつも、レーンが幸せそうなので何より。

そして、もう1つの変わったなあが過去編との比較。少年ゼルイークが素直でかわいい!(年齢は青年でもイラストが少年なので少年です) どうして今はこんなにひねくれちゃったのか。魔王が大半の原因と見せかけて、姉が3割はある気がします。姉怖い。

リオはあっさり思いばれちゃってますが(そういえばアレクセルは鈍感ってわけじゃなかった)、何事もなく時間がたてばすんなりいきそうですねこの2人。でも何事がありそうな感じ、コイズが一体なんなのか、続きが気になります。響野さんのBlogみるとエリアルダはしばらくしたら民主化するみたいですし、無事に王位つくのか不安。


評価 ☆☆☆(6)



〈運び屋〉リアン&クリス 永遠なんか知らない (清家 あきら/ウィングス文庫)amazon

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《あらすじ》
<運び屋>稼業を通して出会い、無二の相棒となったクリスとともに、商売を続けていくことにしたリアン。2人の事務所には、多種多様な仕事が持ち込まれる。クリスは、リアンや客たちとの触れ合いによって、さまざまな感情を「学習」していった。そんなある日、店番をしていたクリスが預かってしまったのは、地上最強最悪の生物、赤ん坊。しかも彼女は「巫女姫」などと呼ばれる厄介な存在だったことから……!? でこぼこコンビのパートナー・シップ・ストーリー、完結♪


人間とロボットの絆を描く運び屋ストーリー「リアン&クリス」完結編。

いい話でした。いや、人間とロボットの絆のお話の時点でいい話なのはほぼ必然なんですけれど、このシリーズは、クリスが人間を知って人間らしくなっていく姿が段階踏んでとても自然に描かれていて、とりわけいい話に思えました。死別や永遠のくだりなんか、2話や4話での経験が息づいているのがはっきりと分かって、じんわりときました。
女の子ボディが少ししか出番なかったのはちょっぴり残念。クリスは男の子の方が似合ってますが、戸惑うリアンが楽しかったので。

クリスだけじゃなく、作り手である博士にも成長が見られたのもよかった点、年相応(というよりは年齢以下)の人間味が出てくるのがかわいらしかったです。コスプレされて恥らう博士もかわい……なんでもないです。カップル化には驚かされましたが、確かに結構お似合いですね。

書き下ろしの後日談では幸せそうな皆が見れて、短くても満足。でも、リアンが結婚してクリス交えて3人でいる姿が想像できませんよ? 独身のままでも幸せでしょうし、それでいいと思えるんですけどね。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 11月5日(金)


【今日読んだ本】

聖鐘の乙女 月の聖女と夜の怪人 (本宮 ことは/一迅社文庫アイリス)amazon

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《あらすじ》
15歳の乙女なのに、父親の楽譜を探すため男子音楽学院で男として生活するアティーシャ。学院祭の歌劇の練習中、相手役のジェッツにキスをされショックを受けたアティーシャは、同室の上級生・ネイトになぐさめられる。以来、過保護になったネイトと、憧れの王子様サリアンの甘い言葉に戸惑いを隠せなくて…。そして、ついに学院祭当日。女の子の姿で歌劇の舞台に立ったアティーシャの運命は――? 男装乙女のスクールライフ★大人気作第8弾!


男装学園ファンタジー「聖鐘の乙女」、待望の学園祭本番編。

ニヤニヤが止まらなくてやばかったです! アティが女の子らしくなって正体もばれてきて逆ハー度合が半端なく上がってますが、なんといってもネイトさんです。ネイトさんを意識しまくるアティーシャは女の子らしくてかわいさ倍増だし、ネイトさんはネイトさんでアティへの気持ちが素直になってくるしで、どちらを見ても口元が緩むこと緩むこと。特にネイトさんの微笑みの破壊力が半端ないです、そりゃアティも動揺しますって。ネイトさんの行動の真意がアティに伝わるようになってきたのもよかったなあ。ずっとネイトさん派だったので、2人の心が近づいていくのを見てると幸せです。リキシス先輩の本気にもグッとくるものはありましたが、このネイトさんには勝てない。
この2人を見守れるサリアン様ポジションは凄い楽しそうなんですれど、サリアン様は一体どのレベルでアティ気に入ってるんでしょう? 本気でネイトさんと取り合う気は多分ないですよね、あったら困ります。

もう話は進まなくていいやと思って久しくなってきたところ、ついに動きますか。どうなるかさっぱりですが(もう一勢力くらい出てきたりする?)、ネイトさんが無事で切り抜けますように。


評価 ☆☆☆☆(8)



 
 11月3日(水)

ひとまず通常モード復帰。9月からの新刊積みがたくさんあるのでのんびり読んでいきます。


今月の購入リスト。色々楽しみがありますが、メインはここにないウィングスの本誌です。金星の続き! 続き!

