11月13日(火) |
<最近読んだ本> ◆ イスカリオテ (三田 誠/電撃文庫) 【amazon】 少し少年向けを強化しようかなと思い立ったので、INNさんの高評価などを見て気になって積んでおいた、三田さんの一昔前の作品に手をつけました。 1巻から盛り上がり所たっぷりで面白かった! 死んだ双子の兄の偽者となり、<獣>と戦う少年が主役の近未来アクション。偽者のお話って好みなので読み始めてまず少しテンション上がったんですが、この1巻はなんといっても、偽者と2人の少女との出会いがとてもよかった。 人が太刀打ちできない<獣>に恐れずに向かい立つ少女の苛烈さ、人造の少女がはじめて見せる笑顔の愛らしさ。2人に強烈な刺激を受ける偽者がこれからどう変わっていくのか、物凄くワクワクさせられました。少年の元々のひねくれた性格や、戦局が悪化して待ち受けているだろう絶望の予感も、いい具合に期待を増幅してくれました。 個人的に苦手なアクション部分も、テンポよくて厨二バトルの雰囲気を味わえました。少女向けに完全シフトした自分でも、こういう厨二的なアクションまだ楽しめるんだなと安心したりも。 両ヒロインがかわいいのは、無論大事なポイント。ノウェムの方が今のところ好みではありますが、玻璃もいいヒロイン。玻璃は壊れていくことが予想されますし、ノウェムもボロボロになっていくだろうし、この2人の行く末も気になるポイント。カルロの戦いも見届けたいし、主要キャラ全員気になるんだからそりゃ面白いですよね。 続きも数冊積んであるので近いうちに。……こう言って積んである作品もあったりしますが、これは読みます。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 贅沢な身の上 さあ、その手でときめきを描いて! (我鳥 彩子/コバルト文庫) 【amazon】 残念陛下に加えて残念殿下まで現れてしまった中華風ファンタジー「贅沢な身の上」第6巻。 続きが待ち遠しい引き方でした! ずっと名前は出てきていたトキメキ検定、いよいよ始まると思ったらそこで引きますかそうですか。ただの検定かと思いきや、みんなコスプレしてるし筆記だけじゃ終わらなそうな予感(と見せかけた肩透かしもありえそうですけども)。こんなところで引いて、それがこんなに待ち遠しいお話って、そうはないと思います。続き楽しみ。 あとがきで書かれているように恋愛があちこちで少し展開していたこの巻。中でも気になるのはやっぱり鳴鳴と理央なのです。鳴鳴が少しずつ絆されていってる一方で、理央の内心がなかなか見えないのに焦れ焦れ。どうなんですか理央さん。 そんな風に2人大好きなので、作者さんが2人のミニ小説書くってツイートされてて歓喜! 短編集にのるといいです。 他では唯翔さんの南無さが留まることを知らないのがインパクトありました。人はここまで一気に残念になれるのか。そんな子に捕まらないで側を見てればいいのに。白家の2人を応援したいです。陛下はみんなが結ばれるまで待つといいです。 評価 ☆☆☆★(7) |
11月5日(月) |
<最近読んだ本> ◆ 英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング (久賀 理世/コバルト文庫) 【amazon】 男装少女と婚約者の正体隠してのやりとりにニヤニヤな英国ミステリ「英国マザーグース物語」第3巻。 巻を経るにつれて切なさが増してきました。残された時間が減ってきて、セシルが来る日のことをかなり意識するようになってきたところに、決して幸せではなかった結婚生活をおくった女性たちとの出会い。そりゃセシルの不安も高まります。最後の話でのマザーグースに隠された意味は気づきませんでしたが、重たいなあ……。 ジュリアンの方はセシルほどの悩みではないですけど、今が幸せすぎて、明かしてしまって壊れるかもという悩みはよく理解できてこちらも辛い。 時折訪れる二人きりの時間からは、今という時間の大切さがひしひしと伝わってきて切ないです。モールス信号にときめく。セシルも大分ジュリアンに惹かれはじめてきていて、でもセシルは間違いなく気持ちに蓋をしようとする子なので、そう簡単にはうまくいかないんでしょうね。というか絶対こじれる。そのときセシルが思いつめませんように。 今回登場した敵さんは、鬱陶しく絡めとってくる系のキャラっぽくて、正直苦手。ずっと邪魔してくるんですかね、あまりこういうキャラ出て欲しくなかったです。