1月31日(月) |
2月の購入予定。楽しみなものが多すぎる! 金星最新話が載るウィングス本誌も出ます。 シスター・ブラックシープ III 薔薇と聖歌 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫) 平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 少年たちの恋戦 (松田 志乃ぶ/コバルト文庫) 姫婚オールアバウト (野梨原 花南/コバルト文庫) ギデオンの恋人 (石和 仙衣/講談社X文庫ホワイトハート) 姫君返上! 聖母に焦がれた者 (和泉 統子/ウィングス文庫) 楽園のとなり (河上 朔/レガロシリーズ) ウィザーズ・ブレイン VIII 落日の都 〈中〉 (三枝 零一/電撃文庫) 聖鐘の乙女 水晶の笛と闇の時計 (本宮 ことは/一迅社文庫アイリス) 死神少女と1/2アンデッド (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 【最近読んだ本】 ◆ 魔王をプロデュース!? (甲田 由/幻狼ファンタジアノベルス) 【amazon】 《あらすじ》 魔王の影武者をすることになった気弱な中年メィズは、娘のベルに叱咤されながら奮闘する! 第一回幻狼大賞優秀賞受賞作! 設定面白そうなので気になっていた、去年の幻狼の新人さん。 楽しい魔王パロディでした。ミノタウロス族の血を引きガタイは凄い、でも性格は虫も殺せなくて趣味も乙女チックな中年男性メィズが、魔王の影武者として雇われるお話。これだけ書くとメィズが主役に見えますが、実際はその娘のベルが主役。このベルが明るくて見ていて飽きない女の子でした。 可憐な見た目が父親と凄く違ってアンバランスなのに、愛情たっぷり(時々尻をたたく)な親子関係を築いているのにほのぼのするし、恐ろしそうな魔王城にいっても全くの平常体で、あちこち動き回ったりしっかりした金銭感覚を発揮するのが楽しかったです。後半無双化するのも痛快でした、かなりぶっ飛んでますがベルかわいいので許せちゃいます、かわいいは正義。お父さんは気弱でドジっ子でどうなるかと思ったけど、優しい心で思わぬ頑張りを見せてくれるいいパパでした。 そして、よくある勇者と魔王の戦いの概念を大きくいじった世界観が楽しかったです。勇者がランク制で勇者法に背くと厳罰、などお約束をとにかくひねるひねる。「毒沼シート」とか噴きました、それシートにしちゃうとか! 一部悪ノリしすぎかなと思うところもありましたが、概ね笑えるところが多かったです。 恋愛模様が淡い段階で止まっているので続きもありそう。彼がベルについていけるのか気がかりですが、ベル自身は恋愛方面では普通そうなので大丈夫でしょうか、問題はむしろその周囲。その辺気になるし、続きも読みます。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 聖グリセルダ学院の事情 (鮎川 はぎの/ルルル文庫) 【amazon】 《あらすじ》 殺るしかない――そんな生活が一変!? 暗殺者一族に生まれた少女ティエサが16歳のある日、内乱だらけのサディル国はとても平和に。暗殺稼業は廃業となり、ひょんなことからティエサは、貴族の師弟の通う聖グリセルダ学院で寮生活を送ることに! 暗殺見習いの少女ティエサが、キラキラ華やか社交界にデビュー! 野性的でツンツンな王子キアスは、ティエサの秘密を探ろうとするうち、意外にも……!? ときめきの恋と国を揺るがす事件が待つ、学院ロマンミステリ−! 横柄巫女シリーズの鮎川さんの新シリーズは、横柄巫女と同世界観が舞台の学園物。 主人公がかわいかったです。内乱が終わって平和になった国で、元暗殺者見習いのティエサが貴族の学園に入学するお話。きらびやかな学園に物怖じしてしまったり、うっかり暗殺者の癖を出してしまったりといった失敗が、箱入りの暗殺者ならありえそうと思える自然な感じだし、その失敗に対する反応など含めて、泣いたり頑張ったりとても女の子らしい女の子でかわいらしかったです。