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日記一覧に戻る



 
 10月30日(火)


<最近読んだ本>


詐騎士3 (かい とーこ/レジーナブックス)amazon
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男装騎士から貴族令嬢にクラスチェンジした女の子のゴーイングマイウェイライフを描く「詐騎士」第3巻。

ティタンが不憫で不憫で南無かったです。2巻の段階で、登場してもないのに不憫っぷりが描かれていたティタンですが、本登場したらさらに南無かった。気持ち通じて結ばれる可能性が最初からほぼ0%の時点で不憫なんですけど、その言動がまた不憫。なんでこの子は「胸がないけど好き」と枕詞をつけようとするのか。なんで言い切れずに殴られるのが分かってるのにまた言っちゃうのか。その辺が不憫たる所以なんですけど、会ってそこそこの人にも気持ち完全に見抜かれてるのが切ない。失言以外はいい子だし能力もあるから余計に不憫。
最近少女小説で不憫を見る機会が増えてきてる気がしますが、その中でも有数の不憫だと思います。かいとーこさんは別作品のあとがきで「不憫好き」って書いてるのが素晴らしい。その別作品の「魔道士の研究日誌」の方の不憫はかっこいい不憫でした。とことん不憫もかっこいい不憫もどちらも好きです。

ティタン以外はみんな通常営業といった感じ。ラントちゃん愛されすぎですけどかわいいから仕方ない、この外見は反則にかわいい。新登場ではカルパが意外性たっぷりでした、不良キャラがこういう風に第一印象変わるのって珍しい。商会と繋がるのが面白かったです。
あの日ネタはいつかくるかもと思っていたのですぐに分かりました、女の子の友達できる流れは嬉しい。男性陣は、ルゼが誰かとくっつく日は遠そうですね。ギル様ルート以外見えませんけども。

黒幕の存在が出てきて、これがメインストーリーになっていくのかな。まあメインがあってもなくても楽しいシリーズですし、4巻ではティタンがさらに不憫になるらしいので楽しみ。

評価 ☆☆☆☆(8)



おいしい妖精の愛し方 (古戸 マチコ/レガロシリーズ)amazon
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「やおろず」の古戸さんがおくるレガロでの最新作。

とてもお腹がすいてくる物語でした。海人の女の子と料理人の男の子のメインカップルということで、料理が出てくる出てくる。思い出のフレンチトーストからはじまり、メインディッシュに新鮮魚介にスイーツに、どれもおいしそう。ビーフパイが食べたくなりました。でも作れないしなかなか売ってない。ネット注文も視野にいれてます。
そんな2人なので、恋愛面も料理絡み。この2人らしさがよく伝わってくる斬新な告白シーンが好きです、国ごとに、というのが面白い。

ストーリーは誤解だったり大衆の悪意だったりでもどかしい展開が多く、個人的には少し苦手な側面も。でも、メインの人物の関係性、特にライとフレデリックの友人関係はよかったです。さらけ出す怖さとかがちゃんと描かれていたな、と。フレデリックは最初はかませの脇役に見えたのに、意外性あるキャラでした。

評価 ☆☆☆(6)



 
 10月27日(土)


<最近読んだ本>


ビーズログ文庫アンソロジー オトキュン! (ビーズログ文庫)amazon
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おこぼれ姫を読んでみようと思って買ってみたはずが、先におこぼれ姫1巻を読んでしまった。そんな顛末がありつつも読んでみた、パロディ満載の公式アンソロジー。

6篇のうち一番よかったのは死神姫の学園パロディ。本編は途中までしか読めてないんですけど、伝え聞いてるカシュヴァーン様の残念さがたっぷり詰まっていて楽しかったです、もうタイトルが最高ですよね。あとはやっぱりルアーク好きだなあと再確認。本編でもこちらでも歯に衣着せぬ飄々さが好きです。

「おこぼれ姫」は兄たちの妹想いが微笑ましくて、続き読むのが楽しみになりました。意外と恋愛も展開するみたいですし。愛人王とどう繋がるんでしょう。「双界」はあっさりくっついてる何事!? となりましたけど、本編はまだなんですね。こちらも最新刊まで積んでるので早く読まないと。しかしこの蒼刻さんは無双すぎでありました。

未読の作品の中では「戦う王女」がよかったかな。「璃瑠龍守護録」は最初はテンポよく楽しめたんですけど、キャラ多すぎてお腹一杯になっちゃいました。短篇集は出会いの場でもありますけど、パロディは既知作品の方が断然楽しいです。

以下余談。「闇の皇太子」をずっとシリアスな欧風ファンタジーだと思い込んでました。タイトルイメージって怖い……。

評価 ☆☆☆(6)



鬼舞 見習い陰陽師と悪鬼の暗躍 (瀬川 貴次/コバルト文庫)amazon
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つくも神の恋愛模様が気になる、平安陰陽師物の「鬼舞」第7巻。

畳が完全に別物語を繰り広げてましたww つくも神による三角関係があると聞いていたのでどうなるかと楽しみにしていたら、畳が想像より遙か上をいってくれて、笑った笑った。だって、みんながシリアスに話進めてるのに、一畳だけ昼メロやってるんですよ。こんなにベタベタな「私よりもその子がいいの!?」はなかなかお目にかかれないのに、本人も嫉妬対象も人外ですよ。「相手は陶器、踏めば割れる」じゃないよ。あー楽しい。
でも、傍から見てると楽しいですけど、道冬的には物凄く鬱陶しいですよねこの畳。許しちゃう道冬は優しい。
しかしこの悪ノリっぷり、畳が人気あるからなんでしょうね。いいぞもっとやれ。行くところまで行っちゃっていいと思います。

