12月31日(金) |
今年も終わりですね。今年は自分にとってはオンライン小説の年でした。一昨年「wonder wonderful」に出会って以来、時々は読むようになっていましたが、それが習慣化したのが今年。最近は毎日いくつかのサイトの更新状況をチェックするようになりました、多分去年の10倍は読んだんじゃないかと。へいじつやさんの「人喰い魚が人になる」、no-seen flowerさんの「Unnamed Memory」をはじめ、ネットの世界にも面白い物語が山のようにあるんだなと実感しました。来年も積極的に探していきます。 オンラインじゃない小説のまとめは来年頭に。ベストに入りそうなのを読書納めに読むので! 【最近読んだ本】 ◆ 天冥の標3 アウレーリア一統 (小川 一水/ハヤカワ文庫JA) 【amazon】 《あらすじ》 西暦2310年、小惑星帯を中心に太陽系内に広がった人類のなかでも、ノイジーラント 大主教国は肉体改造により真空に適応した《酸素いらず》の国だった。海賊狩りの任 にあたる強襲砲艦エスレルの艦長サー・アダムス・アウレーリアは、小惑星エウレカ に暮らす救世群の人々と出会う。伝説の動力炉ドロテアに繋がる報告書を奪われたと いう彼らの依頼で、アダムスらは海賊の行方を追うことになるが……。シリーズ第3巻。 小川さんがおくる長編SF「天冥の標」第3巻。 既刊をとても読み返したくなりました! このシリーズ、既刊と共通した要素を一部引き継ぎつつ別時代の物語が展開されるという作りで、増えた情報から全貌がどうなっているかを改めて考えたくなるわけです。でも、既刊の内容は忘れてるところもあるので再読したくなる、と。2巻のときも再読したくなりましたし、きっと今後も毎巻こうなりそうです。さすがに毎回読み返すのは辛いので、半分の5巻まで進んだら再読することに決めました。 で、この3巻単体でも面白かったです。彼の死に不意打ちくらったり、後半のアレに騙されたりと、始終作者の手のうちにはまりっぱなし。何より《酸素いらず》たちに魅せられました、酸素がなくても宇宙を動き回れる爽快さに、色んな意味で開放的な性格。アダムスとミクマックの関係もよかったです。こういう風に理由付けがしっかりならBLっぽくても拒否感ないし、アダムスの複雑な心情はこの設定ならではでしょうし。 しかし、宇宙を旅するSFって久々に読みましたが、宇宙にはやはりロマンがありますね。濃いSF描写にはついていけないところがあっても、たまに読むと楽しいです。 次はどの時代に移るんでしょうか、ここでまた一旦過去へバックと予想してみます。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 15×24 link two 大人はわかっちゃくれない (新城 カズマ/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 徳永準は自殺サイトで知り合った〈17〉と出逢うために必死で連絡をとりつつ東京をさまよう。一方、捜索隊のトウコとミツハシは謎の男・ファブリに拉致され、「持っている携帯電話を渡してくれるかな?」と脅されていた……。 たった1日が舞台の青少年たちの群像劇「15×24」第2巻。 ますますワケが分からなくなってきました。1巻で大体主要人物出揃ったのかと思いきや、視点以外の人物が増えること増えること。その中でも一番目立っていたのはファブリ、理屈っぽいのに壊れてる姿が色んな視点から窺えるのが怖いです。陶子は観察力ありますね。 ファブリ以外にもブツを巡って勢力が増えて、錯綜する中での各人の動きが面白いです。ただ、誰かが凄く好き、とかはあまりなくて、バラバラな動きで全体の流れがどう進むのか分からないのが面白い感じ。マーチだけは早くも株がストップ安ですけどね! 最終巻までには上がってくるでしょう、というか来い。 17も少しずつ表舞台に出てきましたが、うん全然正体が見えてこない。あんまり外側の人間が17だと面白みに欠けるので、少なくとも準主役ではあるはず。で、タイミング的に捕り物参加組ではなさそう。となると1巻と同様の予想になります。当たる気がしませんよ? 2重人格の線も浮かんだけれど、これまでにそれっぽい人がいないしうーん。 すでに全部購入済。今年中に読み終わるのは無理でしたが、時間たつと忘れそうなのでハイペースまで最後までいきます。 評価 ☆☆☆★(7) |
12月28日(火) |
