3月13日(火) |
27時09分の地図様の「花術師」書籍化キターおめでとうございます! ちょうど先月大ハマリしてたところにこの知らせ、楽しみです楽しみです。花術師は結構重たい部分もあるんですけれど、後ろ向きな主人公の変てこなノリが面白く、あと時々妙に色気が漂うことがあって、男性陣とのやりとりがピリピリでドキドキです。うーん魅力がうまく伝えづらい、発売までに考えておきます。 <最近読んだ本> ◆ 約束の方舟(上) (瀬尾 つかさ/ハヤカワ文庫JA) 【amazon】 《あらすじ》 12歳のシンゴは、ある日突然幼なじみの少女テルからプロポーズされた。それは、ベガーと遊ぶのを親に反対されたテルの、なんとも破天荒な解決案だった――100年の旅を続ける多世代恒星間航宙船に、突如出現したゼリー状生命体“ベガー”との戦争と和睦から15年。いまだベガーを嫌悪する親世代に対し、彼らと深い絆を結ぶ戦後生まれのシンゴたちは真の共生社会の誕生を夢見るが……陰謀と友愛が交錯する新世代宇宙SF! 「琥珀の心臓」や「クジラのソラ」の瀬尾つかささんのハヤカワ進出作。あらすじ見てこれは面白いだろうと思い、良い評判も聞こえてきていたので、読むのを楽しみにしていました。 落とし穴が! しかも2つも! 面白いけどギャー!! ゲル状のベガーと呼ばれる生命体と戦争し、和睦してから15年。大人たちがベガーの恐怖を忘れていない中で、ベガーをパートナーとする子供たちの物語。まずこの設定だけでワクワクするんですけど、さらに主役がベガー大好きな破天荒の少女とその幼馴染の少年なんです。恋心を意識してはいないけど、離れるのは嫌だなとか思っちゃったりするわけですよ。ろくに友達いなかった女の子のはじめての友情なんかも描かれるんですよ。なんておいしい。他にも色々と、少年少女のときめきを詰め込みました! みたいなところがあって、前半の空気がとても好きです。 で、そんなときめきがある中、ベガーとの共生を夢見て成長しようとしている子供たちは眩しくて、無事育っていってほしいと祈りたくなって。でもそこかしこに見える落とし穴の影。ああやめてやめてこないでと願いつつ、面白いから先を読んでしまう。ああなんて辛い。なんとなく既視感があって予想できていても辛い。 さらにもう1つあるのは予想してなかったですけどね! こっちの叩き落しの方が鬼に感じました。ケンの言葉が痛い痛い。シンゴも心配ですけど、スイレンが壊れていそうで心配。 下巻でもきっと何度も引っくり返しが待っているんでしょうね、過激派にケンたちに扉の向こうの謎にと物語が動く要素がたくさんありますし。これまでベガー側が子供たちとの繋がり以外にあまり描かれてないのが気がかり、ベガーも一枚岩じゃないかも。さくらは敵となる可能性もありそうで怖い。テルは意識だけは一部くらいは残ってるかもなあ。などなど的外れな予想をしてます。 ここまでは期待通りの面白さ、不安と期待を抱きつつ明日から下巻読みます。 評価 ☆☆☆☆(8) |
3月12日(月) |
<最近読んだ本> ◆ 銀の竜騎士団 恋するウサギは密猟禁止 (九月 文/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 2巻での隊長の気づかなさっぷりに全読者が驚いただろう「銀の竜騎士団」第3巻。 隊長あなたって人は色々と……! 誉めるべきか呆れるべきか迷うんですけど、まずは誉めます。よく行動した! そこでヘタレないのは偉い。欲望に負けただけって説もありますけれど、これだけ惚れてればそれが自然。救出シーンも格好良かったです。 でもですね、まだ気づかないとは。目に入った感想で今回は隊長頑張るらしいと知って「ああ気づくんだな」と思ってたのに。敵さんたちはあっさり気づいたのに。目を逸らしている感なしに、この固定観念貫くのは呆れる他ないです。鈍いっていうより頑固。ほんといつ気づくんでしょう。 ルーシェは巻経るごとに迂闊な印象が強まってきているような。でも届く範囲で頑張ろうとする姿勢は最初から変わらず好きです。他のメンバーで今回目を引いたのはシリスの孤独な戦い。前からそういう面はありましたけど、帝国の脅威がはっきり見えて焦りも見えて、最後のシーンにグッときました。戦いを応援したくなりましたが、くっつく女性もいないし下手すると死亡展開もあるんじゃという危惧もあって心配です。(ルーシェ以外に女の子全然いないんだって今気づきました) あと、カイトが出番少ない上に、その出番が不憫で……。この子はどうしたらいいんでしょうと問われたら、どうしようもないと答えるしかない。振り回されてください、南無南無。ラサルスは話聞かない俺様タイプで好みじゃなかったので、痛い目見てスカっとしました。 続きはスメラギの過去中心でしょうか、今回見てると意外とスメラギが揺らぎそう? ルーチェがどこまで繋ぎとめるか、でしょうか。あと親世代の恋愛がとても愉快そうだったので、過去話もどこかで読めるといいです。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 鬼舞 見習い陰陽師と百鬼の宴 (瀬川 貴次/コバルト文庫) 【amazon】 ◆鬼舞 見習い陰陽師と試練の刻 (瀬川 貴次/コバルト文庫) 【amazon】 流行り物はお早めに、ということで畳のかわいさでプチブームが起きている「鬼舞」の3巻4巻をまとめて。 