トップに戻る

日記一覧に戻る



 
 3月13日(日)

更新止まっている間に大震災が起きました。被災された方々にはお見舞い申しあげると共に、無事をお祈りしております。
自分は別件の影響で動きなかっただけで問題なく無事です。報告遅くなりすみません、ご心配おかけしました。


先週いただいたメルフォレスだけ。

>「第三王女のカエル様」お勧めしてくださった方

お勧めありがとうございます。「小説家になろう」さんの作品は評判いいものを昔読んでみたら微妙で、それ以来、サイト持ちさんの作品を極力読むようにしてきたのですが、お勧めいただいたからには読んでみます。
オーフェン続編は驚きでしたね、ライトノベル読みはじめた頃の作品の続編が今出るとは。気になりますが手放してしまったので、まず再読のために集めたいと思います。




 
 3月2日(水)

今月は更新ペースがかなり落ちるかと思われます。


【最近読んだ本】

夜の王子と魔法の花  (渡海 奈穂/ウィングス文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
放課後の図書室にいたはずなのに、気付けば見知らぬ場所で目覚めたさちこ。そこは絵本の中のような世界、ルシタリア王国。余所者で行くあてのないさちこは、暫定王ディーレの世話を押し付けられることになる。魔法を操るディーレは、父王の昏睡、天候不良、凶作、疫病─全ての災厄の原因と目され忌み嫌われ、塔に閉じ込められていた。そんなディーレを最初は恐れるさちこだが、尊大な態度の裏の孤独な心に触れるうち……? 異世界トリップファンタジー!!


渡海さんのウィングス初作品は、女子高生の異世界トリップファンタジー。

年下系王子のかわいさが素晴らしかったです。
女子高生のさちこが突然ファンタジー世界に落っこちて、あれよあれよとディーレ王子の側使いに召抱えられて、とお約束で始まるお話。お約束と少し違うのはこの2人の性格と関係。ディーレは生まれもった魔力などのせいで1人孤独に暮らしていて、そこに面倒見がよくて先入観がないさちこが近づいていって、ディーレがさちこに懐いていく様子が微笑ましい。ディーレは好奇心や拗ね方など幼いところをたくさん見せてくれて、年下系キャラ好きにはおいしかったです。そういった面を見つけて、弟と同じように接していくさちこの度胸というか視点も素敵でした。ディーレに攻撃されかけた直後に弟と重ねるのはすごい。

ここまでは本誌で読んでいて、書き下ろしたっぷりだーと喜んでいたら、なかなかに衝撃的な事実が待っていました。弟そうきますか! 幼くても本気が伝わってくる思いは、年下好きには(多分年下好きでなくとも)いいものでした。少し不憫だけれど、きっとさちこの意識は変わらないので仕方ない。で、この書き下ろしの主役はディーレ。見知らぬ世界で無力で、誰かのために出来ることを探していく、ディーレがそうした心持ちになっていくのがとても自然に描かれていて、ディーレよかったなあと思えます。本編よりも書き下ろしの方が少しだけ好き。
さちこのディーレに対する思いがどの辺で愛に変わったのかが分からなかったのだけが引っかかりでしたが、最後がかわいらしかったのでよしで。今のところ渡海さん掲載は1回だけですが、またウィングスでも書いてくれるといいです。


評価 ☆☆☆★(7)



死神少女と1/2アンデッド (佐々原 史緒/ファミ通文庫)amazon

amazon 
 
《あらすじ》
彼此見市に住む高校生、陣内冬哉は、とある海辺の塔から転落死した。死後の世界で彼は「鏡」を拾う。だがその瞬間、道士服の少女に追われて大きな鎌で斬られ、気づくと現実世界で蘇生していた……。日常に戻った冬哉。だが、心音がなく、鏡に映らず、街角に佇む霊が見える。そしてなぜか自分の死因を思い出すことができなかった。そんなとき冬哉のクラスにあの鎌の少女が制服姿で現れる、「鏡を返せ」と――。彼女、那由子は彼岸の門番で、彼のような迷える霊を彼岸へ「渡す」のが役割だという。それが“死神少女”那由子と、“半死人【1/2アンデッド】”冬哉の奇妙な関係の始まりだった。


佐々原さんの待望の新シリーズは、路線を変えての現代学園ホラー。

結構怖かった!
死んだはずが何故か蘇ったけれど、変なものが見えるようになったりと変わってしまった高校生男子が主役のお話。今までの佐々原さん作品はコミカルなものばかりでしたが、これは普通に怖かった。何事もなく蘇って日常に戻ったかと思いきや、自分が変わっていることに少しずつ気づかされていく、その静かな侵食が恐ろしい。姿が見える化け物も出てきましたが、それよりも一章の異変の連続にゾッとしました。

お話やキャラクターは、今のところは無難な導入な感じ。異質と接するファンタジーにしては、警察などの現実が随分絡んできそうなあたりが面白いです。いつもより文体が大人しい分、主人公への好感度はそこまで高くなし。メインヒロイン(?)の那由子も、ちょっと性格が狙いすぎに思えましたが、こちらは背景がもう少し見えてくるとがらりと印象変わりそう。でも今のところは従姉弟のさつきを応援したいです、こういう位置づけの子って佐々原さん作品だと珍しいような。不幸への道が色々ありそうですが、なんとか切り抜けてほしいです。

1/2アンデッドが主役なので、着地点がどうなるかが気になるところです。今後さらに追い詰められそうだし、メインヒロインは死神少女だし、ハッピーエンドは難しそうですがどうなるんでしょうか。


評価 ☆☆☆(6)