明日からコミケですね。個人的には明日がメインなので戦ってきます。 メルフォレス1つ。 >「未知との」を薦めてくれた方 お薦めありがとうございます! 1章を読んでみましたが、咲の感情表現がかわいらしくて、ずれてても心暖まる感じがいいですね。これは続きも読みます、ありがとうございました! 【最近読んだ本】 ◆ 捧げよ、永久に続く祈り 幻獣降臨譚 (本宮 ことは/講談社X文庫ホワイトハート) 【amazon】 《あらすじ》 シュータン帝国との戦いを終え、アランダム島へと戻ってきたアリアは、シェナンに迎えられる。島を占拠している暗黒集団『虚無の果て』との戦いに向かい、変わり果てたディクスに再会することに。そして一同は、アランダム騎士団の古文書館を死守しているオレリーから、幻獣にまつわる衝撃の真実を聞かされるのだが――。クライマックス目前! アリアの決断とは!? とうとうクライマックスが近づいてきた「幻獣降臨譚」第21巻。 この時を待ってました!!! ずっと待ちわびてきたシェナンとの再会とディクスぶん殴りがセットで! 成長したシェナンがかっこいいことかっこいいこと。騎士の礼や戦闘時のセリフに、脳内できゃーきゃー言いながら読んでました。それでいて初心でかわいい面も残ってるとか素晴らしいです、大人たちの暖かな視線にニヤニヤ。照れアリアもかわいいしお似合いですね、ごちそうさまでした。ディクスに対してもアリアとシェナンのダブル攻撃でスカっとしました、待った甲斐がありました。 シェナンとディクス関連以外でも怒涛の伏線回収がありましたが、今までじっくり話が進んできただけあって、驚きよりは腑に落ちることが多め。アリアの無双っぷりがこれでもかというくらいに描かれてきたのはそういうことだったんですね。初期のアリアから資質を見抜いた光焔は凄すぎ。 パジャンやユリストルは今までどちらかというと憎みたい存在でしたが、こうして全てが見えてくると少し不憫なところもありました。語る理想には惹かれるものもあるし、無双なアリアなんて計画外なの仕方ないですし……。 さて残り1冊。最高司祭はあの人と見せかけてあの人でしょうか(ここまできて外れたらかっこ悪いのでボカします)。アリアとシェナンの顛末が最後まで描かれればそれだけで満足しそうですが、どう締めてくれるのか楽しみです。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 聖雪のキャンパス アリアンロッド・リプレイ・ハートフル (久保田 悠羅/富士見ドラゴンブック) 【amazon】 《あらすじ》 エルクレスト・カレッジは世界でも有数の冒険者学校。新入生のファムとヴァリアスは、先輩・カミュラ、カッツたちと共に試験用のダンジョンに挑むことになる。この試験をファムたちは無事突破することができるのか? 結構前に発売された、アリアンロッドのリプレイの1シリーズ。確か昨年あった本の交換会での頂き物です。 丁寧に作られているなあと思えるリプレイでした。「ハートフル」なので普通のTRPGと違うことを〜、という記述がありましたが、あまり数読んでいないので違いは実感できず。でも、知恵比べなところ多めなシナリオであったり、発言でうまく誘導したりと、古参プレイヤーやGMが楽しもう、楽しませようと工夫している様子が分かりやすく、なるほどと思いながら読めました。読んだことのあるリプレイってきくたけさんと田中天さんがほとんどで、リプレイには笑いの要素も期待しているので、そういった面では物足りなさもありましたが、それでも笑えるところはあって普通に楽しかったです。 前半で好きだったのはゴーレム。色んなゴーレムがイラストつきで出てきてかわいかったです。特にチャイムゴーレムが新鮮でした、チャイムでゴーレムっていう発想はなかった。ハートつけてかわいこぶってるアイアンゴーレムは調子のりすぎですが。あと「死んでいなかった」は引っかかった派です、それはずるいって! 後半では設定が印象的。生まれてもない魂が未来の転生先しってて、肉体と意識もって現世に現出って、そんなのありかー、と。でも、そんなのありなのがTRPGのいいところの一つなんだろうなと感想書いてて気づきました。もう何年もTRPGやってませんが、いつかまたやりたいです。 評価 ☆☆☆(6) ◆ シュアンと二人の騎士 (黒猫 ありす/講談社X文庫ホワイトハート) 【amazon】 《あらすじ》 10年前の隕石の落下をきっかけに、凶暴な獣が人々を襲いはじめ、「進国」は滅亡の危機にあった。その進国の廃墟に、ユイは1人で暮らしていた。父は行方不明、母は5年前に幼いユイの目の前で、小さな鐘を首に下げた男に殺された。そんなユイの前に、母の仇と同じ鐘を持つ2人の若者が現れる。2人の優しさにふれたユイは、彼らとともに旅に出る決意をする! ホワイトハート新人賞受賞作、冒険ファンタジー! ホワイトハートの新人さん作品、謎の獣が跋扈するようになった国が舞台のファンタジー。 色々ともったいない作品でした。廃墟で1人暮らす少年の元に2人の騎士が訪れるところからはじまる物語。