もう畳がメインで他はおまけでもいいと思うんですが、話も少しずつ進んでます。その中で気になるのは吉昌。だんだん苦労度合が上がってきてる気がします、兄にはベタベタされ、行近には脅され。正ヒーローは吉昌だと思ってるので負けずに頑張ってください。 晴明の「差がない」発言もありましたし、活躍の日はくる……はず。
しかし少将さまは色々と傍迷惑だなあ、色んな人巻き込んでるのに本人はそれほど堪えてなさそう(いや終盤はさすがに堪えた?)。まあメインは畳なので、次巻もそちら中心に読もうと思います。

評価 ☆☆☆(6)



 
 10月23日(火)


<最近読んだ本>


わたしの嫌いなお兄様 (松田 志乃ぶ /コバルト文庫)amazon
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甘々得意の松田さんがおくる、1冊完結の大正ラブコメ。

松田さんのコミカル分を煮詰めたようなお話でした。おてんばなお嬢さんと従兄の青年のラブコメでしたが、「コメ」の部分がとても好き。姫子@嘘姫やイーヴ@悪魔婿あたりのノリがあちこちに感じられて、既存作品のコミカルさ好きにとっては楽しかったです。特に家族たちのノリのよさや憎めなさはいかにも松田さん作品らしいキャラクター、お母さまが素敵。
もちろん主人公カップルの掛け合いもよかったです、特に有栖のしらんぷりんぐ、だんまりんぐはかわいかった! 松田さんだから恋愛要素もたっぷりあったわけですが、こちらは甘さに慣れてきたのかそこまでときめかず。というよりは、笑い込みでのときめきと言うべきかも。

松田さん作品にしてはミステリ部分が分かりやすかったのは個人的に嬉しかった点。嘘姫のミステリ部分なんかは凝ってて面白くはあったんですけれど、「これ絶対わからないよ!」なレベルだったので、割と予想がつく今回の難易度はすっきりできました。分かりやすく笑えて、有栖も女学生たちもかわいかった2話が一番好きでした。おてんばはよいものです。

評価 ☆☆☆★(7)



テキトー王子、結ばれる!(九人)。 (汐見 まゆき/ビーズログ文庫)amazon
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7人の子供持ちになった王子が主役の「テキトー王子」シリーズ、3冊目で完結編。

ここで終わっちゃうのが残念でした。せっかく7人いますし、もう少し各キャラの掘り下げ、特にアルマやアーペルあたりは個別の話を読んでみたかったです。最終巻となるとどうしてもシリアス展開増えて個人の出番減っちゃいますし。そんな中でもジゼルは頑張ってましたけども。この子無茶苦茶だけどすごい。「一緒に呪われてやるんだから!」はいい台詞。

ストーリーは子供たちよりもリヒトにとって重たい展開。実は自分じゃなくてもと気付かされてリヒトがショック受けて悩む場面はハッとさせられる痛さがありました。
最後の方のちゃぶ台返し返しは面白いんですけど、これでいいのかなと頭ぐるぐる。子供たちの精一杯を吹き飛ばすのはどうなの、いやでも親として間違いを正すのはいいことかな、でもやっぱりひどいかも、狂言で呼び寄せ説……はないか、メリルさん素敵でこのタラシ王子ずるい、などと色々考えた結果、まあこの家族はこれでいいのかなという結論に至りました。選んだ道は厳しいしそんなに明るくもない気がするんですけども、このリヒトなら何とかするんでしょう。そして20年くらいかけてすったもんだあって、子供たちが用意した結末に結局落ち着けばいいと思います。

評価 ☆☆☆(6)



 
 10月17日(水)


<最近読んだ本>


おこぼれ姫と円卓の騎士 (石田 リンネ/ビーズログ文庫)amazon
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評判がいいので読んでみた、ビーズログの最近の新人さん作品。

「おこぼれ姫」というタイトルの印象とはうらはらに、かっこいい主人公でした。優秀な兄王子たちの争いを回避するために次期女王となった「おこぼれ姫」の騎士探しのお話。この主人公、「おこぼれ」だからといって卑屈さなどは全然なくて、自分の至らない部分を自覚しつつ、女王らしくなろうと頑張る凛とした姿がとても好感もてました。あまり張り詰めすぎずに歳相応のところがちゃんとあるのも○。兄とのギクシャクにもどかしがる姿とか好きです、その後ちょっと仲よさそうになるのが微笑ましい。次兄とももっと仲良くなるところ見れるといいです。

面白かったのが、過去や未来の王が夢の中で集う「会議の間」。同じ王だからこそ気軽に愚痴をこぼしたりできる気楽なやりとりがよくて、ここがあったからレティが張り詰めずにいられるのがよく分かるし、過去や未来が分かってしまう切なさもあって、いい設定だなと思いました。巡り巡っての肖像画はずるいけど心暖まります。

そして最後の諡(おくりな)、笑っちゃいましたよ! そんな諡見たら続き楽しみになっちゃいますよ、どれだけ侍らせるんですか。女の子騎士はいなそうなのが少し残念ですが、いやでも男装の麗人系な騎士が現れる可能性は全然ありますね。女王になるまでを見せてくれるのかどうか、誰かとくっつくのかどうか。デューク普通にかっこいいんですけど、諡見るとそう簡単には進まなそうですし。既刊まだ4冊なので、次の新刊出るまでに追いつこうと思います。

評価 ☆☆☆★(7)