5月26日(土) |
メルフォレス1つ。 >TAKUYOユーザーの方 こんにちは、TAKUYOさんはアプリコットを何年も前から気にして結局手出さず、死神がようやく初プレイでしたが、大変面白かったです。共通ルートが楽しいゲームでしたけど、最後まで遊んでこそのゲームでもあると思いますので、時間とれたら続きも是非に。 音量は基本音量が小さすぎたのかもしれないですね(4目盛り)。据え置きゲームはPCに繋いでヘッドホンでプレイしてるので音量出してゲームするのが久々で、普段の音量が大きく感じられてつい控えめに。「……」の音声は死神でもあったと思います、聞き取れなくてバックログ細目にチェックしてたのでそこはバッチリでした。 お勧めもありがとうございます、「カエル畑でつかまえて」はノーチェックでしたが、ほのぼの&少し変わった設定、それに残念主人公と結構好みな予感が。次2本ほどプレイ予定が決まっているので、その後のプレイ候補に「ソラユメ」ともども入れておきます!(ホラーは苦手なので少しビビりつつ) <最近読んだ本> ◆ 魔道都の修理屋 甘いささやきはキケンです! (かい とーこ/一迅社文庫アイリス) 【amazon】 かいとーこさんのアイリスでの2ヶ月連続刊行の後半、修理屋に弟子入りした女の子が主役の「魔道都の修理屋」第2巻。 アーソルド様かっこよかった! 1巻で素晴らしい不憫を見せてくれたアーソルドでしたが、今回も健在でした。だって里帰り編ですよ。「好きな子をいじめて連れ回す(周囲には気持ちバレバレ)」な幼年生活を送ってきたアーソルドの里帰りですよ。不憫楽しいに決まってるじゃないですか。プロポーズを見守る皆の空気素晴らしい。数少ない微笑ましいエピソードであるジェラート奢りを回想する2人の違いがなんとも。アーソルドそれかわいいと思うならもうちょっと優しくしてあげてれば! でも不憫なだけじゃなかったのが今回のアーソルド。終盤の決意がガツンとかっこよかったです。状況のお膳立てに甘んじることなく、イゼアを守れる立派な男になろうとする、これは惚れる。少しイゼアが心許し始めてるところはあるし、この調子なら、と思ったら最後はやっぱりまだまだ不憫なアーソルドでございました。頑張れ超頑張れ。 主役2人以外だと兄のイーリスがなかなかインパクトありました。このタラシの度胸すごい。この人がアーソルド苦手にしてるのはちょっと不思議。もう少し別の何かも見せてくれそうな人です。マナラは今回ちょっと活躍少なかったので、次あるなら師匠らしいところが見たいかな。 続きも期待ですが、スピンオフ元である魔女の弟子の方も刊行されたりしないかなーとも思ったり。この作品のおかげでサイトの「魔女の弟子」に出会えましたし。修理屋好きな人は魔女の弟子絶対はまると思うのです。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ ギフト (日明 恩/双葉文庫) 【amazon】 メルフォでお勧めいただいた日明さん作品の1つ。どれを手に取るか迷い、マイルドそうなこれをチョイスしました。 読後感がいいお話でした。過去のある事件をきっかけに隠遁気味の生活をおくる青年と死者が見える少年が出会い、様々な事件に関わっていくストーリー。大筋はあらすじから想像つく通りで意外性とかはなかったですけれど、2人の心がゆっくりと動いていく様子が読みやすく描かれていましたし、安易にご都合に走らずに地に足が着いたエピローグがよく、気持ちよく読み終われました。 と本筋はほっこりなんですが、関わる事件は単純にほっこりでは全然ないものもあるのが不思議な読み心地。あえて嫌な部分を露骨に描いているのが、雰囲気とあっていないような、でもそれが本筋の面白さを引き出しているような。ずっと自分に嘘を吐き続けた女性のエピソードが印象的でした。 今回はあまり「警察小説」という作品ではなかったので、この人か別作者さんになるか分かりませんが、警察小説にはまた手を出したいです。 評価 ☆☆☆(6) |