重たいのは2人の関係だけでいいんです、ライバルはシュシナック@コラフェリみたいなキャラが好きなんです。妨害はほとほどにしてくれるといいんですが……。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ おこぼれ姫と円卓の騎士 女王の条件 (石田 リンネ/ビーズログ文庫) 【amazon】 騎士王の子孫である王女の王への道のりを描く「おこぼれ姫」シリーズ第2巻。 読みたいと思っていたグイード編が早速読めてよかったです。もう少し仲ぎくしゃくしてるかと思ってたんですが、グイードが糞真面目キャラだからそう見えただけのようで、普通に仲良くなれそうで安心しました。政治と兄妹をしっかり両立できてるバランスがいいなと思います。 しかしグイードは糞真面目っぷり凄いですね、フリートヘルムの叫びに対する反応には笑いました。そして二人ともレティいないところで妹愛が熱いんですよね。レオンハルト含めて、この兄弟好きだなあ。グイードは結構難儀な背景抱えてますが、結婚はエリノアとちゃんとしてほしいな。この背景が段々見えてくる事件構成も面白かったです。 デュークさんは、ちょっと不思議から目をそらしすぎじゃとも思いましたけど、騎士剣授与まではずっとこういうスタンスでいくのかな。剣授与最後になりそうかなという気もしますが。 そして少しずつ独占欲が育っているのにニヤニヤ。これが愛なのかどうかはハッキリしませんけど、ゆっくりと育んでいってください。 今回は1巻よりも王の集いの印象弱めでしたが、ルートガー王のレティ評に期待煽られました。全てを手にする愛人王が見たいです。 評価 ☆☆☆★(7) |
11月2日(金) |
<最近読んだ本> ◆ 子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき (玩具堂/角川スニーカー文庫) 【amazon】 先日お薦め受けて、気になったので読んでみた学園ミステリ。お薦めされるまで「最近6巻で円満か打ち切りか微妙な終了をした」ってことしか知らなかったんですが、大賞作品だったんですね、全然知らなかった……。少年向けの情報アンテナはいまや廃棄物です。 それはさておき、キャラが素敵な学園ミステリでした。他人の事情に首を突っ込まずにはいられない男の子、安楽椅子探偵役の女の子という王道っぽいコンビに、仮面かぶって生きてる女の子が加わっての、3人のバランスがとてもよかったです。人間との付き合い方が三者三様で、その3人が接することによる影響を、それぞれのマイナス面を見せつつもとことん真正面から描いているのが面白い。この辺の人付き合いのあれこれは、大昔にもし読んだらグサと刺さってそうな青さ。でもこの少しひねくれた直球さはとても好き。 こういったテーマ性だけでなく、普通のライトノベルキャラクターとしても3人とも活き活き描かれてました。仙波さんと佐々原さんだったら断然佐々原さん派ですけどね。過去エピソードおいしいですもぐもぐ。 ミステリ的には少し小粒感ありましたが、1話目のネタなどは結構好きでした。2巻も読もうと思います。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ (仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚できなきゃ大戦争!?〜 (夕鷺 かのう/ビーズログ文庫) 【amazon】 身代わりで嫁いだ女の子が動きまわるラブコメディ「(仮)花嫁」シリーズ第2巻。 相変わらずフェルがかわいかったです。フェルって育ちや守銭奴的なところだけ見るとしっかりしてそうなのに、実際はうかつで抜けてるんですよね。旦那さまにはいいように誘導されるし、正体ばれてないと信じちゃうし。そこがかわいいんですけども。前半の旦那さまから逃げ出そうとするあたりの駆け引きが楽しくて好きです。 1巻ほどではないものの格好いいシーン(イラストつき)があったのもよかったところ、痛快な蹴り素敵。 そして旦那さまはやっぱりいい男ですね。フェルへの意地悪にも愛が感じられますし、 ベタ惚れで普通なら不憫なポジションでもしっかりアプローチかけてますし。先生にちゃんと真摯に向き合ってるのが凄く好感度高いです。個人的には、最近読んでるこの手の少女小説の中では随一レベルに格好いいと思ってます、ちゃんと幸せになるところまで描かれますように。 フェルの対呪毒能力?や最後の姫様など伏線が色々出てきて、姫様が何仕掛けてくるか楽しみです。 評価 ☆☆☆★(7) |