少年が狭い世界から連れ出されて、色んな出会いを経験しつつ真実を知っていくストーリーの流れは、途中から意外な展開を見せてくれたりもしてなかなかいいなと思いました。主人公が男装少女という設定も個人的にはとてもおいしく、話のパーツは悪くなかったです。 ただ、登場人物がどうしてそう考えたのか、そういう行動に至ったのかといった繋がりがブツ切れなのが致命的。死の重みが感じられなかったり、悪役の行動にポカーンとなってしまったり。文章の読みにくさも多少ありましたが、それよりもエピソード不足が大きかったと思います。倍くらいの分量でじっくり描かれればグッと面白くなったと思えるだけに惜しいお話でした。 評価 ☆☆(4) |
12月23日(木) |
【最近読んだ本】 ◆ 15×24 link one せめて明日まで、と彼女は言った (新城 カズマ/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 高校生・徳永準が書きかけた自殺予告メールがネットに流出。友人・笹浦は東京のどこかにいる彼を見つけ出し、自殺を止めるために捜索隊を結成。チェーンメールのようにどんどん広まっていく徳永のメールを読んだ彼を見知らぬ少年少女たちが、携帯電話で連絡しあいながら大晦日の街を駆け回る! ライトノベル史上〈もっとも長い一日〉。 昨年末に話題になった、大晦日の東京が舞台の群像劇。当時は迷って見送ったんですが、やっぱり気になったので1年遅れで読むことに。 全貌が全然見えてきません! ある少年が自殺する直前に送るはずだったメールが手違いで送られてしまい、それをきっかけに色んな人が自殺を止めようと動く物語。自殺を止めようと少年少女が様々な動き方をする群像的な面白さと、徳永が一緒に自殺しようとしている相手は一体誰なのか? というミステリ的な面白さの2種類の面白さがある感じです。 そのうち、今目がいっているのはミステリ方面。メールが使えなくなったのにブログには書きこめている、12時間後には移動できる、など類推する情報が適度に与えられて、とても(的外れな)推理をしたくなります。とりあえず、登場人物たちが推理しているような心中殺人なんかはミスリードだと思うんですよね。今現在視点となっているキャラもどうも違いそう。というわけで怪しいなと思うのは笹浦周りの人物、笹浦からは準主役な匂いがします。妹もしのぶさんも怪しい。ミユは露骨すぎるので違いそう。最後まで読み終わったときにこの感想読み返すと恥ずかしくなる自信があります。 一杯出てきた登場人物の中では、頑張る女の子好きとしてはマリエを応援したくなります。ちょっと猪突猛進すぎるのが怖いですが。逆に鬱陶しいのはマーチ、このまま終わってほしくないですが、1日で人が大きく変わるのは難しそうなのでどうなんだろう。他では愛や亜希穂といった巻き込まれ組は見ていて楽しいです。しかし、1巻だけで相当人数出ているのに、立ち位置を明確に書き分けているのは、さすが上手いなと思わされました。 とりあえず現段階では何ともいえないので続きとっとと買います。陶子の夫の海外からのサーバー攻撃は絶対絡んでくるんだろうなあ。 評価 ☆☆☆★(7) |
12月19日(日) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コミケシーズンの定期調査。 ライトノベル作品別サークル数変動チェック(C79版)
※1 超電磁砲も禁書目録扱い ※2 C77まではアニメ(その他)エリア 太字は注目箇所です。過去データを含んだ詳細版はこちら。 はい、デュラララ無双です。増えるのは分かってましたが、ここまでとは。アニメ放映タイミングと少しずれているのにこの数字は凄い、あっさりとハルヒの全盛期を越えました。そのハルヒは前回あたりからさすがに勢い落ちてきましたが、女性向は息が長い傾向があるのでデュラララの勢いがどこまで続くのかが気になります。とりあえず2期があるかどうかでしょうか。 デュラララには劣ったものの、アニメ放映にマッチした俺妹も大幅上昇。男性向の150は調査はじめてから一番の数字です。他のアニメ化作品のサークル数も全体的に昔より多いので、男性向でのライトノベルエリアへの区分けが徹底されてきているのかもしれません。 その他で目立つのは、FC(小説)における禁書目録の上昇。過去2回のアニメ化時に比べても顕著な伸びで、明確な要因が分からないのですが、このラノ1位もとったように徐々に人気を伸ばしてきたのかも? あるいは単にFC(小説)と男性向の分け方の変化かもしれません、刀語、化物語あたりもFC(小説)だけが伸びてます。 非アニメ化作品で気になるのが「はがない」の上昇。1年前の俺妹と同じ伸びです。来年のアニメ化は規定路線? |