畳かわいいよかっこいいよ畳。3巻での畳が聞きしに勝るヒロインっぷりでした。さらわれて道冬が助けるとかヒロインそのものじゃないですか! 短い手足での仕草がかわいい。その後は道冬をかばうヒーローらしさも見せてくれて、一畳で二度おいしかったです。 そんな畳にライバル登場の4巻。ニューヒロイン出るとは聞いてましたが、お前かよ! 百鬼夜行はそんな伏線ですか。ただの好意だけだとキャラとして弱いし、カエルにはまだ裏がありそうな気がしますがどうでしょう。どちらにせよ、カエルに道冬は渡せない。 人間に目を向けると、吉平の出番が増えてきた影響なのか、素を出すようになった吉昌がかわいくなってきました。追試でのはっちゃけっぷりがひどい(8割誉め言葉)。吉平の態度を見ると、道冬はさんでの三角関係(?)がありそうで、少し怖いですけれどどうなるか楽しみ。綱はどうなるんだろう……。 気になっていた行近の謎は一気に明かされました、なるほど道満。聞いた話によると晴明が若かりし頃の過去作とリンクがあるそうで、因縁はそちらで描かれたんでしょうか。まあ道冬が理性失わない限りは行近が害なすことはなさそうですが。その代わり(?)に悪役が登場、これは晴明が足元すくわれる予感がひしひしと。とりあえず聖蓮が憎らしすぎるので一発殴りたいです。 新刊ではカエルの攻勢があるらしいので、畳を応援しながら読もうと思います。 評価 ☆☆☆(6) |
3月10日(土) |
最近平日に感想書くリズムが崩れてるせいで久々更新に。ちょっとたてなおして、こまめな更新を心がけます。 <最近読んだ本> ◆ 初恋ソムリエ (初野 晴/角川文庫) 【amazon】 吹奏楽部が舞台の学園青春ミステリ「ハルチカ」シリーズ2作目。 1巻以上に面白かったです。チカをはじめとする活き活きとしたキャラクター達と、社会派で重たい側面もあるけれど救いもある事件、この2つが今回うまく噛み合ったように思えました。チカの能天気なところが重たさを緩和させていて読みやすく、チカとハルタの人の良さも気持ちいい。チカの残念な性格が好きっていうのもあって、読んでる間ずっと楽しいです。 どの短編もよかったですが、特にラジオの話が珠玉。ラジオのノリ(とチカのツッコミ)自体が愉快ですし、ラジオの謎と麻生さんの謎が繋がっていくのもうまい。何より終わり方が凄い好き、前向きな余韻の残り方が素晴らしかったです。チカとハルタのコンビいいなあと自然に思いました。 事件の合間に進んでいく部活動も気になるところ、少しずつメンバー増えてきてどこまで昇ることができるのか。あと今回は進まなかった三角関係どうなるのかも。空想オルガンに手を出したくなってきました、文庫落ちマダー? 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ テキトー王子、父になる!(七人) (汐見 まゆき/ビーズログ文庫) 【amazon】 最近の少女小説的には変り種な設定なので買ってみた、先月のビーズログの新人さん作品。 子供達かわいくて楽しいお話でした。政略結婚によっていきなり子供七人の親になった、お気楽王子が主役の物語。割と意表をつく展開が多くて、「えっその人がそんなところで」と驚かされたり、実は狂言というオチが待っているのかと思っていたら別のオチが待っていたり。退場した人がいたのは残念でしたが、ストーリー楽しかったです。 そして、家族物で子供たちがかわいかったらそれだけで楽しいのです。七人ともみんなかわいいところありました、中でもツンツンな次女と病弱な三女がお気に入り。しかしみんな懐かせる主人公のタラシ力は半端ないなあ、花挿しとかとてもナチュラル。 終わり方的に続きはありそうですし、もっと子供達見たいので続きは歓迎。設定的に重たい方向の話も入りそうですけど、ほのぼの方向での続きを期待したいです。クレーエとくっつく方向、はありそうですけど見たいような見たくないような。女騎士のメリルさんが出番ある割にいまいち印象に残らなかったので、次は活躍あるといいです。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 魔法書の姫は恋をする 永遠の証 (薙野 ゆいら/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 妹馬鹿なお兄様がとても目立つビブリオファンタジーの完結編。 主役2人の純朴さがこっ恥ずかしい終わり方でした。途中まではあからさまにラスボスっぽい人に振り回される展開で、ラスボスの言葉に揺らぐアレクシスなどは「いくらシリル怪しくてもそれは駄目だよ!」と思わせてくれたりともどかしいところも。でも、終盤の2人で全部吹っ飛びました。ここまで真っ直ぐな告白大会は久々にお目にかかった気がします、幸せそうな2人はニヤニヤ通り越して見てる側が恥ずかしくなるレベル。いいカップルでした。 ネリーさんとフィン兄様ははっきりくっつくところまで見たかったですが、ネリーさんは結構幸せそうだったのでいいかな。フィン兄様は鈍すぎのくせにネリーへの好意出しててずるい。あとはリコスのお茶目さがかわいかったです、『起きて』が駄目な子すぎる。次回作も期待してます。 評価 ☆☆☆(6) |