1月26日(土) |
<最近読んだ本> ◆ デ・コスタ家の優雅な獣2 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 裏社会のファミリーに連れて来られたロザベラが主役の「デ・コスタ家」シリーズ第2巻。 1巻ではロザベラの「悪い子になっちゃう」が鮮烈だったんですが、この2巻ではさらに悪い子に。敵対ファミリーのボスとの駆け引きは、怯えさせられたり裏をかいたりと真っ当にやりあっていてドキドキ。このスリリングはロザベラ楽しんじゃうのも分かる。追い詰められて出た悪女の演技には天性の才能も感じられたりと、普通のヒロイン像とは一線も二線も画しているのが面白くて、ロザベラが行き着く先がどうなるのかがとても気になります。 動きがあったのはロザベラだけでなく、物語の構造もなんとなくは見えてきた感じ。エミリオの根っこは家族想いなんですかね。男性キャラじゃエミリオが一番好きかな、腹黒さがいい感じ、特に終盤のロザベラとのやりとりで少しだけ素覗かせるのが◯。このシーンはロザベラの攻めも素敵でした。 ダリオはこのまま変わらずに癒し系ポジションになりそう。そしてノアは空回りして何かやらかした後に真相を知って絶望する図しか見えない。アレックスが突き落としそうですし。 リカルドがこのまま退場しなそうなのも面白いですね(いや思わせぶりなだけかもしれないですが)。ルチアもリカルド側に行くんじゃないかな。ロザベラが力握ってからリカルドに譲る流れになるのかなー、などと妄想してます。なんにせよ続きが楽しみ。 評価 ☆☆☆☆(8) |
1月19日(土) |
瑞山いつきさんの「白と黒のバイレ」の後日談同人誌が良いものだったので、本編既読の方は是非読むといいと思います。まさかセロをこんなにかっこよく感じるとは思わなかった! <最近読んだ本> ◆ おこぼれ姫と円卓の騎士 将軍の憂鬱 (石田 リンネ/ビーズログ文庫) 【amazon】 ◆ おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択 (石田 リンネ/ビーズログ文庫) 【amazon】 目に入る少女小説界隈で今一番ホットなシリーズなんじゃないかと思える「おこぼれ姫」シリーズの3巻と4巻。3巻で一段と面白くなると聞いて、読むの楽しみにしてました。 ほんとにグンと面白くなってました! レティが次期女王としてはじめて外に出て政治に携わるお話だったんですが、いやー政治部分面白い。レティも十分有能なんですけど、ノーザルツ公が切れ者で目ざとくて一筋縄でいかなくて、一本とられたりするのが面白い。こういう年の功に負けるような展開って好きなんですよね。もちろんレティも負けてなくて駆け引き読み応えありました、3巻一冊だけで大分成長したなあ。 2人目作る部分でもレティがかっこいいことこの上ないです。王としてのあり方・人としてのあり方どちらも良くて、クレイグ惹きつけられるのに納得。しかしみんな同じ夢抱きすぎですね、ときめくね! みんな入っちゃうといいです。将来的にはノーザルツ公も狙ってそうな記述ありましたが、どうなんでしょう。 で、3巻の引きですよ。ドカンと大事件もってきて、さらにはルートガーの銃声王って何それで、続き気になりすぎなんですよ。というわけで4巻も一気に読んだら、これがまた面白くてですね。 レティのかっこよさだけでなく、ルートガーの謎、敵の存在、アストリッドの踏み込み、さらには恋愛模様と面白い要素をガツンガツンと入れてきて、目移りしてしまう面白さ。一つ挙げるならアストリッド関連かな。アストリッドを導くレティがかっこいいし、アストリッドの直球な言葉も素敵だし。相互に影響する関係なのもいいなと思います。 でもやっぱり恋愛模様も捨てがたい。個人的には恋愛は二の次で読んできたんですけど、この巻のレティとデューク見たらそんなこと言えなくなりました。危機に来てくれるデューク、そしてありがとう、これはいいもの。最終ページのデュークにもぐっときました、まさかの演技、しかも余裕なしとは。デュークルートは確定でしょうけど簡単にはいかないでしょうし、この先楽しみになりました。 あとは年長組2人が活き活きしてて好きです。ノーザルツ公のレティへの信頼がとても萌える。男性陣で一番好きなのはノーザルツ公かも。クレイグさんも解き放たれて気ままで愉快。この人と一緒にいるせいでどうもノーザルツ公が年寄りに見えるんですが、25歳なんですよね。完全におじさまイメージなんですけどどうしましょう。まあこのままでいいか。 ルートガーは少しでも気が楽になってよかったなあ、王たちがポラリスってのは良かった。ルートガー主役の番外編読みたいです、小冊子か何かで書いてくれないかなあ。それ言い出すと王たち全員分読みたくなるし難しそうですけど。 ここまで読んでシリーズ人気にも納得。5巻も買ってあるのですぐに。亡命でまたナイツオブラウンド増える展開あるかな? 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ 幽霊伯爵の花嫁 彷徨う少女と踊る髑髏の秘密 (宮野 美嘉/ルルル文庫) 【amazon】 サアラの言動が魅力の「幽霊伯爵」シリーズ第6巻。 今回も安定の面白さでした。サアラがサアラらしく、アシェリーゼ様とジェイクが面倒くさくてかわいい、それだけでこのシリーズは面白いんです。サアラらしさが出ればお話も自然と風変わりな展開を見せてくれますし。でも今回の落とし所は変化球よりも正統派、こういう落とし方もいいな。お母様になるとサラッと言うサアラが素敵。 あとは崩落巻き込まれた場面でのサアラの揺らぎが印象的でした。さすがにこのレベルだと動揺があるんですねえ。それでもチラリとしか見せない意志は凄い。その点、過去編でのサアラの姿は新鮮でした。こうやって今のサアラの性格へと向かっていったんだなあ。 次で最終巻なのはちょっと意外。サアラの過去にあまり深入りすることなく、1冊完結な流れで最終巻までいくんですね。最終巻でもサアラがサアラらしいところを見せてくれますように。 評価 ☆☆☆★(7) |