恋愛面は薄味でまだまだこれから、鮎川さんたちの恋愛描写は微妙に肌に合わないかもしれないんですが、今のところヒーローのツン具合は前シリーズよりも好きです。 学園物で他にも男子いるのに、ルートがすでに固定なのは少し惜しいところ。せっかく同室に男装少女もいるのに! でも脇役勢はいいキャラ揃ってました。フィムが鳥につれなくするのは楽しいし、この話で一番印象に残ったのはフィムとエステリアのシーンでした、フィム男前! 続き気になるんですが、前シリーズも読もうと思いつつ止まっているのでまずそちらをどうしたものか。 評価 ☆☆☆(6) |
1月28日(金) |
【最近読んだ本】 ◆ 薄桜鬼 壱 (矢島 さら/B's-LOG文庫) 【amazon】 《あらすじ》 父親を捜すために江戸から単身で京を訪れた雪村千鶴は、小雪が舞い散る夜、浅葱色の羽織を着た白髪の隊士が浪士を切り裂く姿を目撃してしまう。「逃げるなよ。背を向ければ、斬る」――目の前で起きた惨劇の恐怖に震える彼女に刀を向けたのは、新選組副長・土方歳三だった! この偶然の出会いが、千鶴の人生を大きく狂わせていく……!! 武士であることの誇りを胸に、激動の乱世を駆け抜けた男たちとひとりの少女が織り成す幕末奇譚。乙女向け人気ゲーム原作のアニメ、待望のノベライズ!! 有名乙女ゲーでアニメ化もされた「薄桜鬼」のノベライズ。プッシュに釣られて最近ゲームを購入して絶賛プレイ中なので、こちらにも手を出してみました。 手堅くまとまったノベライズでした。アニメは未視聴なんですが、概ね原作をなぞりつつ、選択肢があるところは時々並行させて違和感なく進んでいく、という作り。1巻の段階ではまだ共通ルートの部分で、原作既プレイなら読まなくてもいいかなという気がしますが、どんなキャラがいるのかな、原作どんな話なのかなと知りたい人には安心してお勧めできます。 ちなみに原作は現在3キャラクリア済。「鬼」という要素を加えて切なく仕上げた物語もよいんですが、それ以上にキャラの魅力が大きいゲームだなと思います。今のところのお気に入りは平助君。年齢近い分かわいらしいところもあって、でも見せ場ではビシっと守ってくれる姿に転びました。恋戦記の子龍君といい、こういう年上揃いの中の同世代キャラに弱い気がします自分。 評価 ☆☆☆(6) ◆ オオカミさんとおつう先輩の恩返し (沖田 雅/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 御伽学園のご奉仕大好きメイド・おつうさんの趣味は 「恩返し」。でも、対人恐怖症の亮士くんが 「恩返し」 のターゲットになってしまったから、さぁ大変! 美人メイドにかしずかれる悪夢の生活が始まった! りんごさんはニヤリと笑い、おおかみさんはちょっと嫉妬(?)する大騒動の結末やいかに? 熱血ラブコメ・第2弾の登場です! 先日数えたら、昨年の電撃読了数が7冊でした。これはさすがに少ないんじゃないか、というわけで、お勧めされて積んでいたオオカミさんの第2巻。 1巻と同じく、気軽にラブコメ読みたいときにちょうどいいお話でした。かわいくないショタ少年の金太郎や、お色気風紀委員の桃太郎など、おとぎ話のアレンジの仕方が楽しい。ところどころに挟まる作者視点ツッコミはあまり好みじゃないんですが、オオカミさんや亮士くんといったメインキャラのおかげで全体的に微笑ましい雰囲気を保っているのがいいなーと思います。 4話のうち一番気に入ったのは「うさぎとかめ」のアレンジ。りんごさんまで交えて暴走する女の子たちがノリノリで愉快でした。宇佐見さんみたいな裏があるけど抜けてる女の子って好きです、最後で地団太踏んでるところとか素晴らしい。また出てきて痛い目にあうところが見たいです(酷い)。ちなみにメインキャラで好きなのはりんごさん、次いでオオカミさん。あれこれってランキングの小さい順、いや別に小さいのが好きってわけじゃない、はず。 最近出た最終巻での甘さが素晴らしいらしいので、できればそこまで辿りつきたいです。が、いつになるか……。 評価 ☆☆☆(6) |