5月21日(月) |
<最近遊んだゲーム> ◆ 死神と少女 (拓洋興業) 【amazon】 今月入ってからはまっていた、PSPではじめて遊んだ乙女ゲー。コンプして、今まで遊んだ乙女ゲーの中でも一、二を争うくらい楽しんだので、久々にゲーム感想を。長文です。 物語 少女が1人の「死神」と出会うところからはじまる、死神と少女の物語。 まず特徴的でよかったのが、主人公の紗夜の性格。元々、主人公にボイスありっていうのがこの作品を気になったきっかけだったんですが、ボイスありだけあって我が強いお嬢様。外見は大和撫子でも中身は頑固で強かで、兄に依存している心の弱い面もあったり。頑固な上に危なっかしいところあって、時々は「もっと周りのことを見てあげて!」と言いたくなることもありましたが、この性格のおかげで普段の会話1つ1つに軽妙さが出ててよかったです。主人公が本好き少女っていうのも結構ポイント高かった。 で、物語の方は、まず共通ルートが文句なしに素晴らしかったです。攻略キャラたちとの日常と、童話とリンクした一話完結型の物語、2つが結びついていてどちらも面白い。一話完結の方は少しだけ謎が残って終わることもあって、これはすぐ2周目いかないと、と思わせるあたり上手かったです。 他に上手いなと思ったのが、最初の死神の登場シーンからはじまる幻想的な雰囲気の作り方。日常に少し不思議な要素が混じっていても全く違和感なく読み進められました。この辺りは、文章と音楽、両方の力だと思います。文章は雰囲気作り以外でも言葉選びが素敵で、「これはときめき!」と思う箇所がいくつもありました。 攻略キャラ同士の繋がりが大きくて個別ルートにも顔を出すところや、親友の女の子が全編出ずっぱり(しかも一応個別ルートもあり)なところも素晴らしい点、主人公以外の女の子がかわいい乙女ゲーに外れなしが持論です、こういう子がいるだけで共通ルートの楽しさが違う。賑やかな日常っていいですよね。 個別ルートは、攻略キャラの事情と主人公の事情の双方に踏み込んでいく展開。恋愛要素薄めで、乙女ゲーを遊ぶというよりは物語を読んでいる感覚が強かったです。短めだったり逆に冗長だったりと少し不満な点があったりもしましたが、メイン4キャラ、どのルートも楽しめたのは確か。一部ルートの賛否両論出そうなシナリオは、ちょっと悩みましたけどあり派。ネタバレ感想は下側のキャラ感想のところで。 グラフィック イラスト担当はすみ兵さん、私の中だとマルタ・サギーの人っていうイメージです。小説でもゲームでも、シナリオよければイラストこだわらない派なんですけど、この作品はキャラ絵がイメージと合っていてよかったです、千代と七葵先輩のコンビが好き。あと、OPムービーの日生先輩の見上げている絵がとてもかっこいい。 音楽 サントラの通販まだー? と言いたくなる素晴らしさでした。主題歌作成のlove solfegeさんは元々CD買うくらい気に入ってて、今回も幻想的な雰囲気がゲームとあっていて良い曲。通常曲も柔らかい曲が多くて、単なるバックミュージック以上の印象を抱かせてくれました。一番お気に入りなのは千代のテーマ、もの悲しい旋律が切なくて、流れだすたびにしんみりした気持ちにさせられました。 システム 最大の不満点はここ、かな。ボイスの音量がどのキャラも安定しなく、小声が聞き取りにくかったです。もしかしたらPSPのノベルゲーはヘッドホン・イヤホン推奨なんでしょうか、いずれ他ゲームもやるのでそのとき確認します。 言の葉システムは面白いシステムだとは思うんですけれど、使うことのない言の葉が少し多すぎるのと、難易度・面倒くささが高いのが気になりました。ヒント出るまでは自力でいけたのが1章と夏帆ちゃんと日生先輩くらいでしたし、いくつかは章はじめからスタートじゃ回収できませんし。選択肢多いので、次の選択肢進むがあっても、序章からの回収大変なんですよね。でも6章の相対するシーンなんかこうやって見れるのは面白いと思いました。 キャラ ここから各キャラについて。