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 6月26日(日)


【最近読んだ本】

贅沢な身の上 ときめきの花咲く後宮へ! (我鳥 彩子/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
豪商の娘・花蓮は両親に縁談を迫られるという危機に直面していた。男に興味のない花蓮は、いっそ後宮入りすれば結婚せずにすむと思い立ち──!? 「ひとり総選挙」で圧倒的支持を受けた作品!


今まではシリアスな作品が中心だった我鳥さんの新シリーズ。

ヒロインの突き抜けっぷりが楽しいお話でした。
豪商の娘の花蓮が、自由気ままな生活を維持するために後宮に入ったら、ある事件に遭遇して、というストーリー。この花蓮がもう相当に変な子。結婚回避で後宮に入るっていう発想だけでも大概なのに、溢れる好奇心と変態な妄想力まで備えていたら変にならないわけがないです。結構シリアスな場面なのに、美少女を見て妄想して鼻血出したの見て、このヒロイン駄目だーと思いました(褒め言葉)。花蓮ばかりに目がいっているうちに、事件はいつの間にか解決していたくらい。身近には花蓮の崇拝者の侍女しかいないのもポイントです、諌める人がいないからゴーイングマイウェイですし、花蓮慕う侍女かわいいですし(大事)。
こんな主人公ですが、恋愛描写は意外にまとも。長編恋愛小説にたとえて交わそうとしつつ、ドキドキしているあたり好きです。「寸止我愛」あたりは時代にそぐわないにも程がありますけど、完全に中華風と割り切っているのが分かるので気になりませんでした、むしろ笑った。

ヒーローの典琅は……物好きにも程があるというか。こういう変な主人公のときのヒーローって、無意識に惚れてしまって抜け出せないってパターンが多い気がしますが、典琅はあっさり惚れて積極的にアプローチですからね。この後色々苦労するんでしょうけど、自業自得なので仕方ないですよね。追われ追いかけは息合ってて楽しそうですし。

ただ典琅は、不憫な人を2人も産んでいるのが罪。侍女の鳴鳴はいつの間にかお嬢様奪われてかわいそうですし、宰相の理央は言わずもがなですし。主君の皇帝が変な女に夢中になるとか悪夢、このままだとストレスで倒れますよこの人。続きがあるなら是非とも幸せが描かれてほしいです。


評価 ☆☆☆★(7)




 
 6月21日(火)

ペース戻る戻る詐欺なので、しばらくはこんなペースで、と宣言しときます。結局ゲームもまだ終わってません。


【最近読んだ本】

魔法書の姫は恋をする はじまりのキス (薙野 ゆいら/角川ビーンズ文庫)amazon

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《あらすじ》
「私の可愛いソフィー、心配しなくてもすぐに帰ってくるから」そう言い残して、魔力を秘めた本『真書』を持ち失踪した兄フィンレイ。兄様至上主義のソフィアは、手がかりを捜すため彼の向かった大学図書館に潜入することに!! ところが、そこで出会った超美形な〈騎士〉アレクシスは、ソフィアをつけ回したうえ、強引に護衛になってしまい!? ブラコンお嬢様と慇懃無礼な騎士が贈る、マジカル・ラブファンタジー、スタート!!


評判がよかったので買ってみた、先月のビーンズの新シリーズ。

兄ラブと妹ラブの良い兄妹でした。
行方不明の兄を探すために、世間知らずの貴族の女の子が危険な組織に潜入するお話。この主役のソフィアが、とてもよい兄様スキーでした。兄様大大好きで、行動力たっぷりで、頭もさほど悪くない、といいバランス。鏡のエピソードでこの妹馬鹿好きだーと思いました。あけすけでノリのよい侍女のネリーも好みで、序盤かなりテンション上がりました。

それだけに途中であっさりヒーローに転びかけたときはガッカリしかけましたが、ちゃんと最後まで兄様スキーのままでいてくれたのがよかったです。いや、ヒーローも窮地にかけつけてくれたり、正統派にかっこいいんですが、逆転はじっくりじゃないと。今のところは妹馬鹿なソフィアの方がかわいいですしね。
兄様の方もなかなかの兄馬鹿、兄様はちょっとふがいないところもありましたけどね(こういう設定だと完全無欠の兄様を期待してしまう派)。

少し残念だったのは侍女のネリー、テンプレ侍女を抜け出せずに終わってしまった感が。好きなんですけど、思ったよりも途中から出番なくて、もう一つ何かあればもっと好きになれたのに、という。続きがでるなら兄様に対して何かありそうなので、その辺に期待。

ここ最近、ビーンズの新シリーズがなかなかいい気がします。1〜2年前はどれも同じに見えて避けてたんですが、変わってきたのか、ただ目が悪かっただけなのか。ともあれ、これからもポツポツと手を出すつもり(今月の新刊も買ってますし)。


評価 ☆☆☆★(7)



わたしと男子と思春期妄想の彼女たち2 外泊ですが何か? (やのゆい/ファミ通文庫)amazon

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《あらすじ》
《妄想少女》リサたちとの出会いにより、高柳君を巡るライバルである本物の河内利沙ともお近づきになったあすみ。そんなある日、「超豪華なユニコーンホテルの宿泊券をGETしたから高柳君とその他を誘いなさい」と命じられほくほく。一方その頃D組では、高柳君を傷つけ書き初めを破った仁島さんを想うチャラ男・沢田の妄想少女サチコが衰弱しきっていた。そしてあすみの机から、プラチナチケットが消えた――!? 愛欲まみれの超リア中ラブコメ第2巻!


今年のファミ通の新人さん作品、男子の「妄想少女」が見える片想い少女が主役のラブコメもどき、第2巻。

ぎりぎりのバランスで成り立ってるな、と感じました。
新しくできた友人に旅行に誘われたと思ったらチケットが盗まれて、同級生も不登校になって……、というストーリー。このシリーズ、あすみは相変わらず片想いで一人称の地の文がぶっ飛んでて、しかも周りを気にせずに妄想少女と話しまくってて、と設定だけなら絶対コメディなんですよね。なのに中身は結構重たい。そこが独特なんですが、1巻よりもさらに微妙な混ざり方に感じました。事件連発のあたりはかなりモヤモヤっとした気分に。まだあすみのキャラの楽しさが上回ってますが、元々こういう悪意の描写が苦手というのもあって、これ以上混ざると辛いです。

それはそれとして、今回はあすみ以外の女の子がやけにかわいかったです。利沙がかわいくなるのは1巻の終わりで確定していたとはいえ、このデレは期待以上。デレデレすぎて利沙ルートと思えるくらい。チケットキャンセルっていい子だ。鶴亀ちゃんも地味かわいいのかと思ったら、意外とそんなことないし、男子陣よりも女の子たちに目がいく巻でした。

高柳君がどうでもよくなってきたと思ったら最後に動いて、また次も重たそう。次は評判見つつで。


評価 ☆☆☆(6)