1月25日(火) |
お詫び。昨日から1日ほどミストクローク3の感想のネタバレ反転ができていませんでした、読んでしまった方ごめんなさい。特にシリーズ既読で3巻だけ未読なのに読んでしまった方がいらっしゃったら本当に申し訳ないです、楽しさの何割か奪ってしまいました。 最近はミス減っていたので油断していました……気を引き締めます。 【最近読んだ本】 ◆ 夢の上2 紅輝晶・黄輝晶 (多崎 礼/C★NOVELSファンタジア) 【amazon】 《あらすじ》 眼前で解かれる夢の結晶。誰よりも激しい夢に身を焦がした『復讐者の遺言』、そして夢見ることを恐れた男が辿り着いた『夢の果て』―夜の王が呟く。叶わぬ夢はどこに行くのだろう、と。 「煌夜祭」の多崎さんがおくる、叶わなかった夢を紐解くファンタジー、全三巻の第二巻。 はやく四ヵ月後を! 1巻と同じく2人の夢を描いた構成。前半の「紅輝晶」は大切な人を奪われた女性の復讐譚。自分にしてはとても珍しく初期から真相に勘付いたので、多崎さんの上手さを堪能して読んでいました。で、彼女の言葉の端々から感じられる想いにじんわりとしていたら、最後に衝撃が。結末は分かっていたのに、こんなに心を動かしてくるなんて凄い。 そして「黄輝晶」は1巻にも登場した男の恋物語。1巻のアーヴィンの物語から彼の想いは大体は分かっているわけですが、彼の視点で見るシアラは本当に眩しくて惹きつけられて、その眩しさから芽生える人としての気持ちが愛しい。そしてアーヴィン以上に実る見込みのない恋心が苦しかったです。アーヴィンの恋と想いが重なるので、胸の苦しさも二重。恋心を育んだ彼が見た夢の果ての描写は、切なく美しい情感に溢れていました。多崎さんの文章はなんでこんなに胸を震わせるんでしょう。 ここからネタバレなのでしばし反転。 夜の王は呟きから察するにアライスの可能性が高そうですね。王=ツェドカはきっとミスリード。3巻は2人の王子の話とのことなので、光でツェドカ、闇でアライスなんじゃないかなと。黄輝晶の最後で処刑されたのはツェドカの線もありえそう。演説聞いて、父に会った後のアライスがここまで眩しいこと言えるのか少し引っかかったんですよね。でもその手前のシアラは眩しいし、ダカールが見たものは本物に思えるし、うーん。 こんな風に構成はなんとなく見えた(つもり)ですが、そこで何が描かれるのか、ツェドカやアライスが何を思っていたのかは全然見えません。見えた先には絶対感動が待ってますよね、切ない痛みも待っているかもしれませんが、楽しみ。 とにかく完結編が待ち遠しいです。一体どうまとめあげるのか、なかなか幸せな未来図が頭に描けないんですが、願わくば全ての夢が解かれた後に素敵な終わりが待ってますよう。 評価 ☆☆☆☆★(9) |
1月24日(月) |
【最近読んだ本】 ◆ ミストクローク―霧の羽衣―3 永遠の大地 (ブランドン・サンダースン/ハヤカワ文庫FT) 【amazon】 《あらすじ》 “西領”の王ヨーメンに囚われたヴィン。金属が尽き絶体絶命の彼女の前に、“破壊”神が姿を現し世界への疑念をあおる。そしてコロス軍を率いてファドレクス・シティを包囲するエレンドは決断を迫られる―霧の正体とは、コロスやカンドラ、テリス族はなんのために存在するのか、ヴィンとエレンドが導く“破壊”神と“保存”神の争いの行方は? 時代を代表する傑作シリーズ、雪崩のごとく衝撃的感動を呼びおこす完結篇。 合金術で戦う盗賊団からはじまり、数々の思いもよらない展開を見せてきた「ミストボーン」シリーズ、3部作×3冊、計9冊の完結編。 著者は天才だと思いました。 これまでの傾向から怒涛の展開が待っていることは分かっていたので、ちょっとやそっとじゃ驚かない心構えをして望みました。で、最初の100ページくらいは「驚いたけどまあそれくらいは想像の範疇ですよ!」くらいのジャブが飛んできていて、「さあサンダースン雪崩を見せてもらおうか!」と先に進んだら……おみそれしました。 あまりに完璧にピースがはまっていく様子に、読んでて「うっわー」と何度声を漏らしたことか。