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 3月28日(水)


<最近読んだ本>

平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 夢見るころを過ぎても
平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 貴公子は恋の迷惑
 (松田 志乃ぶ/コバルト文庫)
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まさかの2冊刊行だった、嘘姫シリーズ完結後の短編集。

最後までこのシリーズらしさたっぷりで楽しかったです。メイン3編はどれもよかったですが、中でも気に入ったのは宮子と次郎君の話。この2人は完全にくっついていたし、短編なら他の2組中心に読みたいなと完結直後は思っていたんですけど、いざ読んだらそんなことはなく。女の子たちがかわいいガールズトークにちょっと読み応えのある香合わせ、何より宮子中心の楽しそうな空気がこのシリーズらしくていいなあと感じました。甘いシーンも幸せそうでよかった。あと宮子の側仕えの人々も好きでした、特に鹿子の率直さは最後までお気に入りでした。

残りの2組、有子さまと真幸はこの2人らしいじっくり育まれた想いがよかったです。想いが溢れ出て弱くなった有子さまの姿は、恋心がキラキラしている分だけ切なかった。ラストは兼通さま折れたのが意外でしたが、大姫の経験が大きかったのでしょうね。
宮さまと五節の君は、宮さまかっこよかった! 誤解をがんがん招くのも宮さまらしいけれど、きちんと締めるところで締めるのが素敵。落ち着いたいい夫婦になるんだろうなと感じました。あとは姫子ですよねこの2人は、宮さまの「いつまで振り回されるんだ」発言に「一生だよ!」と脳内で突っ込んだり。この先がどうなるか一番見てみたいのもこのカップルでした。

評価 ☆☆☆★(7)



 
 3月25日(日)

ドツボにはまったオンノベ感想。

雪道シリーズGO MAD

有名サイトさんの過去作品読んでて出会った1作。最近有名サイトさん作品ばかりですね、新規開拓難しいです……。それはさておいて。
ポヤポヤなドジっこ少女と、4歳年下の生意気な男の子の初々しい恋のお話。こういう年の差設定ってドツボで、漫画の「きゃらめるBOY」とかも大好きだったんですけれど、これは王道っぷりが素晴らしかったです。気持ちがなかなか伝わらなくて、年下ゆえのコンプレックスも抱えて、男の子してる駿君がかわいいのなんの。鈴鹿視点と駿君視点どっちもいいものでした、時々はかっこいいヒーローで時々はドジっ子に振り回される、このバランスが素晴らしい。
特に気持ちが伝わって恋人関係になってからの駿君のかわいさが大変に破壊力あるものでした。リアルにごろごろと転がりながら読みましたとも。いやーお母さん良いちょっかいです。生意気な男の子スキーには大変お薦め。


<最近読んだ本>

RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (荻原 規子/角川文庫)amazon
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文庫化されるのを待っていたRDG第2巻。

泉水子がじわじわ成長していくのを見守るのが楽しいお話でした。東京に出てきてもまだまだ引っ込み思案な泉水子ですけど、嫌な感じは全然受けないんですよねこの子。括弧内で描かれる心理描写が落ち着いていて自然な感じで、「……」多用していてもおどおどよりもかわいらしい印象。進むにつれて、心理描写に次第に前向きさが見え隠れしてくるのを嬉しく思いながら読めました。

泉水子の心理だけじゃなく、舞台が学園に移って話に入り込みやすくなったのも嬉しい。1巻も読みにくかった印象はないんですけど、和風物は若干苦手なので今の雰囲気の方が好きです。新キャラの中では三つ子が気に入りました、真響1人だけでもかわいいし、真夏の明るさも泉水子を引っ張りあげてくれていい感じ。1人が不安定な存在ということで、これからどうなるかが気になります。深行との関係は進んだような進んでないような、パートナーどうなるんでしょう。

続きの文庫化は遠そうなので、アニメで何巻まで進むことになるのかも踏まえつつ、図書館に少し頼るか考えます。

評価 ☆☆☆★(7)



 
 3月20日(火)


<最近読んだ本>

お嬢様と魅惑のレッスン ご主人様なシリーズ (宇津田 晴/ルルル文庫)amazon
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ベタ甘作家の宇津田さんがおくる1冊完結シリーズの3冊目。

今回も良いベタ甘でした。宇津田さんのお話はヒロインがかわいくて、脇役もいい味出してて、王道展開でも毎回楽しめますね。ヒロインのティアナは例によって超鈍感でしたけど、お嬢様らしい素直さを持ちつつヴィリーにクラクラする様がかわいい子でした。
ヒーローのヴィリーは、ベタ惚れからの本気口説きがよかったです。指導という立場で全力で口説いてるの見てハンターっぷりに慄きましたが、ベタ惚れなら仕方ない。後半積極性が足りなかったのはちょっと残念、ここまでベタ惚れなら、もっと早くに本気出してもよかったかなーと。
あとはおじいさま、出てきた瞬間に「この人ツンデレだ!」と分かる安心感が素晴らしい。言葉を間違えたなんて読者には一目瞭然ですよ!

再登場のキャラたちが結構存在感あったのも楽しかったところ。カールさんなんか出てきた瞬間分かりましたしね、この人歪みない。孫は更正に入ったんですねえ。エピローグでのアロイスの発言が次に繋がりそうで気になります。初登場の男勝りなフリーダもかわいらしくて恋を見てみたいと思えたので、この2人のお話になったりするといいな。

評価 ☆☆☆★(7)


約束の方舟(下) (瀬尾 つかさ/ハヤカワ文庫JA)amazon
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瀬尾つかささんがおくるジュブナイルSFの下巻。

上巻みたいにアッと驚く展開こそなかったものの、最後まで少年少女の歩む道が面白かったです。シンゴはいい主人公になりましたし、スイレンはひどいことにならないで本当によかった。スイレンはこういう子がこんなに失敗をという意外性があって、でも何度も立ち直ったりシンゴに容赦なかったりするのが格好いい子でした。
テルがそういう形で出てくるのは予想してはいましたが、こういう登場の仕方は好き。テルそのままの爽やかさで心が救われるのがいいなあ、キリナとのやりとりなどはその最たるもの。あと、終盤のシンクシーンがとてもよいです、こういうのありなのがSFのロマンだなと感じました。

ケンはなあ、最善だったように思えるし、別のいい解決策は想像しにくいんですけど、もう少し別の形がなかったのかとも。シンゴとずっと隔たれたまま進んで、最後があの形なのが、とても寂しいなと思うんです。結局はテルの死が物凄く大きかったんでしょうね……。ちなみにジュンペイさんは全然気づいてませんでした、ここが下巻一番の驚きポイント。

終盤のネタ晴らしは少し駆け足に感じたところもありましたが、ラストはいいサービスでした、この物語ならこのくらいあっていい。キリナとの結婚からの流れが素敵、キリナおめでとう。
こういう路線の瀬尾さん作品が今後も読めますように。

評価 ☆☆☆★(7)