ネタバレ部分は一応反転させてます。 ・桐島七葵先輩 一番好きなキャラ。堅物キャラで第一印象から好きでしたけど、ここまでかっこいいとは。朴念仁と見せかけて気配りできる紳士な人で、素朴な優しさに惹かれましたし、各ルートで見せる心の強さがすごい。深い悲しみ背負っているのに。 ビジュアル的には素も好きなんですがメガネ。先輩メガネ似合う! <ネタバレ感想> 個別ルートは千代と一緒ということで恋愛要素薄めでしたけど、一番乙女ゲーぽかったんじゃないでしょうか、このルートの紗夜ちゃんは乙女。校門待ち合わせときめいた。名前呼びとてもときめいた。たまにある艶めいた台詞も胸キュン。 で、個別ルートの切なさもよかった。最初の登場からいつかは別れくるんだろうと予想ついていても、こういう別れのベタ弱いです。見えなくてすれ違いのCGでは思わず声出ました。最後のシーンも、分かっていても胸にくるのです。音楽も相乗効果。 あと、七葵先輩の真相明かされた後だと、千代との別れがさらに重く感じるんですよね。完全に異物であった身にできた親友、うわー。 ・千代 笑顔が素敵な人外キャラ。真っ直ぐな好意と優しさに癒されます。普通の人には見えない人外の千代を違和感なく受け入れて日常が進むのが、この物語の空気いいなあと思ったポイントの1つ。 そして七葵先輩との関係が素晴らしいのです。幼い頃の仲良くなる様子はニヤニヤせざるをえない。紗夜をはさんだ3人のやりとりも楽しかったー、紗夜と七葵先輩をくっつけようとする千代のころころ変わる表情かわいいです。 ・日生先輩 一見軽薄キャラ、でも実は……な人。「お嬢」呼びで本当かどうか分かりにくい好意を度々示してくる、共通ルートでの距離感が好き。そして、話が進むにつれて分かる想いがよいのです。メインの中では七葵先輩に次いでお気に入り。 <ネタバレ感想> 先に共通ルートをやっちゃったんで、偽者だっていうネタバレをくらった状態でルートを進めることになったんですが、正解だったかなと思います。個別ルートの偽者伏線の流れはあまり上手くないなと感じたのが1つ、4章の方が個別より断然面白かったです。 もう1つは、先に日生先輩の想いが分かっているからこそ、このルートの日生先輩の行動にグッときたところがあったので。4章の別れのシーンは非常にロマンチックでした、切なさと「稀代の詐欺師を狂わせた」でテンション上がった。その後の回想も、出会いからかーというのが分かって、彼の心理と行動を思うとときめく。共通ルートで想いを信じてもらえないのは辛いなあ。別れのシーンは、意味深な言葉で他のルートの期待を高めてくれるという意味でも名シーンだと思います。 でも、個別ルートも終盤がツボだったのでそれだけで満足してたりします。童話とリンクさせた言葉運びが素敵。盗賊とお姫様、2人とも嘘吐きっていうのに萌えました。 しかし、個別に入っていきなり事後には驚きました、一般ゲーでこれかよ! っていう。最初これ本当に事後って疑って、もう1回あってやっぱりかと確認したくらい。この件だけでなく、このルートの紗夜は特に危うかったですね、日生先輩が本当に詐欺師であってもコロっと騙されてそう。 ・夏帆 いい子。稀に見るレベルのとてもいい子。はっきりしてて気持ちのいい喜怒哀楽を見せてくれて、こんな素直でかわいい親友キャラを好きにならないはずがない。どのルートでも紗夜ちゃんを心から心配してるのが分かるんですよね。よくある友達キャラにとどまらない想いの深さを感じられました。その心配を裏切る紗夜の行動見てると、歯がゆくなることが多々ありました、喋れないのは分かるけど、でも! という。 <ネタバレ感想> 心開きあった後でも心配かけまくるのは紗夜ちゃんいただけないですよね。日生先輩ルート以外では一応その後も楽しい学園生活送れたんでしょうけど、でも……。 ・夏目 険悪同級生。攻略チラっと見てルートがないの知ったときはしょんぼりでしたが、この険悪設定で恋愛ルートは難しそうなので納得。素が出るようになってからがかわいかったです、料理対決ですれ違うシーンとバイト予想が楽しかった。