伏線だと思ってもいなかったものまで伏線になっていて、いざ書かれてみるとこれしかないと思うくらいの完璧な構成。2巻でも似たようなことを書きましたが、今回の驚きはそれより遥かに上、おまけに物語のスケールも大きくて、緻密と遠大の両立が見事でした。 そして構成だけじゃなく、物語自体も凄かったです。圧倒的な破壊神の力で滅び行く世界を前にして、悩み、諦めずに戦い抜いた彼らはこの上なく格好良かった。これまでの過程を振り返ると誰もが凄いドラマをくぐり抜けてきていて、皆愛しく思えます。 その中でも一番好きなのはやっぱり主役のヴィン。初期の頃は人間不信だったんだよなあと思い出して、エレンドを愛する今の彼女を見ると感慨深いです。強くて知恵もあって、さらに女の子らしいところもある、素敵な主人公でした。 以下しばらくは完全ネタバレ感想なので反転。 数ある中でも一番驚いたのは宗教。ディティールまで凝ってるなあと普通に読んできたそれが物語の核心に絡むなんて、欠片も頭をよぎりませんでした。メアからめぐって渡ってきた花が咲くのには胸がいっぱいになりました、なんて心憎い作り。 驚いたといえば耳飾り。勘のいい人なら前巻の血金術が明かされたときに仕組み自体は気づいたのかもしれません。でも、なんで破壊神がヴィンに影響できるのかは気になってたんですが、そこまで思い至りませんでした……。さらに、それが銅の雲突破にきいてるなんて、もう言葉もない。他にも驚きの雪崩、美しいラスト、著者は天才ですほんと。 1巻から全く飽きさせることなく、戦闘に恋に伏線に様々な魅せ方をしてくれた、極上のエンターテイメントでした。邦訳ファンタジーにしては文章も読みやすいほうだと思います。出し惜しみ気味でしばらくつけてませんでしたが、これは五つ星。今年度中にはアメリカで続編が出るらしいので、原著チャレンジしてみようかと思ってます。 評価 ☆☆☆☆☆(10) |
1月23日(日) |
メルフォでお祝いメッセージ下さった方ありがとうございます。面白かった本を面白いと伝えたいのがモチベーションの1つなので、そういっていただけると嬉しいです。ここまできたので、2桁を意識して続けていきたいです。 【最近読んだ本】 ◆ アリアではじまる聖譚曲 背信者は聖女に跪く (西本 紘奈/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 n 《あらすじ》 マリアの代わりに聖女として神聖王国の国王ホアンのもとに連れ去られてしまった耀子。耀子を取り戻すため、アリアはジュリアスのもとから逃げだし、ユースとともに神聖王国に向かうことに。ところがそこでクラウディオとホアンとの神聖王国の王位をめぐる戦いがはじまっていた! しかもアリアまでもがホアンに捕らえられてしまい――!?物語はクライマックスへ!! 聖女マリアの爆笑受難ファンタジー、第4弾!! 自称凡人の少女が、後ろ向きな叫びで道を切り開いていく異世界ファンタジー「アリアではじまる聖譚曲」、佳境の第4巻。 エミリオ……。怒涛のネタばらしで恋も物語も進展しているんですが、まず気になってしまったのがエミリオ。恋路で勝ち目ないのは今までで分かっていました、でも出番まで奪われてしまうなんて。彼の恋心が華麗にスルーされる不憫っぷりが好きだったので(酷い)、 最終巻(多分)ではそんな彼をまた見たいです。 アリアの後ろ向きで前向きな啖呵が気持ちいいのはいつも通り。それに加えて今回は、純粋な気持ちから出た「守りたい」がいい叫びでした。 ただ今回は少しだけ、「もう少し考えて動いてほしいな」とも思ったり。耀子ちゃんの覚悟を台無しにすることに気づいて、その覚悟をもってほしかったなと。まあ結果オーライでなんとかなったし、気づかないこの鈍さがアリアでもあるんですけどね(だから少しだけ)。 恋路はクラウディオ頑張った! シリーズ途中で「きっとこういう俺様キャラは振られるポジションなんだろうなあ」とがっかりしてたら、そんなことありませんでした。