つがいの歯車 〜孤独な獣と静謐の檻〜 (時生 彩/レガロシリーズ)
シスター・ブラックシープII 林檎と堕天使 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫)
夜の王子と魔法の花 (壁井 ユカコ/ウィングス文庫)
クロノ×セクス×コンプレックス3 (壁井 ユカコ/電撃文庫)
修復士ラファエリア 刻を巡る魔法陣 (神矢 陽/B's-LOG文庫)
はなうたう ―淵国五皇子伝― (古戸 マチコ/一迅社文庫アイリス)
四界物語2 異玉の騎士 (黒川 裕子/C★NOVELSファンタジア)



【以前読んだ本】

天使から百年2 天使から零年 (野梨原 花南/富士見ファンタジア文庫)amazon

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《あらすじ》
わしは大天使キュービドーの力を受けた−−カイたちの前に現れた謎の青年・雪村誠はそう言い放つ。もとの世界へ戻る方法を捜すため、カイとイズシールは誠と行動することに。そんな中、イズシールにある変化が起き…


野梨原さんの全3巻らしいファンタジー「天使から百年」第2巻。

ジャンセン……。ヒーローだと思ってました。カイとくっつくんだと思ってました。どこでイズシールルートに入った、おかしいおかしい。1巻取り出してパラパラしてみても、やっぱり納得いかない。女の子の性格が変貌するのは野梨原さん作品らしいんですが、これは納得いかない。不憫キャラは最近大好きなのでこれはこれで楽しめたんですけど、カイを支えるのが当たり前、と断言できるジャンセンの姿はかっこよくて悲しいです。

ジャンセンのことは一旦おいといてストーリー。過去編になると思い込んでいたので、普通に現代でびっくりでした。色々明かされているようで、メインとなる天使の謎はあまり分かってないので、進んだ気がしませんでした。というか恋愛模様に完全に食われてます。1巻のイメージよりはコンパクトに収まりそう。

3巻でジャンセン大逆転、はないでしょうが、せめてジャンセンがあまりひどい目にあいませんように。


評価 ☆☆☆(6)



カラクリ荘の異人たち2 〜お月さんいくつ、十三ななつ〜 (霜島 ケイ/GA文庫)amazon

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《あらすじ》
十五夜が近いある日、またも裏の∵ホ河原町が夕焼けに染まってしまった。原因はもちろん、空栗荘の大家が眠ったまま起きてこないせいである。いささか迷惑な事象ではあるが、しばらく経てば終わることと住人達はみな楽観していた。しかし、丸一日以上経っても起きてはこなかったのだ。さすがに問題有りと、大家を起こすためあれこれ一計を案じる住人達だったが、彼はなぜか、いっこうに目覚める気配がない。そんな騒ぎの中、太一のクラスメイト采菜が「弟が薄売りに連れ去られた」と、なぜか大家を頼って空栗荘にやってきたのだが――。


半分日常で半分非日常な現代妖怪話「カラクリ荘の異人たち」第2巻。

今回も雰囲気よくていい話でした。二話収録のうち、特に好きなのは後半の話。事件の真相(道具)に秘められた想いは綺麗で寂しくてしんみりしましたし、太一が人間らしい暖かさを取り戻していくのには嬉しくなりました。レンに手を伸ばそうか迷って、でも伸ばしたあたりがじんわりきて良かったです。
カラクリ荘の面々で今回目立ってたのは古都子さん、ただ甘やかすだけじゃないのがいい女ですね。思い人には少し驚きましたが納得。それより驚かされたのは十遠見さん、ケーキ作りがあまりにも似合わない。

前半の話は采菜がやっぱりかわいい。ただ出番が多くなくて、想いの裏にある部分がなかなか見えてこないのが歯がゆいです。アカネの方が目立ってるのがなんとも。いやアカネもかわいいですが。そろそろ太一が表の世界とも深く関わっていきそうなので、そこでの活躍に期待です。


評価 ☆☆☆★(7)