あと6章の不意打ち。 ・十夜 プレイ中に好感度が一番上がった人。兄キャラも依存対象なキャラも好みな設定じゃないし、甘やかしも過剰だったので、共通ルートでは一番好感度低いキャラでした。それが個別ルートでぐっと上がるんだから分かりません(といってもメインキャラ3番手ですけど)。でもこの人については、キャラ自体の好感度というよりは、個別ルートの幻想的な雰囲気と切なさがよかったからというのが大きいです。 <ネタバレ感想> 人外な存在であるのは、共通ルートの2周目くらいで気づきました。七葵先輩や蒼にも見えていたせいで結構長い間騙されてましたね。おまけに、個別の中盤まではこちらも「死神と少女」の関係であることに気づいてなかったので、それだけでやられた感がまずありました。過去編の登場で死神っぽいなとは思ったのに悔しい……。 十夜ルートは、幻想物語と呼ぶに一番ふさわしいシナリオだったと思います。一番目の幻想出てきたときに驚かされ、その後も幻想がばらまかれ謎めいていて雰囲気出てました。十の幻想で十夜あたりのセンスも好き。 あとインパクトあったのが終わり方。EDクレジットの前に「ここで終わるの!」と叫び、クレジット後に「え?」と呆け。このシナリオ終わった段階では随分解釈に悩んで、「蒼ルートの種明かし次第だけど、この雰囲気と過程ならこの奇跡もありだろう」と結論づけてました。あ、ED後にタイトルが変わる仕掛けはよくありますけどいいものでした。チビキャラもっと見たかった。 兄さんとは直接関係ないけど、幼少期の紗夜ちゃんはかわいらしかったです。トラウマできたのはこの子悪くない。駄目実母を招きいれた父親が一番いけなかったんでしょう。兄さんに甘やかされて育ったし、紗夜の心の弱さには納得。逆に兄さんが少し甘やかしすぎたんでしょうね。 ・蒼とその個別ルート メインヒーローな死神さん。この人は共通ルートがよかったですね、紗夜に感化されて人間らしくなっていく様子がゆっくりと自然で。個別ルートは少し冗長かなと感じましたが、キスシーンの描き方、見せ方あたりは好きでした。 <ネタバレ感想> 蒼ルートは過去描写がもったいないのですよ。そんなおいしい過去の出会いをそんな最後に使うなんて、それは唐突すぎやしませんか! 友人結婚式みたいな伏線ありましたけど難しいです。全体的には上に書いたように、辿り着くまでが少し回りくどいかなと。 で、終わり方は「え、これで終わりなの、何その強引なハッピーは!」。兄さんルートと対になってるとはいってもこれじゃない感。キーマンなはずの臥待さん出てこないままでしたし、モヤモヤ。 そして出てきた何か。本編で語らずにここで語るのはずるい手法だとは思うんですよ。しかもこの設定はご都合主義でも何でも許されちゃいますし。でも、死神両ルートが強引なハッピーエンドである理由、物語と童話がさかんにリンクしてきた訳、七葵の存在などなどが綺麗に理由づけられていて、この作品ではアリかなと感じました。臥待さんの動機も綺麗ですし。しかし、動機は分かってたし、十夜なのも気づいてたのにメタに思い当たってないのは駄目読み手な私……。 で、メタは結構ある手法ですけど、七葵先輩の立ち位置は面白かったです。両ルートで最後まで出番あるのはそういうことかー、と。七葵先輩はこんなにかっこいいのに不憫な役割背負ってますよねえ、最後の七葵先輩はバッドエンド後でしょうし。 結局どこからが物語だったかというと、現実にあったのは紗夜の幼少時の病気までなんでしょうか。そうだとすると美しい幻想物語ですけれど、悲しい物語。臥待さんがボカしてるから分からないですけれども。勘違い見落としあるかもしれないので、他の感想見て周ってみます。 まとめ 長いよこの感想! それだけ面白かったですし、思ったことを書き出したくなる物語でありました。少女小説・物語が好きな人にお勧め。TAKUYOさんは次に出る「神さまと恋ゴコロ」もちょっと気になってます、評判次第で手出すかも。 評価 A |