ロリコン扱いされてもめげず、権力を使わず1人の男としてアリアを求めたその真摯さ、そして王としての生き様が報われたんだなあ、よかったなあ。いやまだ確定じゃないですけど、その想いは確かにアリアを動かして叫ばせもしたわけで。『きれいでかっこよくてかわいいとかずるい』にニヤニヤ、これでクラウディオルートいかなかったら嘘です。もしユースルートいったら本投げが炸裂しかねない。でも耀子ちゃんルートならあり。 過去が語られるストーリーは、マリアの行く末みたいな意表をつかれたところもありましたが、全体的には納得の展開でした。問題はここからアリアがどうするか。アリアらしく豪快にハッピーエンドを掴み取ってくれるのを期待してます。 評価 ☆☆☆★(7) |
1月21日(金) |
7周年を過ぎてました。いつも見ていただきありがとうございます、あまり変わりばえのしないサイトですが引き続きよろしくお願いします。 最近は運営方針を少し変えようか思慮中です。改装も今年こそはするかもしれません(と言い続けて3年目)。 【最近読んだ本】 ◆ シスター・ブラックシープII 林檎と堕天使 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 n 《あらすじ》 漆黒の悪魔にはめられた結婚指輪を壊すため、昼は男装し教会の助祭、夜は伝説の聖女【黒い羊(ブラックシープ)】の二重生活を送る少女コンスタンティン。しかし、助祭の仕事中に事件に巻き込まれ、僧衣を切り裂いてしまった彼女はドレスを着るはめに! さらにその姿を【黒い羊】を追う司祭ユリエルに見られてしまい!?「あなただとわかっているのに、女性に見えて…」司祭の懊悩と悪魔の猫化が加速するトリニティ・ラブ・ファンタジー第2弾!! 男装の女の子を司祭と悪魔がとりあうことになりそうな三角関係ファンタジー「シスター・ブラックシープ」第2巻。 なんか悪魔がかわいいんですが! 1巻では本格的な悪キャラだなーと眺めてたはずが、この巻では猫としての馴染みっぷりがやたら目立っていました。この悪魔、猫ライフ楽しみすぎですかわいい。扉閉められて無力なところでとても心和みました。で、そのせいか、悪いことやってても悪キャラに見えなくなってきました。いつの間にか惚れが本気になってますしね、嫉妬心おいしいです。 一方の司祭サイドも、女装とか正体バレかけとか男装好きにはおいしすぎる素晴らしい展開。コンスタンティンの動揺がかわいいだけじゃなく、混乱するユリエルもかわいくて楽しい。3巻ではさらに悶々とするところが見れそうで心躍ります! この巻個別のエピソードも、苦さが程よく混ざって綺麗にまとまっていて面白かったです。「悪徳」の街への各人の想いが印象的で、1巻では視野の外にいたレオンを応援したくなりました。メイン二人に比べて正当派にいい男なので、「まずは愛する人を〜」を見てレオンもコンスタンティンのこと好きにならないかとちょっと期待してしまったり。色々な面でさすがにありえなそうですが。どちらと距離が縮むのか、3巻も楽しみ。 評価 ☆☆☆☆(8) |
1月20日(木) |
【最近読んだ本】 ◆ 15×24 link four Riders of the Mark City (新城 カズマ/集英社スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 徳永を巡って抗争状態となり、捜索隊を襲い始める五大自警団。明らかになるトウコの秘密。笹浦たちは自警団のひとつ〈遊動〉と人生を賭けた勝負をする。 伊隅とホノカはそれぞれの目的のために、ファブリと連絡を取り始めて―― 折り返し地点を過ぎて加速する群像劇「15×24」第4巻。 加速するどころか、ところどころぶっ飛んできました。まず、陶子さんそうくるとは想定外にもほどが。全然疑ってませんでしたよ、狂気の端くれくらいは見えてた気がしますが、そういう性格なんだろうと流してました。で、陶子が向かった先にもまた飛び道具が待ってますし。どれだけ広がるんですか。 陶子と同じくらい不意をつかれたのがピンクの待ち受け画面。出てきたときは呆気にとられました。その後をよく読んで、2巻を読み返して分かったこと。ファブリ性格わっるいな!!! 子分の人たちにはおつかれさまですと言ってあげたい。しかし、細かく伏線張ってあったんですねえ。細かさとファブリの意地の悪さ的に、「西」には普通に海外の意味もある? 完全に笹浦たちが中心になってきましたが、野球対決前後の転がり方などこれはこれで面白いので、出番の有無はどうでもよくなってきました。でもアキホがかわいそうなので、マーチは出てきてはやく目を覚ますように。 さて、あとがきに推理の挑戦状があったので、以下で推理してみます。と思って1巻からパラパラと再読してみたら、全然分かりません……。多重人格の線を捨てると、延期理由的にはPCが使えなくて携帯だけっていうのが安直な発想で、しのぶさん妹が臭いんですが、動機が謎ですし。伏線らしきものが一杯あるのだけが見てとれました。思いもよらない繋がりが出てきそう。マーチの言ってる先生は怪しい会の先生? この手のお話だと、誰かが誰かを騙ってていくつかの視点では別人、ってこともありそうですが、それは見当たらない、はず。「完璧な場所」に至っては一体どこに推理要素があったのか。大人しく続きを読みます。 評価 ☆☆☆★(7) |
1月19日(水) |
【最近読んだ本】 ◆ ミストクローク―霧の羽衣―2 古からの声 (ブランドン・サンダースン/ハヤカワ文庫FT) 【amazon】 《あらすじ》 解き放たれた〈破壊〉神が、人々を戦わせ世界を破滅に導いている。隠された貯蔵庫を探し求めるエレンドとヴィンは〈西領〉ファドレクス・シティの舞踏会で、街の支配者ヨーメンと対峙する。いっぽう〈北領〉のウルトーは、ケルシャーを崇拝する〈同志市民〉クェリオンが支配していた。貯蔵庫を探してこの街に来たセイズドとブリーズは、先に潜入していたスプークと合流するが?! さまざまな謎が明かされゆく怒濤の第二巻! 合金術で戦う女の子が主役の「ミスト」シリーズ、「ミストボーン」1巻から数えると8巻目。いつの間にか完結巻発売が間近(21日)だったので慌てて読みました。 なんて緻密な世界設定! 最初は全く別物だったあれやこれやが、実は一つの血金術として体系化されていたなんて、いやほんと驚きました。コロスや尋問官の謎の真相は、明かされてみるととても理にかなっていて腑に落ちて、それでいて気づかなくても仕方ないと思わされる巧妙な隠され方をしていて、この著者凄いと思わされました。毎巻1回は思ってるような。 ストーリーの方は、最終巻の雪崩に向けて破壊神の攻勢が目立ってきました。中央にも西にも、多分北にも、と縦横無尽。ヴィンの目の前に出てきた彼とか、そんなことまでできるのかと。今までやたら存在感あったのに納得。打倒のためのキーワードは出てきたもののさっぱりだし、勝てる気がまだしません。ヴィンにつきまとっている理由とは繋がらなそうですし。しかし、生まれて間もないころから側にいたとかどんだけストーカーですか。 見ていて心苦しいのがセイズド、吹っ切れる日がくるのかが非常に心配です。宗教についてはともかく、ティンドウィルのことは死ぬまで引きずりそうで……。スプークに対してのケルシャーみたいに、目の前にティンドウィル現れてくれないでしょうか。 一方で見ていて危なっかしいのがスプーク。自信がついた姿は頼もしいんですが、落とし穴が待っている気しかしないのは勘繰りすぎでしょうか。とりあえずケルシャーが何者なのかが問題、スプークに与えられた能力を考えると保存神? でもそれにしては胡散臭いし、でも血金術ではないし。分かりません。 分からないことだらけですが、週末には最終巻が読めそう。サンダースン雪崩が待っているのは分かっているので全力で驚いて楽しみます。 評価 ☆☆☆☆(8) |
1月18日(火) |
港町猫町の2巻を読んで、お勧めしたい気持ちがムクムク沸いてきたので、久々にお勧め漫画記事。巻数が少なくて続いているものを中心に選んでみました。花ゆめ系が多いのは仕様です。 港町猫町 (奈々巻 かなこ/フラワーコミックスアルファ) 寂しさを抱えた女の子たちと、そんな女の子の前にだけ少年の姿で現れる猫たちを描いた短編集。とにかく雰囲気や感情描写が素晴らしいシリーズ。寂しさはもちろんのこと、女の子と猫の暮らしの中の優しさ暖かさがじんわりと伝わってきます。猫は気まぐれで常に寄り添っているわけではなく、また猫側も根深い寂しさを抱えていて、でも全体的には暖かく切ない話になっている、そのバランスが絶妙です。ワンパターンになりそうな設定に反して、色んな形のお話が読めるのもいいところ。女の子の年齢も少女からお婆さんまでまちまちです。 感情描写で一番印象に残っているのは、2巻に出てくる猫の背中。背中だけで寂しさがひしひしと伝わってきて泣けるのが凄い。 魅力を伝えきれてる気がしませんが、優しい気持ちになれるお話好きな人には全力でお勧め、そうでなくても設定にピンときたならお勧めです。短編集ですが共通の登場人物が多いのでまずは1巻から、そして広がりを見せてさらに素敵になる2巻へとどうぞ。 現2巻、以下多分続刊。 もちもちの神様 (森生 まさみ/花とゆめコミックス) 性格きつくて孤独な女の子が友達を作っていくお話。表紙にも出ているマスコット的キャラのもちこが大層かわいいのです、見かけどおりのキュートさとゆるさに加えて、イケメンに目がなかったりとダメなところがいい味出してます。 メインのストーリーも、友達のできていく中でクール系の主人公が泣いたり笑ったりする表情の変わり方が好き。森生さんのお話は、悪いことにはならないんだろうなーという安心感があるのがいいです。恋の予感も若干あって、友達2人のどちらとくっつくことになるのか楽しみ。 現1巻、以下続刊。 プレゼントは真珠 (斎藤 けん/花とゆめコミックス) お人よしで世間知らずでヘタレな貴族の坊ちゃまの元に、女の子がプレゼントされるコメディ。その発想はなかった! と声を上げてしまう1話での騙されっぷりが痛快。その後も男前なヒロインに対する坊ちゃまの反応が楽しいんです、「初デートこわいよう」とかかわいい。坊ちゃまをいじりつつ生暖かく見守る使用人たちも愉快で、あちこち笑えました。 現1巻、以下続刊。 僕の部屋へおいでよ (斉藤 倫/マーガレットコミックス) 不思議系でふわふわしたお嬢様が青年と猫を拾う現代物。人が恋に落ちる瞬間の描き方をはじめ、表情や間の取り方がいいなと思ったお話。絵柄の通りふわふわした雰囲気なんですが、主人公が意外としっかりした面もあって一人前に恋しているのがかわいらしいです。 現1巻、以下続刊。 路地恋花 (麻生 みこと/アフタヌーンKC) 職人たちが集まる京都の長屋が舞台の連作恋愛短編。ここ1〜2年麻生さんの作品結構読んでますが、これは1、2を争うくらい好き。それぞれのお話で描かれる職人の心が話に芯を通していて、さらにはじめや終わりの一工夫が効いているものが多いのが心憎いです。味わい深い余韻、笑えるオチ、どちらもよいもの。恋愛の描かれ方も、大人っぽさとかわいらしさがいい具合に混じってます。1巻の2話3話あたりが特にお気に入り。 現2巻、以下続刊。 桃山キョーダイ (ふじつか 雪/花とゆめコミックス) 全然似ていない双子の兄妹のお話。とにかく設定が斬新でおいしすぎるんです、恋愛ありの家族物好きとしてゴロゴロせざるをえません、この家族構成すごい。事実を知らされて意識や距離感が変わりつつある双子の関係にドキドキニヤニヤ。特に兄の有馬の恋心は応援したくなります、好きな女の子と双子の距離感で接するとかどれだけおいしくてどれだけ拷問。頑張れ男の子! 現1巻、以下続刊。 帝の至宝 (仲野 えみこ/花とゆめコミックス) 帝と仲良くなっちゃった平民の女の子が主役の中華物。ちんまくて頑張り屋な香蘭かわいいよかわいいよかわいいよ、というお話。いやほんとかわいいんです、努力家で前向きで恋する女の子って素敵ですよね! 「チビっ子なのに18歳」設定が、身分差をそこまで重くさせずにかわいさを引き出してくれてます。帝がハグできちゃうのもチビっ子ならでは。無自覚でそんなことする鈍感帝爆発しろ! っていいたくなるお話でもあります。 現2巻、以下続刊。 |